マイナンバーカードでPDFファイルの情報に電子署名を付与して、公的個人認証サービスで一致性を確認してみました(Adobe Acrobat DC および Adobe Acrobat Reader DC 使用)。

 本当は、前回の電子署名の有効性確認を行った際に、一致性の確認まで完了したかったのですが、私のミスで出来ませんでした。その後、日司連公的個人認証有効性確認システムサポートさんのアドバイスを得て、一致性の確認まで出来たので私自身の復習の意味で書いてみます。

https://www.youtube.com/watch?v=FhtPdbo35f4

前回の最後の部分と少し重なります。

 MicrosoftのwordファイルなどをPDFファイルに変換したり、電子署名が付与されたPDFファイルを検証するのに、Adobe Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用しました。マイナンバーカードだけでは駄目なのか。そんなことはありません。いくつもある方法の中から、通常の契約と同時に、登記申請でも利用できるように私自身は、Adobe Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用しました。司法書士事務所開業当時から、Adobe Acrobat DC / Acrobat Reader DCをPCに入れていたから、というのが一番大きな理由です。また、PDF署名プラグインソフト(PDFファイルに電子署名を付与するためのソフトウェア)を利用するため、という理由もあります。

登記・供託オンライン申請システム「登記・供託オンライン申請システムにおいて動作確認しているPDF変換ソフト」

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/append/pdf_operation.html

法務省 「利用可能な電子証明書・電子証明書を発行している認証機関」

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/security/riyokano_syoumei.html

公的個人認証サービス  ポータルサイト「署名用認証局の運営に関する情報」

https://www.jpki.go.jp/ca/ca_rules3.html

・MicrosoftのwordファイルからPDFファイルに変換して、電子署名を付与してみます。事前にPDF署名プラグインソフトをダウンロードしています。

Adobe「PDF ファイルで電子署名を利用する方法 (Acrobat DC / Acrobat Reader DC)」

https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/kb/cq07131410.html

登記・供託オンライン申請システム

「PDFファイルに電子署名を付与する際の留意事項について」

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/append/sign_pdf.html

 また、JPKIソフト(利用者クライアントソフト)をダウンロードして、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れていないか、確認もしてみました。

地方公共団体情報システム機構「公的個人認証サービスポータルサイト」

https://www.jpki.go.jp/download/index.html

署名の検証を行ってみます。

 署名は有効であることが分かりました。署名時刻の検証がされたことが分かりました。しかし、私のパソコンの時計に基づいているようなので、時計が操作されると、操作された時刻が出てくることになると思います。時刻に年月日も入るのかは現時点で調べることが出来ませんでした。

一致性の確認をしていきます。

署名のプロパティを表示。詳細。

CN=、の後の英数字記号が日司連公的個人認証サービスの電子証明書の番号となるようです。

 私が何度もミスしたのはこの時です。自分で何度CN(コモンネーム)を探しても見つけることが出来ませんでした。その度に新しいPDFファイルに電子署名を付与し、また探していきます。サポートデスクさんからのアドバイスで、PDFファイルに電子署名を付与しても、すぐにCNが生成されるわけではなく、1~2時間くらいかかるようです。せっかちな方は気を付けた方が良いかもしれません。私です。

 日司連公的個人認証サービスにログインして、電子証明書の番号を入力(書類名は何でも良い。)すると一致しました。

備考:日本司法書士会連合会は、タイムスタンプの認証団体になるのかもしれません。良く知りませんが。

「空き家所有者不明土地問題関連研修会」

参考

限界ニュータウン探訪記

https://urbansprawl.net/archives/%e6%89%80%e6%9c%89%e8%80%85%e4%b8%8d%e6%98%8e%e5%9c%9f%e5%9c%b0%e7%89%b9%e6%8e%aa%e6%b3%95.html?s=09

講 師:上原浩一空き家所有者不明土地対策特別委員、渡口慎也委員

 去った大戦で登記簿等が焼失している。戦後の所有権の申告手続きで、登記簿は作成されたが、所有権の申告されない土地があった。その後、地積調査が行われ新たな所有者不明地が発覚した。墓地について所在地の市町村は所有者が現れるまで管理することになっている。大戦前の所有権を有する文書等の証拠が無いに等しい。墓地の上にはお墓があり、中には遺骨がある。墓地の所有者やその承継人が長年の間、墓地として利用している。登記簿には、地主不明または管理者として市町村が登記簿に登載されている。管理者である市町村は、管理解除の判断に困っている。

訴訟で解決を図る場合

・不動産登記法 74条 1項 2号

所有権を有することが確定判決によつて確認された者

・参考

不動産登記法(所有権の保存の登記)

第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。

二 所有権を有することが確定判決によって確認された者

・土地 (墓地)所有権確認の訴え

戦争前より所有権を有していた。戦前の資料がない。立証は、不可能に近い。

・参考 要件事実

原告が所有権を有すること

確認の利益を基礎付ける事実(買った、など)

・民法 162条 1項の取得時効の主張

占有の開始時と今現在の占有の証明

・参考

民法(所有権の取得時効)

第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

1.終戦直後の土地所有権認定作業について

・1945年に発布した「ニミッツ布告」。・・・日本の行政権の停止。

・1946年「土地所有権関係資料蒐集」を発布 (米国海軍軍政本部指令第121号)

・・・沖縄県の土地台帳類は、宮古・八重山地域を除き、戦争により焼失したため、米軍が約5年の歳月をかけて土地所有権認定事業を行い、土地所有権の認定証明や登記をすすめた。

参考 

福地 洋子「USCAR法務局琉球財産管理課文書の活用」

沖縄県公文書館研究紀要 第22号 2020年3月

https://www.archives.pref.okinawa.jp/wp-content/uploads/9ee45a3dde4dd45964d88a5bb0f60c70.pdf

・各市町村の各宇に字土地所有権委員会が設置・・・土地所有権関係資料蒐集に基づいて沖縄本島及びその周辺の市町村長は各字に10名の土地所有権委員を任命し、すべての土地所有権に関して調査を行う権限が与えられた。私有地の所有者は、隣接土地所有者2人の保証人の連署を添えて土地所有権申請書を土地所有権委員会に提出し、同委員会はこれに基づいて土地の調査測量を行い、土地を表示した地図を作製し土地所有権申請書を添えて市町村長に報告した。

・各市町村土地所有権委員会を設置・・・5名の市町村土地所有権委員を市町村長が任命し公有地や所有者の判明しない土地(未確定土地)について調査し、その結果を市町村長に報告。

→沖縄諮詢会 (琉球政府の前身)に報告。

・1950年には「土地所有権確定証明中央委員会」が設置、30日間一般の縦覧に供し、異議のない土地につき、1951年 4月 1日 付で各市町村長よりー斉に土地所有権証明書を交付。

・市町村長は、土地所有権証明書を交付、通知用謄本 3通 を作成し、税務署、土地中央事務所、登記所に送付。

・沖縄に登記所がなかつたので、 1951年特別布告によつて同年 7月 1日から登記所が再開、沖縄の登記簿が回復。

参考

米国民政府布告/Civil Administration Proclamation 1950年~1957年 第001号~第039号http://www2.archives.pref.okinawa.jp/opa/OPA600_RESULT_BUNSYO.aspx?cont_cd=A000007665&src_keyword=RDAP000033&keyword_hit=RDAP000033

・滅失登記簿の回復が、旧不動産登記法23条の規定違反。

・復帰特別措置法第 15条 2項により、法令の相当規定による登記簿とみなされ、復帰前登記簿と復帰後の登記簿の法的牽連は確保されており、現在の登記簿の法的有効性が確保。

第 15条 (登記簿及び登記簿に関する経過措置)

沖縄法令によりした登記は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

2 沖縄法令の規定による登記簿は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

所有者不明土地

所有者不明土地とは、次のように解することができる。

・戦後の所有権認定作業の際に、私有地であるにもかかわらず申告がなかったために管理地となつた土地で、誰が所有者であるか分からない土地

・戦後の所有権認定作業における測量手続等の不備を補うためになされた地籍調査により新たに発生した私有地で、誰が所有者であるか分からない土地

所有者不明地が存在する理由

これらの所有者不明地が発生した事実上の原因。

・沖縄県外に居住していたため、所有権申請がなされなかった。

・支障を感じていないので所有権の申請がされなかつた。

・一家全減のため。

・戦争で両親が死亡したため、幼年者のみが生き残り。

・所有権証明書の交付は受けたが、登記所で登記手続きをしなかった。

・琉球政府が行つた土地調査の際に、登録地成とされた場合(とうろくちなりと読むようです。初めて知りました。参考 土地台帳法18条https://www.digital.archives.go.jp/das/image/F0000000000000044587)。)。

・無主の不動産であるため所有権申請が為されなかった場合。

・現地に居住していたが、戦争で土地の地形の変化等で事実上の自己の土地として確認できないため、所有権の申請がなされなかった場合。

所有者不明地の管理者

所有者不明地についての管理についての法的根拠

所有者不明地の管理者は、土地の存在する長 (特別布告第 36号第8条)

http://www2.archives.pref.okinawa.jp/opa/OPA600_RESULT_BUNSYO.aspx?cont_cd=A000007665&src_keyword=RDAP000033&keyword_hit=RDAP000033

琉球政府と市町村とが管理 (布告第 16号第3条)

「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」)第 62条により、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県または当該所有者不明土地の所在する市町村が管理。この布告 16号第 3条により、所有者不明土地のうち、墓地・社寺用敷地・霊地・聖地については、その土地の存在する市町村が管理することになっている。それ以外は、沖縄県が管理することになっている。

民法上の不在者財産管理人

 管理権限としては、権限の定めなき管理人として民法 103条により、保存行為に限られることになり、管理義務としては、他人の財産を管理するのであるから、善管注意義務を負う。管理者である県及び市町村の所有権確認訴訟における当事者適格は、民法103条の保存行為 (財産の現状を維持する)であることから導かれる。

.管理解除

 管理者 (行政)の立場から真実の所有者に返還する。管理を解除すること。管理解除が成立した場合には、表題部所有者表示更正登記をなし不動産登記法 74条 1項の手続きにより所有権保存登記を申請する。

図表等の出典

内閣府  沖縄県における所有者不明土地に起因する問題の解決に向けた調査

令和元年度報告書

平成30年度報告書(PDF形式:3,617KB)

https://www8.cao.go.jp/okinawa/9/kyougikai/humeitochi/humeitochi.html

 全国的には、相続未登記や通常と違う登記がされていて現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。沖縄県では、戦争の影響で戸籍、土地関係記録の焼失などにより、現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。戦後70年を超えて、全国と同じ不動産登記制度である限り、相続未登記の不動産も増える可能性がある。

・平成30年度

私は墓地と公共(地方公共団体)の項目が気になりました。

・令和元年度

A類型は管理の解除につながる可能性が高いと考えられるもの

B類型は現状において所有者不明土地を利用・占有している人、法人等が存在する 又は把握される。

C類型は、B類型の人、法人等が存在しないまたは把握が困難な土地(C類型は掲載されていません。)。諦める、後から手を付ける、立法に任せる、という意味でしょうか。

歴史

県管理地のみの数字なので、市町村、民間を合わせると増えます。

面積にすると1K㎡ない、というのは意外でした。もっと大きいのではないでしょうか。

登記簿(登記記録)が天災などで失くなった場合の処理方法。

墓地及埋葬取締規則(明治17年太政管布告25号)

私は初めてしりましたが、太政管は、「だじょうかん」と読むようです。

明治太政官制成立過程に関する研究 2田  村  安  興 

https://core.ac.uk/download/pdf/70356113.pdf

墓地及埋葬取締規則を廃止し、下の規則制定(上位規範の墓地埋葬法は墓地、埋葬等に関する法律。)。

寺院墓地の整理・再利用と墓地使用権

竹内 康博(愛媛大学法文学部)

http://religiouslaw.org/cgi/search/pdf/201002.pdf

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年7月13日厚生省令第24号)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei16/

不明地から管理者の名義へ

沖縄の復帰に伴う民事行政事務の取扱いについて

昭和47年5月15日民事甲第1783号那覇地方法務局長あて民事局長通達

不動産登記関係

9 市町村非細分土地登記簿及び所有者不明土地登記簿は、政令第15条第2項の適用を受けるものではないが当分の間各登記所において保存するものとする。なお、附属書類についても同様とする。

(沖縄登記関係法令集 平成4年12月 那覇地方法務局P193)

市町村非細分土地について

不明地には言及されていないが、出来ないとは決まっていない。

沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)

施行日: 令和二年十二月一日(平成三十年法律第九十五号による改正)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346AC0000000129

(所有者不明土地の管理)

第六十二条 沖縄法令の規定による所有者不明土地で、この法律の施行の際琉球政府又は沖縄の市町村が管理しているものは、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県又は当該所有者不明土地の所在する市町村が管理するものとする。

以前

日司連公的個人認証有効性確認システムを使ってみました。

PDF文書に、Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用してマイナンバーカードで電子署名をしてみました。

2021年(令和03年)02月15日、日司連公的個人認証有効確認システムが構築されたようなので、試しに利用してみました。

下の事が出来るようです。

・司法書士が依頼者のマイナンバーカードの有効性を確認できる。

・登記申請の際の添付情報等に付された電子証明書が,依頼者のマイナンバーカードの電子証明書と一致しているか即時に司法書士が確認できる。

ログイン画面

https://www.nkys.nisshiren.jp/

まずは、個人会員ログインをしてみます。

・個人会員ログインをクリック

・ID・初期パスワード・メールアドレスを登録すると、次のメールが送られてきます。

・「こちらからアクセスしてください」をクリックして、パスワードを自身で再設定。

・「暗証番号を送信」をクリック。

・暗証番号を入力してログイン。

・マイナンバーカードの有効性確認と、情報に付された電子証明書が,マイナンバーカードの電子証明書と一致しているか確認出来る画面に切り替わりました。

一旦、日司連公的個人認証有効性確認システムの画面に戻って、スマートフォンからマイナンバーカードの電子証明書を読み取ります。

・QRコードを読み込みます。

・スマートフォンアプリケーションが表示されたので、マイナンバーカードの読み取りをします。

ここで私が何度も間違ったこと。マイナンバーカードをアプリケーションに認識させた後、署名用パスワードを入力するのですが、3回も4回も「PINコードが違います」のエラー表示が出てきます。ヘルプデスクに問い合わせました。

最初は、アプリケーションを再インストール(削除して,再度入れなおす)すると改善する可能性があります。とのメールが届きました。

 アプリケーションを再インストールしても、「PINコードが違います」のエラー表示が出てきます。そこでヘルプデスクさんが教えてくれたのが、総務省のページです。

「パスワード入力から読み取り完了までスマートフォンとマイナンバーカードをピッタリあて続けてください」。これをしていなかったのです。私は、スマートフォンがマイナンバーカードを認識した後、マイナンバーカードを外して署名用パスワードを入力していました。「ピッタリ」あて続けた結果、読み取りが完了しました。

マイナンバーカードの有効性を確認してみます。

次は、PDFファイルの文書に、マイナンバーカードを利用してPDF文書に、Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用してマイナンバーカードで電子署名をしてみます。

参考

PDF ファイルで電子署名を利用する方法

https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/kb/cq07131410.html

・ファイル/その他の形式で保存/証明済み PDF を選択。

・ツール/証明書/電子署名 を選択。

・署名フィールドをクリック。

・署名に使用するデジタル ID の設定

・署名のプロパティを表示。

公的個人認証サービス  ポータルサイト

署名用認証局の運営に関する情報

https://www.jpki.go.jp/ca/ca_rules3.html

隂山克典「司法書士実務における電子署名の留意点」

 月報司法書士[1]の記事からです。電子化の流れに付いていけるように、考えてみたいと思います。

電子署名の類型

当事者署名型電子署名

 「当事者署名型」がマイナンバーカードや電子ファイルを利用して署名するもの、ということは知っていましたが、何で当事者署名型、と呼ばれているのでしょうか。法令では、当事者署名型という用語を探すことは出来ませんでした。いつから使われるようになったのかも私には探すことが出来ませんでした。おそらく事業者署名型電子署名のサービスが登場するときに当事者署名型電子署名という用語が作られたのではないでしょうか。

下の法令を読むと、当事者署名型電子署名が原則だと考えられます。

・電子署名をする人(個人、法人の代表者)がいる。

・電子署名をした情報については、変更できないように設定され、それが確認出来るようになっていること。

電子署名及び認証業務に関する法律

(定義)

第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。

二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

電子署名及び認証業務に関する法律施行規則

(利用者の真偽の確認の方法)

第五条 法第六条第一項第二号の主務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。

一 認証業務の利用の申込みをする者(以下「利用申込者」という。)に対し、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十二条第一項に規定する住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本(現住所の記載がある証明書の提示又は提出を求める場合に限る。)若しくは領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。)の在留証明又はこれらに準ずるものとして主務大臣が告示で定める書類の提出を求め、かつ、次に掲げる方法のうちいずれか一以上のものにより、当該利用申込者の真偽の確認を行う方法。ただし、認証業務の利用の申込み又はハに規定する申込みの事実の有無を照会する文書の受取りを代理人が行うことを認めた認証業務を実施する場合においては、当該代理人に対し、その権限を証する利用申込者本人の署名及び押印(押印した印鑑に係る印鑑登録証明書が添付されている場合に限る。)がある委任状(利用申込者本人が国外に居住する場合においては、これに準ずるもの)の提出を求め、かつ、次に掲げる方法のうちいずれか一以上のものにより、当該代理人の真偽の確認を行うものとする。

参考

・本人確認の意味とリスクの高低による本人確認方法。身元確認と当人認証の違い。司法書士にとって、リスクが低いのは金融機関が設定した担保権の抹消登記申請の業務などでしょうか。一部業務を除くと、司法書士が行う業務は全てリスクが高いと考えられます。

オンラインサービスにおける身元確認手法の整理に関する検討報告書(概要版)

2020年4月17日

https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200417002/20200417002.html

事業者署名型電子署名

まずは、2020年に公表されたQ&Aです。

利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法2条1項に関するQ&A)

令和2年7月 17 日

総務省 法務省 経済産業省

https://www.meti.go.jp/covid-19/denshishomei_qa.html

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/denshishomei_qa.pdf

利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法3条に関するQ&A)

令和2年9月4日

総務省  法務省  経済産業省

https://www.meti.go.jp/covid-19/denshishomei3_qa.html

 私がよく聞くのは、クラウド型電子署名です。要件の一つとして、サービス提供事業者の意思が介在する余地がなく、利用者の意思のみに基づいて機械的に暗号化されたもの、があります。立会人として電子情報の存在を確認した、というのは意思の介在が観念できるか、という問いが立てられています。事業者は電子情報(と電子署名)の存在を確認しないと仕事が完成しないので、その過程を意思の介在と捉えられると、事業者署名型電子署名という業務は成立しないのかなと感じます。Q&Aにも、「電子文書について行われた当該措置が利用者の意思に基づいていることが明らかになる場合には、これらを全体として1つの措置と捉え直すことにより」と記載されており、利用者の意思のみにより事業者によって電子署名が行われれば、これらの過程を1つの措置として捉え直すとされています。

参考

オンラインによる本人確認

平成30年改正犯罪収益移転防止法施行規則(平成30年11月30日公布)に関する資料

https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/law_com_24.htm

電子署名の検証

司法書士が依頼者の電子署名の検証を行う場合・・・日司連公的個人認証有効性確認システム

https://www.nkys.nisshiren.jp/login/individual

本人性の確認・・・電子署名が付与されたとき、付与された情報を受け取ったときに検証。

・電子証明書の発行主体が正当な認証局

・有効期間が切れていない

・失効していない

署名値の検証

・「【氏名】によって押印されました」

・署名パネルの表示確認

電子署名の有効性検証の継続

 たとえば、電子署名が付与された情報を受け取って登記申請までに期間がある場合。

電子契約システム活用の際の留意点は、私が気付かないことばかりでした。

長期署名対応、認定タイムスタンプ局、アーカイブスタンプ、種類の違う電子署名付与の順序、国際規格への対応などです。


[1] 2021.2 №588 P38~

司法書士のオシゴト

不動産登記の完全オンライン申請に挑戦! その1

https://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/cbecda46190f65d4b0795ef0a476a4e5

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案

 第204回通常国会に、2月9日、デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案が提出されました。

https://www.cas.go.jp/jp/houan/204.html?fbclid=IwAR22CqmxpBk4PLkN9hr19COy0OFUk5XixMc6nIUYy29PwWinCsFrbLGMhAc

 今回は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案について考えてみたいと思います。

概要

・個人情報の保護に関する法律を3法を1本の法律に統合し、地方公共団体を含めた全体の所管を、個人情報保護委員会に一元化。施行日:公布から1年以内→今年の国会で成立すれば、来年から実施。

・マイナンバーカードについて、郵便局での発行・更新、スマートフォンでの管理、引っ越しの際の転入届に活用。施行日:郵便局は成立日、その他は成立から2年以内に実施。

・押印・書面の交付等を求める手続を見直す(押印を廃止、または署名のみ、署名か電子証明書に変更)ための48法律の改正。施行日:令和3年9月1日(施行までに一定の準備期間が必要なものを除く。)→施行日しか記載していないということは、成立することが前提となっている?

 

・案文・理由から気になる項目を拾っていきます。

(民法の一部改正)

第一条民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

第四百八十六条の見出し中「交付請求」を「交付請求等」に改め、同条に次の一項を加える。

2弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。

第九百八十四条に後段として次のように加える。

この場合においては、第九百六十九条第四号又は第九百七十条第一項第四号の規定にかかわらず、遺言者及び証人は、第九百六十九条第四号又は第九百七十条第一項第四号の印を押すことを要しない。

 

 例えば、支払った人がパソコンやプリンタを持っていたら、領収書をデータ(必要によって電子署名を付けたもの)で送ってもよい、ということだと思われます。外国にいる日本人が領事館で公正証書遺言や秘密証書遺言を作成する場合は、押印が不要になる。領事が立ち会っていること、外国にいることで印鑑証明書などの準備が難しいので、署名のみで足りる、という判断だと考えられます。

(戸籍法の一部改正)

第七条戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の一部を次のように改正する。

第二十九条中「左の」を「次の」に、「署名し、印をおさなければ」を「署名しなければ」に改める。

第三十三条中「署名し、印をおさなければ」を「署名しなければ」に改める。

第三十七条第二項中「且つ」を「かつ」に、「署名させ、印をおさせなければ」を「署名させなければ」に改め、同条第三項ただし書中「但し」を「ただし」に、「乃至第七十二条」を「から第七十二条まで」に改める。

第三十八条第一項中「添附しなければ」を「添付しなければ」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「附記させて、署名させ、印をおさせる」を「付記させて、署名させる」に改め、同条第二項中「添附しなければ」を「添付しなければ」に改める。

第五十五条第一項中「署名し、印をおさなければ」を「署名しなければ」に改め、同条第二項及び第三項中「著いた」を「到着した」に改める。

 戸籍請求などについての押印廃止です。ただ、以前から押印がなくても発行されていたので、法令の整備に留まるという印象です。

(宅地建物取引業法の一部改正)

第十七条宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の一部を次のように改正する。

第三十四条の二に次の二項を加える。

11宅地建物取引業者は、第一項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情

報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)であつて同項の規定による記名押印に代わる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該書面に記名押印し、これを交付したものとみなす。

 

12宅地建物取引業者は、第六項の規定による書面の引渡しに代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、当該書面において証されるべき事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該書面を引き渡したものとみなす。

 宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約書について、依頼者(買主、売主、貸主、借主など)の承諾を得た場合は、書面ではなく契約データに電子署名を付けて渡すことが出来る。

 宅地建物取引業者は、依頼者(買主、売主、貸主、借主など)の承諾を得た場合は、宅地建物取引士の登録を証する書面の代わりにデータを渡すことが出来る。その他の自らが売主、買主となる契約などについて同じ。

(住民基本台帳法の一部改正)

第二十七条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

第二十四条の二第五項中「前二項」を「第三項の規定による通知は、総務省令で定めるところにより、第一項又は第二項の規定による転出届を受けた市町村長の使用に係る電子計算機から電気通信回線を通じて相手方である転入予定地市町村長の使用に係る電子計算機に送信することによつて、前二項」に、「行う」を「、それぞれ行う」に改め、同項を同条第七項とし、同条第四項中「政令で定める」を「第三項に規定する」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項中「最初の転入届又は最初の世帯員に関する転入届」を「最初の転入届等」に、「は、その旨を当該最初の転入届に係る転出届又は当該最初の世帯員に関する転入届」を「が第三項の規定による通知を受けていない場合又は同項の規定により通知された事項を前項の規定により消去している場合には、当該転入地市町村長は、最初の転入届等を受けた旨を当該最初の転入届等」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。

3 前二項の規定による転出届を受けた市町村長は、政令で定める事項を前条の規定により届け出られた転出先に係る市町村の長(以下この条において「転入予定地市町村長」という。)に通知しなければならない。

4 転入予定地市町村長は、第一項又は第二項の規定による転出届をした者が当該転入予定地市町村長に最初の転入届又は最初の世帯員に関する転入届(次項において「最初の転入届等」という。)をすることなく、前項の規定による通知があつた日から政令で定める期間が経過したときは、同項の規定により通知された事項を消去しなければならない。

 マイナンバーカードを持っている人(世帯主など)が市区町村役場に転出届を提出した場合、引っ越し先の住所の市区町村役場に対して、通知する。転入届時に、住所氏名や世帯員など、記入する項目が少なくなる、ということだと思われます。

(借地借家法の一部改正)

第三十五条借地借家法(平成三年法律第九十号)の一部を次のように改正する。

第二十二条に次の一項を加える。

2前項前段の特約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十八条第二項及び第三十九条第三項において同じ。)によってされたときは、その特約は、書面によってされたものとみなして、前項後段の規定を適用する。

第三十八条中第七項を第九項とし、第四項から第六項までを二項ずつ繰り下げ、同条第三項中「前項を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同項の次に次の一項を加える。

4 建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により提供することができる。

この場合において、当該建物の賃貸人は、当該書面を交付したものとみなす。

第三十八条第一項の次に次の一項を加える。

2前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。

第三十九条に次の一項を加える。

3第一項の特約がその内容及び前項に規定する事由を記録した電磁的記録によってされたときは、その特約は、同項の書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。

 定期借地契約、定期建物賃貸借契約を締結する際の事前書面、取壊し予定の建物の賃貸借契約について、書面ではなくデータによって契約を締結することが出来る。

押印・書面の見直しに係る法改正事項について

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/seicho/20210212/210212seicho06.pdf

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