不動産オークションに係る宅地建物取引業法の取扱い

(出典:経済産業省HP 2017年7月5日閲覧)

本件の概要

産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」について、経済産業省所管の事業分野の企業からの照会に対して、回答を行いました。

1、「グレーゾーン解消制度」の活用結果

照会
・今般、不動産のオークションを実施するため、売主の保有する物件の情報を事業者のシステムに登録し、その物件情報を提携する不動産会社に提供することを検討している事業者より、このような自社システムを介して物件情報を不動産会社に提供しオークションを実施する行為が、宅地建物取引業法第二条第二号の「宅地建物取引業」に該当するかについて照会がありました。

回答
• 照会者は、自ら宅地等の売買及び交換の当事者となるものでも、宅地等の売買、交換及び貸借の代理をするものでもない。
• また、照会書に記載された新事業の仕組みでは、売主からの依頼による物件情報等のシステムへの登録の際に、物件の調査や自ら取得した物件情報を提供すること、価格決定について売主に助言を与える等の売主の出展行為を積極的に支援することや入札を促進する宣伝広告をいずれも行わないこと、内覧の実施に関与しないこと、最高価格の決定により直ちに売主と買主の間で売買契約が成立するものではなく物件の紹介を受けた宅地建物取引業者の仲介により別途売買契約を締結することなどから判断して、宅地等の売買、交換及び貸借の媒介をするものでもない。
• 以上のことから、宅地建物取引業法第二条第二号の「宅地建物取引業」に該当しない。

これにより、不動産オークション事業に対する宅地建物取引業法の適用有無が明確化され、新たなサービスの創出及び拡大に繋がることが期待されます。

産業競争力強化法
(解釈及び適用の確認)

第9条 新事業活動を実施しようとする者は、主務省令で定めるところにより、主務大臣に対し、その実施しようとする新事業活動及びこれに関連する事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令(告示を含む。以下この条及び第十五条において同じ。)の規定の解釈並びに当該新事業活動及びこれに関連する事業活動に対する当該規定の適用の有無について、その確認を求めることができる。

2 前項の規定による求めを受けた主務大臣は、当該求めに係る解釈及び適用の有無の確認がその所管する法律及び法律に基づく命令に関するものであるときは、遅滞なく、当該求めをした者に回答するものとする。

3 第一項の規定による求めを受けた主務大臣は、当該求めに係る解釈及び適用の有無の確認が他の関係行政機関の長の所管する法律及び法律に基づく命令に関するものであるときは、遅滞なく、当該関係行政機関の長に対し、その確認を求めるものとする。この場合において、当該確認を求められた関係行政機関の長は、遅滞なく、当該主務大臣に回答するものとする。

4 前項の規定による回答を受けた主務大臣は、遅滞なく、その回答の内容を当該回答に係る第一項の規定による求めをした者に通知するものとする。

受付番号順で処理するから、出来るかなと思ったのですが。 土日を会社設立日にするのは難しいんですね。

規制改革ホットライン検討要請項目の現状と対応策(内閣府HP2017年7月7日)


 ※「規制改革推進会議における再検討項目」欄の記号(◎、○、△)については、所管省庁の回答をもとに、規制改革推進会議が以下のとおり判断したものです。     
◎:各ワーキング・グループ等(本会議で取り扱うこととされている事項に関する提案については本会議)で検討している事項及び検討を予定している事項      
○:再検討が必要(「◎」に該当するものを除く)と判断し、規制シートの作成対象とする事項
△:再検討の要否を判断するため、事務局が提案内容に関する事実関係を確認する事項


会社設立日が休日でも可能になるような仕組みを
会社設立の依頼があった場合、依頼者は毎月1日や大安、自らの思い入れのある日を第1希望で出してきます。
しかし、その日が土日祝祭日だと法務局が休みのため不可能になっています。
登記申請書に、「設立日○月○日希望」などと記載できれば利用者の目的に沿うことと思います。

会社や一般社団法人等の一定の法人はその根拠法において,登記することによって 成立するとされています(会社法第49条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法 律第22条等)。法人の成立について,このように規定されている法人については,実際に設立の登記をした日がその法人の成立年月日となります。  
一方,登記所(法務局)の業務は,行政機関の休日に関する法律第1条第1項の規定 により,土日祝日は原則として行わないものとされていますので,根拠法に上記のように 規定されている法人については,土日祝日を法人成立の日とすることはできないこととなります。
会社法49条,一般 社団法人及び一般 財団法人に関する 法律第22条等 行政機関の休日に 関する法律第1条 第1項


対応不可
 行政機関の休日に関する法律の規定により,原則として登記所(法務局)の業務を土 日祝日に行うことはできません。また,申請人の希望に応じて土日祝日に登記所が業務を行うこととするとしても,登記の順位保全の観点(同一商号・同一本店の設立登記については,先に申請をした方が登記され,後からの申請は却下されます。

商業登記法第27 条,第24条第13号から,土日祝日に希望があった申請のみを取り扱うことは極めて不公平な取扱いであり,全ての申請人からの全ての申請を受け付ける必要があることとなります。  

このような対応を行うことは,行政機関の休日に関する法律の趣旨に照らしても,極めて困難であると考えます。

不動産登記の信託目録(受益者「等」)

民事信託・家族信託で、

不動産を信託して登記した場合の信託目録の中身(不動産登記法97条)

受益者「等」の記録パターン

・受益権を持っていることを、受益者自身も確認したい場合など

1、受益者の氏名と住所

受益者 沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                山田太郎

・受益者が障がいを持つ未成年者であり、名前を出したくない場合など

2、受益者代理人の氏名と住所

 受益者代理人 沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                    山田花子

・受益権を持っていることを、受益者自身も確認したい。将来、認知症などになって施設入所することになったら、土地や家を貸したり売ったりすることを考えている場合など

3、受益者と受益者代理人の氏名と住所[1]

受益者    沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                   山田太郎

受益者代理人 沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                   山田花子

・受益者の氏名を出したくない事情がある。受益者が亡くなる以外の理由で頻繁に交代する。

4、受益者を指定する条件を記録

受益者 委託者の親族が受益者となる。

・受益者の氏名を出したくない事情がある。受益者が亡くなる以外の理由で頻繁に交代する。


[1] 平成19年9月28日民二第2048号民事局長通達第二、一

遺言と家族信託の使い分け

遺言と家族信託の使い分け

目的別

1、残された家族を相続で苦労させたくない・・・遺言

2、相続人に対する、遺留分の順序指定をしておきたい(例、1番に預金債権、2番に信託受益権、など)・・・遺言

3、死後認知をする必要がある・・・遺言

4、自筆で書いておきたい、秘密で行いたい、死亡危急遺言など、事情がある・・・遺言

5、施設に入ったら実家は売却したい・・・家族信託・民事信託

6、今のうちに家族へアパートの経営事業を任せたい・・・家族信託・民事信託

7、配偶者と自分の生活は守って、亡くなった場合は子供がいないので甥に残った財産をあげたい・・・家族信託・民事信託

8、株式を贈与したいが、贈与税が気になる・・・家族信託・民事信託

9、共有の不動産管理を一本化したい・・・家族信託・民事信託

10、金融機関の教育資金贈与信託は、教育資金に使わずに残った分は贈与になる・・・家族信託・民事信託

M&Aを円滑に進めるための民事信託契約書(案)

信託契約書

第1章 総則

(信託の設定)

第○条 委託者○○および受託者○○は、信託契約(以下、「本信託契約」という。)を締結する。

(用語の定義)

第○条   本信託契約において、用語の定義を次のとおり定める。

(1)本信託  本信託契約によって設定される信託

(2)信託財産 本信託の目的とする財産

(3)信託株式 会社の株式で委託者が信託する株式

(4)信託金銭 委託者が信託する金銭

(5)本件会社 株式会社○○

(目的)

第○条 本信託は、次の事項を目的として、第○条記載の信託財産を受託者が管理、運用、処分する。

(1)株式譲渡契約の円滑な締結

(2)(        )     

第2章 信託財産

(信託財産)

第○条

1 本信託締結日の信託財産は、次のとおりとする。

(1)別紙記載の委託者が所有する全ての株式

(2)別紙記載の金銭

(3)受益者から追加信託を受けた財産

(4)信託財産から生じる果実、受領した元本、または売却処分した金員その他の信託財産より生じる全ての利益

2 委託者は、本信託について特別受益の持ち戻しを免除する。

(信託株式の管理方法)

第○条 

1 信託株式の管理運用等に関する事項は、次のとおりとする。

(1) 受託者は、信託株式について株式名簿の書き換えに関する必要な手続きを取り、受託者の固有の財産と分別して管理する。

(2) 受託者は、受益者から信託財産の管理状況について報告を求められたときは、速やかに求められた事項を報告する。

2 受託者が信託目的達成のために行う事務は、次のとおりとする。

(1)本件会社で行う株式譲渡に係る譲渡承認請求及び譲渡承認通知書の受領

(2)譲受企業の株主と行う本件会社の株価等条件の交渉

(3)譲受企業の株主との株式譲渡契約の締結

(4)譲受企業の株主と行う本件会社への株主名義書換請求

(5)その他の株式譲渡に関する一切の事務

(6)               

(信託金銭の管理方法)

第○条 

1 受託者は、信託金銭について、信託に必要な表示または記録等を行い、受託

者個人の財産と分けて性質を変えず管理する。

2 受託者は、信託金銭を受益者の納税、受益者の生活資金または本件会社の経営の

ために費やすことができる。ただし、受益者が反対の意思表示をしたときはこの限り

ではない。

3 受託者は、信託事務の処理に必要な費用に関して、算定根拠を明らかにして受益者に通知することなく、事前に信託金銭の中から支払い、又は事後に償還を受けることができる。

4 受託者が信託目的達成のために行う事務は、次のとおりとする。

(1)株式譲渡代金の受領

(2)コンサルタント料その他の株式譲渡契約に関する一切の手数料の支払い

(3)株式譲渡代金から費用を差し引いた金額の受益者への給付

(4)その他の株式譲渡契約に関する一切の事務

(5)計算期間の末日における信託財産の状況を、信託財産に応じた方法による受益者に対する報告                        

第3章 受託者等

(受託者)

第○条

1 本信託の受託者は、次の者とする。

  住所             

  氏名 ○○  生年月日 ○○ 続柄 委託者の息子

2 受託者の任務は、次の場合に終了する。

(1)  死亡

(2)  精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある場合

(3)  精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である場合

(4) 受益者と受託者の合意がある場合

(5)  その他の信託財産を管理できない状態になった場合

3 受託者の任務が終了した場合、後任の受託者は、次の者とする。

住所            

  氏名 ○○  生年月日 ○○ 続柄 委託者の甥

4 受託者に定められた者が、相当な期間を定めて催告しても受託者に就任しない場合は、受益者は新たな受託者を定める。

5 本信託において委託者が受益者である間は、信託法第58条第1項を適用しない。

第4章 受益者等

(受益者)

第○条 

1 本信託の受益者は、次の者とする。

(1)

住所                          

氏名 ○○ 生年月日○○ 続柄 本信託の委託者

2 ○○が亡くなった場合、受益権は次の者が取得する。

住所                   

氏名 ○○ 生年月日○○ 続柄 本信託の受託者   

3 受益権は、受益者1人につき1個とする。

第5章 委託者

(委託者の地位)

第○条 

1 委託者は、追加信託をする権利義務のみを受益者に移転する。

2 委託者は、本信託に記載のある権利のみを持ち、亡くなったときに委託者の地位と共に消滅する。

第6章 信託の変更

(信託の変更)

第○条            

1 本信託の変更は、受託者と受益者の合意による。

2 受益者の人数に変更があった場合、各受益者に同じ割合の1個の受益権が指定される受益権の分割・併合があったものとする。

第7章 信託の終了と清算

第○条 本信託は、次の場合に終了する。ただし、委託者が唯一の受益者である間は、信託法164条1項を適用しない。

(1)受託者と受益者の合意

(2)株式譲渡契約が締結できないとき

(清算受託者)

第○条 

1 本信託が終了したときの受託者を清算受託者とする。

2 清算受託者は、本信託の受託者として行っている職務を終了して、信託法に定める清算手続きを行う。なお、残余財産の受益者から最終計算の承認を得たときに、清算手続きは結了する。

(残余財産の帰属)

第○条 本信託の終了に伴う残余財産の受益者は、本信託の清算結了時の受益者とする。

第8章 その他

(信託の期間)

第○条 本信託の期間は、本信託契約をした日から本信託が終了した日までとする。

(税金や保険料などの精算)

第○条 本信託の税金や保険料などは、本信託の前日までは委託者、本信託の日より信託財産から支払う。

(計算期間)

第○条 この信託の計算期間は、毎年1月1日から12月31日までとする。最初の計算期間は契約をした日から始まり、最後の計算期間は信託の終了した日までとする。

(契約に定めのない事項)

第○条 本信託に定めのない事項は、委託者と受託者が法律を守り協議の上決定する。

【特約】(表明保証など)

第○条

本信託を証するために、正本2通を作成し、委託者と受託者が、各1通保管する。

別紙

信託財産目録

1、信託株式

本店 〇〇県〇〇市○○  商号 株式会社○○ 普通株式 ○○株

2、信託金銭 金○万円

以上

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