渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』第11章民事信託の実務の基本的枠組み

渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』2023年、日本法令。第11章民事信託の実務の基本的枠組み

 Q705、民事信託解説書の選び方について・・・寺本昌広『逐条解説新しい信託法』2008年、商事法務、村松秀樹他『概説信託法』2008年版、2023年版、商事法務、別冊NBL商事法務『信託法改正要綱試案と解説 (別冊NBL no. 104)』2005年、商事法務、大蔵財務協会『改正税法のすべて平成19年版』2007年、書籍としてはこの辺なのかなと思います。

 その他には大垣尚司先生、道垣内弘人先生など、ご自身の状況に合わせて勉強していく形で良いのかなと個人的に思います。

 インターネット上では、信託法制部会の議事録や国会答弁を読むことが出来ます。

Q713、信託の消極的要件、受託者の損失補填義務等が完全に排除されていないこと、につて・・・限定責任信託(信託法2条2項12号)はどのようにせいりするのか、分かりませんでした。委託者が圧倒的な指図権を有し、かつ、受託者から信託財産の管理の委託を受けるなどして、受託者の信託判断の余地が全くなく、受託者が単に認容する義務を負うにとどまるものではないこと、について・・・圧倒的な、全く、などの文言から、信託行為の条項から受託者の権限(信託法26条但し書)が制限ではなく、ないという状態を想定しているのかなと思いました。

Q726、信託契約の公正証書化の意義、公証人による当事者の確認と法的検討について・・・士業が信託行為の案に関わっている場合、二重チェックになり、安定する一方で当事者のコスト負担は大きくなります。信託口口座開設のために選択肢が公正証書化しかないとすれば、士業が関わる場合に公証人が行うことと、金融機関が行うこととの棲み分けが必要なのではないかなと感じます。

 公証センター(公証人役場)のリソースがさけるなら、士業を入れない信託行為の書類作成について公証人のみによる関与の割合が多くなっていくことも良いのかなと思います。

 遺言、任意後見契約を信託行為と同じ日に公正証書化するのであれば、当事者の負担感は抑えられるのかなと思ったりしますが、正解は分かりませんでした。

 

Q775、居住用物件と委託者兼受益者の管理事務、委託者兼受益者は居住するに際して、具体的な義務を一切負わないのだろうか。について・・・土地の工作物等の占有者の責任(民法717条)を負うと考えます。

Q792、受託者の変更に伴う信託契約の見直し、信託変更は誰と誰との間で行うべきか、受託者交代時において、委託者兼受益者の判断能力が喪失されている場合どうするか。・・・信託法と成年後見等関連法令、信託行為の内容に従って必要な信託契約の見直しを行っていくものと考えます。

Q795、受益者の変更に係る受託者の事務、なお、新受益者が受益権を取得したことを知らない時は、受託者が通知することを要するが(信託88②。信託行為の別段の定めが可能。)、その際、旧受益者にあわせて作られていた受益債権の内容を、新受益者に対してアジャストしなくてもよいのか、という問題を生じ得る。について・・・新受益者は受益権の放棄(信託法99条)権があるので、受益権の内容条項を中心に見直す必要はあると思います。

Q803、修繕積立金、信託財産修繕のための積立金を留保するため、信託行為であって、その計算方法を定めておきたい。について・・・私は修繕積立金の確保を受託者の信託事務として定めるのみで、計算方法を定めていません。計算方法を定めることによってこう着しないか、気になるからです。今後、ケースによっては必要なのか検討したいと思います。

Q809、信託元本組入、一般に、信託契約書上、受託差は、各計算期日において、純収益から、信託事務処理のための積立金、修繕のための積立金、公租公課のための積立金、保険料のための積立金の金額の合計額について、各信託期日の翌日、信託の元本に組み入れる、という趣旨の定めがおかれている。について・・・一般に置かれていることを初めて知りました。今後この定めを入れるかどうか考えます。

Q814、計算事務の委託、行政書士やFPなどの専門職も支援に適していよう。について・・・計算事務の委託の文脈で行政書士が出てくるのは適しているのか、分かりませんでした。

Q826、信託監督人の設置の判断、成年後見制度における後見監督人が設置される場合を参考にすることについて、同意です。親族・第三者との間で紛争がある場合については、信託を行うのかどうかの判断を含め、弁護士を紹介することが適していると個人的に思います。

Q827、信託監督人への同意見の付与、同意見者となるからといって、必ずしも監督者としての中立性が害されるというわけでもないかもしれない。について・・・監督者は後見人、受託者を本人、受益者のために監督するので(信託法131条4項)、中立性は求められていないのではないかと思います。

Q832、受益者代理人の職務と不正リスク、信託金の配当に関しては、それを認知症にり患した受益者に代わって、受託者から直接受益者代理人の口座に入金するような形で受領できるのか、認知症患者の名義の預金口座では凍結されてしまいかねないか、について。・・・受益者代理人の権限はあると考えられます(信託法139条)。ただし、受益者代理人は受益者の代理人なので、口座名義は成年後見人同様に受益者代理人であることが外観上、金融機関システム上分かる必要があると考えます。受益者代理人の選任の有無に関わらず、判断能力を失った人の名義の預金口座は、原則として凍結されると考えます。

Q833、信託監督人の合意書、新しい受益者が、信託内容を理解し、信託監督人制度を理解するためには、かような合意書を締結することが望ましい。しかし、新しい受益者が未成年者、あるいは、認知症患者などの判断能力が減退した者である場合等もあり得るので、そのような場合にはどうすべきか、検討を要する。について・・・未成年者であれば法定代理人が、判断能力が減退した方で、成年後見制度の利用を必要とする程度であれば、成年後見制度の利用を行い後見人等が合意書の締結を行うことになると思います。

Q840,裁判所による信託監督人の選任、なお、信託法131条4項の「受益者が受託者の監督を適切に行うことができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき」というような裁判所による信託監督人の選任の規定があることから、当初の信託行為の定めがない場合、信託期中、信託の変更を行うことで、信託監督人の選任を行うことはできるのだろうか、委託者兼受益者の自益信託の場合はどうなのか、について。・・・裁判所が関与せず、信託行為中の信託の変更条項に従って信託監督人を選任できるのか、という論点だと思います。受益者代理人の選任(信託法138条)に関する定め、信託法131条4項のような定めが受益者代理人にはないことから、信託の目的に反せず、信託の終了事由に該当せず、信託変更の当事者に受益者(受益者代理人、成年後見人を含みます。)が入っている場合は、信託変更により信託監督人の選任を行うことが可能だと考えます。委託者兼受益者の自益信託の際も同様だと考えます。

Q842、信託登記事項証明書、というものが分かりませんでした。

Q843、賃貸物件の信託譲渡時の賃借人のへの通知、賃貸管理会社への通知が多いのではないかと思います。

Q893、9.12判決で残された信託と遺留分の問題、また、遺留分減殺された受益権については、その結果、いかなる内容の受益債権を準共有するのだろうか(減殺請求された受益者の障害に限定されるのか、遺留分権利者の生涯に変化し得るのか)。について・・・受益権の個数を分けておけば(例えば1円につき1個)、準共有という問題は生じないのではないかと思いました。

Q903、10.23判決―信託契約の拘束力、委託者兼受益者であれば、受託者を解任することもできるのがデフォルトルールである(信託法58条1項)。この点、(一般論として)受託者兼帰属権利者が、当初より、委託者兼受益者の心変わり(他の推定相続人の存在)の可能性を想定して、用意周到に信託法のデフォルトルールを修正した技術的な信託条項を仕組むような場合をどのように考えるべきか、よく考えたい。について・・・受託者の解任について、委託者兼受益者が自由に解任できる条項については、私は何かしら解任事由という制限を付けることが必要だと考えています。そうでなければ、いつ解任されるか分からない信託に、受託者として責任を持つ人を探すのは難しいのではないかと思います。

Q904、合意終了等に関する信託条項のひな型リスク、について・・・合意できない場合は、信託法165条(特別の事情による信託の終了を命ずる裁判)で手当てが可能ではないかと思います。

Q906、合意終了と単独終了、について・・・委託者兼受益者による単独終了(信託法164条1項)を定める場合、何かしらの客観的な終了事由を追加する必要があるのではないかと思います。

Q929、委託者からの倒産隔離、について・・・登記研究463号、昭和61年4月30日民三第2777号民事局第三課長回答「信託による所有権移転の登記のある不動産に対して破産登記等の嘱託の受理の可否について」を根拠とする記載に同意です。

Q940、信託目録の仕組み、信託目録について、私なら信託不動産という用語は省略すると思います。登記記録から信託不動産であることが分かるからです。

信託契約書を単に引き写し、長文の信託条項を転記するのでは、第三者が即座にみてわかるものになっておらず、公示の機能を果たすことができない。について・・・信託契約書の信託条項を、可能な限り信託目録に転記しやすいような形で作成するが良いと思います。信託契約当事者、関係者に分かりやすいものであることが望ましいこと、信託契約書から要約や抽出をすると、信託契約書と信託目録の齟齬が生じる恐れがあること、信託契約書から要約・抽出された信託登記の申請を審査する登記官の負担が増すと思われることが理由です。

月刊登記情報2024年9月号

月刊登記情報2024年9月号(754号)、(一社)金融財政事情研究会

https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/T

CONTENTS 法窓一言 

マネロン対策と司法書士に期待されるゲートキーパーの役割

潮見坂綜合法律事務所 弁護士 鈴木正人

 法人設立時、不動産の所有権移転時における合同会社が当事者となる場合など、依頼者の取引時確認。

特 集

土地家屋調査士とADR

ADRの現状と展望―境界ADRへの期待も含めて

一橋大学教授 山本和彦

 司法制度改革審議会意見書ー21世紀の日本を支える司法制度ー平成13年6月12日司法制度改革審議会

https://lawcenter.ls.kagoshima-u.ac.jp/shihouseido_content/sihouseido/report/ikensyo/index.html

 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成十六年法律第百五十一号)

https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000151

(国等の責務)

第四条国は、裁判外紛争解決手続の利用の促進を図るため、裁判外紛争解決手続に関する内外の動向、その利用の状況その他の事項についての調査及び分析並びに情報の提供その他の必要な措置を講じ、裁判外紛争解決手続についての国民の理解を増進させるように努めなければならない。

2地方公共団体は、裁判外紛争解決手続の普及が住民福祉の向上に寄与することにかんがみ、国との適切な役割分担を踏まえつつ、裁判外紛争解決手続に関する情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(報酬)

第二十八条認証紛争解決事業者(認証紛争解決手続における手続実施者を含む。)は、紛争の当事者又は紛争の当事者以外の者との契約で定めるところにより、認証紛争解決手続の業務を行うことに関し、報酬を受けることができる。

(一財)日本ADR協会「ADR法制の改善についての提言」(2018年版)

https://japan-adr.or.jp/activity/improveadr201804

法務省ODR推進会議

https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04200001_00005.html

弁護士から見た土地家屋調査士ADR

弁護士 斎藤輝夫

東京土地家屋調査士会 境界紛争解決センター

https://www.tokyo-chousashi.or.jp/consult/adr

 筆界についての確定と所有権に関する紛争解決という面の二面性。取得時効の可能性について調停委員が言及することの可否。

土地家屋調査士が支える境界紛争解決

土地家屋調査士 小木曽 聡

 特定された筆界と所有権の範囲が相違して合意がなされた場合の登記への反映。

検討会だより

定款認証の負担軽減に向けたデジタル活用のための実務検討会の発足

編集部

日本公証人連合会[4]ウェブ会議原則

公証役場にお越しになる負担をなくすため、全国全ての公証役場において、2024年3月1日から、利用者から特段の希望がない限り、電子定款の認証における面前審査をウェブ会議で実施することを原則とする運用を開始しました。

※ウェブ会議の利用要件を緩和し、代理人により面前審査を行う場合にもウェブ会議を御利用いただけるようになりました。

※ウェブ会議を利用した場合の認証済み定款データの受領方法を拡充し、従来の登記・供託オンライン申請システム等からダウンロードする方法のほか、メールで受領する方法も選択できるようになりました。

商業登記規則逐条解説 第21回

土手敏行

https://laws.e-gov.go.jp/law/339M50000010023

(清算人の職務執行停止等の登記)

第八十七条清算人の職務の執行停止又は職務代行者に関する登記は、会社法第六百四十八条第三項の規定によるその清算人の解任の登記をしたときは、抹消する記号を記録しなければならない。

登記先例解説集352、1991年3月25日、竹田盛之輔:法務省民事局第四課補佐官、特集 改正商法と商業登記「商法等の一部を改正する法律等の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

登記研究838号P127、平成29年6月13日法務省民商第98号民事局商事課長通知「職務執行停止の仮処分命令又は職務代行者選任の仮処分命令の申立てが取り下げられたことによる職務執行停止又は職務代行者選任の登記の抹消が嘱託された場合の受否について」

 嘱託登記を行った際の職権による抹消する記号の記録。

(社員等の氏の記録に関する申出等)

第八十八条の二 会社の代表者は、社員若しくは清算人又は合名会社を代表する社員が法人である場合の当該社員の職務を行うべき者若しくは清算持分会社を代表する清算人が法人である場合の当該清算人の職務を行うべき者(以下この条において「職務執行者」という。)の一の旧氏を登記簿に記録するよう申し出ることができる。この場合において、当該登記簿にその社員、清算人又は職務執行者について旧氏の記録がされていたことがあるときは、最後に記録されていた旧氏より後に称していた旧氏に限り、登記簿に記録するよう申し出ることができる。

2第八十一条の二第二項から第十項までの規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第二項第二号及び第三号並びに第六項中「役員又は清算人」とあるのは「社員、清算人又は職務執行者」と、同条第十項中「清算人について記録すべき旧氏」とあるのは「職務執行者について記録すべき旧氏」と、「清算人について記録されている旧氏」とあるのは「職務執行者について記録されている旧氏」と読み替えるものとする。

合名会社の社員等の、婚姻前の氏の記録の申出。

登記研究906号P68令和4年8月25日法務省民商第411号法務省民事局長通達「商業登記規則及び電気通信回線による登記情報の提供に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

(準用規定)

第八十九条 第六十五条第一項及び第三項、第七十一条、第七十六条から第七十八条まで、第八十条(第一項第五号を除く。)並びに第八十一条の規定は、合名会社の登記について準用する。この場合において、第八十条第一項第二号中「組織変更」とあるのは、「持分会社の種類の変更、組織変更」と読み替えるものとする。

第九十条 前節の規定は、合資会社の登記について準用する。

 合名会社の規定を合資会社に準用。

(解散等の登記)

第九十一条 会社法第六百四十一条(第五号及び第六号を除く。)の規定による解散の登記をしたときは、業務を執行する社員及び代表社員に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。

2前項の規定は、設立の無効又は取消しの登記をした場合について準用する。

 解散の登記をしたときに、職権による抹消記号の下線をひく規定。

(準用規定)

第九十二条 第六十一条第九項及び第六節(第八十六条を除く。)の規定は、合同会社について準用する。この場合において、第八十三条及び第八十四条中「社員」とあるのは「業務を執行する社員」と、第八十八条の二第一項中「、社員」とあるのは「、業務を執行する社員」と、同項及び同条第二項中「社員、」とあるのは「業務を執行する社員、」と読み替えるものとする。

 株式会社に関する規定(商業登記法規則61条9項)と、合名会社に関する規定を合同会社の形態に読み替えて準用。

(申請書の記載事項)

第九十三条 会社法第九百三十三条第五項の規定により外国において生じた事項の登記を申請するには、申請書にその通知書の到達した年月日を記載しなければならない。

 代理人が申請する場合で、申請書、添付書面に外国において生じた事項の通知書の到達した年月日が記載されていない限り、委任状に記載。

リスクベース・アプローチに基づくマネロン対策⑶―“司法書士ガイドライン”から考える―

司法書士 末光祐一

 対象は特定取引に限らず、司法書士が行う全業務。自然人が間接保有する場合の、法人の実質的支配者の判定。

目で見る筆界の調査・認定事例第8回 隣接する土地の使用者の確認により筆界を認定した事案

津地方法務局鈴鹿出張所長、角間隆夫(日本土地家屋調査士会連合会業務部協力)

 道路について相続登記がされておらず、相続人の所在も分からない事例。

供託ねっと―実務から学ぶ供託―第112回 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金国庫債券の供託について

宮崎地方法務局小林出張所登記官 宮永真貴子

法律業務が楽になる心理学の基礎第12回 集団「の」プロ

弁護士(認定心理士) 渡部友一郎

 葛藤、ひいき。巨人ファンと阪神ファンが、日本シリーズでヤクルトを応援することはあるか。

家族信託の相談会その68

お気軽にどうぞ。

2024年9月27日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障害を持つ子の親なき後への備え

1組様 5,500円

場所 司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

登記研究918号

登記研究918号(2024年8月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html

【論説・解説】

■後見登記等に関する法令の改正経緯等について(上)

法務省民事局民事第一課長 櫻 庭   倫

はじめに

第1 後見登記等に関する法律の改正経緯

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第43号)一部改正により、後見登記等ファイルおよび閉鎖登記ファイルについて、行政機関の保有する情報の公開に関する法律が適用除外になるとともに施行。

 中央省庁等改革関係法施行法

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/h146160.htm

 (後見登記等に関する法律の一部改正)

第三百三十条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項中「又はその支局若しくは出張所」を「若しくはこれらの支局又はこれらの出張所」に改める。

・支局、出張所の位置付けを明確化。

 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15520021213152.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第二十四条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

第十一条第二項に次のただし書を加える。

 ただし、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して前項各号の嘱託、申請又は請求をするときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。

・オンライン申請における現金納付が可能に。

後見登記等に関する法律

https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000152

(行政不服審査法の適用除外)

第十六条行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、前条第一項の審査請求については、適用しない。

特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/16620070331023.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第三百四十条 後見登記等に関する法律の一部を次のように改正する。

 第十一条第二項中「登記印紙」を「収入印紙」に改める。

非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

(後見登記等に関する法律の一部改正)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/17720110525053.htm

第百二十九条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第三号及び第四号中「氏名」の下に「又は名称」を加え、「(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)」を削り、同項第九号を次のように改める。

  九 家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第百二十七条第一項(同条第五項並びに同法第百三十五条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定により成年後見人等又は成年後見監督人等の職務の執行を停止する審判前の保全処分がされたときは、その旨

  第四条第一項中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。

  十 前号に規定する規定により成年後見人等又は成年後見監督人等の職務代行者を選任する審判前の保全処分がされたときは、その氏名又は名称及び住所

  第四条第二項中「後見等の開始の審判前の保全処分(政令で定めるものに限る。)」を「家事事件手続法第百二十六条第二項、第百三十四条第二項又は第百四十三条第二項の規定による審判前の保全処分(以下「後見命令等」と総称する。)」に、「政令で定める事項」を「次に掲げる事項」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 後見命令等の種別、審判前の保全処分をした裁判所、その審判前の保全処分の事件の表示及び発効の年月日

  二 財産の管理者の後見、保佐又は補助を受けるべきことを命ぜられた者(以下「後見命令等の本人」と総称する。)の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)

  三 財産の管理者の氏名又は名称及び住所

  四 家事事件手続法第百四十三条第二項の規定による審判前の保全処分において、財産の管理者の同意を得ることを要するものと定められた行為

  五 後見命令等が効力を失ったときは、その事由及び年月日

  六 登記番号

  第五条第三号及び第六号中「氏名」の下に「又は名称」を加え、「(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)」を削り、同条第九号を次のように改める。

  九 家事事件手続法第二百二十五条において準用する同法第百二十七条第一項の規定により任意後見人又は任意後見監督人の職務の執行を停止する審判前の保全処分がされたときは、その旨

  第五条中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。

  十 前号に規定する規定により任意後見監督人の職務代行者を選任する審判前の保全処分がされたときは、その氏名又は名称及び住所

  第六条中「第四条第二項」及び「政令で定める保全処分」を「後見命令等」に改める。

  第七条第一項第一号中「掲げる者」を「規定する者」に改め、同項第二号中「掲げる者」を「規定する者」に改め、同号を同項第四号とし、同項第一号の次に次の二号を加える。

  二 第四条第一項第十号に規定する職務代行者 同号に掲げる事項

  三 第四条第二項第二号又は第三号に規定する者 同項各号に掲げる事項

  第七条第一項に次の一号を加える。

  五 第五条第十号に規定する職務代行者 同号に掲げる事項

  第七条第二項中「成年被後見人等の親族」の下に「、後見命令等の本人の親族」を加える。

  第八条第二項中「前条第一項第二号」を「前条第一項第四号」に改める。

  第十条第一項第四号を次のように改める。

  四 自己を成年後見人等、成年後見監督人等又は任意後見監督人の職務代行者(退任したこれらの者を含む。)とする登記記録

  第十条第一項に次の三号を加える。

  五 自己を後見命令等の本人とする登記記録

  六 自己を財産の管理者(退任した者を含む。)とする登記記録

  七 自己の配偶者又は四親等内の親族を後見命令等の本人とする登記記録

  第十条第二項第一号中「若しくは」を「、後見命令等の本人又は」に改め、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る登記記録で政令で定めるもの」を削り、同項第三号中「成年被後見人等」の下に「又は後見命令等の本人」を加え、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る登記記録で政令で定めるもの」を削り、同条第三項第三号を次のように改める。

  三 自己が成年後見人等、成年後見監督人等又は任意後見監督人の職務代行者であった閉鎖登記記録

  第十条第三項に次の二号を加える。

  四 自己が後見命令等の本人であった閉鎖登記記録

  五 自己が財産の管理者であった閉鎖登記記録

  第十条第四項中「若しくは」を「、後見命令等の本人又は」に改め、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る閉鎖登記記録で政令で定めるもの」を削る。

・後見人等が法人であることを想定。

・政令から法律への引き上げ事項。

行政事件不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律法律第六十九号(平二六・六・一三)

https://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_housei.nsf/html/housei/18620140613069.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第八十三条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項中「を不当とする」を「に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した」に改め、同条第三項中「登記官は、」の下に「処分についての」を、「ある」の下に「と認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきもの」を加え、同条第四項中「審査請求を理由がないと認めるときは」を「前項に規定する場合を除き」に改め、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、監督法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。

  第十五条第五項中「長は、」の下に「処分についての」を、「ある」の下に「と認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきもの」を加え、同条に次の二項を加える。

 6 法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。

 7 第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第十五条第四項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「後見登記等に関する法律第十五条第四項の意見」とする。

・行政不服審査法の改正に伴う改正。

行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律

法律第五十一号(平二八・五・二七)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/19020160527051.htm

(鉄道抵当法等の一部改正)

第五条 次に掲げる法律の規定中「第二条第三項」を「第二条第五項」に改める 

二十 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第十四条

・行政機関の保有する情報の公開に関する法律の、保有個人情報の定義規定の移動に伴う改正。

情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律

法律第十六号(令元・五・三一)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/19820190531016.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第五十六条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十一条第二項ただし書を削る。

・オンライン申請の場合の手数料納付手続に関する改正。

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律

法律第三十七号(令三・五・一九)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20420210519037.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第三十五条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十四条の見出しを「(個人情報の保護に関する法律の適用除外)」に改め、同条中「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第五項」を「個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項」に、「第四章」を「第五章第四節」に改める。

第2 後見登記等に関する政令の改正経緯

行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う法務省関係政令の整備に関する政令(平成13年政令第83条)

民間事業者による信書の送達に関する法律及び民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成14年政令第386号)

・費用、郵送事業者について法務省令で定めることが可能になる。

行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成15年政令第551号)

後見登記等に関する政令及び登記手数料令の一部を改正する命令(平成16年政令第69号)

・オンラインで登記事項証明書等の送付を請求した場合の手数料は、送付料を含む。

特別会計に関する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成23年政令第48条)

非訟事件手続法等の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成24年政令第197号)

行政不服審査法及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成27年政令第392号)

行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令

情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(令和元年政令第183号)

後見登記等に関する政令の一部の改正する政令(令和3年政令第33号)

・押印規定の削除。

個人情報の保護に関する法律施行令等の一部を改正する等の政令(令和3年政令第292号)

新連載 ポイント解説

■基礎から考える商業登記実務(第2回)

横浜地方法務局法人登記部門首席登記官 山 森 航 太

1 はじめに

株式会社の取締役の退任を証する書面いついて

商業登記法(取締役等の変更の登記)第五十四条4項

4第一項又は第二項に規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。

2 取締役の退任を証する書面が必要とされる理由

 退任事由と、退任事由が生じた日を証する。

3 取締役の権利義務の承継

 権利義務取締役について。会社法346条1項。 昭和43年12月24日最高裁判所第三小法廷判決昭和41(行ツ)65株式会社変更登記申請却下処分取消請求民集第22巻13号3334頁

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55059

日付について、登記研究102号P31、昭和31年4月6日民事甲第746号民事局長回答 「取締役の退任の日について」⑸ その他の退任事由による退任の場合

4 退任事由ごとの退任を証する書面の態様と基本的な要件及び留意点等

 ⑴ 任期の満了による退任の場合⑵ 辞任による退任の場合⑶ 解任による退任の場合⑷ 死亡による退任の場合

辞任について、登記研究204号P46、昭和39年10月3日民事甲第3197号民事局長回答「代表取締役の変更の登記について」

解任について、登記研究512号P64、昭和35年10月20日民事四発第197号民事局第四課回答「商法第二百五十八条第一項の規定により権利義務を有する取締役の解任について」

登記研究188号P64、昭和38年5月18日民事甲第1356号民事局長回答「取締役及び監査役の任期満了による退任の日並びに株主総会の延期続行について」

登記研究154号P54、昭和35年8月16日民事四発第146号民事局第四課長心得回答「営業年度の変更による取締役の任期の短縮について」

有限会社の取締役について、登記研究392号P102、昭和54年12月8日 法務省民四第6104号民事局第四課長回答「取締役辞任の時期について」

 誰が、いつ、どの会社の取締役を辞任したのかを明らかにする必要がある。

登記研究313号P64、1973年12月20日第六部質疑・応答(5064~5068)◎五〇六七「株主総会議事録に取締役(又は監査役)の辞任の旨の記載があるときは、当該辞任取締役の署名等のされていないものであつても、それをもつて商業登記法第八一条第二項の退任を証する書面とすることができる。」

取締役が死亡又は行方不明の場合について、登記研究808号P111、平成27年2月20日法務省民商第18号法務省民事局長通達「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

種類株主総会の議事録添付について。登記研究 662号P183、平成14年12月27日法務省民商第3239号民事局長通達「商法等の一部を改正する法律等の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

権利義務取締役の死亡について、登記研究325号P73、1974年12月20日第六部質疑・応答(5120~5129)「取締役の変更の登記について」

5 おわりに

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第123回)

一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問、神 﨑 満治郎

244 商業登記法は制定されているのに、なぜ、法人登記法は制定されていないのか。

 法人の設立根拠法→登記手続法令。

■Q&A不動産表示登記(94)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第四章 建物(区分建物) 第一節 登記事項

  Q263 区分建物の登記記録はどんな仕組みになっているのか。

不動産登記規則(登記記録の編成)第四条3項

 3区分建物である建物の登記記録の表題部は、別表三の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。

  Q264 区分建物における表示に関する登記事項とは何か。

不動産登記法

https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123#Mp-Ch_4-Se_2-Ss_3

(建物の表示に関する登記の登記事項)

第四十四条建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)

二家屋番号

三建物の種類、構造及び床面積

四建物の名称があるときは、その名称

五附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積

六建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨

七建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積

八建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称

九建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権

■逐条解説不動産登記規則(47)

元法務省民事局民事第二課地図企画官 小宮山 秀 史

第96条 職権による表示に関する登記の手続

不動産登記規則

https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018

(職権による表示に関する登記の手続)

第九十六条登記官は、職権で表示に関する登記をしようとするときは、職権表示登記等事件簿に登記の目的、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。

2登記官は、地図若しくは地図に準ずる図面を訂正しようとするとき(第十六条の申出により訂正するときを含む。)又は土地所在図、地積測量図、建物図面若しくは各階平面図を訂正しようとするとき(第八十八条の申出により訂正するときを含む。)は、職権表示登記等事件簿に事件の種別、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。

 地方税法

https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226#Mp-Ch_3-Se_2-Ss_4

(固定資産課税台帳の登録事項)第三百八十一条7項

7 市町村長は、登記簿に登記されるべき土地又は家屋が登記されていないため、又は地目その他登記されている事項が事実と相違するため課税上支障があると認める場合には、当該土地又は家屋の所在地を管轄する登記所にそのすべき登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとるべきことを申し出ることができる。この場合において、当該登記所は、その申出を相当と認めるときは、遅滞なく、その申出に係る登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとり、その申出を相当でないと認めるときは、遅滞なく、その旨を市町村長に通知しなければならない。

不動産登記法(分筆又は合筆の登記)第三十九条2項、3項

2登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。

3登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。

■商業登記の変遷(64)第8章 商業登記に関する判例の歩み 第1節 登記の効力 第2節 登記義務等

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 一般的効力と不実登記の効力。登記義務に関して登記の要否、登記期間、登記懈怠による過料。

登記研究495号P56、昭和44年3月6日民事甲第381号民事局長通達「議決権行使の代理人資格を株主に制限する定款の定めの効力について(商通第七〇号)」

■民事信託の登記の諸問題(35)

渋 谷 陽一郎

 本当に重要なことは、将来、想定される登記申請が受理され、その時点における登記官の審査を経て、登記実行処分されることである。について・・・この考え方だと、表題登記と似ているのかなと思いました。個人的には、将来の連続性を保つことが最も重要なことなのかは分かりませんでした。重要なことの一つであると思います。

 委託者の地位を承継した者が、当初の委託者による錯誤更正の証明を代替できるのか(地位の承継は権利義務の承継を伴い、登記申請義務も負うと解釈できるが)という実務論点もある。について・・・可能と考えます。出来ないと考える場合、どのような構成を取るのか分かりませんでした。

 

【資 料】会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(11)

登記研究152号P46、昭和35年6月20日民事甲第1520号民事局長回答「定款所定の員数を欠く取締役会の決議の可否について」

 定款の取締役の数の規定を、取締役の死亡により満たしていなくても、会社法369条の出席議決権の過半数の要件規定を満たしていれば、有効な決議となる。

登記研究516号P75、1991年1月30日発行、吉戒 修一:法務省民事局第四課長、門野坂 修一:法務省民事局付、竹田 盛之輔:法務省民事局第四課補佐官、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、宮田 和一:法務省民事局第四課係長、吉越 満男:法務省民事局第四課係長、大河原 清人:法務省民事局第四課係長、堀  【論説・解説】 株式会社に関する先例をめぐって(36)

登記研究213号P62、昭和40年7月13日民事甲第1747号民事局長回答「法定数を欠く取締役会の決議に基づく変更登記申請の受理について」

登記研究227号P71、昭和41年8月31日民事甲第2527号民事局長電報回答「取締役会の定数の算定方法について」

 取締役会の決議について、開催が有効かどうか、決議が有効かどうかを考える。取締役会に出席した取締役は、原則として開会から閉会まで居ることが想定されている。開催が有効かどうかは、定款、法令の順に順守する必要がある。現存する取締役が会社法369条の議決に加わることができる取締役、となる。

登記研究450号P123、昭和60年3月15日法務省民四第1603号民事局第四課長回答「特別利害関係を有しない取締役一名による取締役会決議の効力について」

登記研究269号P70、昭和45年3月2日民事甲第876号民事局長回答 「取締役会の決議等について」

登記研究522号P39、1991年7月30日発行、吉戒 修一:法務省民事局第四課長、門野坂 修一:法務省民事局付、竹田 盛之輔:水戸地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、宮田 和一:法務大臣官房司法法制調査部(前法務省民事局第四課係長)、吉越 満男:法務省 【論説・解説】株式会社に関する先例をめぐって(37)

 利害関係を有する取締役は、会社法369条1項の議決に加わることができる取締役に含まれない(会社法369条2項)。

登記研究63号P34、昭和27年12月27日法務省民事甲第905号法務省民事局長通達「取締役会における代理出席の可否について(商通第十一号)」

 取締役は、業務執行権と監督義務(会社法348条3項4号など)がある。

登記研究140号P32、昭和34年4月21日民事甲第772号民事局長回答 「取締役会の決議が可否同数のときは議長が決する旨の定款の規定の効力について」

 議長に、取締役が持つ議決権以外の議決権を与えることは出来ない。

登記研究452号P109、昭和60年7月8日法務省民四第3951号民事局第四課長回答「外国文字をもって作成された取締役会議事録を添付した登記申請の受否について」

登記研究72号P34、昭和28年10月2日民事甲第1813号民事局長電信回答「株主総会等の議事録に関する出席取締役の署名について」

登記研究496号P23、1989年5月30日発行 柳田 幸三:法務省民事局第四課長、渋佐 愼吾:法務省民事局局付、山田 紘:富山地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、浅野 克男:人事院公平局調整課審理官(前法務省民事局第四課係長)、藤部 富美男:法務省民事 【第一部 論説・解説】株式会社に関する先例をめぐって(23)

 定款に署名の定めがある場合、議事録作成時に海外出張中や病気療養中のとき。(会社法施行規則72条3項)。

登記研究189号P68、昭和38年5月25日民事四発第118号民事局第四課長回答「商業登記申請書に添付する取締役会議事録の署名について」

登記研究877号P131、令和3年1月29日法務省民商第10号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

 会社法348条2項を証する情報は、取締役会の署名又は記名押印の規定に準ずる。

マイナンバーカード対面確認アプリ

デジタル庁

https://services.digital.go.jp/mynumbercard-check-app

・マイナンバーカード対面確認、スマートフォンアプリの内容

 マイナンバーカードのICチップを読み取り、格納された氏名などの本人情報を確認する。

・利用する場面

 金融機関、携帯電話の契約、自治体窓口、不動産の売買代金の決済時など。

・アプリで確認できる情報

 顔写真(白黒)、氏名、住所、生年月日、性別、有効期限、セキュリティコード。

・情報の読み取り方・読み取られ方

 表面をカメラで読み取り(OCR機能、写真から文字数字記号を読み取り。)。

 ICチップの情報を読み取り(NFC機能の中のReader/Writer(リーダー/ライター)機能を利用、Suicaのイメージ。)

カメラで読み取って構築した照合番号B14桁(生年月日6桁、有効期限西暦部分4桁、セキュリティコード4桁。これで暗証番号の入力を省略。)と、ICチップで読み取った情報を照合して一致していれば住所氏名などの情報がスマートフォンに表示される。

・その他

 電波が届かない場所でも使用可能。

 氏名や顔写真などの個人が特定できる情報は保存されない。カードの有効期限(年)およびセキュリティコードが履歴確認のために保存され、事業者側は、あの時の取引確認はマイナンバーカードのICチップ読み取りを行ったことを確認することが出来る。

 表面コピーは保存されないため、法令上、各事業者で必要な分を取得・保存することになる。

 表面コピーを事前に確認できるなら、事業者側で照合番号Bを入力することも可能。

 運転免許証のICチップ読み取りアプリに関しては、今後検討。

 スマートフォン内のデータをPC等に移動させることは、現状不可能。

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