登記研究931号令和7年9月号

登記研究931号(令和7年9月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html

【論説・解説】■不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(旧氏併記関係)(2)

東京地方裁判所判事(前法務省民事局付)森 下 宏 輝、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省民事局商事課補佐官(前法務省民事局民事第二課補佐官) 太 田 裕 介

第3 施行通達の解説

 ○第2部 旧氏併記に関する事務の取扱い

  ○第3 登記申請を伴わない旧氏併記の申出

 登記記録の住所と現在の住所が異なっていても、前提として住所変更の登記申請を要しない。住所変更の繋がりを証する情報の提供は要する。ページ数の記載があれば契印不要。

 登記申請を伴わない旧氏併記の申出に対する登記官の応答に行政処分性はないと考えられるが、申出に対する登記官の応答の有無を明確化するため、却下の手続が設けられる。

 書面申出を行った場合の取下げは、申出書への押印が不要なため、申出人の本人確認情報の提示が必要と考えられている。

■ポイント解説 基礎から考える商業登記実務(第12回)

東京法務局民事行政部第一法人登記部門首席登記官 山 森 航 太

ポイント:商業登記の申請の取下げについて

1 はじめに

2 商業登記の申請の取下げの態様

3 商業登記の申請の取下げの手続

 (1) 取下書の提出又は送付

登記研究87号P33、昭和29年12月25日民事甲第2637号通達「登記申請の取下に関する取扱について」

 取下書には、取下の理由記載が必要。申請の取下が欠缺補正のためのものである場合には、特別の受任を要せず、したがって委任状を添付させる必要はないが、その他の場合においては、特別の受任を必要とするから、登記申請意思の撤回、などの受任事項を記載した委任状を添付する必要がある。

 (2) 商業登記の申請の取下げに係る委任状の添付

 登記申請の際に添付する委任状の委任事項に、申請意思の撤回と記載されていても、登記申請と登記申請意思の撤回は相矛盾するので、委任者が受任者に対して権限を与えたとは解されない。

 (3) 取下書又は取下げに係る委任状への押印

 商業登記の申請と同時に印鑑を提出する場合。設立登記申請等のときは、取下げの時点において登記所に提出している印鑑は存在しないため、提出する印鑑を押印。印鑑(改印)届は、登記所に保存するため、還付されない。

4 オンライン登記申請を取り下げる場合の留意点

 (1) 取下書情報を登記所に提供して取り下げる場合

 (2) 代理人によるオンライン登記申請を登記申請意思の撤回により取り下げる場合

 (3) 取下書の提出又は送付によって取り下げる場合

 (4) オンライン登記申請に補正すべき点があるかどうか不明な場合

5 商業登記申請の取下げに係る登記所における手続

 (1) 受付帳の処理及び取下書又は取下書情報の処理(商登準則第54条第3項、第4項、第8項)

 (2) 商業登記の申請書又は申請情報及び添付書面の処理(商登準則第54条第5項、第6項、第8項)

 還付する書類の全ての写しを作成し、申請書類つづり込みにつづり込む。

 (3) 登録免許税の処理

 登録免許税は登記によって当事者が利益を受けるために課税されるもの。

登記研究805号P178、平成26年5月9日法務省民二第272号法務省民事局民事第二課長・法務省民事局商事課長依命通知「登録免許税の還付金を代理受領するための委任状の様式について」

6 特殊な取下げの手続(他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記の申請の取下げ)

登記研究202号P59、昭和39年8月6日民事甲第2712号民事局長通達「会社の本店移転の登記申請の取下について(商通第五十五号)」

登記研究346号P93、1976年9月20日質疑応答【五二八二】「会社の本店移転の登記申請の取下げについて」

7 おわりに

■逐条解説不動産登記規則(60)

元法務省民事局民事第二課地図企画官 小宮山 秀 史

第110条 土地の滅失の登記

第百十条 登記官は、前条の場合において、滅失した土地が他の不動産と共に所有権以外の権利の目的であったとき(その旨が登記記録に記録されている場合に限る。)は、当該他の不動産の登記記録の乙区に、滅失した土地の不動産所在事項並びに滅失の原因及び当該土地が滅失したことを記録し、かつ、当該滅失した土地が当該他の不動産と共に権利の目的である旨の記録における当該滅失した土地の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。

2 登記官は、滅失した土地が他の不動産と共に担保権の目的であったときは、前項の規定による記録(滅失した土地の不動産所在事項の記録を除く。)は、共同担保目録にしなければならない。

3 登記官は、第一項の場合において、当該他の不動産が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、その旨を当該他の登記所に通知しなければならない。

4 前項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項及び第二項の規定による登記をしなければならない。

 滅失した土地が他の不動産と共に所有権以外の権利の目的であったときの登記の処理の定め。

■家族の変遷(過去・現代・未来)(4)

広島大学・法科大学院 客員教授 小 川 富 之

第4 明治初期から法典論争に至る議論と「家」制度

 法務省 我が国における氏の制度の変遷

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji36-02.html

【法 令】老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律(第1条関係)新旧対照条文 (令和7年5月30日法律第47号)

租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(令和7年8月1日財務省令第59号)

【訓令・通達・回答】▽不動産登記関係

〔6262〕租税特別措置法第82条の2に基づく登録免許税の免税に係る証明書の様式について(令和6年11月21日付け法務省民二第1616号法務局民事行政部長、地方法務局長宛て法務省民事局民事第二課長依命通知)

 

〔6263〕不動産登記事務取扱手続準則の一部改正について(令和6年12月2日付け法務省民二第1675号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 本人確認情報。

〔6264〕行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の一部等の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(令和6年12月2日付け法務省民二第1676号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 資格確認書(不動産登記規則72条2項第2号)の新設。

▽商業・法人登記関係

〔6265〕「商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規則の施行に伴う事務の取扱いについて(令和3年9月17日付け法務省民商第159号民事局長通達)」の一部改正について(令和7年3月21日付け法務省民商第42号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

〔6266〕商業・法人登記における印鑑関係事務取扱要領の一部改正について(令和7年3月24日付け法務省民商第48号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 管轄外に本店移転登記をした場合の印鑑の取扱い。

特例有限会社、取締役2名、代表取締役1名から、代表取締役の登記を抹消した場合の印鑑届

住所

取締役A    年月日就任

住所

取締役B    年月日就任

代表取締役A

と登記されている特例有限会社の取締役・代表取締役を、

住所

取締役A    年月日就任

住所

取締役B    年月日就任

として代表取締役の登記のみ抹消し、取締役全員が代表権を持つ。定款には、取締役が2名以上あるときは代表取締役を置くことができる。代表取締役を置く場合は、取締役の互選で定める。と定められている。

法人届出印は代表取締役Bの名前で登録され、Bが印鑑カードを持っているが、登記とともに完了後は取締役Aの名前で印鑑登録し、Aに印鑑カードを引き継ぐ。

・登記

代表取締役A 年月日○○

・印鑑の提出等・印鑑カード

 代表取締役Aによる印鑑廃止届出書(商業登記規則9条の2)、取締役Bによる印鑑(改印届)提出(印鑑カード引継ぎ。商業登記規則9条の4第3項)を同時に。

月刊登記情報2025年9月号766号

月刊登記情報2025年9月号766号、一般社団法人金融財政事情研究会

https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/T

会長就任特別論考 信頼を守り、未来を拓く!

日本司法書士会連合会会長 小澤吉徳

 司法書士法改正へ関係機関との協議。22歳未満の方へ、司法書士という職業を認知してもらう取り組み。

会長就任特別論考 拓こう、新時代

日本土地家屋調査士会連合会会長 岡田潤一郎

 土地家屋調査士法1条の使命規定。市町村が実施する建物の公費解体事業に必要な建物性の認定を判断する資格者。令和7年度から土地家屋調査士研究所活動。

法制審議会だより 法制審議会民法(遺言関係)部会、第5回~第11回会議を開催

編集部

法制審議会-民法(遺言関係)部会

https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00009.html

「民法(遺言関係)等の改正に関する中間試案」に関する意見募集

https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=300080326

法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会、第3回・第4回会議を開催

編集部

法制審議会-会社法制(株式・株主総会等関係)部会

https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00014.html

 オンラインで株主総会を開催する場合の規律。株主提案権の行使要件について検討。

被相続人の兄弟姉妹の代襲相続の要件(最三小判令6・11・12)―代襲者と被相続人との間に存すべき親族関係―

同志社大学教授 佐久間毅

 被相続人の兄弟姉妹を代襲して相続人となる要件(民法889条2項)

・被代襲者の子であること。

・被相続人とその兄弟姉妹の共通する親の直系卑属であること。

老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律による区分所有法制の見直し⑴

大谷 太/望月千広/宇野直紀/廣瀬仁貴 畑 政和/折原和寛/清水 萌/山根龍之介

法務省民事局 老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について 最終更新:令和7年8月8日

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00375.html

 建物の高経年化と居住者の高齢化。

スタートアップ支援 第6回・完 今なぜ大学発スタートアップを支援するのか~公共政策的視点と士業の役割~

BAMBOO INCUBATOR鍋岡 崇

 大学に雇用されている。

司法書士のためのAI活用ガイド 第2回~司法書士業務・会務における具体的な活用方法~

司法書士 丸山洋一郎

Legalscape

https://www.legalscape.jp/?utm_term=%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%97&utm_campaign=brand&utm_source=google&utm_medium=cpc&hsa_acc=4708076605&hsa_cam=20733838037&hsa_grp=161704698180&hsa_ad=696156553668&hsa_src=g&hsa_tgt=kwd-1654831651867&hsa_kw=%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%97&hsa_mt=p&hsa_net=adwords&hsa_ver=3&gad_source=1&gad_campaignid=20733838037&gbraid=0AAAAApwlBy66xSAKszyriTrzxcQJUE0vE&gclid=Cj0KCQjw8eTFBhCXARIsAIkiuOzsX0CrPfvgcmDiQOIKmnLVW9jopOvD5vJ1EBAjcdGSvEeVZh0dxYoaAhHPEALw_wcB

 

NotebookLM

https://notebooklm.google.com/?original_referer=https:%2F%2Fwww.google.com%23&pli=1

DNA南場智子会長に倣う。

「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の考察~身元保証等サービスを提供する際の留意事項~ 第5回

株式会社あかり保証 清水勇希/谷口陽輔/藤本拓大/上内紀裕/東田仁美

 入院手続の代理を行う場合。医療同意権についての考え方。医療同意書への本人の推定的意思の記載、サインについての考え方。家族等の等に、現状を踏まえて事業者が含まれているとの立場。

商業登記規則逐条解説 第33回

土手敏行

商業登記規則

(附属書類の閲覧請求)

第二十一条 登記簿の附属書類の閲覧の申請書には、請求の目的として、閲覧しようとする部分を記載しなければならない。

2 前項の申請書には、第十八条第二項各号(第三号を除く。)に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 申請人の住所

二 代理人によつて請求するときは、代理人の住所

三 前項の閲覧しようとする部分について利害関係を明らかにする事由

3 第一項の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。

一 申請人が法人であるときは、当該法人(第一項の申請書に会社法人等番号を記載したものを除く。)の代表者の資格を証する書面

二 前項第三号の利害関係を証する書面

 登記記録に記録された法律関係の形成過程は、附属書類で公示される。附属書類の名称の特定を求める。複数ある場合は、作成日付・記載内容等によって更に特定を要する。附属書類一式、と記載された場合の登記官の判断。

(印鑑の証明の請求)

第二十二条 印鑑の証明の申請書には、請求の目的として、被証明事項を記載し、証明を請求する印鑑を特定しなければならない。この場合においては、第九条第二項及び第九条の四第二項の規定を準用する。

2 前項の申請書を提出する場合には、印鑑カードを提示しなければならない。

 請求の目的の具体的内容等を定める。カード式印鑑間接証明方式の導入により、請求時に印鑑カードの提示が必要。印鑑カード紛失時は、印鑑カードの廃止届出と新たな印鑑カードの交付申請が必要。

(代理人による請求)

第二十七条 第九条の六第二項の規定は、代理人によつて第十八条の請求をする場合に準用する。

 印鑑カードの提示をもって、代理人の権限を証する書面の添付に代えることができる(登記研究877号P145、令和3年1月29日法務省民商第11号法務省民事局長通達「商業登記における印鑑関係事務取扱要領の制定について」)。

(手数料等の納付)

第二十八条 法第十三条第二項の規定による法第十条から法第十二条までの手数料の納付は、収入印紙を申請書に貼つて、しなければならない。

2 登記事項証明書又は印鑑の証明書の交付を請求する場合において、その送付を求めるときは、送付に要する費用を納付しなければならない。この場合においては、第九条の四第五項及び第六項の規定を準用する。

 登記事項証明書の交付等の請求手数料の納付方法、郵送で送付してもらう場合の送料の納付方法を定める。

(申請書の処理等)

第二十九条 登記官が第十八条の申請書を受け取つたときは、申請書に受付の年月日を記載した上、受付の順序に従つて相当の処分をしなければならない。

 相当の処分とは、請求が適法であれば応じる、不適法であれば拒否すること。以前は受付番号も付されていたが、簡素化のため廃止された。一連の番号は自動的に付される。

目で見る筆界の調査・認定事例第17回 一筆の土地の一部に対する処分禁止仮処分のため占有者の立会い及び土地区画整理による換地図により筆界を認定した事案

田中博幸(日本土地家屋調査士会連合会業務部協力)

 処分禁止の仮処分が命じられたことによる代位分筆。

 土地の一部に対する処分禁止の仮処分命令により筆界が確定することはなく、仮処分決定書は、代位申請の代位原因証明情報としての法定添付情報(不動産登記令7条1項3号)であり、筆界の位置を証するものではない。

 不動産登記事務取扱手続準則72条の特別の事情の考え方として、土地の一部について所有権を取得した者が元の所有者を被告として訴えを提起し、土地の一部の範囲が明確に特定されているときには、例外的に特別の事情として取り扱っても差し支えない。

 

公図で識しる日本第6回 鎌倉―サムライ源流の地―

土地家屋調査士 西村和洋

 御成敗式目36条、8条。

リスクベース・アプローチに基づくマネロン対策⒂―“司法書士ガイドライン”から考える―

司法書士 末光祐一

総務省 行政書士及び行政書士法人におけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与に関するガイドライン

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/gyouseishoshi/index.html

金融庁 疑わしい取引の参考事例 公認会計士等

https://www.fsa.go.jp/str/jirei

国税庁 「税理士及び税理士法人におけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」

https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/sonota/01.htm

 現金取引。宅地・建物に関する取引。資格者の管理する口座を通じて資金移動を求める依頼。

簡裁訴訟代理等能力認定考査のための要件事実入門第3回 民事訴訟の構造

弁護士 大島眞一

 訴訟物が決まると、抽象的に要件事実が決まる。該当する条文を探す。請求原因の否認と障害の抗弁の違い。再抗弁の検討、原則として法律の文言・形式から考える。

民事信託の相談会その78

お気軽にどうぞ。

2025年9月26日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障害を持つ子の親なき後への備え

1組様 5,500円

場所

司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

登記研究930号令和7年8月号

登記研究930号(令和7年8月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html

【論説・解説】■不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(旧氏併記関係)(1)

東京地方裁判所判事(前法務省民事局付) 森 下 宏 輝、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省民事局商事課補佐官(前法務省民事局民事第二課補佐官) 太 田 裕 介

第1 はじめに

不動産登記規則等の一部を改正する省令(令和6年法務省令第7号)(令和6年3月1日公布)

不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(旧氏併記関係)(法務省民二第553号通達)(令和6年3月27日)

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00608.html

第2 制度の背景

法制審議会-民法・不動産登記法部会15回会議(令和2年7月14日開催)

https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00302.html

○橋本幹事 すみませんです。第2関係の日弁連の議論状況ですが,まず「1 登記名義人の特定に係る登記事項の見直し」については,会社の法人番号等を新たに追加するということについて異論はありません。

  補足説明で書かれているマイナンバーを含めないという点についても異論はありません。

  その他,12ページの一番上のところで,以上を踏まえ,それ以外どのように考えるかという問い掛けがありますものですから,提案として,個人の方について会社の役員登記のように選択的に旧姓の併記というものをできるようにしていただけないかという御要望を提案したいと思います。

  それと,2の外国に住所を有する登記名義人の関係ですが,これについても今回中間試案と変更して連絡先を必要的に登記させるという点について異論はありません。異論はないんですが,ということは,これ登記申請に当たって連絡先を併せて明記しなければ,登記申請は受け付けられないという扱いになるんだろうと思うんですが,そこで割り切るという決断なんでしょうけれども,それによって外国に住所を有する方が日本の不動産の登記を取得できないというハードルが上がってしまうけれども,しようがないのかなということ。ただ,それとの関係で更に14ページの上から5行目のところで連絡先をなしといった記載に変更するということが認められるように書いてあるので,そうすると登記申請に当たって連絡先なしという登記申請は許されるんですかというのをちょっと質問としてお聞きしたいです。

  それと,(2)の外国に住所を有する外国人の住所証明書の関係,これについても賛成です。ただ,確認なんですが,このうち公証人と言っているのは日本の公証人を指して言うという理解でよろしいのか,外国の公証人を含んでいるのかということをちょっと教えていただきたいです。

  最後の3の「附属書類の閲覧制度の見直し」についても賛成の方向です。ただ,意見として,現状で閲覧のときに附属書類の写真撮影,閲覧が許可される場合に写真撮影も許されていると思うんですが,それを法務省令で写真撮影が許されるということを明記するということも考えていただけないかという意見がありました。

第3 施行通達の解説

 ○第2部 旧氏併記に関する事務の取扱い

  ○第1 通則

 旧氏は、所有権の登記の登記事項ではなく、所有権の登記名義人の氏名の識別性を向上させるための補足事項という位置づけ。

 旧氏併記の申出をする場合の代理権限を証する情報においては、当該申出は登記申請に付随する手続きであるから、委任状において登記申請に係る委任がされていれば足りる。

 登記申請と独立して旧氏併記の申出書が提出されることはないから、申出に係る特別の受付処理は行わなれない。

 旧氏を証する情報の内容。原則として、住所を証する情報と戸籍謄本等に記載された名、本籍、生年月日等が一致している必要がある。

  ○第2 登記申請に伴う旧氏併記の申出

 旧氏併記の申出に対する登記官の応答には、行政処分性はないと考えられ、却下の手続は規則ではなく施行通達に定められている。却下に対して審査請求や取消訴訟の提起をすることはできないと考えられている。

■ポイント解説 基礎から考える商業登記実務(第11回)

東京法務局民事行政部第一法人登記部門首席登記官 山 森 航 太

ポイント:株式会社の役員等及び代表取締役の重任による変更の登記について(その2)

5 役員等及び代表取締役の重任による変更の登記の申請書の添付書面

(1)役員等の選任・就任を証する書面

登記研究698号P127、平成18年3月31日民商第782号事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」・・・役員等の選任に係る定時株主総会の決議が株主総会の決議の省略(会社法319条)によって行われた場合には、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない(商業登記法46条3項)が、会社法施行規則72条4項1号に規定する事項を内容として作成された株主総会の議事録をもって当該場合に該当することを証する書面として取り扱って差し支えないとされている。

 (2) 代表取締役の選定等・就任を証する書面

 定款の定めにもよるが、取締役が1人のみの株式会社においては、定時株主総会において取締役を選任すれば、別に当該取締役を代表取締役と定めなくても、当該取締役は代表取締役となる(会社法349条)ことから、代表取締役を定めたことを証する書面の添付を要しない。

 (3) 役員等及び代表取締役の退任を証する書面(商登法第54条第4項)

登記研究474号P137、昭和53年9月18日法務省民四第5003号民事局第四課長回答「株式会社の取締役及び監査役の変更登記申請書の添付書類について」・・・定時株主総会の議事録に任期満了の旨の記載があるときは、退任を証する書面として別に定款を添付する必要はない。

6 添付書面の真実性を確保するためのその要件の加重

 (1) 定款の添付(商登規第61条第1項)

・役員等(会計監査人を除く。)の選任の決議に係る定足数の下限(会社法341条)を設けている場合

・代表取締役を定款の定めに基づく取締役の互選(会社法349条3項)によって定めている場合

・取締役会の決議の省略(会社法370条)によって代表取締役を選定している場合

 (2) 株主リストの添付(商登規第61条第3項)

 株主総会の議事録と株主リストの記載内容を対比するなどして、真に株主総会の決議がされたのか、確認するため。

登記研究823号P173、平成28年6月23日法務省民商第99号民事局商事課長依命通知「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」・・・株主リストに、議決権の割合が上位である株主をその順番に記載。

 (3) 就任承諾書の要件の加重

・就任する(代表)取締役の印鑑証明書を添付する場合(商業登記規則61条4項)。

・取締役、監査役の本人確認証明書を添付する場合(商業登記規則61条7項)。

 (4) 代表取締役を選定等した議事録等に押印した印鑑につき印鑑証明書の添付(商登規第61条第6項)

 代表取締役を選定又は定めた議事録等の真実性を担保するため。

登記研究470号P99、1987年3月30日【質疑応答】〔六八四三〕「代表取締役変更(重任)登記申請と同時に取締役会議事録に押印されている従前の代表取締役の印鑑の改印届がされた場合における印鑑証明書添付の要否」

登記研究270号P72、1970年5月20日質疑・応答四八二五「同時になされた代表取締役の改印届と当該代表取締役の重任による変更の登記申請書の印鑑について」

登記研究347号P77、1976年10月20日質疑応答【五二九〇】「改印届と同時になされた代表取締役の重任による変更登記申請における商業登記規則八二条三項ただし書適用の有無」

7 役員等及び代表取締役の重任による変更の登記の申請の審査

 (1) 定時株主総会の議事録

出席役員等の氏名の記載(会社法施行規則第72条3項4号)。

登記研究245号P73、1968年4月20日質疑・応答四五四三「役員変更登記の受否について」・・・定時株主総会の議事録に「全員の重任が確定した。」のみが記載されている場合には、再任された役員等の氏名が判断できない。

 (2) 代表取締役を選定した取締役会の議事録又は代表取締役を定めた互選書

代表取締役を定めた互選した時期。

 (3) 役員等及び代表取締役の就任承諾書

就任日付が適切か。

 (4) 会計参与又は会計監査人の資格を証する書面

 (5) 重任する代表取締役の住所又は重任する役員等及び代表取締役の氏名が登記記録と異なっている場合

登記研究306号、1973年5月20日、平野文則:民事局第四課長補佐、吉田弘道:民事局第四課長補佐「改正商業登記規則の施行による事務取扱いについて」・・・代表取締役の重任による変更の登記において、登記すべき事項に記載された代表取締役の住所と登記記録に記録されている変更前の代表取締役の住所が相違する場合であっても、代表取締役の住所の変更・更生の登記をすることなく、重任による変更の登記は可能。

8 その他役員等及び代表取締役の重任による変更の登記の審査において留意すべき事項

 (1) 旧氏の併記

 (2) 代表取締役の住所非表示措置

9 おわりに

■逐条解説不動産登記規則(59)

元法務省民事局民事第二課地図企画官 小宮山 秀 史

第109条 土地の滅失の登記

不動産登記規則

https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018#Mp-Ch_3-Se_2-Ss_2

 (土地の滅失の登記)第百九条 登記官は、土地の滅失の登記をするときは、当該土地の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。

 河川敷地で常時流水下になった場合などは、私権の客体となり得ない。滅失の登記申請は義務(不動産登記法42条)。

登記研究109号P39、昭和31年11月10日民事甲第2612号民事局長事務代理回答「海面に臨接する土地の境界線について」・・・土地と海面の境界について、春分及び秋分の満潮時(最高潮位時)を標準として定める。

登記研究171号P50、昭和36年11月9日民事甲第2801号民事局長回答「海面下の土地の所有権について」・・・土地が海面下に没するに至った経緯が、天災等によるものであり、かつ、その状態が一時的なものである場合には、私人の所有権は消滅しない。

登記研究163号P33、昭和36年2月17日民事三発第173号民事局第三課長心得通知「所属未定地の編入に関する疑義について」・・・公有水面埋立法の規定による免許を受けて海面の一部を区画し、コンクリートによる養鰻場を製造した場合は、地目を池沼として登記することができる。

【法 令】商業登記規則の一部を改正する省令(令和7年3月24日法務省令第10号)

商業登記規則の一部を改正する命令(令和7年3月26日デジタル庁・法務省令第1号)

譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律(令和7年6月6日法律第56号)

法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則及び登記事務委任規則の一部を改正する省令(令和7年6月20日法務省令第38号)

【訓令・通達・回答】

▽商業・法人登記関係

〔6261〕商業登記等事務取扱手続準則の一部改正について(令和6年12月2日付け法務省民商第182号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

PAGE TOP