泉康生「信託で円滑な事業承継を実現するために司法書士ができること」他

家族信託実務ガイド[1]の記事からです。

(1)有価証券管理等信託設定契約書の作成

 私はこのような題名の契約書を観る度に感じるのが、「有価証券管理等」という言葉をいれる必要があるのかなということです。この記事では株式会社の株式(評価額は記事では不明)と金銭5000万円が信託財産に属する財産として設定されています。金銭に関して、少ないとはいえない額です。管理等の中に入っていると思いますが、遺言のような承継機能を持った設計になっています。信託契約書に財産の種類や信託事務の態様などを記載してしまうと、違法でなく実務で認められていれば自由に信託設定が出来る財産の幅を狭め、信託設定時に多様な組み合わせが可能な信託事務の幅を狭めてしまわないかなと感じます。

依頼者Mの希望

―中略―

自分が元気なうちは、A社に対する決定権は自分が持っておきたいし、今後も、会社経営が順調な間は、毎年配当金を受け取りたい。

―中略―

議決権行使指図人:M

 任意後見契約の締結は見送ったと記載されていたので、Mの議決権行使の指図権がどのような条件で消滅するのか気になりました。

植野直孝「育てた事業を次世代に遺す実子以外の親族への事業承継」

 上の記事に関して印象に残ったのは、2019年12月に相談を受けて、抹消されていなかった抵当権の抹消登記を済ませ、2020年3月に公証役場で信託契約書を作成したスピード感でした。現在、私は公証役場の予約も半年待ちです。予約前に手遅れになってしまった件もあります。地域性があるのかなと思うと同時に、金融機関などの協力があれば信託契約書を公正証書化しなくても信託口口座を作成できるように実務を組み立てる必要もあるのかなと思いました。その後に受託者と受益者代理人か次順位の受益者でその時の信託契約を確認するため公正証書を作成する、というようなやり方もあるかもしれません。

オリックス銀行(株)吉田紀美子×家族信託実務ガイド編集部

 上の記事では、信託口口座の開設を、非対面(郵送とネット)で可能にしたという箇所です。今後、場所を問わなくなってくるのかなと感じます。

斎藤竜「顧客目線で考える専門家サービスを商品化する方法とは?」

取引先開拓で意識しておくべきは、エンドユーザーと取引先の悩みは違うということです。ここを間違えていると取引先の課題を解決できないばかりか、お客さんを紹介してほしいという、仕事だけを求める下請け的なポジションとなってしまいます。

 私には良く分かりませんでした。取引先には業務支援の顧問型商品、エンドユーザーには課題解決の提案、というような内容のようです。問題解決という範囲では同じなのかなと思いました。事業と家計の違いをいっているのかもしれません。

[1] 2021.2第20号日本法令