日本組織内司法書士協会『司法書士目線で答える会社の法務実務』2018、日本加除出版Q28与信管理

Q 与信管理とは何ですか。

・与信・・・取引の相手方に返済能力があることを信用してモノ・お金を供与すること。

・与信取引・・・商品を販売する場合において、先に商品を提供して、後で代金を回収する形態の取引。

・与信管理・・・「与信取引を行ってもよいか」、「与信取引を行う場合、取引限度額をいくらに設定すべきか」について取引先ごとに判断し、定期的に見直していく業務プロセス。

与信管理の目的

 取引を行う場合に、事前に許容できるリスクを把握し、リスクが発生しても損害を最小限に抑えること。

・・・与信管理を全くしていない場合(相手方の本店所在地も特定できない。)。預貯金債権の仮差押空振り→一部取下げ→今後、取引時に相手方に信用情報(銀行支店等)を提供するようにアドバイス。

・・・会社応接室においてある金融機関のカレンダー、ティッシュなど。

・・・業種による管理(卸売業)。

与信管理の方法

信用情報の分類
入手先入手情報
取引先      決算書(直近3年分)
勘定科目明細書
法人税申告書
会社案内、商品カタログ
信用調査会社信用調書
法務局  法人の履歴事項全部証明書
不動産がある場合、全部事項証明書・公図

法人の履歴事項全部証明書のチェックポイント

 項目チェックポイント対応
商号商号を変更している場合旧社名のネット検索、経営者への変更理由確認。
本店登記記録が新たに編成される、別管轄の登記所への本店移転。家賃が安いエリアへの本店移転。頻繁に移転を繰り返している。閉鎖事項証明書の取得、経営者へ移転理由を確認。
目的本業と関係なさそうな業務が追加されている。経営者へ確認。
資本金の額減資取引の相手方に、減資の理由(欠損填補、大会社に該当することの回避、外形標準課税の節約)を確認。
役員解任、辞任の登記がされている場合。任期が過ぎているのに何らの登記もされていな場合。経営者に経緯を確認。

代表者の住所非表示措置に伴う影響。

 項目チェックポイント対応
不動産の特定本店・営業所の所在場所、代表者の自宅の土地建物。 
所有権の登記名義人取引先の法人、法人の代表者、関連会社。 
差押・仮差押・所有権移転の仮登記の有無 取引の回避
抵当権者・共同担保の確認ノンバンクや個人名義の抵当権者の有無。 
    

与信管理を意識した契約交渉

 契約書に規定すべき条項

  • 期限の利益喪失条項・・・消滅時効の起算開始時に関わる。

・・・到来・経過させる。

  • 所有権留保条項・・・買主が占有していることで、商品の回収困難の可能性(民法192条など。)。
  • 出荷停止条項・・・継続的な契約の場合。

 担保の取得

  物的担保の取得

法定担保物権・・・留置権(民法295条、商法31条、521条)、先取特権(民法303条、商法842条等)。

約定担保物権

 典型担保物権・・・質権・抵当権など。

 非典型担保物権・・・仮登記担保権、譲渡担保権、所有権留保など。

約定担保権の取得時

 迅速性が求められる。・・・担保を取得しようとしている物が、売却や付合などで無くなる可能性。他の債権者が先に担保を取得する可能性がある。

 価値が明白で、担保取得や(実行)処分が容易な物から。・・・債権がいくら回収できるのか、担保取得や実行のコストと比較して。

  人的担保の取得

保証・・・根保証かつ連帯保証。個人を保証人とする場合、民法465条の2の適用。

連帯保証取得時

債務弁済の資力がある者が優先。取引先の親会社、関係会社、代表者個人。保証意思を確認できる書面・情報を入手すること(保証契約書、取締役会議事録、公正証書など)。

市民と法No.151【特集】司法書士の可能性を探る(下)

市民と法 No.151 【特集】司法書士の可能性を探る(下)2025年2月、民事法研究会

https://www.minjiho.com/book/b10131252.html

大論公論

 新しい年、新しい25年に向けて

 京都大学教授 横山美夏

 法改正により司法書士の役割と責任は大きくなる。

【特集】司法書士の可能性を探る(下)

 1 訴訟支援と司法書士

   神戸大学教授 馬場健一

 Microsoft Teamsログインに手間取る。2回目は電話参加。司法書士事務所においてウェブ会議の環境を整え、依頼者に提供することの必要性。

 2 法律相談と司法書士

   西南学院大学准教授 山田恵子

 民事紛争全国調査2016-2020

https://cir.nii.ac.jp/crid/1130858596795429527

 最近5年間に起きたトラブルのうち、専門家等に相談したのは約3割。司法書士関係はその中の約6%。

 3 ADRと司法書士

   京都大学教授 山田 文

 日本司法書士会連合会

『司法書士による大学生・専門学校生向けオンライン紛争解決手続(無料チャット調停)』試験運用(令和3年度ODRトライアル・プロジェクト)

司法書士会ADRの2023年度新受任数は62件。当事者が遠隔地にいる場合に、各司法書士会ADRでの連携。

 4 孤独・孤立と司法書士

   早稲田大学教授 石田光規

平成17年4月26日最高裁判所第三小法廷判決集民第216号639頁

 権利能力のない社団である県営住宅の自治会の会員がいつでも当該自治会に対する一方的意思表示により退会することができるとされた事例

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=62595

 5 中高年者支援と司法書士

   千葉大学准教授 山口 絢

 相続等に向けた対策についての相談先上位4つは、司法書士、税理士、弁護士、金融関連機関。

 6 多文化共生社会と司法書士

   名城大学教授 近藤 敦

出入国管理庁 在留外国人に対する基礎調査

https://www.moj.go.jp/isa/support/coexistence/04_00017.html

 

 7 性的マイノリティと司法書士

   追手門学院大学教授 三成美保

 認定特定非営利活動法人ReBit

https://rebitlgbt.org/overview

令和5年7月11日最高裁判所第三小法廷判決 民集第77巻5号1171頁

生物学的な性別が男性であり性同一性障害である旨の医師の診断を受けている一般職の国家公務員がした職場の女性トイレの使用に係る国家公務員法86条の規定による行政措置の要求は認められない旨の人事院の判定が、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとされた事例

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92191

 8 国際離婚と司法書士

   同志社大学教授 林 貴美

 9 地域司法と司法書士

   神戸大学名誉教授 樫村志郎

 共助が大切。

 10 地域コミュニティと司法書士

   熊本県立大学教授 澤田道夫

 11 景観の地域づくりと司法書士

   近畿大学教授 上﨑 哉

 空き家。

 12 情報発信と司法書士

   岐阜大学准教授・中小企業診断士 柴田仁夫

SNS広告の必要性。

 13 AI のガバナンスと司法書士

   弁護士・慶應義塾大学准教授 斉藤邦史

 合同会社が経営判断をAIの判断に一定程度委ねた場合の、役員が法人の債権者に対して負う責任の軽重。

 14 司法書士の働き方

   同志社大学教授 久保真人

 世界保健機関

Burn-out an “occupational phenomenon”: International Classification of Diseases

https://www.who.int/news/item/28-05-2019-burn-out-an-occupational-phenomenon-international-classification-of-diseases

 15 司法書士の養成

   京都産業大学教授 草鹿晋一

 司法書士法1条が、訴訟より登記、供託を先に記載していること。

 16 司法書士に対する期待と満足度

   東京大学教授 飯田 高

 司法書士が相談の段階で果たしている役割。

【対談】

 相続手続におけるノテールと弁護士の役割分担

 パリ・パンテオン=ソルボンヌ大学教授 ムスタファ・メキ

 日本司法書士会連合会会長・司法書士 小澤吉徳

 立教大学教授 幡野弘樹〔訳〕

 フランスで相続未登記の不動産が生じない理由。相続に弁護士が介入する場合、家族会・後見裁判官が介入する場合。

現代家族の肖像と法律問題(39)

 弁護士 升田 純

 遺言執行者の被告適格。

相続・今昔ものがたり(46)――事例で読み解く相続実務――

 法制史学会会員・司法書士 末光祐一

〔付録〕相続の欠格(その2)

 家督相続人の不選定。

登記研究844号P133、昭和24年2月4日民事甲第3876号民事局長回答「戸籍事務の取扱方に関する件」

論点・争点 司法書士は民事信託契約書の作成業務ができるのか(2)

 司法書士 渋谷陽一郎

 和解契約書作成に係る報酬算定基準。行政書士法19条。

(業務の制限)

第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

2 総務大臣は、前項に規定する総務省令を定めるときは、あらかじめ、当該手続に係る法令を所管する国務大臣の意見を聴くものとする。

https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000004#Mp-Ch_8

 遺産承継業務(司法書士法29条、司法書士法施行規則31条)における、相続人の中の1人への依頼書の送付、メールの送信。その回数。

信託契約書から学ぶ民事信託支援業務(10)民事信託支援業務の執務ガイドライン

司法書士 渋谷陽一郎

 司法書士による問題解決策の見極め、の明記。

 日本弁護士連合会の民事信託業務に関するガイドラインと比較して、依頼者は誰か。

 P143、代理権授与を伴わない委任契約があるのか、分かりませんでした。

 監修者。

月刊登記情報2025年2月号759号

月刊登記情報2025年2月号(759号)

https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/T

 法窓一言 東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の成立

弁護士法人 中央総合法律事務所 弁護士 錦野裕宗

 ○東京都カスタマー・ハラスメント防止条例令和6年10月11日条例第140号(令和7年4月1日施行)

https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00005328.html

「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて(通達)」の解説

法務省民事局商事課法規係長 大村健祐

法務省 商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて(令和6年7月26日付け法務省民商第116号法務省民事局長通達)

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00210.html#4

 現在、対象は株式会社のみであるが、パブリックコメントを踏まえて、今後他の法人についても対象を拡大する可能性もある。

 登記済みの代表者住所を非表示申出出来ない理由は、一度登記された住所を非表示にする必要性が相対的に低く、後の非表示に備えて登記情報の網羅的な取得・保存を誘発するなどの混乱を招きかねないため。

 資格者代理人による本店所在場所の実在性を証する情報の記載例・・・受任した登記申請についての打合せのために本店所在場所に往訪した際に、本店所在場所において当該株式会社が実在する旨を確認した。

本店所在場所の実在性を証する情報について、資格者代理人が押印した職印について登記所が印影を照合する必要はない。

本店所在場所の実在性を証する書面として、配達証明書及び郵便物受領証を利用する場合、配達証明書及び郵便物受領証に、商号・本店所在場所が記載されている必要がある。

 別記様式3の期間を定めなくてもよい場合・別記様式3による通知自体が不要な場合。

 登記官が上場会社でなくなったと認められるときは、株式譲渡制限の定款の定めの設定による変更の登記が申請されたとき等。

「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて

(登記事項証明書等における代替措置関係)」の解説⑵

法務省民事局付 森下宏輝、法務省民事局民事第二課補佐官 河瀬貴之、法務省民事局民事第二課補佐官 太田裕介

 代替措置申出がされている場合に、当該者が登記義務者とする登記申請時の住所表記は措置対象住所。

 信託目録の委託者、受託者、受益者の住所も対象。

 代替措置申出に係る事項は、地方税法382条の対象。

 代替措置申出がされた後、10年程度の経過を目安として、登記官から代替措置申出をした申出人に対し、代替措置申出を継続するかどうか意思確認をする場合がある。

 

法制審議会だより

法制審議会民法(成年後見等関係)部会、第11回・第12回会議を開催

編集部

 法制審議会-民法(成年後見等関係)部会

https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00008

 法定後見の終了、成年後見人等の交代等、成年後見人等の職務等。

新連載

逐条解説 スタートアップ向けモデル原始定款_v1.1 第1回

BAMBOO INCUBATOR司法書士チーム有志、石本憲史/川井秀一/笹野隼人/佐藤大輔/松本光平/丸山洋一郎

https://bambooincubator.jp/template/startup/aoi

 商号、商標調査の必要性。

 大阪高判平成25年3月7日、平成23(ネ)2238等。株式会社Mon cher旧商号 株式会社モンシュシュ、商標権侵害差止等請求。不正競争防止法、商標法、会社法。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=83059

 商号の音感による流行り。

 目的のグレーゾーン解消制度、ノーアクションレター制度。

 本店所在地をバーチャルオフィスにする場合。

 公告方法を電子公告にする場合のデメリット。資金調達後、減資を行う場合の債権者保護手続きの方法。

 発行可能株式総数の枠を大きく取ること。

 発行済株式総数の1株当たりの金額に低さ。

 株式の譲渡制限における承認機関の選択と設立登記後の変更登記の回数の想定。

 

新連載

「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の考察~身元保証業界の健全な発展に向けて~ 第1回

株式会社あかり保証、清水勇希/谷口陽輔/渡邉慶太郎/上内紀裕

消費者庁 高齢者等終身サポート事業に関する事業者ガイドラインについて

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_037

厚生労働省 ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39506.html

 主な相談内容は、金銭トラブル、サービス利用時のトラブル。

 身元保証等高齢者サポート事業の定義。

商業登記規則逐条解説 第26回

土手敏行

商業登記規則

https://laws.e-gov.go.jp/law/339M50000010023

(印鑑の提出又は廃止の届出の方法)

第百六条 第百一条第一項第二号の規定により印鑑の提出又は廃止の届出をするには、印鑑の提出若しくは廃止の届出をする者又はその代理人(次項において「印鑑提出者等」という。)は、法務大臣の定めるところに従い、第九条第一項の書面に記載し若しくは明らかにすべき事項又は同条第七項の書面に記載すべき事項に係る情報に印鑑の提出又は廃止の届出をする者が第三十三条の四に定める措置を講じたものを送信(第三項において「提出等情報の送信」という。)しなければならない。

2 印鑑提出者等は、第九条第一項又は第七項の書面に添付すべき書面があるときは、法務大臣の定めるところに従い、当該書面に代わるべき情報にその作成者が前項に規定する措置を講じたものを送信(次項において「印鑑の提出又は廃止の届出に係る添付書面情報の送信」という。)しなければならない。

3 第百二条第三項の規定は提出等情報の送信について、同条第五項の規定は印鑑の提出又は廃止の届出に係る添付書面情報の送信について準用する。

 オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出は、オンラインによる登記の申請の同時にする場合に限りすることができる。

 登記官は、提出されたデータを印刷し、様式の目盛りを計測する。

(電子証明書による証明の請求の方法)

第百六条の二 第百一条第一項第三号の規定により電子証明書による証明の請求をするには、申請人等は、法務大臣の定めるところに従い、第三十三条の六第一項の申請書に記載すべき事項に係る情報に第三十三条の四に定める措置を講じたものを送信(第四項において「証明の請求に係る申請書情報の送信」という。)しなければならない。

2 申請人等は、法務大臣の定めるところに従い、第三十三条の六第一項の規定により提出すべき電磁的記録及び同条第七項の規定により書面を申請書に添付すべき場合における当該書面に代わるべき情報を送信しなければならない。

3 申請人等は、前項に規定する書面のほか、第三十三条の六第一項の申請書に添付すべき書面があるときは、法務大臣の定めるところに従い、当該書面に代わるべき情報にその作成者が第一項に規定する措置を講じたものを送信(次項において「証明の請求に係る添付書面情報の送信」という。)しなければならない。

4 第百二条第三項及び第四項の規定は証明の請求に係る申請書情報の送信について、同条第五項の規定は証明の請求に係る添付書面情報の送信について準用する。

5 第一項の規定による請求については、第三十三条の七第一項の規定中申請書への記載に関する部分は、適用しない。

6 第百一条第一項に規定する方法により電子証明書による証明の請求をする場合において、手数料を納付するときは、登記官から得た納付情報により納付する方法によつてしなければならない。

 電子証明書による証明のオンラインによる請求により申請人に告知したときは、登記所は端末から電子証明書の番号を記録した書面を2部出力し、一部を申請書に合綴、1部は適宜廃棄。

リスクベース・アプローチに基づくマネロン対策⑻―“司法書士ガイドライン”から考える―

司法書士 末光祐一

 依頼者が法人の場合。実質的支配者である自然人まで遡る。法人税申告書別表二「同族会社の判定に関する明細書」による確認など。

資本多数決法人である場合と、そうでない場合。

 

民事信託の相談会その72

お気軽にどうぞ。

2025年2月28日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障害を持つ子の親なき後への備え

1組様 5,500円

場所

司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

登記研究923号令和7年1月号

登記研究923号(令和7年1月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html

■新年を迎えて

法務省民事局長 竹 内   努

 遺言法制、成年後見法制の見直し。

【論説・解説】

■民事基本法制の立法動向について

法務省大臣官房審議官 内 野 宗 揮

一 はじめに

二 令和6年通常国会で成立した法律の概要

1 民法等の一部を改正する法律(家族法制関係)

2 公益信託に関する法律

三 現下の立法課題

1 区分所有法制の見直し

2 船荷証券等の電子化に関する見直し

3 担保法制の見直し

4 遺言制度の見直し

5 成年後見制度の見直し

6 違憲決定への対応

■ポイント解説

基礎から考える商業登記実務(第5回)

横浜地方法務局法人登記部門首席登記官 山 森 航 太

1 はじめに

2 株主総会の決議による解散とその登記

 特例有限会社が解散決議をする場合の株主総会の要件について。期限付き解散決議の期限。存続期間を定める定款変更の決議(会社法471条)。

3 清算人の登記

 特例有限会社の清算人の登記事項(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律43条2項)。

 登記研究325号P68、昭和49年11月15日法務省民四第5938号民事局第四課長依命通知「休眠会社の整理により解散した株式会社の清算人の登記等について」

登記研究227号P71、昭和41年8月24日民事甲第2441号民事局長回答「清算人及び代表清算人の就任年月日等の登記について」

4 代表清算人の登記

5 清算人及び代表清算人の登記に関連するその他の留意点等

6 おわりに

■民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(登記事項証明書等における代替措置関係)(4・完)

東京地方裁判所判事(前法務省民事局付) 森 下 宏 輝、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省民事局民事第二課補佐官 太 田 裕 介

不動産登記規則(代替措置が講じられていない登記事項証明書の交付の請求)第二百二条の十四

 代替措置申出の撤回が出来るのは、申出人に限られ、申出人の相続人等は出来ない(不動産登記規則第二百二条の十五)。

 複数の措置対象住所が公示用住所管理ファイルに記録されている場合には、その一部の措置対象住所に係る公示用住所のみについて変更を申し出ることも許容される。

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第128回)

一般社団法人商業登記倶楽部 最高顧問・名誉主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、日本司法書士会連合会顧問、神 﨑 満治郎

 理事の予選。

■Q&A不動産表示登記(99)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

不動産登記法(共用部分である旨の登記等)第五十八条1,2,3、5,6項略

4 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。

■逐条解説不動産登記規則(52)

元法務省民事局民事第二課地図企画官 小宮山 秀 史

不動産登記規則(分筆の登記における権利部の記録方法)第百二条

 登記研究408号P91、1981年12月30日質疑応答【六〇〇七】「分筆による買戻特約の登記の転写と共に権利の目的である旨の記載の要否」

登記研究244号P44昭和42年12月14日民事甲第3663号民事局長回答「担保権を除く所有権以外の権利についての「共ニ権利ノ目的タル」旨の記載方について」

■商業登記の変遷(69)

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

■民事信託の登記の諸問題(40)

渋 谷 陽一郎

 将来、受益者となるべき者として指定された者=二次受益者・・・=期待権を有する者。かような期待権を有するにすぎない者の表示が、不動産登記法97条1項1号に規定する「受益者」に該当するのだろうか。

・・・該当しないと考えられます(七戸克彦監修『条解不動産登記法』2013、弘文堂、P600)。

 それでは、受益権の内容なるものは、信託目録上、97条1項11号の「その他の信託の条項」として登記し得るのか否か、更には、仮に、信託目録に記録すべき情報として登記し得るとした場合、その範囲は何か、という問題がある。

・・・後続登記に必要な範囲に限られると考えます。

更には、委託者の受益者変更権に対する別段の定めをした場合(同項ただし書)、それは信託目録に記録すべき情報とし得るのか(許容性)、また、同情報として記録する必要があるのか(必要性)も問題となろう。

・・・不動産登記法97条1項11号に制限がないので、許容されると考えます。後続登記に必要な情報であれば必要性を満たすと考えます。

 

【資 料】会社法施行下で使える登記先例――実務の便覧――(16)

登記研究552号P120、平成5年8月20日法務省民四第5554号民事局第四課長依命通知「利用運送事業又は一般貨物自動車運送事業を目的とする法人の合併の登記について」

登記研究557号P158、平成6年1月10日法務省民四第311号民事局第四課長通知「一般旅客定期航路事業、港湾運送事業又は内航海運業を目的とする法人の合併又は解散の登記について」

 認可を要しないものであることの証明書の添付。

登記研究675号P119、平成16年1月15日法務省民商第84号民事局商事課長通知「親会社を同じくする完全子会社間における新株を割り当てない吸収合併の登記について」

 合併前後を通じて、財産価値の合計および支配関係に変化がない場合。

登記研究698号P73、平成18年3月31日民商第782号民事局長通達 「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

 吸収合併の効力発生日に変更があった場合の添付書類。

登記研究598号P168、平成9年9月19日法務省民四第1709号民事局長通達「商法等の一部を改正する法律等の施行に伴う登記事務の取扱いについて」

 債権者保護として抵当権設定がされている不動産登記の全部事項証明書を添付することができる場合。

登記研究727号P119、平成20年6月25日法務省民商第1774号民事局商事課長通知「存続会社が一通の吸収合併契約書により複数の消滅会社との間で吸収合併をする場合の登記の取扱いについて」

登記研究698号P73、平成18年3月31日民商第782号民事局長通達 「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

 吸収合併存続株式会社の株主名簿等を添付する必要がある場合。

登記研究135号P37、昭和34年1月8日民事四発第2号民事局第四課長心得回答「一件の申請でなされた株式会社の合併による変更登記申請に合併に関連した変更登記が含まれている場合の登録税の徴収方について」

登記研究166号P55、1961年9月20日第五部質疑・応答三五四五「株式会社合併の場合における登録税について」

登記研究712号P171、平成19年4月25日法務省民商第971号民事局長通達「登録免許税法施行規則及び租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

 登録免許税法施行規則12条。

登記研究646号P158、平成13年分割4月19日法務省民商第1091号民事局商事課長通知「会社分割において債権者に対する公告及び催告を省略することができる場合について」

 分割会社の債権者が引き続き債権を行使することができ、責任財産が減少しない場合。

登記研究719号P164、平成19年12月18日法務省民商第2738号民事局商事課長通知「一つの分割会社が複数の承継会社との間で吸収分割をする場合の登記の取扱いについて」

登記研究641号P172、 2001年6月30日【質疑応答】「共同新設分割における簡易分割について」

登記研究707号P193、 2007年1月30日【質疑応答】〔七八四三〕「会社分割の登記の手続及び登録免許税について」

登記研究626号P243、2000年3月30日【質疑応答】〔七七一五〕「株式移転による設立の登記の申請書の「登記の事由」の記載について」

登記研究724号P51、平成20年1月25日法務省民商第307号民事局商事課長通知「新設分割又は株式移転による設立登記の申請書に設立時代表取締役の就任承諾書に押印した印鑑に係る印鑑証明書を添付することの要否について」

登記研究715号P219、2007年9月30日先例特集号【質疑応答】〔七八五七〕「新設型組織再編行為に係る契約・計画の承認決議の日の翌日から二〇日間を経過しないで申請された当該新設型組織再編行為に係る登記の可否」

【法 令】

不動産登記規則の一部を改正する省令(令和6年12月2日法務省令第47号)

【訓令・通達・回答】

▽不動産登記関係

〔6253〕租税特別措置法第80条第1項の規定に基づく登録免許税の税率の軽減措置に係る証明書の様式について(令和6年4月1日付け法務省民二第669号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局民事第二課長、商事課長依命通知)

▽商業・法人登記関係

〔6254〕商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて(令和6年7月26日付け法務省民商第116号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

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