第2次受益者の指定に関する定めの意味は何か

 信託フォーラム[1]の記事、渋谷陽一郎「第2次受益者の指定に関する定めの意味は何か」を基に考えてみます。

第2次受益者となるべき者の定めが、信託契約上、存在しているにもかかわらず、登記代理人が、2次受益者となるべき者の指定の定めを、信託目録に記録すべき情報として提供せず、信託登記の登記事項として記録しなかった場合はどうなるのだろうか。―中略―信託目録上、受益権の相続を禁止する旨の定めが存在しないのであれば、次のような場面があり得る。受益者の相続人が、受益権を相続財産と信じて(あるいは信託に基づく遺産承継の形に反して)、相続による受益者変更の登記申請を、受益者による登記申請権の代位行使(申請)によって、受託者に代わっておこなうような場面が想定できる。そのような場合、登記官は、正当な理由なしには、当該登記申請を却下することはできない。

・前提

1 登記申請時に提供された登記原因証明情報には、第2次受益者となるべき者の指定の定めはなく、受益者指定権などのその他の受益者に関する定めはない。

2 登記記録の信託目録には、第2次受益者となるべき者の指定の定めがない。

考えること

1 受益権の相続を禁止する旨の定めは有効か。

 受益債権が相続される、ということは私でも理解しやすいです。受益権が相続されるか、というのは信託法182条2項が根拠になっているのかなと思いますが、記事に明示されているわけではないので、私には分かりませんでした。

 受益権の相続を禁止することは可能か、と問われると、信託法88条1項ただし書きが制限付きを許容するのみで、禁止については言及していないことから、信託行為で受益権の相続を禁止することは出来ないのではないかなと考えます。別途、民法891条、892条、893条、908条などの行為が必要なのではないかと考えます。

2 受益者の相続人が、受益権を相続財産と信じて(あるいは信託に基づく遺産承継の形に反して)、受益者変更の登記申請を行う場合、信託目録の受益者変更の原因を相続とすることは可能か。

 私は、このような場合、信託目録における原因は「【前受益者の氏名】の死亡」であると考えていましたが、書籍によると「相続」という記載もあるようです。意味は同じだから、統一されてはいないということでしょうか。


[1] Vol.15日本加除出版2021年4月P138~