月刊登記情報2025年12月号769号

月刊登記情報2025年12月号769号、一般社団法人金融財政事情研究会

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法窓一言 司法書士と災害対策・被災者支援

東京司法書士会 濵口宏明

 災害対策基本法(施策における防災上の配慮等)第8条2項16号被災者の生活の再建に関する事項

 災害救助法(救助の種類等)第4条1項6号福祉サービスの提供

登記等における自然人の住所変更手続の横断整理―住所変更手続漏れの要因分析と予防策―

司法書士 本橋寛樹

 仮登記名義人(不動産登記法59条4号)。根抵当権の債務者(不動産登記法83条1項2号)。信託の登記における委託者、受益者(不動産登記法97条1項1号)。相続人申告登記(不動産登記法76条の3第3項)。

 任意後見契約の委任者、受任者(後見登記等に関する法律5条2項)。

 自筆証書遺言書保管制度の遺言者、受遺者、遺言執行者(法務局における遺言書の保管等に関する法律4条4項)。

商業登記規則逐条解説 第36回

土手敏行

商業登記規則

(電子証明書に係る証明の期間)第三十三条の二 法第十二条の二第一項第二号の期間は、次のいずれかの期間であつて同項の規定による請求をする者が定めるものとする。

一 一月

二 三月の整数倍の期間(二年三月を超えないものに限る。)

 電子認証制度が創設された理由。

 登記情報467号、2000年10月1日、金子直史:法務省民事局付検事「商業登記法等の一部を改正する法律の解説(商業登記法の一部改正関係)」

 期間について。

 登記研究640号、2001年5月30日、横山 亘:東京法務局多摩出張所登記調査官(前法務省民事局商事課主任)、古谷 剛司:法務省民事局商事課係長「商業登記法等の一部を改正する法律等の施行に伴う電子認証事務の取扱いについて(上)」

(電子証明書による証明に適しない事項)

第三十三条の三 法第十二条の二第一項ただし書のデジタル庁令・法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。

一 代表権又は代理権の範囲又は制限に関する定め

二 未成年者登記簿、後見人登記簿又は支配人登記簿に登記された者であること。

三 外国会社の日本における代表者である法人の代表者(当該代表者が法人である場合にあつては、当該外国会社の日本における代表者である法人の代表者の職務を行うべき者)であること。

四 管財人等の職務を行うべき者として指名された者であること。

 本条に掲げる者は、商業登記簿等を確認しなければならないため、電子証明書による証明に適しない。

 登記情報476号、2001年7月1日、横山 亘:東京法務局多摩出張所登記調査官(前法務省民事局商事課主任)、古谷剛司:法務省民事局商事課係長「商業登記所が行う電子認証事務の取扱いについて」

 外国会社の日本における代表者である法人については、外国会社登記簿に商号又は名称及び本店又は主たる事務所のみが記録され、当該法人の代表者は記録されないため。

 登記研究640号P132、平成12年9月29日法務省民四第2274号民事局長通達「商業登記法等の一部を改正する法律等の施行に伴う電子認証事務の取扱いについて」

(電子署名の方法)第三十三条の四 法第十二条の二第一項第一号のデジタル庁令・法務省令で定める措置は、電磁的記録に記録することができる情報に、産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本産業規格(以下「日本産業規格」という。)X五七三一―八の附属書Dに適合する方法であつて同附属書に定めるnの長さの値が二千四十八ビットであるものを講ずる措置とする。 

 商業登記法が電子署名の方法を直接特定しなかったのは、将来、新しい電子署名の技術が実用化された場合に、新しい電子署名の方法もこの制度の対象に取り込むことができるようにするため。

(証明する登記事項)第三十三条の五 法第十二条の二第三項のデジタル庁令・法務省令で定める登記事項は、被証明事項(出生の年月日、支配人である旨及び資格を除く。)とする。ただし、商号使用者にあつては、商号、営業所及び氏名とする。

 出生の年月日は、登記事項ではないから除かれている。支配人である旨及び資格は、登記事項の変更の概念がないから除かれている。

(電子証明書による証明の請求)第三十三条の六 法第十二条の二第一項及び第三項の規定による証明(以下「電子証明書による証明」という。)を請求するには、申請書及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を提出しなければならない。

2 前項の申請書には、次に掲げる事項を記載し、申請人又はその代理人が記名しなければならない。

一 被証明事項(商号使用者にあつては、商号、営業所、氏名、出生の年月日及び商号使用者である旨)

二 代理人によつて請求するときは、その氏名及び住所

三 法第十二条の二第一項第二号の期間

四 手数料の額

五 年月日

六 登記所の表示

3 第一項の申請書又は委任による代理人の権限を証する書面には、申請人が登記所に提出している印鑑を押印しなければならない。

4 第一項の電磁的記録は、次の各号のいずれかに該当する構造の電磁的記録媒体に記録して提出しなければならない。

一 日本産業規格X〇六〇六又はX〇六一〇に適合する一二〇ミリメートル光ディスク

二 内閣総理大臣及び法務大臣の指定する構造の不揮発性半導体記憶装置

5 第一項の電磁的記録には、内閣総理大臣及び法務大臣の指定する方式に従い、次に掲げる事項を記録しなければならない。

一 第二項第一号及び第三号に掲げる事項(出生の年月日を除く。)

二 第三十三条の四の附属書Dに定める公開かぎの値

三 第三十三条の四に定める措置を特定する符号として内閣総理大臣及び法務大臣の指定するもの

四 内閣総理大臣及び法務大臣の指定する方式に従つて申請人が定める識別符号(第三十三条の十三第一項の規定による届出をする者を他の者と区別して識別するためのもの)

6 第一項の電磁的記録には、内閣総理大臣及び法務大臣の指定する方式に従い、当該電磁的記録に記録する商号、その略称若しくは当該電磁的記録に記録する氏名の表音をローマ字その他の符号で表示したもの又は当該商号の訳語若しくはその略称をローマ字その他の符号で表示したものを記録することができる。

7 前項に規定する略称の表音又は訳語若しくはその略称をローマ字その他の符号で表示したものを記録する場合には、第一項の申請書に、定款その他の当該記録する事項を証する書面(法第十九条の二に規定する電磁的記録を含む。)を添付しなければならない。

8 第四項第二号、第五項及び第六項の指定は、告示してしなければならない。

 電磁的記録の定義。

 登記研究869号、2020年7月30日、福永 宏:前法務省民事局付、中村 美穂:前法務省民事局商事課法務専門官、青山 豊克:前法務省民事局商事課電子認証係主任「商業登記規則の一部を改正する省令(令和2年法務省令第1号)の概要」

 登記情報720号、2021年11月1日、青山 琢麿:法務省民事局総務課企画第二係長(前民事局商事課商業法人登記第一係長)、服部 直樹:法務省大臣官房秘書課政策立案連絡調整・政策評価係長(前民事局商事課電子認証係長)「令和3年改正商業登記規則等に基づく商業・法人登記事務の取扱いについて」

 商号、本店、印鑑提出者の資格は、各128文字以内、印鑑提出者の氏名は126文字以内。

 7項のその他の当該記録する事項を証する書面には、原則として英和辞典その他の辞書の写しが該当。

法制審議会だより 法制審議会民法(成年後見等関係)部会、第22回~第24回会議を開催 編集部

https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00008.html

法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会、第5回・第6回会議を開催

編集部

https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00014.html

 株主総会の開催スケジュールの見直し。現物出資制度の見直し。

Column令和7年度司法書士試験の概要

姫野寛之

 登記先例解説集8号、1962年3月25日、香川保一:法務省民事局第三課長「担保権の登記に関する先例の総観(四)―昭和三五年分―(四) 仮登記関係 停止条件付所有権移転の仮登記後条件成就前に仮登記義務者(所有権の登記名義人)が死亡した場合、右の仮登記に基づく本登記の前提としての相続登記の要否(回答)」

 登記研究192号、昭和38年9月28日、民事甲第2660号通達「仮登記に基づく本登記の方法について」

 登記先例解説集29号、1963年12月25日、御園生 進:法務省民事局第三課長補佐、青谷 岩男:法務省民事局第三課長補佐「不動産登記に関する最近の主要通達の解説 四、仮登記に基づく本登記の方法について(昭和三八年九月二八日民事甲第二六六〇号通達)」

 登記研究356号、1977年7月20日、質疑応答【五三八二】「仮登記の本登記」

 登記情報600号、2011年11月1日、登記官の目「相続登記における一考察~最近の2題の照会事案から」

 登記研究866号、2020年4月30日【実務の視点】(113)

 登記研究869号、2020年7月30日、藤原 勇喜:藤原民事法研究所代表「不動産登記をめぐる諸問題についての若干の考察(14)」

 登記先例解説集46号、1965年5月25日、青谷岩男:法務省民事局第三課長補佐「不動産登記に関する最近の主要通達について 二、相続登記の省略の可否について(昭和四〇年三月三〇日付民事三発第三〇九号民事局第三課長回答)」

目で見る筆界の調査・認定事例第20回・完 共有登記名義人の一部の者の立会い確認により筆界を認定した事案

富山地方法務局砺波支局長 角間隆夫(日本土地家屋調査士会連合会業務部協力)

 指針発出時のQ&A、筆界の認定は、登記官が考える筆界と所有権登記名義人等の認識に齟齬がないことが1つの判断要素といえるが、当該土地の筆界を知ると思われる共有登記名義人等の少なくとも一人以上の認識が確認できていれば最低限満たすと考えてよい。

公図で識しる日本第9回 鎌倉―幻の稲村ヶ崎―

土地家屋調査士 西村和洋

 地目廃土手敷。

リスクベース・アプローチに基づくマネロン対策⒅―“司法書士ガイドライン”から考える―

司法書士 末光祐一

 外国との取引。

 犯罪による収益の移転防止に関する法律(疑わしい取引の届出等)第8条4項 特定事業者(その役員及び使用人を含む。)は、第一項又は第二項の規定による届出(以下「疑わしい取引の届出」という。)を行おうとすること又は行ったことを当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならない。

 法人の実質的支配者について。自己株式がある場合。無議決権株式(会社法108条1項3号)がある場合。子会社の場合は犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則11条2項1号。

簡裁訴訟代理等能力認定考査のための要件事実入門第6回 錯誤(民法95条)と規範的要件

弁護士 大島眞一

 客観的に重要な基礎事情の錯誤が相手方に表示されていること。表意者に重大な過失があることを基礎付ける具体的事実。相手方が表意者に錯誤があったことを知っていた・重大な過失によって知らなかった・表意者と同一の錯誤に陥っていた。

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