「家族信託ファクトブック2020」を読んで

「家族信託ファクトブック2020」(2020年11月、一般社団法人家族信託普及協会)からです。

・家族信託と他の制度との違い  生前の財産管理を担う役割

委任契約で身上監護が出来ないとの記載がありますが、可能ではないかなと思いました。

成年後見制度の中に任意後見と法定後見が含まれていますが、分けても良いのかなと感じます。

・不動産を信託財産とした場合の登記簿の記載

 私なら登記記録と表示します。信託条項の信託財産の管理方法に、「受託者は、信託不動産について所有権移転または所有権保存の登記及び信託の登記手続きを行うこととする。」と記載がありますが、私は登記申請情報に記載していません。委託者と受託者から、登記申請に関する委任契約(差し入れ方式)を締結するからです。

 ・家族信託に必要なコスト

「信託財産の数」及び不動産であれば「固定資産評価額」連動の費用設定が一般的、との記載があります。費用設定ではなくて報酬計算方法で、確かにそのような計算方法が多いような感触があります。

組成に関わる費用例

総資産 5,000 万円のケース(基本財産:自宅+現金少々)

I:信託組成コンサルティングフィー 32 万円(内訳:コーディネート費用 10 万円、専門家契約書作成等費用 22 万円)。

・概ね固定資産評価額の 0.5~1%程度が組成までのコスト

・組成後の信託登記手続きは概ね固定資産評価額の 0.5~0.9%程度(登録免許税含む)

 0.5%と1%では、結構な差が出てくると思います(5000万円だと25万円~50万円)。皆さんどのような基準を持っているのかなと思いました。手続きの数や難易度で決めるのか最初から決めているのでしょうか。

所有権移転(保存)及び信託登記申請手続きに関しては、報酬が固定資産評価額の0.1%から0.5%―(不動産の数×1,000円)で計算されているのだと思います。固定資産税評額5,000万円、土地と建物で不動産2つの場合、48,000円から248,000になります。かなり幅がありますが、信託目録の記録事項について時間がどの位かかるのかで決めているのかなと想像しました。

PAGE TOP