1 委託者の意思能力
公正証書により信託契約を作成したからといって必ずしも委託者の意思能力が否定されるリスクは完全に回避できるわけではない。
2 受託者の知識・能力
不動産や株式、多額の金銭などが信託される場合は、税理士やファイナンシャルプランナーなどのサポートが必要
3 受託者の監督
受託者と受益者との利益相反関係について・・・委託者が、信託契約設定の時点で、受託者が残余財産の帰属権利者になることを承諾して、契約書に記載する。
受託者のサポート体制・・・私は、受託者や市民後見人、親族後見人をサポートできる体制を沖縄で作りたい。まずは、現在行っている親族後見人のサポートを土台として研究、実践していきたい。
4 受託者の任務終了
受託者の判断能力低下時に対するスムーズな新受託者への交代・・・特に株式等が信託財産に入っている場合、経営がストップしかねない。遠藤英嗣「新しい家族信託」には、後見開始の審判申立時(審判が下りる前)に「当然に」受託者の任務は終了する「ものとする」との記載もあるが、ものとするというのは、強制力はないわけで完全に回避できるとは限らない。それは「当然に」という文言が入っても変わらないのではないかと思います。
受託者も年齢・健康に応じ、任意代理契約を締結しておくことで回避することはできないかと考えます。
5 遺留分の侵害
遺留分の侵害があったとして、遺留分請求がなされ請求が認められた場合、不動産や株式など所有権の共有は避けたいところです。
遺言により遺留分減殺割合の順序指定をしておくことも一つの方法だと考えます。
参考:「信託フォーラム6」「家族信託の実態把握と課題の整理に関する研究会」報告書より
公益財団法人トラスト未来フォーラム 2016年8月1日