民事信託について

Aは私見です。

Q 信託目的と信託の目的(信託法2条1項)はどちらがよいか。

A 法律文書なので、可能な限り条文の通りに利用するのがよいと思います。。

Q 信託の目的は、箇条書きが良いのか。

A 限らない。読みやすさと意味が明確に分かることが重要。信託財産に属する財産として不動産がある場合、信託目録への記録をどのように記録するかを予め考えることも必要。

Q 信託の目的は、可能な限り具体的な記載が良いのか。

A 限らない。幅を取る事案もある。

Q 信託の目的に優劣を付けることもあり得るか。

A 原則として付けない。劣後する事柄を信託の目的から外す。

Q 信託契約の効力発生に停止条件を付ける場合、考慮することは何か。

A 必ず来ること(例:受託者が●歳になったとき)なら、停止条件を付けてもよいのではないかと思います。

Q 信託財産に属する財産について、不動産がある場合、所有権の移転時期について記載する必要があるか。

A 信託行為の効力発生日と同じ日である場合、記載する必要はない。異なるときは記載が必要。

Q 信託行為に瑕疵という用語は利用した方が良いのか。契約不適合責任(民法 562 条)という用語の方がよいのか。

A 分かりませんでした。条項を置く必要についても分かりませんでした。土地工作物責任については、条項を入れています。

民法(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

Q 信託行為について、「付保」という用語を利用する必要があるか。

A 受託者が理解出来るなら利用してよいと思います。

Q 追加信託の方法は、委託者と受託者の合意か。

A 委託者の地位の移転と併せて、受益者と受託者の合意による、としています。ただし、不動産登記申請については申請構造上異なります。

Q 道垣内弘人先生の書籍に記載されている事柄については、影響が大きいので、訴訟等になっても書籍記載の通りに記載しておけば大丈夫なのか。

A 分かりませんでした。

Q 信託財産責任負担債務について、民法上の債務引受契約についても信託行為に記録する必要があるか。

A 必要性が分かりませんでした。

参考 民法第四百七十条から第四百七十二条の四 

(信託財産責任負担債務の範囲)第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。

―中略―

二 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利

三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの

Q 委託者の権利は、承継しない方がよいのか。

A 受益者連続型の信託について、上の追加信託の条項では、預貯金などの追加信託が出来なくなってもよければ、承継しないこともあり得ると思います。

参考 信託法(委託者の地位の移転)第百四十六条 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、又は信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。

2 委託者が二人以上ある信託における前項の規定の適用については、同項中「受託者及び受益者」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。

(遺言信託における委託者の相続人)第百四十七条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合には、委託者の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

民法(相続の一般的効力)第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

Q 受託者の任務終了事由について、補助開始審判の開始、任意後見監督人の選任審判の開始を定め、不動産登記申請(受託者の変更)について共同申請を行うことは、慎重になるべきか。

A 入れても良いと思います。

(受託者の変更による登記等)

第百条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。

2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。

Q 受託者の事務は具体的に記載されない場合、登記官などから権限がない、と理解されてしまう恐れがあるか。

A 原則として、信託法29条1項により信託の本旨の範囲内で事務を行うことが出来る。ただし、登記(抵当権設定登記申請)関係に関しては、後続登記のために、信託目録に記録しておくようにする。

信託法(受託者の注意義務)

第二十九条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。

相続税法(贈与又は遺贈により取得したものとみなす信託に関する権利)

第九条の二 信託(退職年金の支給を目的とする信託その他の信託で政令で定めるものを除く。以下同じ。)の効力が生じた場合において、適正な対価を負担せずに当該信託の受益者等(受益者としての権利を現に有する者及び特定委託者をいう。以下この節において同じ。となる者があるときは、当該信託の効力が生じた時において、当該信託の受益者等となる者は、当該信託に関する権利を当該信託の委託者から贈与(当該委託者の死亡に基因して当該信託の効力が生じた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

2 受益者等の存する信託について、適正な対価を負担せずに新たに当該信託の受益者等が存するに至つた場合(第四項の規定の適用がある場合を除く。)には、当該受益者等が存するに至つた時において、当該信託の受益者等となる者は、当該信託に関する権利を当該信託の受益者等であつた者から贈与(当該受益者等であつた者の死亡に基因して受益者等が存するに至つた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

3 受益者等の存する信託について、当該信託の一部の受益者等が存しなくなつた場合において、適正な対価を負担せずに既に当該信託の受益者等である者が当該信託に関する権利について新たに利益を受けることとなるときは、当該信託の一部の受益者等が存しなくなつた時において、当該利益を受ける者は、当該利益を当該信託の一部の受益者等であつた者から贈与(当該受益者等であつた者の死亡に基因して当該利益を受けた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

4 受益者等の存する信託が終了した場合において、適正な対価を負担せずに当該信託の残余財産の給付を受けるべき、又は帰属すべき者となる者があるときは、当該給付を受けるべき、又は帰属すべき者となつた時において、当該信託の残余財産の給付を受けるべき、又は帰属すべき者となつた者は、当該信託の残余財産(当該信託の終了の直前においてその者が当該信託の受益者等であつた場合には、当該受益者等として有していた当該信託に関する権利に相当するものを除く。)を当該信託の受益者等から贈与(当該受益者等の死亡に基因して当該信託が終了した場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

5 第一項の「特定委託者」とは、信託の変更をする権限(軽微な変更をする権限として政令で定めるものを除く。)を現に有し、かつ、当該信託の信託財産の給付を受けることとされている者(受益者を除く。)をいう。

6 第一項から第三項までの規定により贈与又は遺贈により取得したものとみなされる信託に関する権利又は利益を取得した者は、当該信託の信託財産に属する資産及び負債を取得し、又は承継したものとみなして、この法律(第四十一条第二項を除く。)の規定を適用する。ただし、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第二十九号(定義)に規定する集団投資信託、同条第二十九号の二に規定する法人課税信託又は同法第十二条第四項第一号(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)に規定する退職年金等信託の信託財産に属する資産及び負債については、この限りでない。

所得税法(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)

第十三条 信託の受益者(受益者としての権利を現に有するものに限る。)は当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなし、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用は当該受益者の収益及び費用とみなして、この法律の規定を適用する。ただし、集団投資信託、退職年金等信託又は法人課税信託の信託財産に属する資産及び負債並びに当該信託財産に帰せられる収益及び費用については、この限りでない。

2 信託の変更をする権限(軽微な変更をする権限として政令で定めるものを除く。)を現に有し、かつ、当該信託の信託財産の給付を受けることとされている者(受益者を除く。)は、前項に規定する受益者とみなして、同項の規定を適用する。

Q 残余財産の帰属先を信託行為で定めない場合はあるか。信託法182条、同法183条。

A 分かりませんでした。

信託法(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)

第九十一条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。

Q 信託の期間を10年、30年と定めることはあるか。

A 分かりませんでした。その他の信託の終了事由が定められ、信託の変更方法の定め方次第ではあり得るのかなと感じます。

財産評価通達

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/08/08.htm#a-202

(信託受益権の評価)

202 信託の利益を受ける権利の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(平11課評2-12外・平12課評2-4外改正)

(1) 元本と収益との受益者が同一人である場合においては、この通達に定めるところにより評価した課税時期における信託財産の価額によって評価する。

(2) 元本と収益との受益者が元本及び収益の一部を受ける場合においては、この通達に定めるところにより評価した課税時期における信託財産の価額にその受益割合を乗じて計算した価額によって評価する。

(3) 元本の受益者と収益の受益者とが異なる場合においては、次に掲げる価額によって評価する。

イ 元本を受益する場合は、この通達に定めるところにより評価した課税時期における信託財産の価額から、ロにより評価した収益受益者に帰属する信託の利益を受ける権利の価額を控除した価額

ロ 収益を受益する場合は、課税時期の現況において推算した受益者が将来受けるべき利益の価額ごとに課税時期からそれぞれの受益の時期までの期間に応ずる基準年利率による複利現価率を乗じて計算した金額の合計額

Q 住宅ローンを信託財産責任負担債務にした場合、債務控除は可能か。

A 分かりませんでした。参考:相続税法9条の2第2項、第6項。住宅ローンのみなのでしょうか。

Q 金融機関で、司法書士、行政書士、税理士が作成した信託契約書(案)を公正証書化した信託行為に基づいて、信託口口座を開設することは可能か。

A 金融機関によると思います。

Q 信託口口座は必要ない、と現在言われているのか。

A 私は聴いたことがないので、分かりませんでした。

Q 信託の目的は、7割から8割決まっているのか。

A 分かりませんでした。

Q 信託行為中に、受託者の権限として借入れを記載する必要があるか。

A 金融機関との事前確認によると思います。

Q 信託行為中に、信託の効力発生日を記載する必要があるか。

A 分かりませんでした。参考:信託法4条

民法(消費貸借)第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

(寄託)第六百五十七条 寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる

Q 信託行為中に、信託財産である有価証券について、受託者が運用できることを記載する必要があるか。

A 受益者に不利益をもたらす可能性がある以上、必要だと思います。

Q 1000万円の金銭を信託財産に属する財産とする信託行為において、10万円の信託口口座を開設することがあるか。

A 分かりませんでした。

Q 追加信託の条項は、委託者が信託口口座に振込みを行った場合、追加信託の成立とみなす、という記載でよいか。

A 分かりませんでした。この条項だと、追加信託のために合意書などを利用する必要がなくなるのかなと感じました。

信託法(信託財産責任負担債務の範囲)

第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。

―中略―

三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの

―中略―

五 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利

Q 信託行為に、信託法56条1項各号を全て記載する必要があるか。

A それぞれの立場の方によるのかなと思いました。

Q 後継受託者の定めについて、「受託者の死亡により任務が終了したときは、」とのみ記載した場合、注意することはあるか。

A 信託法56条1項但し書きが適用される可能性があると思います(後見開始又は保佐開始の審判を受けた場合、受託者が破産手続開始の決定を受けた場合には任務が終了しない。)。

Q 株式会社が受託者となる場合、他の事業と兼業可能か。定款の目的に、信託業法の適用を受けない受託者に就任すること、などの記載が必要か。

A 分かりませんでした。それぞれの立場の方の考え方だと思います。