民事信託手続準則案1

民事信託手続準則案[1]

(3)組成コンサルティング

司法書士が民事信託組成コンサルティングを行う場合、当該司法書士は、司法書士法3条1項5号または7号の相談規定・規律に即して行うことを要し、関連法令の遵守に留意する必要がある。

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司法書士が「組成」という言葉を使うようになったのは、民事信託契約書を作成するようになってからだと思います。

私は組成ではなく、民事信託契約書の作成といっています。

「コンサルティング」は、会社法を専門とする一部の司法書士が使うことがありました。「登記は誰がやっても同じ。受託ではなく提案だ。今からはコンサルが出来ないと。セミナーだ。講演だ。」という方がいつの時代も一定数いるような気がします。

ただし、登記に非常に詳しい人ほど経営にも詳しいんじゃないかというのが私の肌感覚です。経営にも詳しいというのは、経営者として能力がある(司法書士事務所を大規模にする。)、ということではなく、登記をきっちり出来るから経営者から相談されやすい。その相談にも司法書士の立場から調べて答えていくから、経営にも自然と詳しくなっていく、という意味です。

 本記事にあるように、「内実は、法律相談と一般的情報提供が混在している。」というのが司法書士法と現在の地域の状況に照らして妥当なところだと感じます。

 一般的情報提供と提案の区別はそれぞれの判断だと考えます。

メルクマークを付けたいところですが、今のところ私には分かりません。

相手が法人の場合

・業種は何か、お金のやり取りの有無・頻度・金額、仕事の紹介があるか、

仕事の紹介先は、紹介された司法書士以外を選ぶことが可能な状態か。

相手が個人の場合

・前提知識の程度、だれからの紹介か・HP、書籍など、セミナーを受けた

などの積み上げで考えていくのかな、と考えています。

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(4)信託契約書の鑑定

他人が作成した信託契約書の内容に対する鑑定を報酬を得て行う業務を依頼された場合、依頼された司法書士の当該業務は、司法書士法上、正当業務として許容される範囲で行う。なお、当該司法書士が、その善管注意義務(法令実務精通義務)を怠り、当該業務の方法や内容等に過誤を生じることで、信託契約書を作成した他人その他の利害関係人に対して損害を与えた場合、当該司法書士は、同損害を回復するため誠実に対応しなければならない。

(5)報酬算定方法

委任を受けた信託登記代理の付随業務または簡裁訴訟代理等関係業務としての民事信託支援業務を行う場合、その業務の報酬算定方法は、司法書士法上の業務規定を法令遵守し、受任方法の法的性格に即した合理的なものであることを、依頼者に対して書面を交付して十分に説明したうえ、依頼者から承諾を得ることを要する。

(6)双方受任と利益相反の回避

司法書士が信託登記代理の登記原因証明情報として民事信託契約書の作成の受任を行う場合、司法書士は、双方受任の利益相反回避措置を行い、信託当事者に対して双方受任のリスクを説明し、信託当事者の双方から承諾を得なければならない。


[1] 渋谷陽一郎「民事信託支援業務の手続準則試論(1)~(3)」『市民と法』№113~№115(株)民事法研究会