家族信託実務ガイド[1]の宮田浩志「信託内容の変更条項」からです。
信託契約書において、信託内容の変更条項が盛り込まれているケースは多いです。この場合、「受益者は、受託者との合意により、本件信託の内容を変更することができる。」という条項が一般的です。
「「受益者は、受託者との合意により、本件信託の内容を変更することができる。」という条項が一般的です。」。そうなんでしょうか。知りませんでした。信託法149条を根拠としているように記載されていますが、委託者が抜けています。また契約条項の記載方法は、改善の余地がある様に思います。
信託内容の変更ができなくなるリスクと信託法149条2項2号の趣旨も踏まえ、例えば、受益者との受託者の合意による変更を原則としつつも、「受託者が本件信託の目的に反しないことおよび受益者の利益に適合することが明らかであると判断したときは、受託者は単独で本件信託の内容を変更することができる。」という条項を置くことも良策となり得るでしょう。
私は考え方が逆ではないかなと思いました。信託法149条を原則として(条項としては、「その他信託法の定めによる、など。」。)、例外を信託法149条4項で追加したり削ったりして構成していくものだと考えます。「本件信託の目的に反しないことおよび受益者の利益に適合することが明らかであると判断したとき」には、客観的な基準が必要だと考えます。
受託者単独で変更できる条項のニーズ
信託の目的に反しないことおよび受益者の利益に適合することが明らかである場合の典型的なケースとしては、信託内融資をうける(受託者が信託財産の維持・形成のために、信託財産責任負担債務として金融機関等から借入れをする)場合が考えられます。
文章の意味が分かりませんでした。どうして信託内融資を受けるケースが、信託の目的に反しないことおよび受益者の利益に適合することが明らかである場合と結びつくのでしょうか。題目の、受託者単独で変更できる条項のニーズも含めて読むということなんでしょうか。また、金融機関の求めに応じて信託の変更を公正証書化する場合に実務的には大きな意味がある、というようなことが記載されていますが、信託内融資を受けるケースは信託の目的に反しないことと、受益者の利益に適合することが明らかであると判断できるのが前提なのでしょうか。よく分かりませんでした。もし不動産の信託目録に記録している場合、登記原因証明情報にどのような記載をするのか気になります。
軽微な変更は受託者単独でできるような規定を置くこと、あるいは信託監督人を置くケースでは、受託者と信託監督人の合意で変更出来るようにしておくことも検討すべきといえます。ただし、受益者代理人を置く場合は、受益者代理人は受益者本人と同等の権利行使が可能なので、大原則である受託者と受益者の合意で変更できる旨があれば、リスクは回避できる、という結論になります。
「あるいは、」、「ただし、」、「結論になります。」がどのように繋がっているのか、私だけかもしれませんが分かりませんでした。記事全体に関しては、「一般的です。」「実は、」「実務的には大きな意味を持っています。」「後見人等に多数就任中」「全国からの相談が後を絶たない。」「先駆的な存在」「日本屈指」などはどのように読めばいいのか分かりませんでした。
[1] 2021年5月第21号日本法令P73~