月報司法書士2025年1月岡山大学学術研究院法務学域教授岩藤美智子「遺言信託の対象財産と信託終了時の残余財産の帰属主体」
東京地判令和3年2月2日、東京高裁令和3年(ネ)第1269号、LEX/DB25588155

平成26年5月16日、A公正証書作成。
預貯金および現金の4分の2は、二男Yに相続させる。
預貯金および現金の4分の1は、信託1。

預貯金および現金の4分の1は、信託2。

平成28年8月15日、D死亡。
平成28年11月6日、A死亡。
平成29年10月1日、C死亡し、信託1、信託2が終了。Cの法定相続人はX1、X2。
信託2について、X1・X2が受託者Yに対して不当利得返還請求。
裁判所の判断
・信託2における残余財産の帰属権利者は、信託法182条1項2号によりX1、X2に帰属。遺言による黙示の指定があると認められる。
・信託財産は預貯金のみであり、相続税申告書作成上計上した現金は入らない。一部が不当利得、不法行為が成立する可能性があったとしても、遺言により不当利得返還請求権、不法行為による損害賠償請求権は一般承継人であるYが取得し、信託財産に属しない。
検討
・遺言の解釈による残余財産の帰属権利者の指定の判断。
・民法999条(遺贈の物上代位性)をYが払い戻した現金に類推適用できるか。