市民と法152号2025年4月、(一社)民事法研究会
大論公論 「原点」――あるべき司法書士として働く――
全国青年司法書士協議会会長 加藤 圭
今、司法書士が社会にとって必要とされているのか、境界線に立っている。
【論説/解説】
・現代相続における司法書士の役割についての研究―時代に合致した司法書士による手続支援モデルの構築と提案―
日本司法書士会連合会司法書士総合研究所業務開発研究部会主任研究員・司法書士 石田光曠、研究員・司法書士 平野次郎、研究員・司法書士 村上 毅、研究員・司法書士 小坂和義、研究員・司法書士 宮澤智史
英米法採用国・・・管理清算主義。
大陸法採用国・・・当然承継主義(実務では管理者による事実上の管理清算型相続手続き)。
報酬基準の法定。日本版相続証明情報の提案。遺産分割協議への専門職の関与の仕方。生前対策としてエンディングノート普及の必要性。日本版代表者登記制度の導入提案。ファシリテータとは、舵取り役・仕切り役。
・AI技術・弁護士法・司法書士法から照射される士業の制度的正当(統)性の根拠と課題―自己決定権とパターナリズムの相克・情報の非対称性の観点からの省察―
日本司法書士会連合会司法書士総合研究所司法・司法書士制度研究部会主任研究員・司法書士 木曽雄高
弁護士法、司法書士法は国家が父権的に市場に介入することを趣旨として法律であり、情報の非対称性を解消という機能を有している限り、正当性を見出すことが出来る。
Aiが法的権利義務帰属主体になり得るかについて・・・経済的な補償は可能かもしれませんが、身体の拘束が不可能なので難しいと感じます。
・会社秘書役制度に関する調査と法定手続の不遵守是正の提言
日本司法書士会連合会司法書士総合研究所商業登記制度研究部会主任研究員・司法書士 神沼博充、研究員・司法書士 坂本佳弥子、研究員・司法書士 岩本直也、研究員・司法書士 齊藤詩織、研究員・司法書士 岩﨑 諭
イギリスの会社秘書役は、会社法改正により、取締役の補助者から、会社の業務管理に係る総責任者的な位置づけに機能・責任が拡大。
https://www.gov.uk/limited-company-formation/appoint-directors-and-company-secretaries
オーストラリア、香港、シンガポール、マレーシアにおける会社秘書役の紹介。
日本に会社秘書役を置く場合のイメージとしては、会計参与の法的手続版。
・大深度地下使用法の現状と課題
島根県立大学名誉教授 平松弘光
大深度地下の公共的使用に関する特別措置法
https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000087
【特集】国土安全保障と土地法
Ⅰ 企画趣旨
大阪公立大学教授 久末弥生
国土交通省 WISENET(ワイズネット)2050
https://www.mlit.go.jp/road/wisenet_policies
Ⅱ 縮小社会に適応する地域空間管理法制と法的課題―老朽危険空き家対策を素材として―
上智大学教授 北村喜宣
民法の公法化、土地基本法の改正、空家等対策の推進に関する特別措置法の制定。指導、勧告、命令を受けた者が死亡した場合の効力。長屋。市区町村長の申立てによる成年後見制度の利用に代わる、民事訴訟法35条の特別代理人制度の利用検討。
Ⅲ 遊水地地役権の展開と課題
拓殖大学教授 奥田進一
特定都市河川浸水被害対策法
https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000077
明渡執行の考え方と諸問題
元大阪地方裁判所執行官 櫻井俊之
土地の特定
原則・・・土地上に境界標識が存在する場合は検尺を基に見取図を作成。境界標識等が存在せず土地の境界が執行場所を特定した図面を添付。
例外・・・法務局に目的土地と同一の地積測量図が存在する場合は図面等添付不要。基点からの距離が示されていない地積測量図は検尺して見取図の作成。
未登記建物
家屋番号・・・未登記と記載。
相続・今昔ものがたり(46)――事例で読み解く相続実務――
法制史学会会員・司法書士 末光祐一
〔付録〕相続の欠格(その3)
家督相続人の不選定の場合に新民法附則25条2項が被相続人の死亡時にさかのぼって新民法が適用されるとき、その新民法の規律がどこまで適用されるのか。
登記研究35号P30、昭和25年10月7日民事甲第2682号民事局長回答、家督相続人不選定と旧民法中の数次相続。
信託契約書から学ぶ民事信託支援業務(11)反社条項と FATF 勧告(1)
司法書士 渋谷陽一郎
日司連ガイドラインの作成経緯が公開されていないこと。日本司法書士会連合会「民信託支援業務の執務ガイドライン」と「司法書士及び司法書士法人の業務のマネー・ロンダリング及びテロ資金供与に関するガイドライン」の関係。
令和6年4月17日財務省「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画(2024-2026年度)」