【資産評価政策学会】「固定資産税評価、不動産鑑定はどこまで必要か」6月29日開催シンポジウム
松浦新 朝日新聞経済部記者。最近は『負動産時代』(朝日新書)をまとめた。NHK記者、くらし編集部、週刊朝日編集部、be編集部、特別報道部など。
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https://zero.estate/category/zero/hokkaido/
長野県安曇野市
2018年2月に10万円で買った土地。年間の固定資産税2万3000円。
茨城県の固定資産評価。随意契約から競争入札まで。評価に関する費用(不動産勘定士費用)は、ばらばら。機械的な計算方法で良いのではないか。
→一定の土地に関しては良いと思います。
慶応義塾大学大学院法務研究科教授 石岡克俊
論点1「固定資産税と固定資産税評価は何のためにあるのか」
→資産を保有していることに対する税。
論点2「固定資産税評価・相続税評価・地価公示等の異同、公共サービスの対価としての固定資産税のあり方、土地と建物への課税の意味」
→固定資産税評価は毎年、相続税評価は人が亡くなったときの所得再分配、地価公示は売買の促し。固定資産税が公共サービスの対価とは考えが及びません。
論点3「固定資産税評価業務は、誰がどのように行うべきか:業務の発注方式のあり方」
→自治体、競争入札または地元の不動産鑑定士に一任と公開が良いと思います。
随意契約と公正取引委員会
明治大学専門職大学院法務研究科教授 岩崎政明
・建物課税は撤廃の提案。
・林道のような土地については、免税の提案。
・徴税コストが高い。
・富裕層ほど、金融資産を不動産に代えて相続税の負担を少なくする選択肢がある。
→これはあると思います。沖縄県だと軍用地を購入する、など。
大規模なオフィスビルの評価方法として、製造原価から測定するBMI方法。居住用建物には適用できない。
→居住用建物に関しては、基幹部分のみで評価すれば良いと思います。それ以外は、売る側(または売ったメーカー)が内装に○○を付けた、○○年にペンキを塗り替えた、など表明していくことが必要だと思います。また中古建物の取引事例がオープンデータになっていると、売買価格決定の一定の基準となり得ます。
不動産勘定士 堀川裕巳
免税点以下の不動産に対する評価替えに対する費用が大きい。評価基準の複雑さ。全ての土地建物に関して、不動産勘定士の評価が必要か?
行政改革により、地方ほど行政負担が大きいが人口が少ない、少なくなるため、税収は少ない。公示価格も減少する、している地域が多い。都市部は反対。人口が減ると、地価が低くなる。
→そうなのか?魅力を見出す人、企業が出てくるの可能性があるのではないか。
一括で大きな規模の土地を購入できる可能性が高まるのではないか。
自治省告示第百五十八号 固定資産評価基準
最終: 令和2年11月6日総務省告示第 322号
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/ichiran13/pdf/tochi.pdf
第12節 経過措置
一 宅地の評価において、第3節二(一)3(1)及び第3節二(二)4の標準宅地の適正な時価を求める場合には、当分の間、基準年度の初日の属する年の前年の1月1日の地価公示法(昭和44年法律第49号)による地価公示価格及び「不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価から求められた価格等を活用する」こととし、これらの価格の7割を目途として評定するものとする。この場合において、不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価から求められた価格等を活用するに当たつては、全国及び都道府県単位の情報交換及び調整を十分に行うものとする。
弁護士 三木義一
令和元年7月16日最高裁判所第三小法廷判決
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88795
固定資産課税台帳に登録された価格を不服として固定資産評価審査委員会に審査の申出をした者は,「同委員会による審査の際に主張しなかった事由であっても,当該申出に対する同委員会の決定の取消訴訟において,その違法性を基礎付ける事由として,これを主張することが許される。」→自治体負担増。
令和2年3月24日最高裁判所第三小法廷判決
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89345
家屋の評価の誤りに基づきある年度の固定資産税及び都市計画税の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法724条後段所定の「除斥期間は,当該年度の固定資産税等に係る賦課決定がされ所有者に納税通知書が交付された時」から進行する。→自治体負担増。
固定資産税は時価と距離を置くべき。
保有税なのに、時価を基準としているから、評価が複雑になり矛盾が出てくる。
今後、固定資産の評価基準が明確になって他の自治体と比較が出来るようになっていくと、住民から異議が出てくる可能性も高くなるのではないか。
政策研究大学院大学教授、資産評価制作学会副会長 福井秀夫
建物課税は無益有害。
固定資産税は廃止し、相続税に一元化すべき。
→相続税の課税方法をどうするのか記載がなかったので、直ぐに固定資産税を廃止するという考えに賛成は出来ません。