令和3年6月29日内閣官房法案誤り等再発防止プロジェクトチーム取りまとめ
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/houan_ayamaribousi_pt/index.html
・改め文とは
参議院法制局「改め文」―法令の一部改正方式―
https://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column050.htm
例「第○条中「△△△」を「×××」に改める。」
・新旧対照表の方式とは
平成28年3月25日 事務連絡 内閣官房行政改革推進本部事務局
「新旧対照表の方式による府省令等の改正について」
新旧対照表ドットコム(株)マカビ―カタガイ
新旧対照表の書き方(Excel編)
Excelから新規作成を開きAとBの列を選択。右クリックで『列の幅』を選択し数値を入力。1行目を選択して右クリックで『行の高さ』を選択し数値を入力。同様に2行目以降も高さを調整。対象範囲のセルを選択して右クリックから『セルの書式設定』を選択し罫線をいれる。セルA1、A2を選択して結合。中央揃えをクリック。左側に改定前のテキストを、右側に改定後のテキスト。修正ルール(下線、削除、(略)、(新設)など。)に従い修正内容を記入。テキストサイズ、揃えを調整し、『セルの書式設定』(右クリック)からインデントで体裁。
参照条文とは
参議院法制局「法律の構成」
https://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column044.htm
要綱とは
参議院法制局「職務」
https://houseikyoku.sangiin.go.jp/introduction/bureau/job.htm
誤りの内容
・ 案文
条文番号・文言等の誤りや、条文の欠落・重複が 12件
インデントの様式面での不備が 2 件
・ 新旧対照表
法改正に関わる箇所(新旧で改正内容を示している箇所)のうち、文言等の誤りが 6 件
上記以外の箇所(改正されていない箇所)のうち、電子データからの転記や手入力によるミス等による単純な誤記が 21 件
インデント、見出しや注記の欠落等の様式面での不備が 12 件
・ 参照条文について
電子データからの転記や手入力によるミス等による単純な誤記が 90 件
インデント、見出しやルビの欠落等の様式面での不備が 21 件
・ 要綱について、送り仮名や数字記載の誤記を含め、誤字・脱字等による誤りが 17 件
総務省において開発した法制執務業務支援システム(e-LAWS)
・法令データについては、データ更新が遅れがちであるほか、法令を所管する府省庁の認証が行われないまま掲載されている法令も多いことから、現時点では、法令案作成の基礎資料として用いることが難しく、法制局審査で使用が認められていない。e-LAWS を活用して作成される新旧対照表は、一部の文字(環境依存文字、数字、英字等)や表・別表が適切に表示できず、様式面で問題があるほか、法制執務で広く利用されている一太郎への出力機能がないこと。
新旧対照表からの案文作成等の機能が限定的であるほか、法令作成過程において多数生ずる改め文の修正を反映できないなど、操作性や編集機能に限界があること。
e-LAWS と、内閣法制局の法令審査支援システムや国立印刷局の編集・印刷システム等が連携していないこと。
日本の法令
・例えば、条番号の前に見出しがある、第1項の項番号が付されない、号番号等が付されずに並列で規定される例があるなど、視覚的には認識できるが、システムでは判読しづらい構造となっている。AI技術を活用し、表記揺れやインデントの乱れ、条項ズレなどを自動的に検出・補正するようなサービスが提供されている。
具体的方策
案文(改め文)について
・平成16年12月 内閣法制局
法令案における誤りの防止について(手引き)(増補版)
新旧対照表について
・過去の法案資料ではなく、基本的には、法務省が編纂している法規集や官報を用いて、正確に、「現行」部分を作成すること。
・法規集の法令データは、電子的にも提供されており、法案提出省庁において、これを活用し、手入力を極力減らすことが、誤り防止につながると考えられるが、電子データの特徴(改正履歴の残存、レイアウトの違い等)に留意して作業することが重要。
・法制執務業務支援システム(e-LAWS)の法令データが法務省により整備された後には、e-LAWS を新旧対照表の「現行」部分の作成に活用する。
・ページを跨ぐ修正を行う場合や、最終段階での内閣法制局による職権修正が行われる場合には、案文とともに、誤りが生じやすいことに十分留意して、作業・確認する。
・誤り防止のため、法令名・法律番号・条項番号などの正確な記載は当然であるが、法案提出省庁の作成方法等も踏まえ、形式面を含め、最低限確認すべき項目や誤りやすいポイントを整理する必要。
参照条文について
・電子データからの転記や手入力によるミス等による誤記を防ぐため、基本的には、正確な電子データの活用を始めとして、新旧対照表と同様の対応が必要。
要綱
・案文や新旧対照表の内容が決まってきた段階で、法案を取りまとめている担当部局において、文言や条文番号等に誤記がないかに加え、改正内容や案文等に整合的であるかなど、横断的に確認。要綱は法案を作るために最初に出来るものと、成立した後にまとめるために作られるものがある。
読み合わせ
・法案担当経験者の参加、確認すべき資料の的確な分担、余裕のある日程管理をしながら何度も実施。職員による読み合わせ等に加え、音声の自動読み上げ、文書ソフトの校閲機能、民間事業者による校正サービス等を活用。法案誤り等再発防止プロジェクトチームが、府省庁横断的に確認すべきと考えられる事項をとりまとめ、2021年夏を目途に作成。
法制執務業務支援システム(e-LAWS)
・データ更新の業務フローを見直し、法令編纂を所管する法務省が、各府省庁や法令の専門業者の協力を得て、効率的に法令データを整備することとし、法律は、公布後速やかに(原則として、公布と同日を目指し、国会修正等があった場合も、できる限り速やかに)e-LAWS に掲載する。また、この法令データから、参照条文を自動的に作成する機能を整備する。e-LAWS について、出力時の体裁不備の解消、システムの操作性の向上や案文及び新旧対照表等の自動作成機能をはじめとする編集機能の改善。
こうした法令データの整備等については、IT室、総務省、法務省が連携し、各府省庁の協力を得て、次期通常国会における法案提出に間に合うよう取り組む。
その他
・法案提出に先立ち、官房部局や第三者によるチェックを含め、複層的なチェック。
法令審査支援システムの活用
(操作マニュアル)
(配字・禁則処理)
・ワープロソフトでの1ページあたりの文字数と行数は、1行48字、1ページ13行詰めの設定とする。また、ワープロソフトで設定可能な禁則処理(追い込み)を行い、句読点のぶら下げは行わない設定とする。