加工デジタル社会の実現に向けた重点計画

https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program/

2023年(令和5年)6月9日

はじめに ……………………………………………………………….. 1

第1 安全・安心で便利な国民の生活や事業者の活動に向けた重点的な取組 ……………. 2

1.マイナンバーカード/デジタル行政サービス ……………………………….. 2

(1)申請・交付環境の整備 ……………………………………………. 2

(2)行政サービス等の拡充 ……………………………………………. 2

(3)民間サービスとの連携 ……………………………………………. 4

(4)公金受取口座の活用推進 ………………………………………….. 4

(5)スマートフォンへの搭載等マイナンバーカードの利便性の向上 …………….. 5

(6)次期マイナンバーカードの検討 …………………………………….. 5

2.デジタル臨時行政調査会によるアナログ規制の横断的な見直し ………………… 5

(1)アナログ規制の横断的な見直し …………………………………….. 5

(2)テクノロジーマップ等の整備 ………………………………………. 5

(3)デジタル法制審査 ……………………………………………….. 5

(4)官報の電子化 …………………………………………………… 5

(5)手続のデジタル完結と利便性向上 …………………………………… 5

3.国・地方公共団体を通じたDX の推進 …………………………………….. 6

(1)デジタル推進委員の活用 ………………………………………….. 6

(2)地方公共団体のアナログ規制の見直し ……………………………….. 6

(3)情報連携基盤(公共サービスメッシュ)の整備 …………………………. 6

(4)自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」 ………………………….. 6

(5)自治体キャッシュレス ……………………………………………. 7

(6)地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化 ……………………….. 7

(7)国・地方公共団体のガバメントクラウド移行 …………………………… 7

(8)デジタル化を支えるインフラの整備 …………………………………. 7

4.データ連携基盤の整備・優良事例のサービス/システムの横展開 ……………….. 7

(1)データ連携基盤の整備 ……………………………………………. 7

(2)優良事例のサービス/システムの横展開……………………………….. 7

5.準公共サービスの拡充 ……………………………………………….. 8

(1)健康・医療・介護分野 ……………………………………………. 8

(2)教育・こども分野 ……………………………………………….. 8

(3)防災分野 ………………………………………………………. 9

(4)モビリティ分野 …………………………………………………. 9

(5)インフラ分野(「電子国土基本図」の整備・更新) ……………………… 10

6.AI 活用及びデータ戦略の推進 …………………………………………. 10

(1)AI 活用に係る取組 ………………………………………………. 10

(2)包括的データ戦略の推進と今後の取組 ………………………………. 10

7.国際的なデータ連携・越境データ移転の国際枠組み ………………………… 11

(1)国際的な官民連携枠組みの設立 ……………………………………. 11

(2)eID の相互活用・信頼の枠組み …………………………………….. 11

(3)簡易な国際間送金 ………………………………………………. 11

8.事業者向け行政サービスの拡充 ……………………………………….. 11

(1)e-Gov の拡充…………………………………………………… 11

(2)G ビズID の普及 ………………………………………………… 11

(3)J グランツの刷新 ……………………………………………….. 12

(4)中小企業支援のDX 推進 ………………………………………….. 12

(5)政府調達におけるスタートアップ支援 ………………………………. 12

9.デジタルマーケットプレイス試行導入 …………………………………… 12

10.国家安全保障戦略等に基づく取組等の推進 ……………………………….. 12

第2 重点計画の基本的考え方 ……………………………………………… 14

1.デジタルにより目指す社会の姿 ……………………………………….. 14

2.デジタル社会の実現に向けての理念・原則 ……………………………….. 19

(1)デジタル社会形成のための基本原則 ………………………………… 19

(2)BPR と規制改革の必要性 ………………………………………….. 19

(3)構造改革のためのデジタル原則 ……………………………………. 20

(4)クラウド・バイ・デフォルト原則 ………………………………….. 20

第3 デジタル社会の実現に向けた戦略・施策 ………………………………….. 21

第3-1 戦略として取り組む政策群 ………………………………………….. 21

1.デジタル社会の実現に向けた構造改革 …………………………………… 21

(1)デジタル原則を踏まえた規制の横断的な見直し ………………………… 21

(2)国民が利便性を実感できる官民デジタル完結の徹底とAI・データ等を徹底活用でき

る社会づくり ……………………………………………………….. 23

(3)規制改革 ……………………………………………………… 24

2.デジタル田園都市国家構想の実現 ……………………………………… 25

(1)デジタル田園都市国家構想の意義、目的……………………………… 25

(2)構想実現に向けた取組の基本的な考え方……………………………… 25

(3)デジタル田園都市国家構想の実現に向けた重点検討課題 …………………. 26

3.国際戦略の推進 ……………………………………………………. 30

(1)DFFT の推進に向けた国際連携 ……………………………………… 30

(2)利用者本位の行政サービスの実現に向けた国際協力関係の構築 ……………. 30

(3)行政機関におけるデジタル人材育成に向けた国際協力 …………………… 31

(4)諸外国のデジタル政策に関わる機関との連携強化 ………………………. 31

(5)他国への支援 ………………………………………………….. 31

(6)民主的な「メタバース」の実現 ……………………………………. 31

4.サイバーセキュリティ等の安全・安心の確保 ……………………………… 32

(1)サイバーセキュリティの確保 ……………………………………… 32

(2)個人情報等の適正な取扱いの確保 ………………………………….. 34

(3)情報通信技術を用いた犯罪の防止 ………………………………….. 34

(4)高度情報通信ネットワークの災害対策 ………………………………. 34

5.急速なAI の進歩・普及を踏まえた対応 ………………………………….. 35

(1)連携体制 ……………………………………………………… 35

(2)基礎的な開発能力の構築・強化や包括的データ戦略に基づくデータ整備 …….. 35

(3)AI の社会実装 ………………………………………………….. 35

6.包括的データ戦略の推進と今後の取組 …………………………………… 36

(1)内外のデータ戦略の現状 …………………………………………. 36

(2)包括的データ戦略を踏まえた今後の方向性 ……………………………. 38

(3)当面重点的に取り組むべき事項 ……………………………………. 39

7.Web3.0 の推進 ……………………………………………………… 44

(1)Web3.0 の中核的要素であるトークンの利活用に係る環境整備 …………….. 44

(2)Web3.0 を活用したコンテンツ産業の活性化に向けた環境整備 …………….. 44

(3)Web3.0 の健全な発展を担う主体とアイデアの裾野の拡大 ………………… 45

(4)利用者保護 ……………………………………………………. 45

(5)その他 ……………………………………………………….. 45

第3-2 各分野における基本的な施策 ………………………………………… 46

1.国民に対する行政サービスのデジタル化 …………………………………. 46

(1)国・地方公共団体・民間を通じたトータルデザイン …………………….. 46

(2)マイナンバー制度の利用の推進 ……………………………………. 47

(3)マイナンバーカードの普及及び利用の推進 ……………………………. 48

(4)公共フロントサービスの提供等 ……………………………………. 55

(5)デジタル庁における一元的なフォローアップ体制 ………………………. 57

2.安全・安心で便利な暮らしのデジタル化 …………………………………. 58

(1)準公共分野・相互連携分野の指定 ………………………………….. 58

(2)準公共分野のデジタル化の推進 ……………………………………. 58

(3)相互連携分野のデジタル化の推進 ………………………………….. 70

3.アクセシビリティの確保 …………………………………………….. 72

(1)デジタル庁におけるサービスデザイン体制の強化及び他の政府機関等に対する横展開

……………………………………….. 72

(2)デジタル機器・サービスに係るアクセシビリティ環境の整備 ……………… 72

(3)皆で支え合うデジタル共生社会の実現 ………………………………. 73

(4)経済的事情等に基づくデジタルデバイドの是正 ………………………… 74

(5)「言葉の壁」の克服、多文化共生の推進………………………………. 74

(6)情報通信ネットワークの利用環境に係る格差の是正 …………………….. 74

4.産業のデジタル化 ………………………………………………….. 75

(1)デジタルによる新たな産業の創出・育成……………………………… 75

(2)事業者向け行政サービスの質の向上に向けた取組 ………………………. 77

(3)中小企業のデジタル化の支援 ……………………………………… 79

(4)産業全体のデジタルトランスフォーメーション ………………………… 79

5.デジタル社会を支えるシステム・技術 …………………………………… 80

(1)国の情報システムの刷新 …………………………………………. 80

(2)地方の情報システムの刷新 ……………………………………….. 94

(3)デジタル化を支えるインフラの整備 ………………………………… 98

(4)デジタル社会に必要な技術の研究開発・実証の推進 ……………………. 101

6.デジタル社会のライフスタイル・人材 ………………………………….. 105

(1)新たなライフスタイルへの転換 …………………………………… 105

(2)デジタル人材の育成・確保に向けた取組…………………………….. 106

第4 今後の推進体制 ……………………………………………………. 110

1.デジタル庁の役割と政府における推進体制 ………………………………. 110

(1)デジタル化に向けた司令塔としてのデジタル庁の役割 ………………….. 110

(2)政府におけるデジタル改革の推進体制の強化 …………………………. 111

(3)関係会議の開催 ……………………………………………….. 111

(4)政府情報システム保守運用体制に係る関係機関との連携強化 …………….. 112

2.地方公共団体等との連携・協力 ………………………………………. 113

3.民間事業者等との連携・協力 ………………………………………… 113

工程表

別冊

施策集

オンライン化を実施する行政手続の一覧等

1.マイナンバーカード/デジタル行政サービス

マイナンバーカードを使って国民の生活を向上させるため、マイナンバーカードと各種カードとの一体化や、行政手続のオンライン・デジタル化、市民カード化、民間ビジネスにおける利用、カードの利便性の向上など、以下に掲げる事項について重点的に取り組む。

(1)申請・交付環境の整備

紛失等の場合に最短5日間で発行・交付できる特急発行・交付の仕組み、出張申請受付の推進等、取得に課題がある方への環境整備を推進し、マイナンバーカードの交付体制や申請環境を整備する。

(2)行政サービス等の拡充

① 健康保険証との一体化

マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会の取りまとめを踏まえ、一体化を加速し、2024 年(令和6年)秋に健康保険証を廃止する。

(5)スマートフォンへの搭載等マイナンバーカードの利便性の向上

2023 年(令和5年)5月にAndroid 端末で導入したスマートフォン用電子証明書について、利用できるサービスを順次拡大する。iOS 端末についても実現に向けた検討を進める。

また、成人以降のカード更新を、マイナンバーカードに要求される身元確認保証レベル等について整理の上、オンライン化できないか、更に詳細を検討する。

(6)次期マイナンバーカードの検討

2026 年(令和8年)中を視野に次期マイナンバーカードの導入を目指す。このため検討の場として「次期マイナンバーカードタスクフォース(仮称)」を設ける。

暗号アルゴリズム、偽装防止技術を含めた券面デザインについて必要な見直しを行うとともに、性別、マイナンバー、国名、西暦等の券面記載事項、電子証明書の有効期間の延長、早期発行体制の構築を含む発行体制の在り方、マイナンバーカードの公証名義等について検討を行う。券面記載事項については、マイナンバーカードの身分証明書としての機能やマイナンバー利用事務・関係事務実施者の事務への影響を踏まえつつ検討する。

また、より効率的なマイナンバーカード管理システム及び公的個人認証サービス(JPKI)システムへの刷新や、既発行カードの扱い、新旧カード切替えに伴うカード利用機関等への影響についても検討することとする。

法改正が必要な場合は、2024 年(令和6年)通常国会への法案提出を目指す。

6.AI 活用及びデータ戦略の推進

(2)包括的データ戦略の推進と今後の取組

包括的データ戦略のうち、既に実装の段階に入っている施策については、本重点計画の各該当項目に進捗を記載し、引き続き推進する。更に、特に重点的に取り組むべき施策として、ベース・レジストリ等に関する施策を推進する。

ベース・レジストリに関する取組については、社会全体の取引コスト削減による取引規模拡大や生産性向上に向けて、ベース・レジストリに関する制度化の検討と、法人・土地系の注力領域における価値創出の両輪で進める。

制度化については、整備対象データに関し、①法令における位置付け②共有するための根拠③各行政機関の役割分担について整理を行うとともに、デジタル庁が定める「ベース・レジストリの指定」に基づき、データの整備を進める。

法人・土地系のベース・レジストリにおいては、各行政機関において、法人番号等の共通番号の徹底活用を進めるとともに登記等の基本情報を共有することによる変更手続省略等、申請者や審査者の負担軽減に向けた制度やシステムの検討を進める。

個人事業主の番号体系について、本人確認や情報連携等の具体的なユースケースの整理を行った上で、制度的な対応を含めた検討を行い、2023 年(令和5年)内に具体的な結論を出す。

7.国際的なデータ連携・越境データ移転の国際枠組み

(2)eID の相互活用・信頼の枠組み

各国のDigital Identity Wallet3等の取組を踏まえて、eID(electronic id)の領域で公的個人認証による本人確認等を活用するほか、データのやり取りにおいてデータや相手方を検証できる仕組みなど、新たな信頼の枠組みを付加する構想である「Trusted Web5」を推進する。

(3)簡易な国際間送金

簡易な国際間の即時送金について、本人確認手段や必要となるデータ標準など、国際的な相互運用性等について検討し、具体的な結論を得る。

8.事業者向け行政サービスの拡充

(2)G ビズID の普及

事業者(法人、個人事業主)が、様々なサービスにログインできる認証サービスを実現する「G ビズID」について、2023 年度(令和5年度)中にマイナンバーカードを利用した審査の効率化等を通じたユーザー数の増加、連携行政サービスの拡充を進める。加えて、「G ビズID」の制度化を進め、商業登記電子証明書との連携、民間サービスとの連携の在り方について整理・検討を進める。

6.包括的データ戦略の推進と今後の取組

(3)当面重点的に取り組むべき事項

⑤ ベース・レジストリ

社会基盤として参照可能なデータを整備する上では、データの元となる情報(情報源)の最新性や正確性、完全性等の品質担保が重要であり、具体的な社会課題への対応や、実現すべきサービスを念頭に置いた上で、必要となるデータの情報源と、データの共有の在り方について、関係行政機関等とともに検討することが重要である。また、品質担保の実現には、業務面(法令を含む。)やシステム面等の工数がかかり、メリハリをつけた対応が必要である。当面は、法人・土地系等の注力領域を設定し、デジタル臨時行政調査会において、ベース・レジストリの制度化と注力領域における価値創出の両輪で検討を進める。

ベース・レジストリの制度化については、①対象となるデータに関する行政事務における位置付け②データを共有するための法的な根拠の整理③データの整備及び情報連携基盤に係る関係行政機関等の役割分担について、検討を行った上、デジタル庁が別途定める「ベース・レジストリの指定」に基づき、関係行政機関等と連携してデータの整備を進める。

また、行政機関間における個人情報を含むデータの連携等に関する制度設計や運用が適切かつ円滑に行われるよう、個人情報保護委員会においては、個人情報の適正な取扱いに関し、必要な情報提供や助言等を行う。

ベース・レジストリの整備・運用に当たっては、官民の様々な情報について、正確かつ途切れることなく、データクレンジングを行ってきた国立印刷局等の関係する公的機関との連携について、関係府省庁とともに、検討する。

法人ベース・レジストリについては、社会における法人情報を整備し、共有することで、官民の取引コストを低減させ、もって企業の取引規模拡大、生産性向上を目指す。まずは、各行政機関によって目的別に個々に収集されている法人基本情報について、商業登記由来の情報からマスターデータとして行政機関内で共有することにより、申請者たる法人及び審査者たる行政機関双方の事務負担軽減を図るため、制度的な対応や規格の整理、システムの検討を行う。

個人事業主の番号体系については、本人確認や情報連携等の具体的なユースケースの整理を行った上で、制度的な対応を含めた検討を行い、年内に具体的な結論を出す。

土地系ベース・レジストリについては、所在情報に関し誰もが参照できるマスターデータや行政機関が不動産登記情報を利用するに当たっての使いやすいデータを提供することによって、各分野の業務効率化や新たな価値創造の取組の加速化を目指す。不動産登記ベース・レジストリについては、各行政機関によって目的別に個々に取得されている不動産登記由来の情報に関し、その取得スキームを一元化することで、法人ベース・レジストリと同様の行政手続等における効率化等、行政機関の業務効率化や国民の利便性向上を図るため、デジタル庁において、制度的な対応や規格の整理に関する検討を行うとともに、システム整備を推進する。アドレス・ベース・レジストリについては、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化のスケジュールに対応するため、2025 年度(令和7年度)の本格運用を目指し、デジタル庁において、関係行政機関等と協力し必要な対応を進める。

また、法人及び不動産登記ベース・レジストリの実装に向けては、登記情報のうち、必要なデータ項目の異動情報の受領の在り方について、デジタル庁と法務省において連携して検討する。

支援制度ベース・レジストリについては、マイナポータルとの連携を着実に進め、機能の改善と拡充を図る。

また、ベース・レジストリとして位置付けるものではないものの、ベース・レジストリを活用した基礎的な時系列データや、ベース・レジストリのように汎用的に活用されないが特定分野等で社会の基盤として使われるデータ等に関して、データ整備等の検討をしていく必要がある。

第3-2 各分野における基本的な施策

  • 国民に対する行政サービスのデジタル化

(3)マイナンバーカードの普及及び利用の推進

・死亡・相続手続のオンライン・デジタル化

2020 年度(令和2年度)にデジタル・ガバメント分科会で報告した方針等に基づき、関係府省庁や地方公共団体の協力の下、次の施策を推進する。

2021 年度(令和3年度)中に行われた実証実験等を踏まえて、死亡に関する手続(死亡届及び死亡診断書(死体検案書)の提出)のオンライン化に向けて、デジタル庁において、厚生労働省及び法務省とともに課題の整理を行う。

デジタル庁は、法定相続人の特定に係る遺族等の負担軽減策について、これまでの検討を基に、法務省とともに社会実装に向けた論点整理を行い、その実現を支援する。戸籍情報連携システムを活用した法定相続人の特定に関する支援等を検討する。

第三に、図書館カード、印鑑登録証、書かない窓口の実現など、行政による市民サービスにおけるマイナンバーカードの利活用については、推奨すべきケースやソフト/システムを積極的に特定し、当該サービスの全国への展開を積極的に支援する。なお、コンビニ交付サービスや行政手続のオンライン化についても、引き続き推進する。

様々な民間ビジネスにおける利用の推進

マイナンバーカードが持つ本人確認機能の民間ビジネスにおける利用の普及を図るため、2023 年(令和5年)1月から行っている電子証明書失効情報の提供に係る手数料の当面無料化に続き、2023 年(令和5年)5月から公的個人認証サービスにおける本人同意に基づく最新の住所情報等の提供、スマートフォン用電子証明書搭載サービスを開始した。

また、地域通貨と連動した地域の消費や社会的活動を活性化させるための地域ポイントや、エンタメ分野におけるチケット上の本人確認と連動させたサービス、コンビニセルフレジでの酒・たばこ販売時の年齢確認サービスなど、各分野における新たなユースケース創出のための実証実験や基盤となるシステムの廉価な提供の促進に取り組む。

さらに、給付事業との組合せによる自治体施策の効果的な推進や地域経済の活性化など、自治体マイナポイントの効果的な活用を推進する。

犯罪による収益の移転防止に関する法律、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(携帯電話不正利用防止法)に基づく非対面の本人確認手法は、マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化し、運転免許証等を送信する方法や、顔写真のない本人確認書類等は廃止する。対面でも公的個人認証による本人確認を進めるなどし、本人確認書類のコピーは取らないこととする。

(2)事業者向け行政サービスの質の向上に向けた取組

デジタル社会では、高度情報通信ネットワークを通じて流通する情報の発信者の真正性や、情報そのものの真正性、完全性等を保証するための機能が提供されることが必要であるため、前述のマイナンバーカードの普及に加え、電子署名、電子委任状、商業登記電子証明書、法人共通認証基盤(G ビズID)の普及に関する取組を更に強力に推進するとともに、確実な本人認証を実現するための技術動向を注視していく。

また、「行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドライン」に基づき、行政手続の特性に応じた本人確認手法の適正化を図る。

① 電子署名、電子委任状、商業登記電子証明書の普及

電子署名、電子委任状、商業登記電子証明書について、事業者による活用の機会が増加し、多様化していることから、普及を更に強力に推進する。

商業登記電子証明書を用いた電子署名について、利用者の利便性の向上の観点から、リモート署名方式の導入及び認証局機能のクラウド化について2025 年度(令和7年度)までの可能な限り早期に新規システムの運用開始を目指す。その際、認証と署名の役割を明確化した上でG ビズID と連携を検討する。

代理申請を可能とする場合に、申請者本人の電子証明書及び代理申請者の電子証明書を重ねて提出させることを不要とすること等によって、代理申請の容易化を図る。

共通的な認証・署名の利用

各府省庁による認証・署名機能の利用については、次を原則とする。

・個人の電子署名については、マイナンバーカードによる電子署名

・個人の電子認証については、マイナンバーカードによる電子利用者証明・法人の電子署名については、商業登記電子証明書、特定認証業務として認定された民間

認証局の電子証明書・法人の電子認証については、G ビズID公的個人認証サービスの民間利用の拡大を推進する。また、個人の認証・署名に利用するアプリケーションについては、独自構築による乱立を避けるため、デジタル庁が開発・運用する共通機能の活用を原則とする。

登記統計etc.

株式会社の登記の件数、本店(2013年~2022年)

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250002&tstat=000001012460&cycle=7&year=20220&month=0&tclass1=000001012462

2022年会社及び登記の種類別 

会社の登記の件数 本店

設立 129,548

組織変更による設立 1,465

種類変更による設立 150

商号変更による設立 1,474

合併による設立 2

会社分割による設立 787

支店の設置 5,920

本店又は支店の移転 157,497

目的の変更 66,731

商号の変更 14,869

資本金の額の増加 28,332

合併による資本金の額の増加 279

会社分割による資本金の額の増加 44

資本金の額の減少 5,013

会社分割による資本金の額の減少 12

新株予約権の発行 3,269

役員等に関する変更 591,437

特別取締役による議決の定め 3

役員等の職務を一時行う者に関する変更 316

取締役会、監査役会又は委員会設置会社に関する変更 17,615

監査役、会計参与又は会計監査人設置会社に関する変更 2,628

その他の変更 53,635

役員等の職務執行停止又は職務代行者に関する登記 32

解散 36,489

組織変更による解散 1,395

種類変更による解散 150

商号変更による解散 1,474

合併による解散 4,972

清算人に関する登記 41,271

特別清算に関する登記 552

清算の結了 32,977

会社の継続 2,321

会社設立の無効又は取消し –

決議の不存在,無効又は取消し 13

株式発行の無効又は不存在 6

合併の無効 – 破産又は民事再生に関する登記 10,172

会社更生に関する登記 23

登記事項の消滅・廃止 26,254

登記事項の更正 5,473

登記の抹消 1,205

その他 320

那覇地方法務局管轄不動産登記件数推移

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250002&tstat=000001012460&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000001012461&tclass2val=0

種類別 不動産の表示に関する登記の件数及び個数(平成25年~令和4年)

不動産登記件数2008年から2022年

不動産の表示に関する登記の件数(平成25年~令和4年)

加工デジタル臨時行政調査会作業部会(第21回)

https://www.digital.go.jp/councils/administrative-research-wg/f0d3fb4f-1936-4e13-a34e-83fc1a39a54f/

デジタル社会の実現に向けた重点計画(案)令和4年(2022年)6月7日

目 次

第1 はじめに ~重点計画の目的~ ………………………………….. 1

第2 デジタルにより目指す社会の姿 ………………………………….. 4

1.デジタル化による成長戦略 ……………………………………… 6

2.医療・教育・防災・こども等の準公共分野のデジタル化 ………………. 8

3.デジタル化による地域の活性化 ………………………………….. 9

4.誰一人取り残されないデジタル社会 ……………………………….10

5.デジタル人材の育成・確保 ………………………………………14

6.DFFT の推進を始めとする国際戦略 ………………………………..15

第3 司令塔としてのデジタル庁の役割 …………………………………16

第4 デジタル社会の実現に向けての理念・原則 ………………………….18

1.誰一人取り残されないデジタル社会の実現 ………………………….18

2.デジタル社会形成のための基本原則 ……………………………….22

3.BPR と規制改革の必要性 ………………………………………..22

4.クラウド・バイ・デフォルト原則 …………………………………22

第5 デジタル化の基本戦略………………………………………….24

1.デジタル社会の実現に向けた構造改革 ……………………………..24

2.デジタル田園都市国家構想の実現 …………………………………31

3.国際戦略の推進 ………………………………………………37

4.サイバーセキュリティ等の安全・安心の確保 ………………………..40

5.包括的データ戦略の推進 ………………………………………..44

6.デジタル産業の育成……………………………………………52

7.Web3.0 の推進 ………………………………………………..54

第6 デジタル社会の実現に向けた施策 …………………………………56

1.国民に対する行政サービスのデジタル化 ……………………………56

(1)国・地方公共団体・民間を通じたトータルデザイン …………………56

(2)新型コロナウイルス感染症対策など緊急時の行政サービスのデジタル化 …59

(3)マイナンバー制度の利活用の推進 ……………………………….60

(4)マイナンバーカードの普及及び利用の推進 ………………………..62

(5)公共フロントサービスの提供等 …………………………………65

2.暮らしのデジタル化……………………………………………69

(1)暮らしを変えるデータ連携の実現 ……………………………….69

(2)準公共分野のデジタル化の推進 …………………………………70

(3)相互連携分野のデジタル化の推進 ……………………………….85

3.規制改革 ……………………………………………………87

4.産業のデジタル化 …………………………………………….88

(1)事業者向け行政サービスの質の向上に向けた取組 …………………..88

(2)中小企業のデジタル化の支援 …………………………………..90

(3)産業全体のデジタルトランスフォーメーション …………………….91

5.デジタル社会を支えるシステム・技術 ……………………………..92

(1)国の情報システムの刷新 ………………………………………92

(2)地方の情報システムの刷新 ……………………………………110

(3)デジタル化を支えるインフラの整備 …………………………….117

(4)デジタル社会に必要な技術の研究開発・実証の推進 ………………..120

6.デジタル社会のライフスタイル・人材 …………………………….125

(1)ポストコロナも見据えた新たなライフスタイルへの転換 …………….125

(2)デジタル人材の育成・確保 ……………………………………128

第7 今後の推進体制 ……………………………………………..133

1.デジタル庁の役割と政府における推進体制 …………………………133

(1)司令塔としてのデジタル庁の役割 ………………………………133

(2)政府におけるデジタル改革の推進体制の強化 ……………………..133

(3)デジタル社会推進会議の開催 ………………………………….133

(4)デジタル社会構想会議の開催 ………………………………….134

(5)デジタル臨時行政調査会及びデジタル田園都市国家構想実現会議の開催 ..134

2.地方公共団体等との連携・協力 ………………………………….134

3.民間事業者等との連携・協力 ……………………………………134

工程表

別冊

施策集

本計画とデジタル社会形成基本法第37 条第2項各号に定める記載事項との対応関係

本計画と官民データ活用推進基本法第8条第2項各号に定める記載事項との対応関係

オンライン化を実施する行政手続の一覧等

第3 司令塔としてのデジタル庁の役割

⑥ 個人や法人を一意に特定し識別するID 制度や、情報とその発信者の真正性等を保証する認証制度の企画立案を関係法令所管府省庁と共管するとともに、ベース・レジストリの整備を含む包括的データ戦略を推進すること。

⑤ ベース・レジストリの整備の推進等

内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室は、令和3年(2021 年)5月に「ベース・レジストリの指定について」を策定し、社会的ニーズ、経済効果、即効性の観点から、早期にベース・レジストリとしての利活用を実現するもの及び今後ベース・レジストリとして整備の在り方を含め検討するものの区分を設け、具体のデータを指定した。今後、関係府省庁は「ベース・レジストリの指定について」に基づき、ベース・レジストリの整備を行う。その際、それぞれのデータの整備状況や特性等を勘案し、最も適した運用形態49を検討し、整備を進める。

当面の整備対象を事業所・事業者、住所・土地、行政等の各分野のベース・レジストリとし、それぞれについて目指すべき姿の明確化、ユースケースの特定を行い、その実現に向けたID 体系の整理、整備すべきデータの特定、その他課題の整理を令和4年度(2022 年度)末までに行う。

また、デジタル庁を中心に、個人情報など秘匿性の高いデータに対し、誰がいつアクセスした等のアクセス情報を本人が確認できるようにするなど、データ運用における利用者の信頼性の確保を図る。さらに、API によるデータ連携を可能とするシステム整備や、目的外利用の禁止等の制度的な課題などについては、「ベース・レジストリの指定について」に基づき適切に対応し、令和7年(2025 年)までの実装を目指す。

デジタル庁は、データ標準や各種ツールの整備を進め、指定されたデータを保有する各府省庁に対し必要な支援を行う。各府省庁においては、デジタル庁の整備するデータ標準への準拠、品質評価の実施、参照ルールの徹底等ベース・レジストリに適用されるルール遵守の徹底を図る。

品質向上の必要性等の観点から令和3年(2021 年)5月時点ではベース・レジストリとしての指定を見送ったデータについて、品質確保の取組を講じつつ、指定に向けて引き続き取り組む。

また、ベース・レジストリのように汎用的な活用はされないものの、特定分野において社会の基盤として使われるデータや、民間部門において整備されるデータに関して、整備を推進する必要がある。準公共分野については、情報システム整備方針に従い、関係府省庁及び関係業界が連携して当該分野に必要な基盤となるデータの整備を図る。相互連携分野については、IPA のほか関連民間機関と連携し、標準に係る整備方針を策定する。

包括的データ戦略において、各府省庁等の保有するデータベース又はネットワークからキャッシュ等でデータを取得し活用する方法、ベース・レジストリカタログとの連携で活用する方法、各府省庁の保有するデータベース等からデータをマッシュアップし、新たにベース・レジストリデータベースを構築・運用する方法の3類型が考えられるとされている。

さらに、統計データを各分野のデータと容易に組み合わせて使える状態とする観点から、データを組み合わせるためのキーとなる分類やコード、データの定義等の相互運用性の確保等、データが連携しやすい環境を整備する。

様々な行政サービスに関する情報を利用者のニーズに合わせて一覧的に提供するためのデータの標準化・体系化や識別番号の付与に向けて、海外の事例や民間における成果も参照しつつ検討する。

ベース・レジストリは、社会活動に必要となる共通的なデータを整備することによって、行政手続のワンスオンリーを実現するなど社会全体の効率性向上を図るためのものである。

一方、エンドユーザーやデータユーザーのニーズ把握、収集したデータを活用するためのユースケース、データホルダーの現況などを整理する必要があるが、そもそもデータがない、データの品質が担保されていない、データ流通に制限がある、といった技術的あるいは制度的な課題も山積している。そのため、各分野の現況を踏まえながら、個別の課題を洗い出すに当たっての必要な調査・分析を実施しつつ、ユーザーに具体的な価値を提供するベース・レジストリとなるよう検討を進める。

事業者(法人等)系ベース・レジストリに関しては、法人代表者や従業員等の事業活動におけるデータ整備について、政府と民間の役割分担、ID や属性情報のデータベースの在り方等を令和4年度(2022 年度)中に検討し目指すべき姿の整理を進める。

土地系ベース・レジストリに関しては、誰もが無償で利用可能な住所・建物マスタデータや共通ID が存在しないことや、地番・住居番号・不動産番号が個人情報に該当する可能性があると認識されていることによりデータ流通に制限があることが、住所情報のワンスオンリーの阻害要因の一つとなっていることから、まずは令和3年度(2021 年度)にアドレスの初期マスタデータの整備等を行った。今後、この成果を基にして、行政で実施すべき範囲を明確にし、住所・建物マスタデータや地番と住居表示、不動産番号をデータで関連性を持たせたデータについて、ベース・レジストリとして整備し、必要な範囲のデータを公開する。

行政系ベース・レジストリに関しては、地方公共団体が公開しているイベント及び公共施設の情報が統一形式のデータとして公開されておらず、情報が統合して取得できるプラットフォームがないことから、情報を収集・統合する形で公開する。イベントについては活用に資するだけのデータ量が確保できた段階で民間事業者の活用ニーズの掘り起こし検証を行い、継続可否を判断する。公共施設情報については防災分野の基本情報として活用を予定している。また、行政機関の支援制度等の情報については個人向けの支援制度情報を提供するマイ制度ナビを令和4年(2022 年)3月から提供開始している。今後、個人向け・事業者向けの支援制度情報を統合して取得・活用できるように推進し、これらのデータをオープンデータとして公開する。

なお、検討については、ベース・レジストリの構築・管理・運営において知見のある公的機関(国立印刷局、IPA 等)の協力を求め、その早期構築に取り組む。

(4)マイナンバーカードの普及及び利用の推進

② マイナンバーカードと運転免許証との一体化の実現

令和6年度(2024 年度)末にマイナンバーカードとの一体化を開始する。これに先立ち、警察庁及び都道府県警察の運転免許の管理等を行うシステムを令和6年度(2024 年度)末までに警察庁が整備する共通基盤(警察共通基盤)上に集約する。また、当該一体化に伴う相当の行政コストの削減効果が得られる場合は、関係省庁と連携し、マイナンバーカードの普及促進の観点も踏まえ、運転免許証の更新手数料の引き下げなど利用者負担の軽減を検討する。

④ マイナンバーカードの機能(電子証明書)のスマートフォンへの搭載の実現

令和3年度(2021 年度)に実施した技術検証・システム設計の結果を受け、令和4年度(2022 年度)中の運用開始を目指し、システム構築や関係事業者との調整を進める64。スマートフォンに搭載される電子証明書は、現行のマイナンバーカードに搭載される電子証明書とは別の新たな電子証明書とする。

電子証明書の機能だけでなく、券面入力補助機能など、マイナンバーカードの持つ他の機能についても、優れたUI・UX を目指し、スマートフォンへの搭載方法を検討する。

ワンストップサービスの推進等に関する具体的な施策

⑥ マイナンバーカードの電子証明書の円滑な発行・更新等

法律の規定に基づき、郵便局におけるマイナンバーカードの電子証明書の発行・更新や、暗証番号の初期化・再設定手続を実施するなど、電子証明書の発行・更新等の円滑な実施を図る。

⑦ 公的個人認証サービスにおける本人同意に基づく最新の住所情報等の提供

公的個人認証サービスについては、住民本人の変更後の基本4情報(氏名、生年月日、性別及び住所)等の署名検証者への提供に関する制度の施行(デジタル社会形成整備法の施行)に向けて、政省令等の整備を着実に進め、令和4年度(2022 年度)に本人の同意を前提に基本4情報等を本人の手続なしで署名検証者に提供するサービスを開始することを目指す。

③ 死亡・相続ワンストップサービスの推進

令和2年度(2020 年度)にデジタル・ガバメント分科会で報告した方針等に基づき、関係府省庁や地方公共団体の協力の下、次の施策を推進する。

・デジタル庁は、法定相続人の特定に係る遺族等の負担軽減策について、令和3年度(2021 年度)の検討を基に、法務省とともに社会実装に向けた論点整理を行い、その実現を支援する。

戸籍情報連携システムの戸籍電子証明書を活用した法定相続人の特定に関する支援等を検討する。

・死亡に関する手続(死亡届及び死亡診断書(死体検案書)の提出)をオンラインで完結する仕組みの構築に向けて、令和3年度(2021 年度)から実施している実証実験を基に社会実装に向けた課題の整理を厚生労働省及び関係府省庁とともに行う。

  • 事業者向け行政サービスの質の向上に向けた取組

① 電子署名、電子委任状、商業登記電子証明書の普及

電子署名、電子委任状、商業登記電子証明書については、今後、活用の機会が増加し、多様化すると考えられることから、普及を更に強力に推進する。

【目指す姿】

・行政サービスのデジタル化を通じて事業者にとって利用しやすい環境を整備し、支援を必要とする事業者に迅速に支援が届く環境を実現する。

・行政データのオープン化の徹底等を図ることにより、事業者がオープン化された行政データを活用し、様々なサービスを生み出すことができる環境を実現する。

・ユーザーのニーズに合致した製品・サービスのデジタル化を後押しし、組織の在り方を変革することで、我が国の産業全体のデジタルトランスフォーメーションを加速し、国際競争力強化を図る。

商業登記電子証明書を用いた電子署名について、利用者の利便性の向上の観点から、リモート署名方式の導入及び認証局としての機能のクラウド化を検討し、令和4年度(2022年度)中にその方向性について結論を得る。電子証明書の発行時の手続について、発行時の手数料の無償化の可否も含めてその見直しを検討する。これらの検討及び費用対効果も踏まえつつ、令和7年度(2025 年度)までの可能な限り早期に新規システムの運用開始を目指す

デジタル庁・各府省共同プロジェクト

① 登記情報システムに係るプロジェクトの推進

登記情報システムについては、メインフレームを中核として構成された情報システムからオープン化した情報システムに切り替えるなど、運用等経費の削減に取り組んできたが、現状、以下のような課題を抱えている。

ⅰ)行政機関等への各手続において、当該手続の添付書類として登記事項証明書を求めているものが数多くあり、これらの登記事項証明書の入手に係る費用・時間等が負担となっている。

ⅱ)政府方針等に基づき、運用等経費の削減に取り組んでいく必要がある。

以上の課題を解決するために、以下について実現を目指す。

ⅰ)行政機関等への各手続において、登記事項に係る行政機関間の情報連携システムの活用により、国民の各手続に係る負担を低減する。

ⅱ)情報システムの更改を契機として、システム運用等経費の削減を進めていく。

以上の目標を実現するために、以下について取り組む。

ⅰ)連携先である各行政機関のニーズを踏まえ、必要に応じて登記情報システムを改修するなどして利便性の向上を図る。

ⅱ)令和6年度(2024 年度)までに更改が予定される次期システムにおいては、システム構成の見直し等を行い、効率的な運用を図ることを目指すほか、所有者不明土地問題等の社会的要請への対応に配慮しつつ、引き続き、運用等経費の削減を目指す。

また、法務省とデジタル庁において、中・長期的な課題を解決するための協力体制を強化し、更なるシステム構成の見直し、業務改革(BPR)等の登記情報システムに関する将来構想に係る検討を積極的に進め、運用等経費の更なる削減を目指す。

制度所管府省庁による標準化基準の策定の方針

① 住民記録、戸籍の附票、印鑑登録

住民記録システムについては、令和4年(2022 年)夏を目途に標準仕様書(第2.0 版)を改定する。

戸籍の附票システムについては、令和4年(2022 年)夏を目途に標準仕様書を作成する。

印鑑登録システムについては、令和4年(2022 年)夏を目途に標準仕様書(第1.0 版)を改定する。

⑥ 戸籍

市町村の戸籍システムについては、既存の標準仕様書と、標準化基準における共通事項との整合性を確保することとし、そのために標準仕様書の見直しが必要な場合には、令和4年(2022 年)夏を目途に行う。

家族信託の相談会その56

お気軽にどうぞ。

2023年6月30日(金)14時~17時

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□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
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その他:
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・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え

1組様 5000円

場所

司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

加工規制改革推進に関する答申~転換期におけるイノベーション・成長の起点~

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html

令和5年6月1日規制改革推進会議

Ⅰ 総論 ………………………………………………………………….. 1

1.はじめに …………………………………………………………….. 1

2.基本的な方向性 ……………………………………………………….. 1

3.審議経過等 …………………………………………………………… 7

4.本答申の実現に向けて ………………………………………………….. 8

5.次のステップへ ……………………………………………………….. 9

Ⅱ 各個別分野における規制改革の推進 ………………………………………… 10

1.スタートアップ・イノベーション ………………………………………… 10

(1) スタートアップを促進する規制・制度見直し ……………………………… 10

ア 海外起業人材の活躍に資する制度見直し ……………………………… 11

イ スタートアップの新技術・製品開発を促進するための政府調達手法の整備 …… 12

ウ 個別資産に対する担保や経営者保証を前提としない新たな融資手法としての事業性に着目した担保制度の創設・整備 ………………………………………… 13

エ 起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直し ………………………….. 13

オ 新事業活動を後押しするためのグレーゾーン解消制度の運用の改善 ………… 14

カ 規制改革関連制度の連携の強化 …………………………………….. 14

(2) イノベーションによる新製品・新サービスの創出と安全の確保との両立を図る規制・制度見直し ……………………………………………………………… 15

ア 新たな空のモビリティ推進及び新たな物流サービスの実現に向けた無操縦者航空機に係る制度整備 ………………………………………………………. 15

イ 建設DX新市場創出に向けた建設用3Dプリンターの社会実装に資する環境整備. 17

ウ カーボンニュートラル実現に資する環境配慮型コンクリートの社会実装に向けた環境整備 ……………………………………………………………… 19

(3) AI活用を推進する規制改革 ………………………………………….. 21

(4) 女性活躍推進のための旧姓使用者の本人確認におけるマイナンバーカードの活用促進 21

(5) 自動車整備士人材の多様化に向けた改革 …………………………………. 23

(6) 企業のコーポレートガバナンス強化及び人材確保に資する株式報酬の発行環境の整備 24

(7) 生産性向上に企業が取り組みやすい環境整備のための毒物及び劇物の製造登録の合理化 …………………………………………………………………….. 25

(8) イノベーションや地域の課題に応えるラストワンマイル配送・交通 ……………. 25

ア イノベーションや地域の課題に応えるラストワンマイル配送の実現 ………… 25

イ DXを通じたタクシーの利便性向上 …………………………………. 27

(9) イノベーション促進に向けた日本の技術基準適合証明の見直し ……………….. 28

(10) 労働者の利便性向上のための資金移動業者の口座への賃金支払実現 …………… 29

(11) 金融商品取引における分かりやすく、国民の金融リテラシー向上の観点も踏まえた情報提供の在り方 ………………………………………………………….. 30

(12) Society 5.0の実現に向けた電波制度改革 ……………………………….. 31

(13) 放送に関する制度の見直し …………………………………………… 31

ア デジタル時代における放送制度の在り方 ……………………………… 31

イ 放送受信料の障害者免除手続の負担軽減・デジタル完結 …………………. 34

(14) デジタル時代における著作権制度の在り方 ………………………………. 35

(15) 高経年マンション等の管理と再生の円滑化に向けた規制改革の推進 …………… 37

2.人への投資 ………………………………………………………….. 38

(1) 外国人材の受入れ・活躍の促進 ………………………………………… 39

(2) 労働時間制度の見直し ……………………………………………….. 41

(3) 副業・兼業の活用促進 ……………………………………………….. 42

(4) 企業に求められる雇用関係手続の見直し …………………………………. 43

(5) 在宅勤務手当を「割増賃金の基礎となる賃金」から除外できる場合の明確化 …….. 44

(6) 企業による雇用関係情報の公開に関する方法等の見直し …………………….. 45

(7) 多様な正社員(限定正社員)の活用促進 …………………………………. 46

(8) 教育イノベーション促進のための大学等に対する「事後型の規制・制度」 ………. 47

ア 大学設置基準等の見直し(教育課程等に係る特例制度) …………………… 48

イ 調査・情報公開の充実・強化 ………………………………………… 48

ウ 認証評価等事後評価の在り方 ………………………………………… 49

エ 連携・統合及び縮小・撤退の促進に向けた制度の見直し …………………… 50

オ 高等学校の参入規制の見直し ………………………………………… 50

(9) 初等中等教育における課題解決と教育イノベーションの両立による教育システムの変革 …………………………………………………………………….. 51

ア 教育現場の実態や課題の効率的かつ的確な把握 ………………………….. 52

イ 情報技術の活用等による教育現場の創意工夫を通じた教育イノベーションの創出 .. 53

ウ 教育に関する政策効果等の検証・評価の充実 ……………………………. 53

エ 教育政策に関する評価結果や好事例の展開と活用拡大 …………………….. 54

オ 的確な評価や情報の展開を通じた教育システム変革(教員の役割の見直しを含む。) 55

(10) 「常勤保育士」と「短時間保育士」の定義の明確化・見直し ………………… 56

(11) 里帰り出産を行う妊産婦の支援 ……………………………………….. 57

3.医療・介護・感染症対策 ……………………………………………….. 58

(1)デジタルヘルスの推進① -データの利活用基盤の整備- …………………… 60

ア 医療等データの利活用法制等の整備 …………………………………… 61

イ NDBの利活用の容易化等 ………………………………………….. 63

ウ 公的統計の調査票情報の円滑な二次的利用の確保 ………………………… 66

(2)デジタルヘルスの推進② -デジタル技術を活用した健康管理、重症化防止- …… 69

ア 通所介護事業所や公民館等の身近な場所におけるオンライン診療の受診の円滑化 .. 70

イ 要指導医薬品についてのオンライン服薬指導の実現 ………………………. 70

ウ プログラム医療機器(SaMD)等の開発・市場投入の促進 ……………….. 70

エ 科学的介護の推進とアウトカムベースの報酬評価の拡充 …………………… 73

オ 患者等の負担の軽減のための公費負担医療制度等に伴う審査支払業務等の見直し .. 74

カ 各種レセプト関連業務のDX化に伴う見直し ……………………………. 75

(3)医療関係職種間のタスク・シフト/シェア等 …………………………….. 76

ア 在宅医療を提供する環境の整備 ………………………………………. 77

イ 在宅領域など地域医療における医師―看護師のタスクシェア ……………….. 78

ウ 在宅医療における円滑な薬物治療の提供 ……………………………….. 79

エ 看護師不在時における在宅患者に対する円滑な点滴交換等 …………………. 80

オ 薬剤師の地域における対人業務の強化(対物業務の効率化) ……………….. 81

(4)働き方の変化への対応・運営の合理化 ………………………………….. 81

ア 介護サービスにおける人員配置基準の見直し ……………………………. 81

イ 障害福祉分野における手続負担の軽減(ローカルルールの見直し等) ………… 82

ウ 報酬制度における常勤・専任要件の見直し等 ……………………………. 84

エ 医療・介護・保育分野における人材確保の円滑化のための有料職業紹介事業等の制度の見直し ……………………………………………………………… 84

オ 法定健康診断項目の合理化等 ………………………………………… 86

カ 新型コロナウイルス及び季節性インフルエンザを同時に検査可能な抗原定性検査キットの利用環境の整備 …………………………………………………… 87

4.地域産業活性化 ………………………………………………………. 87

(1) 共済事業における顧客本位の業務運営の取組等 ……………………………. 88

(2) 卸売市場の活性化に向けた取組 ………………………………………… 89

(3) 農協改革の着実な推進 ……………………………………………….. 91

(4) 農協における適切なコンプライアンス・ガバナンス態勢等の構築・実施 ………… 92

(5) eMAFF地図の積極活用 ………………………………………………… 94

(6) 国産小麦の競争力強化等に資する農産物検査の実施 ………………………… 95

(7) 畜舎に関する規制の見直し ……………………………………………. 96

(8) 適切な水産資源管理の推進 ……………………………………………. 98

(9) 改正漁業法の制度運用(漁業権の免許) ………………………………… 100

(10) 一般酒類小売業免許に係る販売地域規制の柔軟化 ………………………… 103

5.共通課題対策 ……………………………………………………….. 103

(1) 行政手続に関する見直し …………………………………………… 104

ⅰ ローカルルールに関する手続 ……………………………………….. 104

ア ローカルルールの見直し ……………………………………….. 104

イ 保育所入所時の就労証明書作成等手続の負担軽減 ……………………. 105

ウ 消防の設備等に関する基準の公開・統一 …………………………….. 106

エ 地方公共団体の調達に関する一連の手続のデジタル化 ………………… 108

オ 患者等の負担の軽減のための公費負担医療制度等に伴う審査支払業務等の見直し【再掲】 …………………………………………………………. 109

カ 障害福祉分野における手続負担の軽減(ローカルルールの見直し等)【再掲】. 110

ⅱ その他の手続 ……………………………………………………. 112

ア 失業認定のオンライン化 …………………………………………. 112

イ 子育てに関する各種申請業務の負担軽減 …………………………….. 113

ウ 地方公共団体への公金納付等のデジタル化 …………………………… 115

エ 道路占用に係る手続のワンストップ化 ………………………………. 116

オ 情報システム調達を通じたデジタル化の推進 …………………………. 118

(2) 司法手続に関する見直し …………………………………………… 119

ア 民事訴訟手続のデジタル化 …………………………………………. 120

イ 家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等のデジタル化 ………………. 121

(3) 民間手続等に関する見直し …………………………………………. 123

ア 相続手続の効率化 ………………………………………………… 123

イ 電子署名の更なる普及に向けた環境整備 ………………………………. 125

ウ 建設分野における監理技術者等の活躍に向けた制度運用の柔軟化 …………… 127

エ 特定商取引法の契約書面等の電子化 ………………………………….. 128

(参考資料1)規制改革推進会議 委員及び専門委員名簿 …………………………. 130

(参考資料2)規制改革推進会議及びワーキング・グループの審議経過 ………………. 132

ウ 個別資産に対する担保や経営者保証を前提としない新たな融資手法としての事業性に着目した担保制度の創設・整備

【引き続き検討を進め、令和5年度目途に結論・措置】

<実施事項>

金融庁及び法務省は、資金調達手段の充実がスタートアップや事業の成長及び促進における喫緊の課題であることを認識し、融資における新たな選択肢として、不動産等の個別資産に対する担保や経営者保証を前提としない、事業性に着目した成長資金の提供への利活用が期待される新たな担保制度(事業成長担保権)について、資金需要を

取り込み、活用しやすい制度設計となるよう、相互に積極的に連携して早急に検討を進め、関連法案の早期の国会提出等、必要な措置を行う。

なお、事業性に着目した担保制度の整備に係る検討の結論を得次第、金融庁は、金融機関と融資先である事業者が事業価値の維持や向上に向けて緊密な関係を構築できるよう、制度の適切な運用による成長資金の提供促進に必要な環境の整備を行う。

エ 起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直し

<実施事項>

【評価・検討・結論については令和5年度、

必要な措置については遅くとも令和6年度】

法務省は、令和4年度に実施された定款認証に係る公証実務に関する実態を把握するための調査について、その結果を分析し、定款認証が果たすべき機能・役割について評価を加えるとともに、その結果に基づいて、定款認証の改善に向けて、デジタル完結・自動化原則などのデジタル原則を踏まえた上で、面前での確認の在り方の見直しを含め、起業家の負担を軽減する方策を検討し、結論を得た上で、必要な措置を講ずるとともに、定款認証に係るサービスの改善や利用者の満足度向上にもつなげる。

(4) 女性活躍推進のための旧姓使用者の本人確認におけるマイナンバーカードの活用促進

【a~c:令和5年措置】

<基本的考え方>

女性活躍は、経済社会の持続的発展に資するとともに、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会の実現のために重要である。結婚後に姓が変わるのは、直近の調査でも約95%が女性であるところ、結婚という個人の選択を行ったことで、多くの女性に社会生活上の負担がかかる状況は、女性活躍推進の観点から、見直していく必要がある。

公的証明書における旧姓併記対応は拡大しているものの、実際に旧姓使用者の社会生活上の負担を減らせるよう、旧姓併記した公的証明書の活用を進めるためには、旧姓併記について周知するとともに、現状存在している不具合の解消が急務である。以上の基本的考え方に基づき、まずは、旧姓併記したマイナンバーカードの活用について、以下の措置を講ずるべきである。

<実施事項>

a デジタル庁、総務省及び内閣府(男女共同参画局)は、マイナンバーカードに旧姓併記ができることの周知及び旧姓使用者の本人確認に際しての旧姓併記したマイナンバーカードの活用推進を依頼する通知を、各省庁及び地方公共団体宛てに発出し、各省庁から所管法人宛てに同様の通知を発出するよう依頼するとともに、民間での本人確認に際しての活用促進を図るため、ホームページ等の一般への情報提供媒体において、住民票に旧姓を併記した場合にはマイナンバーカードにも旧姓が併記されることを引き続き周知するとともに、旧姓併記されたマイナンバーカードが持つ旧姓の公証力に関する必要な周知を行う。

b デジタル庁、総務省及び内閣府(男女共同参画局)は、旧姓を併記したマイナンバーカードの署名用電子証明書が円滑に広く利用されるように、署名用電子証明書の旧姓に係る仕様を踏まえたシステム構築等に積極的に対応するよう、各省、地方公共団体及び各省所管団体その他関係事業者等に対して周知する。あわせて、ホームページ等の一般への情報提供媒体において、住民票に旧姓を併記した場合にはマイナンバーカードの署名用電子証明書にも旧姓が併記されることを引き続き周知するとともに、署名用電子証明書の構成や仕様について、アプリケーション開発者が旧姓併記に対応するために必要な周知を行う。

c デジタル庁及び総務省は、マイナンバーカードへの旧姓併記等について、公的証明書としての活用を促進するために、券面印字の視認性の向上を含め、使いやすさを向上させる改善策について、当事者の意見を聞きつつ、検討を行う。

(6) 企業のコーポレートガバナンス強化及び人材確保に資する株式報酬の発行環境の整備

【a:令和5年検討・結論・措置、b,c:令和5年度検討開始】

<基本的考え方>

コーポレートガバナンスの強化の観点から、中長期的な企業価値向上への意識醸成や、株主目線での経営促進を期して、また、優秀人材確保のため、我が国でも、企業役員にインセンティブとしての株式報酬を付与する企業が増加しつつある。

しかし、諸外国と比し、我が国企業は、依然として固定報酬の割合が高い。企業の更なる成長に向けた株式報酬の活用を促進するため、引き続き株式報酬の発行環境を整備する必要がある。

以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。

<実施事項>

a 金融庁は、報酬として交付する譲渡制限付株式(RS)に関し、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)の開示規制を緩和する金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号)第2条の12第1号に基づく制度について、交付対象者の死亡によって譲渡制限が解除されるものであっても、同制度の要件を充足することを明確化する等、同制度の活用促進について検討し、結論を得次第、必要な措置を行う。

b 金融庁は、株式報酬が、中長期的な企業の業績や潜在的リスクを反映させ、健全な起業家精神の発揮に資するインセンティブとして、コーポレートガバナンス強化の一環となること、また、企業における優秀人材の確保といった人事戦略に有用であることを認識の上、株式報酬は企業内の者に発行することが想定されることも踏まえ、開示規制における投資家保護の趣旨に鑑み、株式報酬の類型等に応じた開示規制の在り方を検討する。

c 法務省及び経済産業省は、関係府省と連携し、いわゆるストックオプションプールの実現に向け、人材獲得に有効なストックオプション制度の法制の拡充を早期に検討する。

(15) 高経年マンション等の管理と再生の円滑化に向けた規制改革の推進

【a,b:引き続き検討を進め、結論を得次第速やかに措置、c:引き続き措置】

<基本的考え方>

令和4年6月の規制改革実施計画を踏まえ、令和4年10月、老朽化や被災した区分所有建物の再生の円滑化に向け、法務省において国土交通省も参加する形で法制審議会区分所有法制部会を設置し、議論を開始した。急増する高経年マンションの再生のためには、老朽化や被災した区分所有建物の再生を円滑化するための多数決要件の緩和の在り方に加え、更なる見直しを先手、先手で打つことが必要不可欠であることは言うまでもなく、法務省と国土交通省の密接な連携の下で、新たな制度設計の検討が求められる。

以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。

<実施事項>

a 法務省は、区分所有法制の見直しについて、区分所有権は一定の団体的制約を受け得るものであるという視点に立った区分所有者の責務の在り方について検討するとともに、多数決要件緩和の条件としての客観的で予見可能性の高い条件の活用や、多数決割合の更なる引下げの可能性、区分所有者の不明状態の発生防止のための制度設計といった各論も含め、令和4年10月より開始した法制審議会区分所有法制部会において検討中の諸課題について、区分所有法制の見直しに関する検討を早急に進め、結論を得次第速やかに措置する。

b 国土交通省は、マンション管理適正化に対する区分所有者等の意識啓発を図るために必要な措置について、今後のマンション政策のあり方に関する検討会において検討を行い、結論を得次第速やかに措置する。

c 法務省及び国土交通省は、区分所有法制の見直しによる民事的手法と、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号)の運用による行政的手法の双方を通じて、適切なマンション管理の在り方を提示できるよう、定期的な情報共有を行いつつ、連携して取組を進める。

イ 家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等のデジタル化

【a:措置済み、b:令和5年の通常国会に法案提出については措置済み、試行や先行運用については令和5年度以降可能なものから速やかに措置、本格的な運用については令和7年度以降速やかに措置、c:継続して措置、d:可能なものから順次措置】

<基本的考え方>

民事訴訟法(平成8年法律第109号)の改正と併せ、家事事件手続法(平成23年法律第52号)と人事訴訟法(平成15年法律第109号)も改正され、離婚に関する調停の成立や和解をウェブ会議によって可能とするなど家事事件手続の一部について、先行的にデジタル化に向けた法整備が行われた。これらについては、引き続き、デジタル化に向けた業務の見直し、システム整備、細則の整備を一体的に捉えた取組を積極的に行うべきである。この際には、登記、戸籍等に関する情報連携を通じた証明書の添付省略など、行政手続のデジタル化が進展している成果の活用もできる限り考慮すべきである。

残るその他の家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等についても、法制審議会においてデジタル化に向けた調査審議が進められ、令和5年1月に要綱案が取りまとめられ、同年3月には、国会に法案が提出された。

今後は、早期に実現可能なものから試行や先行運用を開始するスケジュールを検討し、本格的な運用については、民事訴訟手続のデジタル化の本格的な運用開始以降速やかに開始できるよう、業務の見直し、システム整備、細則の整備を一体的に進めることが必要となる。その際には、届出債権者が多数に上ることがある倒産事件等において、手続のデジタル化による効果が極めて大きいと見込まれることや、運用により一部デジタル化を導入した事例が存在することも踏まえ、手続ごとの特性に応じたデジタル化を早期に実現する必要がある。

基本的に、システム構築については、司法府において取組が進められることになるが、政府としても、司法府における自律的判断を尊重しつつ、デジタル庁等における国民目線で利用しやすいシステム構築に向けたノウハウを提供するなど、積極的にサポートを行うべきである。

以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。

<実施事項>

a 法務省は、倒産手続における債権届出や債権管理等、デジタル化の効果が大きいと考えられる手続について、民事訴訟手続のデジタル化に関する規律にかかわらず、①情報を電子データとして処理することが可能となるようにすること、②倒産手続における破産管財人等が行う裁判所に対する申立てを原則としてインターネットを用いて行うことを義務とすること、③全ての事件について電子記録のルールを適用することなど、手続の特性に応じた更なるデジタル化を検討する。

b 法務省は、家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等のデジタル化に向け、令和5年の通常国会に必要な法案を提出した上で、司法府における自律的判断を尊重しつつ、申立て、書面提出、記録の閲覧、期日といった個別の手続ごとに区分した上で、国民にとってデジタル化のメリットが大きく、かつ、早期に実現可能なものから試行や先行運用を開始するスケジュールを検討し、本格的な運用については、民事訴訟手続のデジタル化の本格的な運用が開始以降速やかに開始できるように環境整備に取り組む。

c 法務省は、民事執行手続における預金債権の差押えについて、第三債務者となる金融機関に対してシステム送達が実施される場合は、一般的な債権譲渡等に係る対抗要件制度も考慮し、システム送達の内容、効力を安定して生じさせるよう、法令の定め及び運用を明確化しつつ、金融機関に過度な負担が掛かることのない適切なものとなるよう、金融機関側と協議を継続する。

d 法務省は、家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等のデジタル化に当たって、司法府における自律的判断を尊重しつつ、裁判に関係する者のプライバシーにも、適切なセキュリティを構築するなど十分配慮しながら、デジタル庁とも連携の上、最高裁判所が整備するシステムについて、①個別の手続ごとのシステム整備が容易となるようシステム間の疎結合を意識した設計を行うこと、②個別の手続だけでなく一連の手続を通してデジタル化されること、③必要な場合に行政との情報連携が可能なものとなることや、民事訴訟手続と相互に関連する手続については、システム上も連携して手続を進行できるようにすること、④外部ベンダーと連携することができるようAPIを開放すること、⑤リスクベースアプローチに基づき、クラウドサービス特有の問題点やインシデント発生時の対応も念頭に置いた適切なセキュリティを確保すること、⑥利用状況を把握するための客観的指標を設け、PDCAサイクルを回しながら、国民目線で利用しやすいものとすること、⑦倒産手続における債権届出については、システム上のフォーマット入力方式を導入し、その後の債権管理と連動する一気通貫したシステムを検討すること、⑧民事執行手続のデジタル化後においても、不動産競売物件情報サイトとの連携を視野に入れて、検討を進めることについての環境整備に取り組む。

(3) 民間手続等に関する見直し

ア 相続手続の効率化

【a:(前段)令和5年度上期措置、(後段)令和5年度から継続的に措置、b,c,d:継続的に措置、e:令和5年度上期措置、f,h:令和5年度措置、g:措置済み、i:a,e措置後、速やかに措置】

<基本的考え方>

日本国内の年間死亡者数(令和4年)が150万人を超え、戦後最多となっており、また、令和6年4月から相続登記が義務化されることも視野に入れ、手続の電子化によって相続人や関係機関の負担を軽減することが求められる。

現状の相続手続においては、手続に必要な各情報(法定相続人であることを証する情報(相続人・被相続人の戸籍証明書、法定相続情報一覧図)、相続財産を証する情報(自筆証書遺言、公正証書遺言、遺産分割協議書))について、書面での提出が前提となっているところ、相続人や各関係機関における相続手続の負担を軽減させ、資産凍結や相続トラブルといった社会的損失を抑止するという観点から、各情報の作成・交付の電子化が推進されるべきである。

あわせて、法定相続人が確定した後は、相続人の求めに応じて、マイナンバーカードを利用したサービスにおいて法定相続人の認証を可能とし、各相続手続において、これとは別に法定相続人であることを証する情報(戸籍証明書、法定相続情報一覧図)の提出を不要とできるようにすることも検討すべきである。

以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。

<実施事項>

a 法務省は、デジタル庁と連携し、戸(除)籍電子証明書を提供するための戸(除)籍電子証明書提供用識別符号の発行について、オンライン申請やオンライン発行の実現に向けた工程表を作成する。また、電子情報処理組織による取扱いに適合しない戸籍(改製不適合戸籍)については、市区町村等と連携しながら該当する国民に対して電子化によって享受できるメリットを丁寧に説明することで、改製不適合戸籍そのものの解消を国民に促す

b 法務省は、デジタル庁と連携し、市区町村による戸籍証明書等のオンライン申請や電子交付の導入を促進し、戸籍証明書等について、民間事業者が処理可能なデータ形式の実現に向けて、検討を開始する。

c 法務省は、デジタル庁と連携し、法定相続情報証明制度に関して、登記官が認証した法定相続情報一覧図の写しの電子交付について、検討を開始する。

d 法務省は、デジタル庁と連携し、法定相続人の負担軽減を図るべく、戸籍情報連携システムを利用して、電算化された戸籍情報に基づき機械的に法定相続人を特定する仕組みについて、実現の可否及び当否を含め、技術的課題や費用対効果等を踏まえ、継続して検討する。

e 法務省は、自筆証書遺言書保管制度における申請手続等のオンライン化及び証明書の電子化に向けて工程表を作成する。また、工程表を踏まえ、具体的な施策を検討し、可能なものから順次推進する。

あわせて、自筆証書遺言書保管制度において、遺言者の死亡後、遺言書を保管している旨の通知が、遺言者が指定した者の住所等に変更があった場合でも適切に行われることを確保するために、通知対象者に指定できるのは現在1名であるところを複数名(民間事業者を含む)に増やすなど、対象範囲の無限定化及び対象となる人数の拡大等を検討する。

f 法務省は、現行の自筆証書遺言と同程度の信頼性が確保される遺言を簡便に作成できるような新たな方式を設けることについて、令和4年度の基礎的な調査の結果等を踏まえ、我が国の実情に即した制度の検討に資するものとして、自筆証書遺言のデジタル化を進めている国等の法制及び同国で活用されているデジタル技術等について、更に掘り下げた調査を実施した上で、検討を進める。

g 法務省は、公正証書遺言を含む公正証書の作成過程及びその証明の提供のデジタル化に対応するため、令和5年通常国会に公証人法(明治41年法律第53号)及び民法(明治29年法律第89号)等に関する改正法案を提出する。

h 法務省は、登記・供託オンライン申請システムを利用して遺産分割協議書等の添付情報をオンライン提出する際に必要となる電子証明書に関して、システム上利用可能な電子証明書を発行している認証機関を公開しているところ、認証を受けようとする機関(クラウド型電子署名サービスを提供する事業者を含む)の予見可能性を高めるために、その基準及び手続を公表する。

i 法務省は、不動産の相続登記手続について、上記実施事項を踏まえた各情報の作成・交付の電子化の状況に応じて、可能な手続からオンライン化を進め、全ての各情報の作成・交付の電子化が実現した後速やかにオンライン完結を実現する。

イ 電子署名の更なる普及に向けた環境整備

【a:令和5年度上期に検討に着手した後、速やかに措置、b:令和6年度措置、一部は令和7年度措置、次期電子認証システムに関する事項については令和7年度措置、c:令和5年度措置】

<基本的考え方>

電子署名について、利用者からは「クラウド型の電子署名については、裁判で押印と同様の法的効果を有すると判断されるか依然不明確であることが課題」であり、「電子署名を社会全体に浸透させるためには、電子署名サービスの透明性を確保し、誰もが安心して利用できるようにすることが重要」といった意見があるところ、電子署名の更なる普及に向けた環境整備に取り組む必要がある。

以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。

なお、規制改革推進会議では、押印の見直しについてこれまでも取り組んできたが、今後も現場のニーズに即した個別具体的な論点について調査審議を行っていく。

<実施事項>

a デジタル庁及び法務省は、電子署名の利用者、認証事業に係る有識者やサービス提供事業者等の意見を十分に聞き取り参考にして、「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法第3条関係)(令和2年9月4日)」(以下「3条Q&A」という。)に下記の3点を盛り込む改訂について検討を行い、その可否を含めて結論を得た上で、必要な措置を講ずる。

 電子契約サービスの利用者と電子文書の作成名義人の同一性が確認される(いわゆる利用者の身元確認がなされる)ことについては、①電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号。以下「電子署名法」という。)第3条に規定する電子署名に該当する要件としては不要であること、一方で、②実際の裁判において同条の推定効が認められるには、利用者の身元確認がなされることが重要な要素になると考えられるところ、同条の適用において、いわゆる利用者の身元確認が不要である又は問題とならないといった誤解を招くことのないようにすることの2点を分かりやすく明示すること。

 電子署名法第3条に規定する電子署名に該当する要件として3条Q&Aに記載のある「固有性の要件」について、十分な水準の固有性を満たす措置としてどのようなものが考えられるか分かりやすく明示すること。

 電子契約サービスを選択する際の留意点として、実際の裁判において作成名義人の意思に基づき電子署名が行われているとして電子署名法第3条の推定効が認められると考えられる「身元確認の水準及び方法やなりすまし等の防御レベル」について、最終的には裁判所の判断に委ねられるべき事柄ではあるものの、一般論としてその内容を分かりやすく明示することに加え、適正管理要件の充足方法を複数例示すること。

b デジタル庁及び法務省は、商業登記電子証明書の発行時における利用者の負担軽減の観点から、取得費用を低減すること、及び利用者の利便性向上の観点から、発行時や利用時の利用者の操作性を向上させること、GビズIDの法整備がなされた場合に商業登記電子証明書との連携を進めること、代表者以外による利用について整理を行うこと、民間電子署名サービスとの連携を進めることや、令和7年度中に運用開始予定の次期電子認証システムにおいてリモート署名方式を導入することについてそれぞれ検討を行い、その可否も含めて結論を得た上で、必要な措置を講ずる。

c 法務省は、登記・供託オンライン申請システムを利用して商業登記の申請をする際に必要となる法務大臣の定める電子証明書に関して、民間電子署名サービス(クラウド型電子署名サービスを含む。)を公開しているところ、新たに当該電子証明書として追加を受けようとする事業者の予見可能性を高めるために、その基準及び手続を公表する。

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