法定相続情報一覧図の保管及び写しの申出とそれに伴う戸籍収集だけの代理は出来ないのでしょうか。

士業が代理する場合、司法書士であれば相続登記などを引き受けないと、法定相続情報一覧図の保管及び写しの申出は代理出来ない、業務違背に当たるという考えがあります。

 改正不動産登記規則を読む限り、法定相続情報一覧図の保管及び写しの申出だけの代理は、出来ると考えます。

 不動産登記規則では、戸籍法第10条の2第3項の資格については記載していますが、受任した業務又は事務を遂行するのに必要な場合、の部分は記載していないからです。また改正の趣旨とも合わないと思います。

(法定相続情報一覧図)

第二百四十七条

表題部所有者、登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認できる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍

地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しに登記官が認証文を付記したものの交付の申出をすることができる。

一被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日

二相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄

2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする申出書を登記所に提供してしなければならない。

一申出人の氏名、住所、連絡先及び被相続人との続柄

二代理人(申出人の法定代理人又はその委任による代理人にあってはその親族若しくは戸籍法第十条の二第三項に掲げる者に限る。以下本条において同じ。)によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名

三利用目的

四交付を求める通数

五被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産があるときは、不動産の所在事項又は不動産番号

六申出の年月日

七送付の方法により法定相続情報一覧図の写しの交付及び第六項の規定による書面の返却を求めるときは、その旨及び送付先の住所

3 前項の申出書には、申出人又はその代理人が記名押印するとともに、次に掲げる書面を添付しなければならない。

一法定相続情報一覧図(第一項各号に掲げる情報及び作成の年月日を記載し、申出人が記名するとともに、その作成をした申出人又はその代理人が署名し、又は

記名押印したものに限る。)

二被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む。)の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書

三被相続人の最後の住所を証する書面

四第一項第二号の相続人の戸籍の謄本又は全部事項証明書

五申出人が相続人の地位を相続により承継した者であるときは、これを証する書面

六申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)

七代理人によって第一項の申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面

4 前項第一号の法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したときは、第二項の申出書には、その住所を証する書面を添付しなければならない。

5 登記官は、第三項第二号から第四号までに掲げる書面によって法定相続情報の内容を確認し、かつ、その内容と法定相続情報一覧図に記載された法定相続情報の内容とが合致していることを確認したときは、法定相続情報一覧図の写しを交付するものとする。この場合には、申出に係る登記所に保管された法定相続情報一覧図の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印するものとする。

6 登記官は、法定相続情報一覧図の写しを交付するときは、第三項第二号から第五号まで及び第四項に規定する書面を返却するものとする。

7 前各項の規定(第三項第一号から第五号まで及び第四項を除く。)は、第一項の申出をした者がその申出に係る登記所の登記官に対し法定相続情報一覧図の写しの再交付の申出をする場合について準用する。

(法定相続情報一覧図の写しの送付の方法等)

第二百四十八条

法定相続情報一覧図の写しの交付及び前条第六項の規定による書面の返却は、申出人の申出により、送付の方法によりすることができる。

2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。

3 前項の指定は、告示してしなければならない。

戸籍法第10条の2第3項

第十条の二    前条第一項に規定する者以外の者は、次の各号に掲げる場合に限り、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、それぞれ当該各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。

一   自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合 権利又は義務の発生原因及び内容並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由

二   国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合 戸籍謄本等を提出すべき国又は地方公共団体の機関及び当該機関への提出を必要とする理由

三   前二号に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合 戸籍の記載事項の利用の目的及び方法並びにその利用を必要とする事由

3   第一項の規定にかかわらず、弁護士(弁護士法人を含む。次項において同じ。)、司法書士(司法書士法 人を含む。次項において同じ。)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法 人を含む。次項において同じ。)、税理士(税理士法人を含む。次項において同じ。)、社会保険労務士(社会保険労務士法 人を含む。次項において同じ。)、弁理士(特許業務法人を含む。次項において同じ。)、海事代理士又は行政書士(行政書士法 人を含む。)は、受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該業務の種類、当該事件又は事務の依頼者の氏名又は名称及び当該依頼者についての第一項各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。

所有者不明の農地に利用権設定

 


所有者不明の農地でも利用権(賃借権)が設定できるようになっていたんですね。
今日の琉球新報で初めて知りました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
参考
農地法
(利用状況調査)

第三十条  農業委員会は、農林水産省令で定めるところにより、毎年一回、その区域内にある農地の利用の状況についての調査(以下「利用状況調査」という。)を行わなければならない。

2  農業委員会は、必要があると認めるときは、いつでも利用状況調査を行うことができる。


(利用意向調査)

第三十二条
3  農業委員会は、第三十条の規定による利用状況調査の結果、第一項各号のいずれかに該当する農地がある場合において、過失がなくてその農地の所有者等(その農地(その農地について所有権以外の権原に基づき使用及び収益をする者がある場合には、その権利)が数人の共有に係る場合には、その農地又は権利について二分の一を超える持分を有する者。第一号、第五十三条第一項及び第五十五条第二項において同じ。)を確知することができないときは、次に掲げる事項を公示するものとする。この場合において、その農地(その農地について所有権以外の権原に基づき使用及び収益をする者がある場合には、その権利)が数人の共有に係るものであつて、かつ、その農地の所有者等で知れているものがあるときは、その者にその旨を通知するものとする。
一  その農地の所有者等を確知できない旨

二  その農地の所在、地番、地目及び面積並びにその農地が第一項各号のいずれに該当するかの別

三  その農地の所有者等は、公示の日から起算して六月以内に、農林水産省令で定めるところにより、その権原を証する書面を添えて、農業委員会に申し出るべき旨

四  その他農林水産省令で定める事項

(裁定)

第三十九条  都道府県知事は、第三十七条の規定による申請に係る農地が、前条第一項の意見書の内容その他当該農地の利用に関する諸事情を考慮して引き続き農業上の利用の増進が図られないことが確実であると見込まれる場合において、農地中間管理機構が当該農地について農地中間管理事業を実施することが当該農地の農業上の利用の増進を図るため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、農地中間管理権を設定すべき旨の裁定をするものとする。


(所有者等を確知することができない場合における農地の利用)

第四十三条  農業委員会は、第三十二条第三項(第三十三条第二項において読み替えて準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による公示をした場合において、第三十二条第三項第三号に規定する期間内に当該公示に係る農地(同条第一項第二号に該当するものを除く。)の所有者等から同条第三項第三号の規定による申出がないとき(その農地(その農地について所有権以外の権原に基づき使用及び収益をする者がある場合には、その権利)が数人の共有に係るものである場合において、当該申出の結果、その農地の所有者等で知れているものの持分が二分の一を超えないときを含む。)は、農地中間管理機構に対し、その旨を通知するものとする。この場合において、農地中間管理機構は、当該通知の日から起算して四月以内に、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、当該農地を利用する権利(以下「利用権」という。)の設定に関し裁定を申請することができる。

2  第三十八条及び第三十九条の規定は、前項の規定による申請があつた場合について準用する。この場合において、第三十八条第一項中「にこれを」とあるのは「で知れているものがあるときは、その者にこれを」と、第三十九条第一項及び第二項第一号から第三号までの規定中「農地中間管理権」とあるのは「利用権」と、同項第四号中「借賃」とあるのは「借賃に相当する補償金の額」と、同項第五号中「借賃」とあるのは「補償金」と読み替えるものとする。

3  都道府県知事は、前項において読み替えて準用する第三十九条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を農地中間管理機構(当該裁定の申請に係る農地の所有者等で知れているものがあるときは、その者及び農地中間管理機構)に通知するとともに、これを公告しなければならない。当該裁定についての審査請求に対する裁決によつて当該裁定の内容が変更されたときも、同様とする。

4  第二項において読み替えて準用する第三十九条第一項の裁定について前項の規定による公告があつたときは、当該裁定の定めるところにより、農地中間管理機構は、利用権を取得する。

5  農地中間管理機構は、第二項において読み替えて準用する第三十九条第一項の裁定において定められた利用権の始期までに、当該裁定において定められた補償金を当該農地の所有者等のために供託しなければならない。

6  前項の規定による補償金の供託は、当該農地の所在地の供託所にするものとする。

7  第十六条の規定は、第四項の規定により農地中間管理機構が取得する利用権について準用する。この場合において、同条第一項中「その登記がなくても、農地又は採草放牧地の引渡があつた」とあるのは、「その設定を受けた者が当該農地の占有を始めた」と読み替えるものとする。

かふうvol.603 定期借家契約

 

成立要件
定期借家契約と従来型の借家契約との比較


1.契約方法



定期借家契約
(1) 公正証書等の書面による契約に限る

(2)さらに、「更新がなく、期間の満了により終了する」ことを契約書とは別に、あらかじめ書面を交付して説明しなければならない

備考:
賃貸人の仲介をしている宅地建物取引業者が、「重要事項説明」として、「定期借家契約を結ぶ前に書面を交付して行う説明」と同様の説明を行った場合は、賃貸人から賃借人への説明が行われたことになるか。

「重要事項説明」は 仲介者としての宅地建物取引業者が行うものですが、これに対して、「定期借家契約を結ぶ前に書面を交付して行う説明」は賃貸人自らが行うものですので、それぞれ説明すべき方が異なります。したがって、「重要事項説明」を行っただけでは、「定期借家契約を結ぶ前に書面 を交付して行う説明」をしたことにはなりません。
なお、仲介者が賃貸人の代理人として「定期借家契約を結ぶ前に書面を交付して行う説明」をする権限を有する場合でも、宅地建物取引業者として行う「重要事項説明」とは説明すべき方が異なることに変わりはありませんから、仲介者は、それぞれの立場で、それぞれの説明を行う必要があります。

従来型の借家契約
書面でも口頭でも可


2.更新の有無
定期借家契約
期間満了により終了し、更新はない


従来型の借家契約
正当事由がない限り更新

3.建物の賃貸借期間の上限

定期借家契約
無制限

従来型の借家契約
2000年3月1日より前の契約・・・20年
2000年3月1日以降の契約・・・無制限

4.期間を1年未満とする建物賃貸借の効力

定期借家契約
1年未満の契約も可能


従来型の借家契約
期間の定めのない賃貸借とみなされる


終了要件
定期建物賃貸借契約においては、契約期間が1年以上の場合は、貸主は期間満了
の1年前から6か月前までの間(「通知期間」といわれています。)に、借り主に契約が終了することを通知する必要があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

定期借地契約の更新に備えた民事信託・家族信託の活用

貸主が高齢の際、数年後に定期借地契約の再契約を控える場合に。

・・・・・・・・・・・
参考

・かふうvol.603「Q&A不動産相談所」
・国土交通省HP

固定資産税台帳に登録価格のない土地の登録免許税

平成28年4月7日裁決

1、固定資産税台帳に登録価格のない土地について、近くに接道状況などの似た土地がない場合は、課税価格の補正を考えること。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

参考

(国税不服審判所HP 2017年5月11日閲覧)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

本件は、審査請求人(以下「請求人」という。)が、土地の所有権移転登記を受けるに当たり納付した登録免許税額が過大であったとして、登録免許税法第31条《過誤納金の還付等》第2項の規定に基づき、原処分庁に対し、所轄税務署長に対する還付通知をすべき旨の請求をしたところ、原処分庁が、還付通知をすることはできない旨の通知処分をしたことから、当該処分の取消しを求めた事案である。

(2) 関係法令等

別紙1のとおりである。

(3) 審査請求に至る経緯及び基礎事実

次の事実については、請求人と原処分庁との間に争いがなく、当審判所の調査の結果によってもその事実が認められる。

イ E社は、平成24年10月5日、a市d町○-○の土地(地目 田、地積 786平方メートル)を取得した。

ロ 平成26年4月21日、上記イの土地からa市d町○-○の土地(地積 434平方メートル、以下「本件土地」という。)が分筆され、同年5月13日、その地目を田から雑種地に変更する旨の登記がされた。

ハ 本件土地は、別紙2のとおり、間口約8m、奥行き約53mの南北に細長い長方形状であり、その南方において里道及び農業用灌漑水路(幅員2m)を介して幅員5mの市道(以下「本件市道」という。)と接し、その東・西・北方は民地に囲まれている。

 また、本件土地については、昭和○年○月○日付の計画決定により、同土地の南側部分を東から北西に横断する形で都市計画道路の建設が予定されており、その道路建設予定面積は128.20平方メートルである。

ニ 請求人及びFは、平成26年8月30日、E社から本件土地を代金○○○○円で買い受け(以下「本件売買」という。)、平成27年2月3日、その引渡しを受けた。

 本件土地は、平成27年1月24日までに、本件市道との段差を解消するための盛土がされるとともに、別紙2のとおり、本件土地と本件市道とを行き来するためのコンクリート製の橋が、里道及び農業用灌漑水路を横断する形で設置され、上下水道の引込工事も完了していたが、同月1日の時点では、これらの工事は完了していなかった。

ホ 請求人及びF並びにE社は、本件売買による所有権移転登記手続をG司法書士に委任した。

 G司法書士は、平成27年2月3日、請求人及びF並びにE社を代理して、B地方法務局d出張所に対し、本件土地について、平成27年2月3日売買を原因とするE社から請求人及びFに対する所有権移転登記(請求人持分100分の15、F持分100分の85)を申請した(以下「本件登記申請」といい、同日を「本件登記申請日」という。)。

 本件登記申請に係る申請書には、課税価格○○○○円、登録免許税額○○○○円との記載があり、G司法書士は、本件登記申請に際し、請求人及びFを代理して、当該登録免許税額を納付した。

 そして、同日付で、本件土地について、本件登記申請どおりの登記(以下「本件登記」という。)がされた。

ヘ ところで、本件土地は、施行令附則第3項第1号所定の基準日である本件登記申請日の前年12月31日現在において固定資産課税台帳に登録された価格(以下「登録価格」という。)がなかった。

 そこで、G司法書士は、本件登記申請に当たり、a市長から、「所在地」欄に「a市d町○-○付近」、「課税地目」欄に「雑種地」、「課税地積」欄に「1.00平方メートル」、「平成26年度評価額」欄に「○○○○円」と記載された固定資産評価証明書の発行を受け、当該評価額(以下「本件近傍地価額」という。)に本件土地の地積を乗じて、同土地の課税価格を○○○○円と算定した(○○○○円×434平方メートル=○○○○円(1,000円未満切捨て))。

 そして、B地方法務局d出張所登記官Hは、施行令附則第3項の規定に基づき、上記○○○○円を本件土地の価額と認定した(以下、当該価額を「本件登記官認定額」という。)。

ト 請求人は、平成27年1月1日を基準日として別表1のとおり算定された本件土地に係る平成27年度の登録価格(以下「平成27年度登録価格」という。)である○○○○円が、本件登記の時における同土地の正当な価額であり(以下「請求人主張額」という。)、これを基礎に計算した登録免許税額○○○○円と、上記ホの登録免許税額○○○○円との差額である○○○○円は過誤納であるとして、同年5月22日、登録免許税法第31条第2項の規定に基づき、原処分庁に対し、所轄税務署長に対する還付通知をすべき旨の請求をした。

チ 原処分庁は、上記トの還付通知をすべき旨の請求に対し、平成27年5月26日付で、還付通知をすることはできない旨の通知処分をした。

リ 請求人は、原処分を不服として、平成27年6月11日に審査請求をした。

2 争点

本件登記官認定額が本件土地の価額として過大であるか否か。

3 主張

請求人

施行令附則第3項の規定により、登録価格のない不動産の価額は、類似する不動産で登録価格のあるものを基礎として登記機関が認定するところ、当該認定に当たっては、登記をする不動産と類似する不動産の登録価格を基礎とし、登記をする不動産の形状、立地条件、利用条件等の特殊事情につき所要の調整を行って認定すべきである。

 本件土地は、施行令附則第3項に規定する登録価格のない不動産であるところ、本件登記官認定額は、本件近傍地価額に本件土地の地積を乗じただけのものであり、本件土地の形状、立地条件、利用条件等を考慮して計算されたものとは認められない。

 他方、本件土地の形状、立地条件、利用条件等の特殊事情を考慮して所要の調整を行い計算した価額は、平成27年度登録価格と同額であり、当該価額が本件登記の時における時価であると認められるから、請求人主張額に基づき計算した登録免許税額と本件登記申請における登録免許税額との差額は、過誤納であり、還付されるべきである。

原処分庁

本件土地は、施行令附則第3項に規定する登録価格のない不動産であるところ、本件登記官認定額は、本件近傍地価額を本件土地に類似する不動産の登録価格の1平方メートル当たりの価格としており、施行令附則第3項の規定に基づき、類似する不動産の登録価格を基礎として計算されたものであるから、これに誤りはなく、本件の登録免許税額は過誤納とはなっていない。

 なお、本件登記申請は平成27年2月3日にされたものであることから、本件土地の価額の算出に当たっては、施行令附則第3項の規定に基づき、平成26年12月31日現在における登録価格に100分の100を乗じて計算した金額を基礎とするべきであり、請求人が主張するように、平成27年1月1日現在における登録価格を基礎とすることはできない。

4 判断

(1) 認定事実

請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。

イ 本件土地は、都市計画法第7条第1項所定の市街化区域内に所在する。

ロ 本件土地は、本件市道の北側に沿接するa市d町地区(以下「d町地区」という。)内に所在するところ、平成26年及び平成27年当時、同地区内の土地は、そのほとんどが農地であり、農地が広がる中に、本件土地並びに宅地造成がされた雑種地1筆及び駐車場1区画が点在していた。なお、平成26年及び平成27年において、d町地区内の状況が大きく変化した事実はない。

ハ 本件市道の南側に沿接するa市e町地区(以下「e町地区」という。)は、戸建住宅が立ち並ぶ住宅地であった。

ニ 平成26年度まで、本件市道に付設された路線価は、本件市道の南側に沿接するe町地区の土地評価に適用する路線価(以下「本件南側路線価」という。)のみであったが、同地区と本件市道の北側に沿接するd町地区とでは価格形成要因が異なることなどから、平成27年度以降、d町地区の土地の評価に適用する路線価(以下「本件北側路線価」という。)が新たに付設され、本件市道は二重路線価の状態となっていた。

 本件南側路線価及び本件北側路線価は、別表2のとおりである。

ホ e町地区及びd町地区の標準宅地に沿接する主要な街路に付設された路線価(固定資産評価基準第1章第3節二の(一)の2、3参照)は、別表3のとおりであるところ、平成27年度の本件北側路線価は、同年度の標準宅地の1平方メートル当たりの価格○○○○円に、固定資産評価基準第1章第12節一所定の0.7の割合を乗じた上、標準宅地の前面道路の幅員(6m)と本件土地の前面道路(本件市道)の幅員(5m)の差を考慮した補正率0.99を乗じて算定された(○○○○円×0.7×0.99=○○○○円(100円未満切捨て))ものである。

ヘ 本件登記申請日(平成27年2月3日)において、本件土地の周辺で、本件土地と形状、間口、奥行き、利用状況及び接道状況等が類似する土地は存在しなかった。

(2) 検討

イ 登録免許税法第10条第1項は、不動産の登記の場合における登録免許税の課税標準たる不動産の価額は、当該登記の時における不動産の価額である旨規定し、同法附則第7条は、上記課税標準たる不動産の価額は、当分の間、当該不動産の登録価格を基礎として政令で定める価額によることができる旨規定している。

 そして、登録免許税法附則第7条の委任を受けた施行令附則第3項は、上記政令で定める価額は、登録価格のある不動産の場合については、登録価格に100分の100を乗じて計算した金額に相当する価額とし、登録価格のない不動産については、当該不動産の登記の申請の日において当該不動産に類似する不動産の登録価格を基礎として当該登記に係る登記機関が認定した価額(以下「登記機関認定価額」ということがある。)とする旨規定している。

ロ 本件土地は、上記1の(3)のヘのとおり、施行令附則第3項第1号所定の基準日である本件登記申請日の前年12月31日現在において登録価格がなかったことから、同項の規定により、本件登記申請日において本件土地に類似する不動産の登録価格を基礎として登記機関が認定した価額によることができるが、上記(1)のヘのとおり、本件登記申請日において、本件土地の周辺で、本件土地と形状、間口、奥行き、利用状況及び接道状況等が類似する土地は存在しなかったものと認められる上、当審判所の調査の結果によれば、本件登記官認定額の基となった本件近傍地価額(○○○○円/平方メートル)は、単に、平成26年度の本件南側路線価(○○○○円/平方メートル)に雑種地等補正率0.90を乗じて算定されただけのものであることがうかがわれるから、これを本件土地に類似する不動産の登録価格を基礎として算定されたものということはできず、本件登記官認定額を、施行令附則第3項所定の登記機関認定価額として適正なものと認めることはできない。

ハ 一方、請求人主張額は、平成27年度登録価格を基礎とするものであるが、施行令附則第3項第1号に規定するとおり、登記機関認定価額の基礎とする当該不動産に類似する不動産の登録価格は、登記の申請の日がその年の1月1日から3月31日までの期間内であるものについては、その年の前年12月31日現在において固定資産課税台帳に登録されたものを用いるべきであるところ、上記1の(3)のホのとおり、本件登記申請日は平成27年2月3日であるから、用いるべき登録価格は平成26年12月31日現在のものであって、これと異なり、平成27年1月1日を基準日とする平成27年度登録価格を用いる請求人主張額は、同号の規定に反しており、これを同項所定の登記機関認定価額と認めることはできない。

 また、上記1の(3)のニのとおり、平成27年度登録価格の基準日である平成27年1月1日と、本件登記の日である同年2月3日とでは、本件土地の造成工事が完了していたか否かという差異があることから、平成27年度登録価格をもって直ちに同土地の本件登記の時における時価であると認めることもできない。

 したがって、請求人主張額は採用することができない。

ニ 上記(1)のヘのとおり、本件登記申請日において、本件土地の周辺で、本件土地と形状、間口、奥行き、利用状況及び接道状況等が類似する土地は存在しなかったものと認められるが、このように、登記の申請の日において当該不動産に類似する不動産そのものが見当たらない場合にあっては、登記の時の当該不動産の現況を踏まえた上で、当該不動産自体の基準日現在における登録価格相当額を、登録価格の決定の基準(地方税法第403条第1項)である固定資産評価基準に則して算定し、これをもって施行令附則第3項所定の登記機関認定価額と解することも、同項が、可能な限り登録価格に依拠して登記の時における不動産の価額を求めることによって課税の公平を図ろうとした趣旨に沿うものとして相当であると認められる。

ホ そこで、上記1の(3)の基礎事実及び上記(1)の認定事実を基に、固定資産評価基準に則して本件土地の登録価格相当額(算定の基準日は、施行令附則第3項第1号の規定により、本件登記申請の日の前年12月31日である平成26年12月31日となる。)を算定すると、別表5のとおり、○○○○円となり、これをもって、施行令附則第3項所定の登記機関認定価額ひいては登録免許税の課税標準たる不動産の価額と認めるのが相当である。

 なお、別表5の(1)の平成26年度の本件北側路線価相当額及び同(6)の雑種地等補正率について、次のとおり補足する。 (イ) 本件北側路線価相当額について

 上記(1)のニのとおり、本件土地が所在するd町地区の土地の評価に適用される本件北側路線価は、平成26年度までは付設されていなかったが、同ロのとおり、平成26年及び平成27年において、同地区内の状況が大きく変化した事実は認められないことからすれば、平成26年度の同地区の標準宅地に沿接する主要な道路に付設された路線価である○○○○円(別表3)に、平成27年度の本件北側路線価の算定に係る補正率と同率の補正率である0.99を乗じて算出される○○○○円(○○○○円×0.99=○○○○円(100円未満切捨て))をもって、平成26年度の本件北側路線価相当額と認めるのが相当である。

(ロ) 雑種地等補正率について

 上記1の(3)のニのとおり、本件土地は、本件登記の時において既に造成工事が完了していたのであるから、雑種地等補正率は、「宅地と同等のもの」として、1.00(別表4の表5参照)とするのが相当である。

(3) 小括

以上によれば、本件登記官認定額のうち、上記(2)のホの審判所認定額を超える部分は過大であると認められる。

5 原処分について

上記4の(2)のホのとおり、本件土地に係る登録免許税の課税標準たる不動産の価額は○○○○円となり、これを基に、登録免許税法第9条《課税標準及び税率》、同法別表第1の一の(二)のハ及び租税特別措置法第72条《土地の売買による所有権の移転登記等の税率の軽減》の規定により登録免許税の額を算定すると、○○○○円(100円未満切捨て)となるから、これと、上記1の(3)のホのとおり請求人が納付した登録免許税○○○○円との差額である○○○○円については、登録免許税の課税標準等又は税額の計算が国税に関する法令の規定に従っていなかったものと認められ、過誤納と認められる。

 したがって、請求人の還付通知をすべき旨の請求は、上記過誤納の限度で理由があり、原処分のうち、上記過誤納に係る部分は違法であるから、当該部分を取り消すべきである。

都市計画マスタープランNOTE

 

順序
1、都市計画区域マスタープランを作る。
都市計画区域マスタープランは、人口、人や物の動き、土地の利用のしかた、公共施設の整備などについて将来の見通しや目標を明らかにし、将来のまちをどのようにしていきたいかを具体的に定めるものです。西原町は、那覇広域都市計画の中に入っています。北は北中城村、南は糸満市までです。

具体的には、以下のような内容を定めます。

(1)都市計画の目標→どんなまちにしたいか。

(2)区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)の決定の有無及び当該区分を決めるときはその方針→家の隣に大きな工場、その隣に学校、その隣はパチンコ屋さん、その隣は畑、みたいになるとごちゃごちゃして生活も不便になるので、この区域は住宅を集めましょう、この区域には工場などを、とある程度決めてみる。

(3)2の他、土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針

2、市町村マスタープラン
 住民に最も近い立場にある市町村が、その創意工夫のもとに住民の意見を反映し、まちづくりの具体性ある将来ビジョンを確立し、地区別のあるべき「まち」の姿を定めるものです。市町村マスタープランは、当該市町村を含む都市計画区域マスタープラン、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即したものとなっています。


3、都市計画基礎調査
 都市計画を適切に策定し、実現していくためには、都市の現状や変化の様子などについて幅広くデータを集めて、これに基づいて計画を定める必要があります。そのために、おおむね5年ごとに、都市計画区域について、人口、産業、市街地面積、土地利用、交通量などの現況と将来の見通しについての調査を行っています。

都市計画区域
 都市計画を決めるにあたっては、まず「都市」の範囲を明らかにしなければなりません。そこで、都心の市街地から郊外の農地や山林のある田園地域に至るまで、人や物の動き、都市の発展を見通し、地形などからみて、一体の都市として捉える必要がある区域を、「都市計画区域」として指定します。
 都市計画区域は都市の実際の広がりに合わせて定めるので、その大きさは一つの市町村の行政区域の中に含まれるものからいくつかの市町村にわたる広いものまであります。


●準都市計画区域
 近年、モータリゼーションの進展等により、高速道路のインター周辺や幹線道路の沿道等を中心に大規模な開発、建設が拡大しており、無秩序な土地の利用や良好な景観の喪失が進んでいます。
 そこで、用途地域・風致地区など土地の使われ方を決めるために必要な都市計画を定めるため、「準都市計画区域」を指定できることになりました。

・線引き(区域区分)
 都市計画では、無秩序にまちが広がらないように、一定のルールに基づいて建物の建築などを制限しています。具体的には都市計画区域を2つに区分して、すでに市街地になっている区域や計画的に市街地にしていく区域(市街化区域)と、市街化をおさえる区域(市街化調整区域)を定めます。(区分を定めることを「線引き」と言います。)

●用途地域
 都市における住居、商業、工業といった土地利用は、似たようなものが集まっていると、それぞれにあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができます。しかし、種類の異なる土地利用が混じっていると、互いの生活環境や業務の利便が悪くなります。
 そこで、都市計画では都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」として定めています。

第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域です。
小規模なお店や事務所をかねた住宅や、小中学校などが建てられます。

第二種低層住居専用地域
主に低層住宅のための地域です。
小中学校などのほか、150m2までの一定のお店などが建てられます。


第一種中高層住居専用地域
中高層住宅のための地域です。
病院、大学、500m2までの一定のお店などが建てられます。

第二種中高層住居専用地域
主に中高層住宅のための地域です。
病院、大学などのほか、1,500m2までの一定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられます。


第一種住居地域
住居の環境を守るための地域です。
3,000m2までの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。

第二種住居地域
主に住居の環境を守るための地域です。
店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。

準住居地域
道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。


近隣商業地域
まわりの住民が日用品の買物などをするための地域です。
住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられます。

商業地域
銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。
住宅や小規模の工場も建てられます。

準工業地域
主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。
危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。

工業地域
どんな工場でも建てられる地域です。
住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。

工業専用地域
工場のための地域です。
どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。

地域地区
 都市計画区域内の土地をその利用目的によって区分し、建築物などに対するルールを決め、土地の合理的な利用を図るために、用途地域などの地域地区を指定します。また、準都市計画区域については、用途地域などの地域地区のうち一部の地域地区について指定します。

用途地域における建て方のルール
 用途地域が指定されている地域においては、建築物の用途の制限とあわせて、建築物の建て方のルールが定められています。これによって、土地利用に応じた環境の確保が図られるようになっています。
 例えば、土地の面積と建物の床の面積の比率(容積率と言います。)、道路の幅に見あった建物の高さなどのルールがあります。


●都市施設
 私たちが都市で生活し、学び、仕事などをするためには、みんなが共同で利用する道路、公園、下水道が無くてはなりません。
 都市計画では、将来のまちづくりを考えて、このような都市の骨組みを形づくっている都市施設の位置、規模、構造などを定め、計画的に整備しています。また、将来の事業が円滑に実施できるよう、都市計画に定められた施設の区域内では、建築について規制が課せられます。
 都市施設には、
•道路、都市高速鉄道、駐車場など(交通施設)
•公園、緑地など(公共空地)
•上下水道、電気、ガスなど(供給・処理施設)
•河川、運河その他の水路
•学校、図書館など(教育文化施設)
•病院、保育所など
•市場
•一団地の住宅施設
•一団地の官公庁施設
•流通業務団地
等があります。

都市計画事業
 道路、公園、下水道などを整備する場合は、通常、都市計画事業として行われ、地方公共団体等が必要な用地を買収し、計画に従って工事を実施します。

土地区画整理事業
 土地区画整理事業は、土地の所有者や住民が話し合い、みんなでまちをよくする事業です。みんなが少しずつ土地を提供して、この土地をみんなが使う公園などの公共用地に充てます。それぞれの土地の所有者にとっては、事業後の宅地の面積は少し小さくなりますが、道路や公園などが整備されたり、宅地が整形化されることにより、住みやすく利用価値の高い土地が得られることになります。
 まずは、その地域の所有者の合意が必要となります。


市街地再開発事業

 市街地再開発事業は、中心市街地などの土地を有効高度利用すべき地区において、バラバラに建っていた従来の古い建物を取り壊した上で、みんなで協力して新しい中高層のビルや住宅に建て替えるとともに、区域内の道路や広場をあわせて整備するものです。市街地再開発事業では、事業が行われる前から土地や建物について権利を持っている人は、それぞれの権利に応じて新しくできたビルとその敷地に権利が移し換えられることになります。

特別緑地保全地区
 「特別緑地保全地区」とは、樹木地、草地、水辺地などの緑地のうち、伝統的・文化的価値を有していたり、風致又は景観が優れていて生活環境を確保するために必要な地区を定め緑地として保全するための地域地区です。
 特別緑地保全地区に指定された場合は、建築物の建築や樹木の伐採等緑地の保全に支障がある行為は規制されることになります。

伝統的建造物群保存地区
 「伝統的建造物群保存地区」とは、伝統的建造物群及びこれと一体をなして歴史的風致を形成している環境を保存するため、市町村が定める地域地区です。
 保存地区内においては、主に建築物等の建築又は除却、建築物等の外観の変更、宅地の造成、木竹の伐採、土石の採取等について規制されることになります。


生産緑地地区
 「生産緑地地区」とは、市街化区域内にある一定の要件を満たす農地を農業生産活動を通して緑地として計画的に保全し、良好な都市環境の形成を図るための地域地区です。
 生産緑地地区に指定された場合は、農地として管理しなければならず建築物の建築等農業生産に関係のない行為は規制されることとなります。

景観地区
「景観地区」とは、市街地において、積極的に良好な景観の形成を図るために定められる地域地区です。
景観地区では、建築物や工作物について、デザイン・色彩・高さなど様々な事項が、地域の特性に応じて、総合的に規制されることになります。


環境アセスメント
「環境アセスメント(環境影響評価)」とは、大規模な事業の実施にあたって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、調査・予測・評価を行い、その結果を公表して住民のみなさん、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点から、よりよい事業計画を作り上げていく制度です。
 大規模な道路や土地区画整理事業等を都市計画として定める際には、都市計画を定める手続きとあわせて、実施することになっています。

地区計画で定められるまちづくりのルール
1.地区施設(生活道路、公園、広場、遊歩道など)の配置
2.建物の建て方や街並みのルール
(用途、容積率、建ぺい率、高さ、敷地規模、セットバック、デザイン、生垣化、など)

3.保全すべき樹林地

【策定プロセス】
•地区計画の案は、市町村が条例に基づき、土地所有者等の意見を求めて作成します。
•地区計画の方針が策定された地区内では、土地所有者等が協定を締結して、市町村に対して地区整備計画の策定を要請することができます。
•市町村の条例で定めるところにより、地域住民から市町村に対し、地区計画の案の申し出ができます。

【実現担保】
•通常は、届出・勧告によります。ただし、地区計画で定めたルールを市町村が条例化すれば、強制力が付与されます。
•特定の事項を定めた場合に、特定行政庁の認定・許可により、用途地域の用途、容積率、高さの制限を緩和できる場合があります。


●地区計画
 地区計画は、それぞれの地区の特性に応じて、良好な都市環境の形成を図るために必要なことがらを市町村が定める、「地区計画レベルの都市計画」です。地区計画は、地区の目標、将来像を示す「地区計画の方針」と、生活道路の配置、建築物の建て方のルールなどを具体的に定める「地区整備計画」とからなり、住民などの意見を反映して、街並みなどその地区独自のまちづくりのルールを、きめ細かく定めるものです。


●いろいろな地区計画があります。
地区計画(昭和55年)
防災街区整備地区計画(平成9年)
歴史的風致維持向上地区計画(平成20年)
沿道地区計画(昭和55年)
集落地区計画(昭和62年)
市街化調整区域での地区計画(平成4年)
再開発地区計画(昭和63年→平成14年再開発等促進区に統合)
住宅地高度利用地区計画(平成2年→平成14年再開発等促進区に統合)
再開発等促進区(平成14年)
開発整備促進区(平成18年)
誘導容積型地区計画(平成4年)
容積適正配分型地区計画(平成4年)
高度利用型地区計画(平成14年)
用途別容積型地区計画(平成2年)
街並み誘導型地区計画(平成7年)
立体道路制度(平成元年)

優良なプロジェクトに対する特例制度
 都市計画で定められた容積率は、基盤施設とのバランスや、良好な市街地環境を確保するための基礎的な社会的ルールです。したがって、これらを一律に緩和することは、交通混雑、環境悪化等を招くことから適当ではありません。そこで、過密の弊害を招くことなく、土地の有効利用を効果的に進めるため、公共施設や、オープンスペースの整備等を伴う「優良なプロジェクト」に対しては、「都市再生特別地区」、「特定街区」、「再開発等促進区」、「高度利用地区」といった、容積率の特例制度が適用されます。

都市計画手続き
 都市計画の案を作る段階では、公聴会などにより住民の皆さんの意見を反映させるための措置を講じることとされています。案は公告・縦覧され、住民の皆さんは案に対し意見を提出することができます。案は、提出された意見書を添えて、都市計画審議会に提出され、審議を経た後必要な手続きを経て決定されます。
 なお、都市計画は、広域的・根幹的な見地から決定すべき都市計画については都道府県が定め、その他については、基本的に市町村が定めます。


<公聴会>


今回の西原町都市計画マスタープラン検討委員会は、ここに入っています。一部は公聴会と同時並行で進められました。

<公告・縦覧>
<都市計画審議会>
<都市計画決定>


農地法からの観点(主に転用条件)

第1種農地
10ヘクタール以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地
原則不許可(土地収用法対象事業等のために転用する場合、例外許可)
・西原町の場合、下線の方針で進める予定です。

第2種農地
鉄道の駅が500m以内にある等、市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地
農地以外の土地や第3種農地に立地困難な場合等に許可

第3種農地
鉄道の駅が300m以内にある等、市街地の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地
原則許可

河川法からの観点


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
参考

国土交通省HP

都市計画法
(市町村の都市計画に関する基本的な方針)

第18条の2  市町村は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想並びに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めるものとする。

2 市町村は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

3 市町村は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に通知しなければならない。

4 市町村が定める都市計画は、基本方針に即したものでなければならない

PAGE TOP