「空き家所有者不明土地問題関連研修会」

参考

限界ニュータウン探訪記

https://urbansprawl.net/archives/%e6%89%80%e6%9c%89%e8%80%85%e4%b8%8d%e6%98%8e%e5%9c%9f%e5%9c%b0%e7%89%b9%e6%8e%aa%e6%b3%95.html?s=09

講 師:上原浩一空き家所有者不明土地対策特別委員、渡口慎也委員

 去った大戦で登記簿等が焼失している。戦後の所有権の申告手続きで、登記簿は作成されたが、所有権の申告されない土地があった。その後、地積調査が行われ新たな所有者不明地が発覚した。墓地について所在地の市町村は所有者が現れるまで管理することになっている。大戦前の所有権を有する文書等の証拠が無いに等しい。墓地の上にはお墓があり、中には遺骨がある。墓地の所有者やその承継人が長年の間、墓地として利用している。登記簿には、地主不明または管理者として市町村が登記簿に登載されている。管理者である市町村は、管理解除の判断に困っている。

訴訟で解決を図る場合

・不動産登記法 74条 1項 2号

所有権を有することが確定判決によつて確認された者

・参考

不動産登記法(所有権の保存の登記)

第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。

二 所有権を有することが確定判決によって確認された者

・土地 (墓地)所有権確認の訴え

戦争前より所有権を有していた。戦前の資料がない。立証は、不可能に近い。

・参考 要件事実

原告が所有権を有すること

確認の利益を基礎付ける事実(買った、など)

・民法 162条 1項の取得時効の主張

占有の開始時と今現在の占有の証明

・参考

民法(所有権の取得時効)

第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

1.終戦直後の土地所有権認定作業について

・1945年に発布した「ニミッツ布告」。・・・日本の行政権の停止。

・1946年「土地所有権関係資料蒐集」を発布 (米国海軍軍政本部指令第121号)

・・・沖縄県の土地台帳類は、宮古・八重山地域を除き、戦争により焼失したため、米軍が約5年の歳月をかけて土地所有権認定事業を行い、土地所有権の認定証明や登記をすすめた。

参考 

福地 洋子「USCAR法務局琉球財産管理課文書の活用」

沖縄県公文書館研究紀要 第22号 2020年3月

https://www.archives.pref.okinawa.jp/wp-content/uploads/9ee45a3dde4dd45964d88a5bb0f60c70.pdf

・各市町村の各宇に字土地所有権委員会が設置・・・土地所有権関係資料蒐集に基づいて沖縄本島及びその周辺の市町村長は各字に10名の土地所有権委員を任命し、すべての土地所有権に関して調査を行う権限が与えられた。私有地の所有者は、隣接土地所有者2人の保証人の連署を添えて土地所有権申請書を土地所有権委員会に提出し、同委員会はこれに基づいて土地の調査測量を行い、土地を表示した地図を作製し土地所有権申請書を添えて市町村長に報告した。

・各市町村土地所有権委員会を設置・・・5名の市町村土地所有権委員を市町村長が任命し公有地や所有者の判明しない土地(未確定土地)について調査し、その結果を市町村長に報告。

→沖縄諮詢会 (琉球政府の前身)に報告。

・1950年には「土地所有権確定証明中央委員会」が設置、30日間一般の縦覧に供し、異議のない土地につき、1951年 4月 1日 付で各市町村長よりー斉に土地所有権証明書を交付。

・市町村長は、土地所有権証明書を交付、通知用謄本 3通 を作成し、税務署、土地中央事務所、登記所に送付。

・沖縄に登記所がなかつたので、 1951年特別布告によつて同年 7月 1日から登記所が再開、沖縄の登記簿が回復。

参考

米国民政府布告/Civil Administration Proclamation 1950年~1957年 第001号~第039号http://www2.archives.pref.okinawa.jp/opa/OPA600_RESULT_BUNSYO.aspx?cont_cd=A000007665&src_keyword=RDAP000033&keyword_hit=RDAP000033

・滅失登記簿の回復が、旧不動産登記法23条の規定違反。

・復帰特別措置法第 15条 2項により、法令の相当規定による登記簿とみなされ、復帰前登記簿と復帰後の登記簿の法的牽連は確保されており、現在の登記簿の法的有効性が確保。

第 15条 (登記簿及び登記簿に関する経過措置)

沖縄法令によりした登記は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

2 沖縄法令の規定による登記簿は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

所有者不明土地

所有者不明土地とは、次のように解することができる。

・戦後の所有権認定作業の際に、私有地であるにもかかわらず申告がなかったために管理地となつた土地で、誰が所有者であるか分からない土地

・戦後の所有権認定作業における測量手続等の不備を補うためになされた地籍調査により新たに発生した私有地で、誰が所有者であるか分からない土地

所有者不明地が存在する理由

これらの所有者不明地が発生した事実上の原因。

・沖縄県外に居住していたため、所有権申請がなされなかった。

・支障を感じていないので所有権の申請がされなかつた。

・一家全減のため。

・戦争で両親が死亡したため、幼年者のみが生き残り。

・所有権証明書の交付は受けたが、登記所で登記手続きをしなかった。

・琉球政府が行つた土地調査の際に、登録地成とされた場合(とうろくちなりと読むようです。初めて知りました。参考 土地台帳法18条https://www.digital.archives.go.jp/das/image/F0000000000000044587)。)。

・無主の不動産であるため所有権申請が為されなかった場合。

・現地に居住していたが、戦争で土地の地形の変化等で事実上の自己の土地として確認できないため、所有権の申請がなされなかった場合。

所有者不明地の管理者

所有者不明地についての管理についての法的根拠

所有者不明地の管理者は、土地の存在する長 (特別布告第 36号第8条)

http://www2.archives.pref.okinawa.jp/opa/OPA600_RESULT_BUNSYO.aspx?cont_cd=A000007665&src_keyword=RDAP000033&keyword_hit=RDAP000033

琉球政府と市町村とが管理 (布告第 16号第3条)

「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」)第 62条により、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県または当該所有者不明土地の所在する市町村が管理。この布告 16号第 3条により、所有者不明土地のうち、墓地・社寺用敷地・霊地・聖地については、その土地の存在する市町村が管理することになっている。それ以外は、沖縄県が管理することになっている。

民法上の不在者財産管理人

 管理権限としては、権限の定めなき管理人として民法 103条により、保存行為に限られることになり、管理義務としては、他人の財産を管理するのであるから、善管注意義務を負う。管理者である県及び市町村の所有権確認訴訟における当事者適格は、民法103条の保存行為 (財産の現状を維持する)であることから導かれる。

.管理解除

 管理者 (行政)の立場から真実の所有者に返還する。管理を解除すること。管理解除が成立した場合には、表題部所有者表示更正登記をなし不動産登記法 74条 1項の手続きにより所有権保存登記を申請する。

図表等の出典

内閣府  沖縄県における所有者不明土地に起因する問題の解決に向けた調査

令和元年度報告書

平成30年度報告書(PDF形式:3,617KB)

https://www8.cao.go.jp/okinawa/9/kyougikai/humeitochi/humeitochi.html

 全国的には、相続未登記や通常と違う登記がされていて現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。沖縄県では、戦争の影響で戸籍、土地関係記録の焼失などにより、現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。戦後70年を超えて、全国と同じ不動産登記制度である限り、相続未登記の不動産も増える可能性がある。

・平成30年度

私は墓地と公共(地方公共団体)の項目が気になりました。

・令和元年度

A類型は管理の解除につながる可能性が高いと考えられるもの

B類型は現状において所有者不明土地を利用・占有している人、法人等が存在する 又は把握される。

C類型は、B類型の人、法人等が存在しないまたは把握が困難な土地(C類型は掲載されていません。)。諦める、後から手を付ける、立法に任せる、という意味でしょうか。

歴史

県管理地のみの数字なので、市町村、民間を合わせると増えます。

面積にすると1K㎡ない、というのは意外でした。もっと大きいのではないでしょうか。

登記簿(登記記録)が天災などで失くなった場合の処理方法。

墓地及埋葬取締規則(明治17年太政管布告25号)

私は初めてしりましたが、太政管は、「だじょうかん」と読むようです。

明治太政官制成立過程に関する研究 2田  村  安  興 

https://core.ac.uk/download/pdf/70356113.pdf

墓地及埋葬取締規則を廃止し、下の規則制定(上位規範の墓地埋葬法は墓地、埋葬等に関する法律。)。

寺院墓地の整理・再利用と墓地使用権

竹内 康博(愛媛大学法文学部)

http://religiouslaw.org/cgi/search/pdf/201002.pdf

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年7月13日厚生省令第24号)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei16/

不明地から管理者の名義へ

沖縄の復帰に伴う民事行政事務の取扱いについて

昭和47年5月15日民事甲第1783号那覇地方法務局長あて民事局長通達

不動産登記関係

9 市町村非細分土地登記簿及び所有者不明土地登記簿は、政令第15条第2項の適用を受けるものではないが当分の間各登記所において保存するものとする。なお、附属書類についても同様とする。

(沖縄登記関係法令集 平成4年12月 那覇地方法務局P193)

市町村非細分土地について

不明地には言及されていないが、出来ないとは決まっていない。

沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)

施行日: 令和二年十二月一日(平成三十年法律第九十五号による改正)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346AC0000000129

(所有者不明土地の管理)

第六十二条 沖縄法令の規定による所有者不明土地で、この法律の施行の際琉球政府又は沖縄の市町村が管理しているものは、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県又は当該所有者不明土地の所在する市町村が管理するものとする。

以前

民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案

     令和3年(2021年)2月2日、民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案が発出されました。おそらくこの後、要綱案に関する補足説明が発出されるのではないかと思います。要綱案を基に考えてみます。

 

・民法等の見直し

相隣関係

209条 隣の土地を使用する目的が具体的になっています。

233条 根に関する記載が削除されるようです。竹林と土地の所有者が違う場合、竹林が共有である場合の対処方法が明確に定められることになりそうです。

継続的給付を受けるための設備設置権及び設備使用権の創設・・・水道管などライフラインが他の土地を通って設置されている場合は、修繕・新たに設置することが出来ることが、民法上の権利となります。

共有等

共有物に関して、使用している人としていない人との対価に関する定めと使用していない人も含めた共有者の使用に対する善管注意義務の創設。(民法249条)

共有物の変更・管理についての裁判の創設(連絡が取れない人がいる場合)。(民法251条)

民法252条 共有者のうち、連絡が取れない人がいる場合は、その人を外して共有物の管理を行うことが出きることの明記。共有者が短期賃貸借契約を締結することが出来ることを明記(民法602条)。共有物を管理する者(共有物の管理者)の規定の設定。

変更・管理の決定の裁判の手続の進め方(申立て・公告後1カ月の経過・裁判所による裁判。)。

民法258条 現物分割、全面的価格賠償(最判平成8年10月31日)の明記。相続開始の時から10年を経過したときは、相続人の異議がない限り、相続財産に属する共有物の持分について、民法258条の規律による分割請求をすることができる。

所在等不明共有者の持分の取得

要件

  • 共有者の中に所在不明の者がいる。
  • 裁判所へ持分所得の請求を求めて、裁判を行う。
  • 所在不明の者から異議が出ない。
  • 不動産に関する権利のうち、準共有(民法264条)についても準用する。

手続

1 共有者からの裁判の申立て

2 裁判所による公告(一定の期間(3か月以内)に異議を申し立てることが出来ること)

3 裁判所が所在が判明している共有者に対して、公告したことを通知。

4 申立人は、裁判所が定めた金額を供託。

所在等不明共有者の持分の譲渡

要件

・所在等不明共有者以外の共有者が、特定の者に対して持分を譲渡したときに、所在等不明共有者の共有持分を特定の者に対して譲渡する権利を与えることを内容とする(共有状態の解消)。

手続

・裁判所から、所在等不明共有者の共有持分を特定の者に対して譲渡する権利を与える裁判を得てから、原則として2か月以内に実行する必要がある。

所有者不明土地管理命令「等」・・・所有者不明建物管理命令を含む。(非訟事件)

裁判所は、利害関係人の請求により、1か月の公告経過後に所有者不明土地管理人を選任し、管理を命ずる処分(所有者不明土地管理命令)を行うことが出来る。命令の効力は、所有者不明土地の上にある動産(固定されていない倉庫など)に及ぶ。

所有者不明土地管理命令は、何度でも発令することが出来る。

所有者不明土地管理人の権限・・・管理、処分(売却など)。

所有者不明土地管理命令の登記の嘱託と、所有者不明土地管理命令の登記の抹消の嘱託・・・登記原因は?登記権利者、登記義務者?申請人?添付情報は?

所有者不明土地等に関する訴えについては、所有者不明土地管理人が原告又は被告。弁護士を想定?

所有者不明土地管理人の義務

・善管注意義務・忠実義務・公平義務。

・解任・・・利害関係人の請求により、裁判所が判断

・辞任・・・裁判所の許可を得ることが条件

・所有者不明土地管理人の報酬・業務上の費用・・・裁判所が定める。

・所有者不明土地から収益が出た場合(貸土地などの賃料)、供託可能で供託した場合は公告義務。

所有者不明土地管理命令の取消し事由

・管理すべき財産がなくなったとき(売却して、代金は全額供託したなど)。

・財産の管理を継続することが相当でなくなったとき・・・想像できません。

・所在不明だった所有者が、裁判所で自己に帰属することを証明したとき。

所有者不明建物管理命令

・所有者不明土地管理命令とほぼ同じ規律。マンション(建物の区分所有等に関する法律)は対象外。

管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令

・管理不全・・・所有者による土地・建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合。

・所有者は、裁判所の命令によって管理人が管理することに同意するのでしょうか?

・管理不全土地管理命令の対象とされた土地・建物について、保存行為・管理行為を超える処分を行うには、その所有者の同意がなければならない。

その他は所有者不明土地・建物管理命令とほぼ同じ。

相続等

民法918条2項、3項、926条、940条1項、2項。

・家庭裁判所が、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができない場合(原則として可能。相続財産の清算人)・・・相続人が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき又は民法第952条第1項の規定により相続財産の清算人が選任されているとき。

・不在者財産管理人(民法27条から29条まで)、限定承認をした人、相続放棄をした人についても同じ規律に揃える。

・相続放棄をした人が相続財産を占有している場合、管理する期間・・・相続人か相続財産の清算人に対して財産を引き渡すまでの間。

・不在者財産管理人、相続財産の清算人(管理する財産が全て金銭のとき)について、管理すべき財産の全部を供託・公告したときを取消し(退任)事由とする。

・相続財産の管理人から相続財産の清算人への名称変更(民法936条1項、民法952条)。

民法第952条第2項、957条。

・家庭裁判所は、相続財産の清算人が選任されてから、6カ月以内の公告。家庭裁判所の公告があった場合は、相続財産管理人も全ての相続財産債権者と受遺者に公告する義務。

民法第903条から第904条の2(特別受益、寄与分)

・原則・・・相続開始の時から10年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。

例外・・・相続開始の時から10年を経過する前(6か月の個別猶予有り)に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。

・遺産の分割の調停又は審判の申立て・申立ての取下げの要件・・・相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得ることが必要。

遺産の分割の禁止(民法907条など)

・共同相続人は、5年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割をしない旨の契約をすることができる(相続開始の時から10年以内。)。更新の契約も同じ。

・民法第907条第2項家庭裁判所による遺産分割の禁止(相続開始の時から10年以内)。更新も同じ。

不動産登記法等の見直し

所有権の登記名義人に係る相続の発生を不動産登記に反映させるための仕組み

・不動産の「所有権」の登記名義人が「死亡」(自然人)し、相続等による所有権の移転が生じた場合における公法上の「登記申請」義務・・・自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内。相続人に対する特定遺贈・包括遺贈についても同じ。

「登記申請」・・・法定相続分、相続人申告登記(仮称)の申出も登記申請に含まれる。

・相続登記等の申請義務違反の効果・・・10万円以下の過料。

・相続人申告登記(仮称)・・・登記官にたいして、相続開始の事実と自らが相続人であることを申し出ること。添付情報は戸(除)籍謄本等。遺産の分割の日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請する義務。→この仕組みが機能すると、所有権については、相続開始後13年以内に相続登記が行われる。

登記官は職権で付記登記を行う。登記の目的、登記原因は?

・遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記手続(不動産登記法60条)・・・登記権利者が単独で申請。

・法定相続分での相続登記がされた場合における登記手続(不動産登記法60条)・・・登記権利者が単独で申請(他の相続人の相続の放棄、特定財産承継遺言、相続人が受遺者である遺贈など。)。

・権利能力を有しない所有権の登記名義人についての符号の表示・・・登記官は職権で符号を表示することができる。どんな符号?

所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所の情報の更新を図るための仕組み

・変更があった日から2年以内の登記申請義務。5万円以下の過料。

・登記官は、職権(自然人は申出があったとき)で氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記をすることができる。法人は職権。

登記所が他の公的機関から所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するための仕組み

・所有権の登記名義人が登記官に、検索用情報を提供。住民票?

・登記官は、住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会を行うなどして自然人である登記名義人の死亡の事実や氏名又は名称及び住所の変更の事実を把握。

登記義務者の所在が知れない場合等における登記手続の簡略化

・不動産登記法70条の条件追加

法務省令で定める方法により調査を行った場合

買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したとき・・・登記権利者は、単独申請。

解散した法人の担保権に関する登記の単独抹消手続

1法務省令で定める方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しない。

2被担保債権の弁済期から30年を経過

3法人の解散の日から30年を経過

その他の見直し事項

・所有権について、会社法人等番号が登記事項。

・所有権について、登記名義人の住所が日本でないときは、日本における連絡先と人の氏名住所その他の法務省令で定めるものが登記事項。

・外国に住所を有する自然人、法人についての住所証明情報

外国政府等の発行した住所証明情報か、住所を証明する公証人の作成に係る書面(外国政府等の発行した本人確認書類の写しが添付されたものに限る。)の2つに限定する。

所有不動産記録証明制度

・誰でも(自然人、法人問わず)登記官に対して、所有権(と法務省令で定めるもの)に関して名寄せの証明書請求が出来る。相続人は、被相続人に関する名寄せが出来る。

・所有不動産記録証明書の請求・取得は、「代理人」による交付請求も許容。

被害者保護のための住所情報の公開の見直し

不動産登記法第119条・・・登記官は、申出があったときは、法務省令で定める措置をする。

参考

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/dv_shien.html

土地所有権の国庫への帰属の承認等に関する制度の創設

共有の場合・・・共有者の全員行うときに限定

法務大臣が国庫帰属を承認する場合

  • 建物がない。
  • 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されていない。
  • 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれていない。
  • 土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限る。)により汚染されていない

⑤ 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがない土地

⑥ 崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要しないもの

⑦ 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存しない。

⑧ 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存しない土地

⑨ 隣接する土地の所有者その他の者との争訟がない。

⑩ ①から⑨までに掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をすることができる。

・承認は、土地の一筆ごと。

・承認申請者は、承認があったときは、国有地の種目ごとにその管理に要する「10年分の標準的な費用の額を納付」。

登記の目的、登記原因は?

参考

法務省 法制審議会―民法不動産登記法部会

「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」

https://www.okinawa-shiho-shoshi.net/wp-content/uploads/9d75ff4ad984aa158df82f0d97986134.pdf

地方自治法260条の38 公告例

一  認可地縁団体の名称、区域及び主たる事務所

二  申請不動産に関する事項

三  申請不動産の所有権の保存又は移転の登記をすることについて異議を述べることができる者の範囲は、申請不動産の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人若しくはこれらの相続人又は申請不動産の所有権を有することを疎明する者(以下「登記関係者等」という。)である旨

四  異議を述べることができる期間及び方法に関する事項

様々な影響を及ぼしつつある所有者不明の土地

土地の所有者がわからないために土地の売買や利活用が進められないなど、「所有者不明の土地」が引き起こす問題が全国で増えている。
“所有者がわからない”という表現には、所有者は判明しているものの居所や生存が確認できず、ただちに連絡がとれない場合も含まれる。
顕著に表面化したのは、東日本大震災の復興事業だ。被災者の集団移転に伴う高台の用地を取得する際に、移転先に所有者不明の土地が含まれていたことで、計画の変更や遅延を余儀なくされるケースが現れたのだ。

土地の所有者がわからないことで起こる問題は被災地だけではない。北海道では、石炭産業施設など日本の近代化に貢献した「明治北海道の産業革命遺産」の保全をする上で、全27ある遺産のうち4つが所有者不明のために維持修繕できない状態だという。また、ある地域では、土砂崩れが起こる可能性の高い土地の補強や堤防を設置しようとする際に、その土地の相続登記がされていないために工事が進められないケースが出てくるなど、人命にも関わる様々な場面で影響が出ている。
国土交通省が平成27年3月に公表した報告書によると、全国4市町村から100地点をサンプリングして登記簿を調査した結果、最後に所有者に関する登記がされた年が「50年以上前」のものが全国の19.8%を占めていた。同省によると、「所有者の所在の把握が難しい土地は、私有地の約2割(※筆単位)が該当すると考えられ、相続登記等が行われないと今後も増加する見込み」としている。(※筆:登記簿上の土地の個数を表す単位のこと)

これらの問題が、震災復興や空き家対策など緊急性の高い課題解決の妨げになっていることを受け、国土交通省は、現行の法制度の範囲内でできる対策を示した「所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドライン」を策定。政府と司法書士会、関係団体が協力した検討会を立ち上げた。
2017年3月8日に開催された「地域に広がる所有者不明土地問題を考える」シンポジウムから、所有者不明の土地問題の現状や解決に向けた様々な取組みなど、新たな土地制度のあり方について考えてみたい。

国土交通省のサンプル調査によると、50年以上所有権の登記がされていない土地は、全国の20%近くに上っている</BR> 参照:国土交通省「最後に所有権に関する登記がされた原因年別の登記簿の割合」を元に編集部で作成
国土交通省のサンプル調査によると、50年以上所有権の登記がされていない土地は、全国の20%近くに上っている
参照:国土交通省「最後に所有権に関する登記がされた原因年別の登記簿の割合」を元に編集部で作成
.
所有者がわからなくなる背景とは?


そもそも土地の所有者情報は、不動産登記制度によって管理されているにも関わらず、なぜ所有者不明の土地ができてしまうのか?その主な要因の一つが「相続未登記」だ。
土地の所有者が死亡した場合、一般的には新たに所有者となった相続人が相続登記を行ない登記簿の名義を変更する。しかし、この相続登記は義務ではなく相続人本人の判断に委ねられているのだ。倒壊の危険や防犯上のリスクなど、公益上の損害が表面化しやすい空き家問題とは異なり、その土地を利用しようとする段階で初めて不都合が表面化するため、死亡者の名義のまま登記簿の情報が長期間放置されることも多い。その間にも法定相続人は、子、孫と広がっていくごとにねずみ算式に増加し、登記簿情報との乖離が進んでいくことになる。こうした背景から、そもそも自分が相続人だと自覚していないケースも少なくないという。

相続登記が進まない理由の一つには、土地の資産価値の変化がある。
国土交通省が2017年3月21日に発表した公示地価では、東京圏、大阪圏、名古屋圏の3大都市圏において、住宅地平均が前年比+0.5%、商業地平均が+3.3%と4年連続で上昇しているものの、駅から離れた郊外に地価が落ち込む地点が存在するなど、二極化が進んでいることが示された。今後も続く人口減少によって、その差は更に大きくなっていくと考えられる。土地を所有することは、固定資産税などの継続的なコストが発生するということだ。過疎地などの市場価値の低い土地を相続した場合、土地の所有が「資産」ではなく、負担になってしまう状況も考えられるのだ。

空き家特別対策法の施行からわかるように、空き家は景観や防犯、倒壊などの観点から問題視されやすいが、<BR />空き地の場合は相続登記を行わなくても直ちに問題になることが空き家と比べて少ない
空き家特別対策法の施行からわかるように、空き家は景観や防犯、倒壊などの観点から問題視されやすいが、
空き地の場合は相続登記を行わなくても直ちに問題になることが空き家と比べて少ない
.
被災地である岩手県大槌町では、地権者が800人超の事例も


現在、大槌町司法書士相談センターで復興事業に携わっている岩手県司法書士会所属 司法書士 石川陽一氏
現在、大槌町司法書士相談センターで復興事業に携わっている岩手県司法書士会所属 司法書士 石川陽一氏

パネルディスカッションでは、法務省や国土交通省をはじめとする各省庁に加えて、地方自治体職員など関係部局の担当者が登壇した。
そのうち、東日本大震災の被災地の一つでもある岩手県大槌町で、相続登記手続きの支援をしている司法書士 石川陽一氏から、被災地における所有者不明の土地問題の現状が語られた。

「津波によって町の約7割の建物が被災した大槌町では、復興事業の一環として公共用地の買取りが進められています。買取り状況は90%近くに達しているものの、残りのうち数%は所有者不明の土地で手の施しようがない状態です。明治から昭和初期にかけて登記したまま登記簿を変更していない土地もあり、相続人が20~30人、行方不明者も複数という案件も少なくありません。中でも、一筆の土地が46人の共有名義になっていたことがありました。調査の結果、大正時代から登記変更されていなく、書類をたどると800人もの地権者が存在していたんです。」

こうした土地所有者の調査は、自治体の担当職員にとって気の遠くなるような作業である。まずは、所有者の親族を中心に相続人を洗い出し、文書などを通じて連絡。さらに相続人が複数いる場合には、合意形成も必要になる。当然、複数の相続人が同じ行政区内に住んでいるとは限らず、例え海外にいる場合も例外なく同様の手続きをとらなくてはならないのだ。

今後の進め方について石川氏は、
「自治体の職員はこうした作業が毎日続きます。どうすれば相続人と接触できるのか、どうしたら印鑑がもらえるのか…。あまりに複雑であるため、一人で抱え込まずチームで解決する体制づくりが大切なのだと思います」と語る。
.
解決が進みにくい背景には、当事者、関係者の認識不足も?


新潟県長岡市の「市役所なんでも窓口」。葬儀後の手続き一覧の用意やワンフロアに手続きが必要な課を多く設置することで、森林法に基づく届出件数が、一覧表掲載前の平均件数の1.37倍に増加したという
新潟県長岡市の「市役所なんでも窓口」。葬儀後の手続き一覧の用意やワンフロアに手続きが必要な課を多く設置することで、森林法に基づく届出件数が、一覧表掲載前の平均件数の1.37倍に増加したという

相続人の調査、接触するために係る”時間とコスト”も見逃せない問題だ。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主任研究員 阿部 剛志氏は、過去の20案件のリサーチから、土地の所有者がわからない場合の調査コストを算出したという。
「登記簿で所有者が判明せず、戸籍などを遡って調査する場合、見えないコストとして1人調査あたり約1万4,000円から2万6,000円がかかっていることがわかりました。この内訳の約9割は人件費で占められており、こうしたコストを、行政や森林組合が負担していることを共通認識としてもっていただきたい。」と語る。
所有者不明の土地が増えることは、固定資産税の徴収額の減収にも直結する。ある自治体では、相続人が特定できずに死亡している人に対して、形式上課税をする”死亡者課税”も起こっているという。
すでに死亡している所有者の調査には、さらに根深い問題がある。過去に遡って所有者を調査する際、故人を辿っていく場合に必要な”住民票の除票の写し”や”戸籍の附票の除票”等の保存期間が、法令上、消除した日から「5年間」となっている。そのため、当該期間を経過している場合、これらの除票の写しの交付ができず、先代に遡ることができない事態が発生するのだ。

こうした状況に対して阿部氏は、問題の解決が進みにくい理由には、自治体をはじめとする関係者の”問題の認識不足”もあると語る。
「空家問題の所有者の調査の際に何が一番困ったか?というアンケートの回答として、『所有者の特定が困難』という回答が最も多いのは予想がつきましたが、次いで多かったのが『関係者の問題に対する認識不足』という回答でした。つまり、問題を解決しようとも、関係者同士であっても話がなかなか伝わらず、協力が得られにくい…というのが担当者の苦労として明確に現れた結果でした。担当者にとっては深刻な問題にも関わらず、周りの人はよくわからないので対応しないという状況が見えてきます。連携するための一体感をどのように構築するかということが、問題解決に向けての大きな論点の一つになると思います。」
.
問題解決に必要な法整備の見直しと国民の意識


相続人にとってすぐに不都合が表面化しにくく、気づいたときには対応が困難になっているケースが多い特徴をもつ「所有者不明の土地問題」。今回策定されたガイドラインには、こうした土地を今以上に増加させないための取組みとして、主に以下のポイントをあげている。

 □相続登記と所有者届出の促進
 □情報の共有

相続登記を促す対策としては、死亡届提出の手続きと併せて、土地の相続に係る手続きを案内する方法が取られはじめている。死亡に伴う保険や年金などの関連手続で担当窓口を訪れたタイミングで、土地の相続に係る手続きの一覧などを案内することで、漏れなく実施につなげたいとしている。
具体的な事例として、新潟県長岡市では、平成24年4月の新庁舎開設時に「市役所なんでも窓口」を新設。死亡届出後に行う年金受給停止の手続きや介護保険の喪失届けといった諸手続きを行うほか、ワンフロアに一連の手続きに必要な課を集めることで、住民の手続きの負担の軽減や手続き漏れの減少につなげているという。
また、調査の負担軽減につながるものとして、関係各所の所有者情報の共有も挙げられている。
前述した住民票の除票等の保存期間を超える保存と、その写し等の交付をすることで所有者情報の探索の負担軽減が期待されている。
即効性のある解決は難しいとはいえ、今後いかに新たな「所有者不明の土地」を生み出さないか、という未然の防止策には、行政や関係部署の所有者情報の共有など、これまでの縦の分担ではなく、組織横断的な協力が必要不可欠であるといえる。

検討会の委員長を務める早稲田大学大学院法務研究科教授 山野目章夫氏は、
「不動産登記制度は、所有者不明の土地問題の原因の一つと批判があるが、アジア諸国においてここまで精緻な不動産登記制度をもった国はない。諸先輩方が明治初年に作り上げ、今日まで保たれている制度は、人々の信頼が受け継がれてきたという国の宝でもあると思います。これを我々の代で損なうことなく、次の世代まで引き継がねばならないのです。」と語る。

不利益が見えにくく、身近に感じる機会が少ない所有者不明の土地問題も、国民一人ひとりの意識と密接に係る問題である。土地の所有者を全て明らかすることが難しい状況の中、今以上に放置される土地を生み出さないためには、これまでの制度を踏襲しつつも、人口が減少していく時代に即した土地制度の見直しが必要なのではないだろうか。

PAGE TOP