「家族信託ファクトブック2020」第2章 家族信託が必要とされる背景

「家族信託ファクトブック2020」(2020年11月、一般社団法人家族信託普及協会)からです。

少子高齢化の現在、確かに現役世代の支えるべき高齢者の数は増大していますが、その分、未成年者の数は大きく減少しているために、トータルでの社会コストとしてみると、実は1965 年の時点と現代、そして近い将来を考えても、就業者1 人が支えるべき非就業者の人数には、大きな変化は見られないのです。

 

 何か違う感覚を持つのは私だけでしょうか。国民年金保険料、国民健康保険料の額が、最初に払い始めた20歳の時より、5,000円/月位高くなっていると思うのですが。高齢者の医療費と年金を合わせた額と、未成年者の医療費と教育費などを合わせた額の比較で決まるのかなと感じました。

ただ、「就業者が非就業者を支える」という視点に環境適応の緒を見出そうという動きが起こっていることも確かです。加えて新たに現役世代の負担感を減じるような施策が打たれ、たとえば「高齢者の保有する金銭的、人的リソースがうまく社会で活用され、循環させられる制度」がありさえすれば、未来は変えていけるかも知れません。

 「高齢者の保有する金銭的リソースが上手く社会で活用され、循環させられる制度」の選択肢の1つとして家族信託がある、ということだと思います。このような書かれ方の場合、金銭的リソースを保有しない高齢者には、家族信託を利用する選択肢は(ほとんど)ない、ということも出来ます。

世帯主の年代別に、平均してどの程度の資産を保有しているかをみたものが以下のグラフです。

現役世代、たとえば40 歳代が平均で2,909 万円(金融資産588 万円、不動産等実物資産2,321 万円)程度であるのに対し、60 歳代は4,649 万円(金融資産1,509 万円、不動産等実物資産3,140 万円)と、とくに金融資産では3 倍近く差が開いていることがわかります。

この25 年間で60 歳代以上の資産はほぼ倍増、個人資産全体の約6~7 割を占めるに至り、個人金融資産約1,700 兆円中1,000 兆円あまりが高齢者層の保有、個人宅地資産も、約900 兆円中520 兆円が同じく高齢者層の保有となっています。

 私の個人的な感触は、簡単に高齢者が自身の所有する財産を次世代に引き継ぐとは思えません。何かしらの安心が必要だと感じます。私が所有していても子供に管理してもらうか、といったら自分で出来る間は自分で管理したいと思います。おそらく、自身に大きな疾患が見つかった場合(ステージ3の癌など。)は、今のうちに動いておこう、となるかもしれません。その次に、身近な親戚、友人知人の病気や死、相続で争った(財産の所有に拘って争った)ことを経験した・聞いた場合には、ちょっと考えないといけないのかな、と思うかもしれません。

認知症発症により“塩漬け”とされる高齢者の金融資産額は年々上昇しており、2030 年度時点で215兆円に達するとの試算が、2018 年8 月に、第一生命経済研究所より発表されています。

 塩漬け、というのは全く使われないという意味ではなく、原則として高齢者自身のためにしか使えなくなる、というような意味合いだと思います。

・企業の後継者不在は3 社に2 社という結果が出ており、この傾向は企業規模が小さいほど顕著です。また、経営者の年齢別では、とくに緊急性の高い60 歳代でも59.6%がなお「後継者不在」と回答しています(東京商工リサーチ発表)。

これは非常に憂慮すべき問題であり、2020 年1 月から10 月までの「後継者難」倒産は301 件(同期比47.5%増)に達しました。今年はこれに加え、コロナ禍の影響による休廃業・解散件数も大幅に増加しています。同じく2020 年8 月に発表された東京商工リサーチの第7 回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査によれば中小企業の廃業検討率は8.5%に上り、かつ「コロナの影響が継続している」と回答した企業のうち4.3%がその具体例として国内取引先企業の廃業を挙げています。最終的には30 万社を超える中小企業が廃業する恐れがあると言われています。

こうした点から、今後は少子高齢化による生産人口の減少とともに企業そのものの急激な減少による地域経済の落ち込みが心配されます。

 事業承継が進まない、というのは私が司法書士になったときからずっと聞いているような気がします。ただ、経営者の中には様々な理由で廃業する人がいることも分かり、法人設立に比べて悪い印象を持たれているんじゃないかな、と感じるようになってきました。私は、自分の仕事の範囲で起業、廃業の意思は尊重していきたいと思います。その間に法人の箱だけ誰か使うかな、法人の中身(機器)だけ事業を新しくやる人が使うかな、後継者に早めにバトンタッチしたいな、といった場合に必要な人に繋げられるようにはしたいと思います。

「家族信託ファクトブック2020」を読んで

「家族信託ファクトブック2020」(2020年11月、一般社団法人家族信託普及協会)からです。

・家族信託と他の制度との違い  生前の財産管理を担う役割

委任契約で身上監護が出来ないとの記載がありますが、可能ではないかなと思いました。

成年後見制度の中に任意後見と法定後見が含まれていますが、分けても良いのかなと感じます。

・不動産を信託財産とした場合の登記簿の記載

 私なら登記記録と表示します。信託条項の信託財産の管理方法に、「受託者は、信託不動産について所有権移転または所有権保存の登記及び信託の登記手続きを行うこととする。」と記載がありますが、私は登記申請情報に記載していません。委託者と受託者から、登記申請に関する委任契約(差し入れ方式)を締結するからです。

 ・家族信託に必要なコスト

「信託財産の数」及び不動産であれば「固定資産評価額」連動の費用設定が一般的、との記載があります。費用設定ではなくて報酬計算方法で、確かにそのような計算方法が多いような感触があります。

組成に関わる費用例

総資産 5,000 万円のケース(基本財産:自宅+現金少々)

I:信託組成コンサルティングフィー 32 万円(内訳:コーディネート費用 10 万円、専門家契約書作成等費用 22 万円)。

・概ね固定資産評価額の 0.5~1%程度が組成までのコスト

・組成後の信託登記手続きは概ね固定資産評価額の 0.5~0.9%程度(登録免許税含む)

 0.5%と1%では、結構な差が出てくると思います(5000万円だと25万円~50万円)。皆さんどのような基準を持っているのかなと思いました。手続きの数や難易度で決めるのか最初から決めているのでしょうか。

所有権移転(保存)及び信託登記申請手続きに関しては、報酬が固定資産評価額の0.1%から0.5%―(不動産の数×1,000円)で計算されているのだと思います。固定資産税評額5,000万円、土地と建物で不動産2つの場合、48,000円から248,000になります。かなり幅がありますが、信託目録の記録事項について時間がどの位かかるのかで決めているのかなと想像しました。

「【応用編】見落としがちな家族信託契約書作成の4つの盲点とは?」を読んで

―略―

そのうえで、家族信託の契約書を作成していくことになりますが、作成時見落としがちなのが「信託の終わらせ方」です。この記事では「終わらせ方」を基準にして、契約書の作成を見ていきたいと思います。

 

今回の記事のポイントは下記の通りです。

 

信託契約書は「最終的に信託財産を、①誰に②どのように帰属させたいか(=終わらせ方)」が重要。

信託契約書を作成する段階で、信託財産をだれに帰属させるかを今判断できない場合は「協議型」がオススメ!ただ、リスクがあることを知っておこう!

信託契約書数を、当事者ごと・財産ごとにするか等いくつにするか要検討

「終わらせ方」を考える際は、事前にいくつかのチェック項目を考慮して設計することが必要。

下記の方に特におススメの記事です

・ご自身で契約書を作成したい

・「ご自身の要望を実現する契約書が作れているか判断できるようになりたい」

 

目次 [非表示]

 

「終わらせ方」から考える家族信託契約書4つの型

事例 高齢アパートオーナーの資産管理

認知症対策・財産管理対策を速やかに行いたい方は「協議型」を活用!

資産管理方針、承継先が複数ある場合は「契約複数型」だと効果的!

信託契約書で「終わらせ方」を考える際は・・・

まとめ

「終わらせ方」から考える家族信託契約書4つの型

家族信託は、「終わらせ方」が非常に重要です。

どうしても家族信託の目的である「認知症対策」や「財産管理対策」に意識がいってしまいます。しかし、家族信託で可能になる財産管理権限がいつまで続くのか、どのように終わらせるのが適切かを考えることは、何年後かわからない未来を考えた設計をするわけですから、ご家族間の考え、調整が必要不可欠なのです。

また、その終わらせるタイミングの多くは、委託者兼受益者の死亡時になります。それは、死亡時に信託財産をだれが受け取るのか、という相続の分野にもなってきますね。

そうなると「親が認知症になってしまうと、財産管理ができなくなってしまうから困るからやってみよう」で家族信託に手をつけた人にとっては、信託を行うのが難しく感じるでしょう。

「終わらせ方」=「信託財産の相続の仕方」を考えるために、以下4つの型を参考にしていただきたいと思います。

(1)基本型

(2)遺言代用型

(3)協議型

(4)契約複数型

※これらのパターンは、1つの型のみ使用する場合もありますし、組み合わせて使用する場合もあります。今回の記事では「協議型」「契約複数型」をご紹介していきます。

―事例略―

認知症対策・財産管理対策を速やかに行いたい方は「協議型」を活用!

「協議型」とは、その名の通り信託終了時に相続人間で話し合って決めるという方法です。

この型の特徴として、今はだれがどの財産を相続するかは決められないが、認知症対策・財産管理対策速やかに行いたい方が活用する傾向があります。認知症対策として活用する成年後見制度の代用として、財産管理機能のみを家族信託で用いることができるのがメリットです。

その場合、委託者兼受益者の法定相続人、特定の複数人などを帰属権利者とします。

―略―

信託終了事由 父郎さんの死亡

帰属権利者  法定相続人(協議で帰属先及び帰属割合を定める )

協議がまとまらない場合のリスクも想定しておこう!

当然、資産承継先を具体的に定めていないので、帰属権利者間の協議がまとまらない可能性は大いにあります。その場合、いつまでも信託を終了し、財産の引き渡し手続き等をすることができず、相続税申告期限に間に合わないなど、相続財産が確定しないリスクがあるので、注意と対策が必要です。

そのため、協議型を用いる場合には、ご家族の関係性が重要です。ご家族の関係が良好であれば、協議型を活用しても問題ないと思いますが、不仲の場合で協議型を活用する場合は、いつまでたって協議がまとまらず信託財産を取得する者を定められない、相続税の納税期限(被相続人が死亡したことを知った日から10か月以内)までに協議がまとまらず、小規模宅地の特例など、相続税上の軽減特例を活用することができない、といった問題が発生する可能性もあります。

そのため、必ず協議をまとめるために、協議に期限を信託契約書上に設ける等の対策を考えておくとよいでしょう。

 「(協議で帰属先及び帰属割合を定める )」というやり方を私は使ったことがないです。何故かというと、残余財産の帰属権利者(受益者)は決めておいて、信託の終了事由が発生したときに残余財産(信託行為で定められたり、第三者から求められる債務引き受けなどのマイナスの財産を含みます。)が欲しくなければその権利を放棄すれば良いと考えているからです。放棄した場合、次順位の残余財産の帰属権利者(受益者)が指定されていれば、その人、いなければ信託法182条2項、3項によって処理されるので問題がないのかなと考えています。

 帰属割合、というのがどのようなものなのか、私には分かりませんでした。受益権割合というのがどのようなものかについても未だに分かりません。残余財産が全て金銭(債権)であれば計算できると思いますが、それ以外の非公開会社の株式や不動産などがある場合、計算方法で意見が食い違ってしまうと分ける前の段階で止まってしまわないかな、などと考えてしまいます。

 協議に期限を設けるというのは、思い付きませんでした。例えば、9か月以内に協議がまとまらない場合は、残余財産は法定相続分で帰属させる、というようなことなのかなと想像します。期限を経過した場合で、残余財産の帰属権利者(受益者)の協力がないとき、この信託行為の定めで相続税の申告が出来るか、不動産登記が出来るかというと出来ないと思います。とすると、信託行為に定める事例は、そんなに多くはないのかなと感じました。

資産管理方針、承継先が複数ある場合は「契約複数型」だと効果的!

信託財産の目的に応じて信託契約を複数にする方法が「契約複数型」です。これは、資産の管理方針、または承継先などを考慮したうえで複数の契約書にわけていきます。

―略―

契約を承継先ごとにつくると、「父郎さんと一郎さん」「父郎さんと花子さん」がそれぞれ話し合って、それぞれの要望がしっかりと反映された信託契約をつくることができます。

このように、「契約複数型」は、それぞれが受託者兼帰属権利者として承継予定の財産を管理できるので、契約内容が複雑にならないのが大きなメリットです。

「信託複数型」をすると、損益通算ができない!

契約が複数になるとそれぞれの信託財産の「損益通算ができない」というデメリットがあります。

―略―

また、Bアパートの損失は通常であれば翌年以降への繰越しが認められますが、信託財産の場合は、損失を翌年へ繰越すこともできません。この損失の繰り越すことができないという論点は、信託複数型のみならず、1つの信託契約で複数の収益物件を信託した場合にも適用され、複数物件の利益と損失を通算し発生した赤字部分も同様に翌年に損失を繰り越しすることができません。

損益通算の禁止については、アパートなど収益が発生する物件を信託する際には重要な論点になるので、信託に強い専門家に相談しながら進めていってください。

     信託契約が複数だと損益通算が出来ないというのは、税理士さんの見解も同じようなので、実務でも固まっている運用なのだと思います。私だけかもしれませんが、何で出来ないのだろうと思ってしまいます。理由は、追加信託だと損益通算が出来ること、信託契約が複数の場合でも第2次受益者以降の条項以外の信託行為の定めが同じ場合、1つの信託契約と同じと理解しても良いのではないかなと考えるからです。おそらく理由の後者は当事者が分かりやすいように、というところから来ている場合もあるので、それで税務上の不利益を受けるのはなんだかなぁ、と考えたりします。

損益通算と繰越控除は違う制度ではないでしょうか。記事を読んでいると、私は繰越控除も損益通算に含まれるのかなと読めました。

国税庁HP 損益通算

[blogcard url=”https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm”]

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除

[blogcard url=”https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5762.htm”]

 

遺言者が亡くなったことをどうやって知るか

あるメールマガジンの記事です。

■■ 「キケンを察知」は、法律も同じ

遺言や信託、任意後見は、事前対策。

「このまま行くと、キケンかもしれないからこのような対策をしておきましょう!」と提案しますよね。

自動車保険や、火災保険も同じですよね。

事前対策をしておけば、認知症になったとき、相続のとき、すごいパワーを発揮しますよね。

認知症対策は、もしかしたら不要になるかもしれませんが、相続は100%起こります。事前対策としては必要度が高いと言えると思います。

遺言を作成する場合、専門家が遺言執行者になることもありますよね。

■■ 遺言執行者になるケース

相続人が遺言執行をしづらいときですよね。具体的には、銀行の解約して、お金を渡すことでしょう。相続登記はオンラインでできますので、近くの司法書士に頼めばできます。

分解するとこの2つ。

1.現地での作業が難しい

2.お金を渡すことが難しい

つまり

1.のケースは

・相続人がみんな遠隔地にいる

・近くにいても相続人の体が弱い(認知症)

2.のケースは

・相続人間で仲違いをしている

・前妻(前夫)との間に子がいる

などがあります。

このようなケースは、遺言執行者になることを提案してみてくださいね。きっと喜ばれます。

■■ 遺言執行の実務の進め方

そして、遺言執行の実務ですよね。

書籍を見れば、執行の段取りや、様々な書式が出てきます。

1,2冊あれば十分でしょう。

研修会も多数開催されているので、みなさんも1度や2度はそのような研修会を受けたことがあると思います。

■■ 実務で見落とされがちな問題点

さて、ここまで見れば、遺言執行、そんなに困難はないと思います。相続人間でトラブルがあるときの連絡くらいでしょうか。

でも、1点、見落とされがちなことがあります。このメルマガの読者なら、もうわかりますよね。

「どうやって、亡くなったことを知るか」

もう一度いいますよ。

「どうやって、遺言者が亡くなったことを知るか」

です。

遺言のことを知っている相続人とつながっていればもちろん問題ないでしょう。

ただ

・遺言者が遺言のことを家族に話していない

・唯一の相続人が認知症や知的障がい、小さい子供

・遺言者の相続人や施設と連絡を取り合っていない

つまり、遺言者が亡くなっても誰も連絡してくれなそうなとき。どうやって遺言者が亡くなったことを知るのでしょうか?実務では超重要なのに、ほとんどあっさり流される。(苦笑)だって、本を書いた人や研修会の講師も、おそらくこの部分を「仕組」で解決できていないからです。

実際難しいんです。

■■ ある、外資系の保険会社の人のケースです

家族は、母と子の二人だけ。

子には障がいがある。

母は子のために生命保険に加入。

その時、その担当者は母から言われたそうです。

「私が亡くなったことを、御社はどうやって知るのですか?」

ワオ!

まさにそのとおり!

その会社では、1年に一回は、契約者に電話等で連絡して、存命かどうかを確認することになっているそうです。

組織的に対応でき、資金が潤沢な保険会社ですら、このやり方なんですよね。

つまり、マメに連絡するしかない。

■■ 遺言執行者の責任は重い

民法 第899条の2

相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、

次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、

登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

つまり、遺言は、先に登記されると負けます。(第三者に対しては)

実際この条文が適用になることは実務では少ないでしょうが、執行者の責任としては、亡くなったら速やかに遺言執行をしないとまずいですよね。

遺言執行者になるとマメに連絡は、絶対必要です。遺言執行者になる = マメに連絡

■■ でもどうやって?

遺言執行も1,2件くらいだと把握はできます。しかし、5年、10年事務所をやって、遺言執行の案件が10件もあると大変です。遺言の作成も数十件していると、どの人の遺言が執行者になるか訳分からなくなります。

しかも普段忙しくて、本来業務でないことは、おろそかになりがち。

気がついたら、93歳の人の遺言を、8年間放置(現在101歳!)

なんてことも

あ、これ私のことね。(汗)

先日のメルマガでも書きました。気になる人はバックナンバー見れるので探してみてください。(20年11月14日のメルマガ)

そのために作ったのが、「人を大事にするシステム」遺言執行の案件を検索すると、該当する案件が一覧で表示され、遺言のコピーや、連絡すべき人がすぐ確認できます。

その間10秒くらい。

このシステムのおかげで、101歳の方の関係者に、時々連絡を取るのがとても楽になりました。(今もお元気です!)

今はモニターの方に大事システムを使っていただいて、さらにシステムをいいものにしています。春くらいになったらモニターを再募集しますので、気になれば応募してくださいね。

 

■■ ただし、条件が!

システムに入力が大変なので、大変でも入力する意思のある人でも、これって、

お客さんとの打合せのメモや、お客さんの氏名や住所などは何らかの形で、今までも残していたでしょうから、実は作業はあまり増えないんですよね。

 

遺言を含め、財産管理系の業務は、専門家の仕事の仕方を変えるかもしれませんね。やったら終わり、ダメ。

お客さんとマメに連絡することを継続することが、求められるようになってきました。

専門家から連絡を取るという意味では役員変更の時期に法人に連絡するのと同じではないかな、と思いました。私なら火事や脳梗塞などが怖いので見守りサービスなどを外注します。

日本郵便(株)みまもり訪問サービス

[blogcard url=”https://www.post.japanpost.jp/life/mimamori/tel.html”]

[blogcard url=”https://www.post.japanpost.jp/life/mimamori/visit.html”]

セコム(株)親の見守りプラン

[blogcard url=”https://www.secom.co.jp/homesecurity/plan/seniorparents/”]

「信託で円滑な事業承継を実現するために司法書士ができること」他

家族信託実務ガイド[1]の記事からです。

(1)有価証券管理等信託設定契約書の作成

 私はこのような題名の契約書を観る度に感じるのが、「有価証券管理等」という言葉をいれる必要があるのかなということです。この記事では株式会社の株式(評価額は記事では不明)と金銭5000万円が信託財産に属する財産として設定されています。金銭に関して、少ないとはいえない額です。管理等の中に入っていると思いますが、遺言のような承継機能を持った設計になっています。信託契約書に財産の種類や信託事務の態様などを記載してしまうと、違法でなく実務で認められていれば自由に信託設定が出来る財産の幅を狭め、信託設定時に多様な組み合わせが可能な信託事務の幅を狭めてしまわないかなと感じます。

依頼者Mの希望

―中略―

自分が元気なうちは、A社に対する決定権は自分が持っておきたいし、今後も、会社経営が順調な間は、毎年配当金を受け取りたい。

―中略―

議決権行使指図人:M

 任意後見契約の締結は見送ったと記載されていたので、Mの議決権行使の指図権がどのような条件で消滅するのか気になりました。

植野直孝「育てた事業を次世代に遺す実子以外の親族への事業承継」

 上の記事に関して印象に残ったのは、2019年12月に相談を受けて、抹消されていなかった抵当権の抹消登記を済ませ、2020年3月に公証役場で信託契約書を作成したスピード感でした。現在、私は公証役場の予約も半年待ちです。予約前に手遅れになってしまった件もあります。地域性があるのかなと思うと同時に、金融機関などの協力があれば信託契約書を公正証書化しなくても信託口口座を作成できるように実務を組み立てる必要もあるのかなと思いました。その後に受託者と受益者代理人か次順位の受益者でその時の信託契約を確認するため公正証書を作成する、というようなやり方もあるかもしれません。

オリックス銀行(株)吉田紀美子×家族信託実務ガイド編集部

 上の記事では、信託口口座の開設を、非対面(郵送とネット)で可能にしたという箇所です。今後、場所を問わなくなってくるのかなと感じます。

斎藤竜「顧客目線で考える専門家サービスを商品化する方法とは?」

取引先開拓で意識しておくべきは、エンドユーザーと取引先の悩みは違うということです。ここを間違えていると取引先の課題を解決できないばかりか、お客さんを紹介してほしいという、仕事だけを求める下請け的なポジションとなってしまいます。

 私には良く分かりませんでした。取引先には業務支援の顧問型商品、エンドユーザーには課題解決の提案、というような内容のようです。問題解決という範囲では同じなのかなと思いました。事業と家計の違いをいっているのかもしれません。

[1] 2021.2第20号日本法令

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