新型インフルエンザ等対策特別措置法を読んでみる。

新型インフルエンザ等対策特別措置法

(平成二十四年法律第三十一号)

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=424AC0000000031

施行日: 令和二年三月十四日

最終更新: 令和二年三月十三日公布(令和二年法律第四号)改正

附 則 抄

第一章 総則 

第一条(目的)

第二条(定義)

第三条 (国、地方公共団体の責務)

第四条(事業者及び国民の責務)

第五条(基本的人権の尊重)

第二章 政府行動計画 

第三章 発生 

第十四条(報告)

第十五条(政府対策本部の設置)

第二十二条(都道府県対策本部)

第四章 緊急事態措置

第三十二条(緊急事態宣言)

第三十四条(市町村対策本部)

第四十五条(感染を防止するための協力要請等)

第四十九条(土地の使用)

第五十四条(緊急物資の運送)

附 則 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(新型コロナウイルス感染症に関する特例)

第一条の二 新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。第三項において同じ。)については、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律(令和二年法律第四号。同項において「改正法」という。)の施行の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、第二条第一号に規定する新型インフルエンザ等とみなして、この法律及びこの法律に基づく命令(告示を含む。)の規定を適用する。

2 前項の場合におけるこの法律の規定の適用については、第十四条中「とき」とあるのは、「とき(新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。)にあっては、そのまん延のおそれが高いと認めるとき)」とする。

3 前項に定めるもののほか、第一項の場合において、改正法の施行前に作成された政府行動計画、都道府県行動計画、市町村行動計画及び業務計画(以下この項において「行動計画等」という。)に定められていた新型インフルエンザ等に関する事項は、新型コロナウイルス感染症を含む新型インフルエンザ等に関する事項として行動計画等に定められているものとみなす。

(検討)

第二条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

附 則 (平成二五年三月三〇日法律第八号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成二十五年四月一日から施行する。ただし、附則第六条及び第十九条の規定は、公布の日から施行する。

(政令への委任)

第十九条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成二五年六月一四日法律第四四号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 略

二 第一条、第五条、第七条(消防組織法第十五条の改正規定に限る。)、第九条、第十条、第十四条(地方独立行政法人法目次の改正規定(「第六章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第五十九条―第六十七条)」を「第六章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第五十九条―第六十七条)第六章の二 特定地方独立行政法人から一般地方独立行政法人への移行に伴う措置(第六十七条の二―第六十七条の七)」に改める部分に限る。)、同法第八条、第五十五条及び第五十九条第一項の改正規定並びに同法第六章の次に一章を加える改正規定を除く。)、第十五条、第二十二条(民生委員法第四条の改正規定に限る。)、第三十六条、第四十条(森林法第七十条第一項の改正規定に限る。)、第五十条(建設業法第二十五条の二第一項の改正規定に限る。)、第五十一条、第五十二条(建築基準法第七十九条第一項の改正規定に限る。)、第五十三条、第六十一条(都市計画法第七十八条第二項の改正規定に限る。)、第六十二条、第六十五条(国土利用計画法第十五条第二項の改正規定を除く。)及び第七十二条の規定並びに次条、附則第三条第二項、第四条、第六条第二項及び第三項、第十三条、第十四条(地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百四十一条の二の次に二条を加える改正規定中第百四十一条の四に係る部分に限る。)、第十六条並びに第十八条の規定 平成二十六年四月一日

附 則 (平成二五年六月二一日法律第五四号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)

第二十二条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成二五年一一月二七日法律第八四号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第六十四条、第六十六条及び第百二条の規定は、公布の日から施行する。

(処分等の効力)

第百条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。

(罰則に関する経過措置)

第百一条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)

第百二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則 (平成二五年一二月一三日法律第一〇三号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 略

二 附則第十七条の規定 薬事法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第八十四号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日

附 則 (平成二六年六月一三日法律第六七号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 附則第十四条第二項、第十八条及び第三十条の規定 公布の日

(処分等の効力)

第二十八条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。

(罰則に関する経過措置)

第二十九条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令等への委任)

第三十条 附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。

附 則 (平成二六年六月一八日法律第七二号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則 (平成二七年六月二四日法律第四七号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成三十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一~四 略

五 第二条の規定(第三号に掲げる改正規定を除く。)及び第五条の規定並びに附則第十二条から第十五条まで、第十七条、第二十条、第二十一条、第二十二条(第六項を除く。)、第二十三条から第二十五条まで、第二十七条(附則第二十四条第一項に係る部分に限る。)、第二十八条(第五項を除く。)、第二十九条から第三十一条まで、第三十三条、第三十四条、第三十六条(附則第二十二条第一項及び第二項、第二十三条第一項、第二十四条第一項、第二十五条、第二十八条第一項及び第二項、第二十九条第一項、第三十条第一項及び第三十一条に係る部分に限る。)、第三十七条、第三十八条、第四十一条(第四項を除く。)、第四十二条、第四十三条、第四十五条(第四号から第六号までに係る部分に限る。)、第四十六条(附則第四十三条及び第四十五条(第四号から第六号までに係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、第四十七条、第四十八条及び第七十五条の規定、附則第七十七条中地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十九条の三第三項及び第七百一条の三十四第三項第十七号の改正規定、附則第七十八条第一項から第六項まで及び第七十九条から第八十二条までの規定、附則第八十三条中法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第四十五条第一項の改正規定(同項第二号に係る部分に限る。)、附則第八十五条中登録免許税法別表第一第百一号の改正規定及び同表第百四号(八)の改正規定、附則第八十七条の規定、附則第八十八条中電源開発促進税法(昭和四十九年法律第七十九号)第二条第三号イの改正規定(「発電量調整供給」を「電力量調整供給」に改める部分に限る。)並びに附則第九十条から第九十五条まで及び第九十七条の規定 公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日

附 則 (平成三〇年六月二七日法律第六七号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則 (令和二年三月一三日法律第四号)

この法律は、公布の日の翌日から施行する。

平成24年(2012年)に、中東呼吸器症候群(MERS)という新型インフルエンザ対策として、新型インフルエンザ等対策特別措置法という法律が制定されました。この法律の枠組みを使って、新型コロナウイルス感染症を追加し、内容を改正したのが、今回のコロナ特措法というものです。コロナ特措法は、令和2年(2020年)3月13日から効力が生じています。

第一章 総則 

第一条(目的)この法律は、国民の大部分が現在その免疫を獲得していないこと等から、新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、かつ、これにかかった場合の病状の程度が重篤となるおそれがあり、また、国民生活及び国民経済に重大な影響を及ぼすおそれがあることに鑑み、新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画、新型インフルエンザ等の発生時における措置、新型インフルエンザ等緊急事態措置その他新型インフルエンザ等に関する事項について特別の措置を定めることにより、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号。以下「感染症法」という。)その他新型インフルエンザ等の発生の予防及びまん延の防止に関する法律と相まって、新型インフルエンザ等に対する対策の強化を図り、もって新型インフルエンザ等の発生時において国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的とする。

目的

・国民の大部分が現在その免疫を獲得していない

状況で、

・新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延している

という事実がみとめられ、

・これにかかった場合の病状の程度が重篤となるおそれがあり

その結果、

国民生活及び国民経済に重大な影響を及ぼすおそれがある

だから、

・特別の措置を定める

・新型インフルエンザ等の発生時において国民の生命と健康を保護

・国民生活と国民経済に及ぼす影響が最小となるようにする

第二条(定義)

 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 新型インフルエンザ等 感染症法第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症及び同条第九項に規定する新感染症(全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。)をいう。

二 新型インフルエンザ等対策 第十五条第一項の規定により同項に規定する政府対策本部が設置された時から第二十一条第一項の規定により当該政府対策本部が廃止されるまでの間において、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関がこの法律及び感染症法その他の法律の規定により実施する措置をいう。

三 新型インフルエンザ等緊急事態措置 第三十二条第一項の規定により同項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態宣言がされた時から同条第五項の規定により同項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言がされるまでの間において、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関がこの法律の規定により実施する措置をいう。

四 指定行政機関 次に掲げる機関で政令で定めるものをいう。

イ 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関並びに国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関

ロ 内閣府設置法第三十七条及び第五十四条並びに宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十六条第一項並びに国家行政組織法第八条に規定する機関

ハ 内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法第十六条第二項並びに国家行政組織法第八条の二に規定する機関

ニ 内閣府設置法第四十条及び第五十六条並びに国家行政組織法第八条の三に規定する機関

五 指定地方行政機関 指定行政機関の地方支分部局(内閣府設置法第四十三条及び第五十七条(宮内庁法第十八条第一項において準用する場合を含む。)並びに宮内庁法第十七条第一項並びに国家行政組織法第九条の地方支分部局をいう。)その他の国の地方行政機関で政令で定めるものをいう。

六 指定公共機関 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び医療、医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品をいう。以下同じ。)、医療機器(同条第四項に規定する医療機器をいう。以下同じ。)又は再生医療等製品(同条第九項に規定する再生医療等製品をいう。以下同じ。)の製造又は販売、電気又はガスの供給、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、政令で定めるものをいう。

七 指定地方公共機関 都道府県の区域において医療、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の製造又は販売、電気又はガスの供給、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人、地方道路公社(地方道路公社法(昭和四十五年法律第八十二号)第一条の地方道路公社をいう。)その他の公共的施設を管理する法人及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)のうち、前号の政令で定めるもの以外のもので、あらかじめ当該法人の意見を聴いて当該都道府県の知事が指定するものをいう。

新型インフルエンザ等

・中東呼吸器症候群(MERS)

・新型コロナウイルス感染症

・以前流行した感染症

・人から人に伝染すると認められる新型感染症

のうち、急速に全国的な感染が生じるおそれがあるもの。

新型インフルエンザ等対策

政府対策本部

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/taisaku_honbu.html

https://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html#index_anc_02

の施策の部分です。(例えば、個人向け緊急小口資金等の特例の拡大、公共料金の支払の猶予等)

新型インフルエンザ等緊急事態措置

措置を行う機関

・国

・地方公共団体

・指定公共機関

・指定地方公共機関

期間

・新型インフルエンザ等緊急事態宣言がされた時~解除宣言がされるまで

措置

・対処方針を公表

https://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html

  • 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、②密集場所(多くの人が密集している)、③密接場面を避けることなど。)

指定行政機関

・国の機関・・・省庁、審議会、委員会など。

指定地方行政機関

・国の機関が地方に定めた機関。

指定公共機関

・医療関係の独立行政法人(医療)、医療、電気事業者、ガス事業者、フェリー事業者、外航海運業事業者、航空事業者、鉄道事業者、内航海運事業者、貨物自動車運送事業者、郵便事業者、電気通信事業者など。

指定地方公共機関

・各都道府県により指定される公共機関

第三条 国は、新型インフルエンザ等から国民の生命及び健康を保護し、並びに新型インフルエンザ等が国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、新型インフルエンザ等が発生したときは、自ら新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施し、並びに地方公共団体及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に支援することにより、国全体として万全の態勢を整備する責務を有する。

2 国は、新型インフルエンザ等及びこれに係るワクチンその他の医薬品の調査及び研究を推進するよう努めるものとする。

3 国は、世界保健機関その他の国際機関及びアジア諸国その他の諸外国との国際的な連携を確保するとともに、新型インフルエンザ等に関する調査及び研究に係る国際協力を推進するよう努めるものとする。

4 地方公共団体は、新型インフルエンザ等が発生したときは、第十八条第一項に規定する基本的対処方針に基づき、自らその区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施し、及び当該地方公共団体の区域において関係機関が実施する新型インフルエンザ等対策を総合的に推進する責務を有する。

5 指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等が発生したときは、この法律で定めるところにより、その業務について、新型インフルエンザ等対策を実施する責務を有する。

6 国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等対策を実施するに当たっては、相互に連携協力し、その的確かつ迅速な実施に万全を期さなければならない。

行政機関がやらないといけないこと

・国・・・新型インフルエンザ等対策を実施。地方公共団体、指定公共機関、世界保健機関、諸外国と連携。

・地方公共団体・・・基本的対処方針に基づき、係る新型インフルエンザ等対策を実施

・指定公共機関・・・基本的対処方針に基づき、係る新型インフルエンザ等対策

第四条(事業者及び国民の責務)

 事業者及び国民は、新型インフルエンザ等の予防に努めるとともに、新型インフルエンザ等対策に協力するよう努めなければならない。

2 事業者は、新型インフルエンザ等のまん延により生ずる影響を考慮し、その事業の実施に関し、適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 第二十八条第一項第一号に規定する登録事業者は、新型インフルエンザ等が発生したときにおいても、医療の提供並びに国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を継続的に実施するよう努めなければならない。

・国民・・・新型インフルエンザ等の予防、新型インフルエンザ等対策に協力

・事業者・・・ 新型インフルエンザ等の予防、新型インフルエンザ等対策に協力、

・事業の実施に関し、適切な措置(リモートワークなど)

・医療を提供する事業者・・・医療の提供並びに国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を継続的に実施

第五条(基本的人権の尊重)

 国民の自由と権利が尊重されるべきことに鑑み、新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならない。

・日本国憲法の範囲内で制限を行う。

第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

第二章 新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画等

(政府行動計画の作成及び公表等)

第六条 政府は、新型インフルエンザ等の発生に備えて、新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「政府行動計画」という。)を定めるものとする。

2 政府行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 新型インフルエンザ等対策の実施に関する基本的な方針

二 国が実施する次に掲げる措置に関する事項

イ 新型インフルエンザ等及び感染症法第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症に変異するおそれが高い動物のインフルエンザの外国及び国内における発生の状況、動向及び原因の情報収集

ロ 新型インフルエンザ等に関する情報の地方公共団体、指定公共機関、事業者及び国民への適切な方法による提供

ハ 新型インフルエンザ等が国内において初めて発生した場合における第十六条第八項に規定する政府現地対策本部による新型インフルエンザ等対策の総合的な推進

ニ 検疫、第二十八条第三項に規定する特定接種の実施その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置

ホ 医療の提供体制の確保のための総合調整

ヘ 生活関連物資の価格の安定のための措置その他の国民生活及び国民経済の安定に関する措置

三 第二十八条第一項第一号の規定による厚生労働大臣の登録の基準に関する事項

四 都道府県及び指定公共機関がそれぞれ次条第一項に規定する都道府県行動計画及び第九条第一項に規定する業務計画を作成する際の基準となるべき事項

五 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

六 新型インフルエンザ等対策の実施に当たっての地方公共団体相互の広域的な連携協力その他の関係機関相互の連携協力の確保に関する事項

七 前各号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な事項

3 政府行動計画は、新型インフルエンザ等が発生する前の段階、新型インフルエンザ等が外国において発生した段階及び新型インフルエンザ等が国内において発生した段階に区分して定めるものとする。

4 内閣総理大臣は、政府行動計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

5 内閣総理大臣は、前項の規定により政府行動計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならない。

6 内閣総理大臣は、第四項の閣議の決定があったときは、遅滞なく、政府行動計画を国会に報告するとともに、その旨を公示しなければならない。

7 政府は、政府行動計画を定めるため必要があると認めるときは、地方公共団体の長その他の執行機関(以下「地方公共団体の長等」という。)、指定公共機関その他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の陳述その他必要な協力を求めることができる。

8 第三項から前項までの規定は、政府行動計画の変更について準用する。

(都道府県行動計画)

第七条 都道府県知事は、政府行動計画に基づき、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「都道府県行動計画」という。)を作成するものとする。

2 都道府県行動計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

一 当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事項

二 都道府県が実施する次に掲げる措置に関する事項

イ 新型インフルエンザ等の都道府県内における発生の状況、動向及び原因の情報収集並びに調査

ロ 新型インフルエンザ等に関する情報の市町村、指定地方公共機関、医療機関、事業者及び住民への適切な方法による提供

ハ 感染を防止するための協力の要請その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置

ニ 医療従事者の確保その他の医療の提供体制の確保に関する措置

ホ 物資の売渡しの要請その他の住民の生活及び地域経済の安定に関する措置

三 市町村及び指定地方公共機関がそれぞれ次条第一項に規定する市町村行動計画及び第九条第一項に規定する業務計画を作成する際の基準となるべき事項

四 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

五 新型インフルエンザ等対策の実施に関する他の地方公共団体その他の関係機関との連携に関する事項

六 前各号に掲げるもののほか、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関し都道府県知事が必要と認める事項

3 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成する場合において、他の地方公共団体と関係がある事項を定めるときは、当該他の地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。

4 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成したときは、内閣総理大臣に報告しなければならない。

5 内閣総理大臣は、前項の規定により報告を受けた都道府県行動計画について、必要があると認めるときは、当該都道府県知事に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。

6 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成したときは、速やかに、これを議会に報告し、並びに当該都道府県の区域内の市町村の長及び関係指定地方公共機関に通知するとともに、公表しなければならない。

7 都道府県知事は、都道府県行動計画を作成するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長(当該指定行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関。以下同じ。)、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等、指定公共機関、指定地方公共機関その他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の陳述その他必要な協力を求めることができる。

8 前条第五項の規定は、都道府県行動計画の作成について準用する。

9 第三項から前項までの規定は、都道府県行動計画の変更について準用する。

(市町村行動計画)

第八条 市町村長は、都道府県行動計画に基づき、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「市町村行動計画」という。)を作成するものとする。

2 市町村行動計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

一 当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事項

二 市町村が実施する次に掲げる措置に関する事項

イ 新型インフルエンザ等に関する情報の事業者及び住民への適切な方法による提供

ロ 住民に対する予防接種の実施その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置

ハ 生活環境の保全その他の住民の生活及び地域経済の安定に関する措置

三 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

四 新型インフルエンザ等対策の実施に関する他の地方公共団体その他の関係機関との連携に関する事項

五 前各号に掲げるもののほか、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関し市町村長が必要と認める事項

3 市町村長は、市町村行動計画を作成する場合において、他の地方公共団体と関係がある事項を定めるときは、当該他の地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。

4 市町村長は、市町村行動計画を作成したときは、都道府県知事に報告しなければならない。

5 都道府県知事は、前項の規定により報告を受けた市町村行動計画について、必要があると認めるときは、当該市町村長に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。

6 市町村長は、市町村行動計画を作成したときは、速やかに、これを議会に報告するとともに、公表しなければならない。

7 第六条第五項及び前条第七項の規定は、市町村行動計画の作成について準用する。

8 第三項から前項までの規定は、市町村行動計画の変更について準用する。

(指定公共機関及び指定地方公共機関の業務計画)

第九条 指定公共機関又は指定地方公共機関は、それぞれ政府行動計画又は都道府県行動計画に基づき、その業務に関し、新型インフルエンザ等対策に関する業務計画(以下「業務計画」という。)を作成するものとする。

2 業務計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 当該指定公共機関又は指定地方公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策の内容及び実施方法に関する事項

二 新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

三 新型インフルエンザ等対策の実施に関する関係機関との連携に関する事項

四 前三号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な事項

3 指定公共機関及び指定地方公共機関は、それぞれその業務計画を作成したときは、速やかに、指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長を経由して内閣総理大臣に、指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事に報告しなければならない。この場合において、内閣総理大臣又は都道府県知事は、当該指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、必要な助言をすることができる。

4 指定公共機関及び指定地方公共機関は、それぞれその業務計画を作成したときは、速やかに、これを関係都道府県知事及び関係市町村長に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。

5 第七条第七項の規定は、業務計画の作成について準用する。

6 前三項の規定は、業務計画の変更について準用する。

(物資及び資材の備蓄等)

第十条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等並びに指定公共機関及び指定地方公共機関(第十二条及び第五十一条において「指定行政機関の長等」という。)は、政府行動計画、都道府県行動計画、市町村行動計画又は業務計画で定めるところにより、その所掌事務又は業務に係る新型インフルエンザ等対策の実施に必要な医薬品その他の物資及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又は新型インフルエンザ等対策の実施に必要なその管理に属する施設及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。

(災害対策基本法の規定による備蓄との関係)

第十一条 前条の規定による物資及び資材の備蓄と、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第四十九条の規定による物資及び資材の備蓄とは、相互に兼ねることができる。

(訓練)

第十二条 指定行政機関の長等は、政府行動計画、都道府県行動計画、市町村行動計画又は業務計画で定めるところにより、それぞれ又は他の指定行政機関の長等と共同して、新型インフルエンザ等対策についての訓練を行うよう努めなければならない。この場合においては、災害対策基本法第四十八条第一項の防災訓練との有機的な連携が図られるよう配慮するものとする。

2 都道府県公安委員会は、前項の訓練の効果的な実施を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該訓練の実施に必要な限度で、区域又は道路の区間を指定して、歩行者又は車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。

3 指定行政機関の長等は、第一項の訓練を行おうとするときは、住民その他関係のある公私の団体に協力を要請することができる。

(知識の普及等)

第十三条 国及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等の予防及びまん延の防止に関する知識を普及するとともに、新型インフルエンザ等対策の重要性について国民の理解と関心を深めるため、国民に対する啓発に努めなければならない。

附則第一条の二3項

新型インフルエンザ(中東呼吸器症候群(MERS))のために定めていた行動計画は、新型コロナインフルエンザにも(必要な個所を修正して)利用することが出来る。

第三章 発生 

第十四条(報告)

 厚生労働大臣は、感染症法第四十四条の二第一項又は第四十四条の六第一項の規定により新型インフルエンザ等が発生したと認めた旨を公表するときは、内閣総理大臣に対し、当該新型インフルエンザ等の発生の状況、当該新型インフルエンザ等にかかった場合の病状の程度その他の必要な情報の報告をしなければならない。

・厚生労働大臣・・・新型インフルエンザ等が発生したと認めた場合、内閣総理大臣に対し必要な情報を報告後に公表。

第十五条(政府対策本部の設置)

第十五条 内閣総理大臣は、前条の報告があったときは、当該報告に係る新型インフルエンザ等にかかった場合の病状の程度が、感染症法第六条第六項第一号に掲げるインフルエンザにかかった場合の病状の程度に比しておおむね同程度以下であると認められる場合を除き、内閣法(昭和二十二年法律第五号)第十二条第四項の規定にかかわらず、閣議にかけて、臨時に内閣に新型インフルエンザ等対策本部(以下「政府対策本部」という。)を設置するものとする。

内閣総理大臣・・・・厚生労働大臣から報告を受けた場合、今までの感染症と比較して、閣議により、内閣に新型インフルエンザ等対策本部を設置する。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/konkyo.pdf

(政府対策本部の組織)

第十六条 政府対策本部の長は、新型インフルエンザ等対策本部長(以下「政府対策本部長」という。)とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣)をもって充てる。

2 政府対策本部長は、政府対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

3 政府対策本部に、新型インフルエンザ等対策副本部長(以下この条及び第二十条第三項において「政府対策副本部長」という。)、新型インフルエンザ等対策本部員(以下この条において「政府対策本部員」という。)その他の職員を置く。

4 政府対策副本部長は、国務大臣をもって充てる。

5 政府対策副本部長は、政府対策本部長を助け、政府対策本部長に事故があるときは、その職務を代理する。政府対策副本部長が二人以上置かれている場合にあっては、あらかじめ政府対策本部長が定めた順序で、その職務を代理する。

6 政府対策本部員は、政府対策本部長及び政府対策副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。この場合において、国務大臣が不在のときは、そのあらかじめ指名する副大臣(内閣官房副長官を含む。)がその職務を代行することができる。

7 政府対策副本部長及び政府対策本部員以外の政府対策本部の職員は、内閣官房の職員、指定行政機関の長(国務大臣を除く。)その他の職員又は関係する指定地方行政機関の長その他の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。

8 新型インフルエンザ等が国内において発生した場合には、政府対策本部に、政府対策本部長の定めるところにより政府対策本部の事務の一部を行う組織として、新型インフルエンザ等現地対策本部(以下この条において「政府現地対策本部」という。)を置くことができる。この場合においては、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十六条第四項の規定は、適用しない。

9 政府対策本部長は、前項の規定により政府現地対策本部を置いたときは当該政府現地対策本部の名称並びに設置の場所及び期間を、当該政府現地対策本部を廃止したときはその旨を、国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。

10 政府現地対策本部に、新型インフルエンザ等現地対策本部長(次項及び第十二項において「政府現地対策本部長」という。)及び新型インフルエンザ等現地対策本部員(同項において「政府現地対策本部員」という。)その他の職員を置く。

11 政府現地対策本部長は、政府対策本部長の命を受け、政府現地対策本部の事務を掌理する。

12 政府現地対策本部長及び政府現地対策本部員その他の職員は、政府対策副本部長、政府対策本部員その他の職員のうちから、政府対策本部長が指名する者をもって充てる。

(政府対策本部の所掌事務)

第十七条 政府対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。

一 指定行政機関、地方公共団体及び指定公共機関が次条第一項に規定する基本的対処方針に基づき実施する新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関すること。

二 第二十条第一項及び第三十三条第一項の規定により政府対策本部長の権限に属する事務

三 前二号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務

(基本的対処方針)

第十八条 政府対策本部は、政府行動計画に基づき、新型インフルエンザ等への基本的な対処の方針(以下「基本的対処方針」という。)を定めるものとする。

2 基本的対処方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 新型インフルエンザ等の発生の状況に関する事実

二 当該新型インフルエンザ等への対処に関する全般的な方針

三 新型インフルエンザ等対策の実施に関する重要事項

3 政府対策本部長は、基本的対処方針を定めたときは、直ちに、これを公示してその周知を図らなければならない。

4 政府対策本部長は、基本的対処方針を定めようとするときは、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、その意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。

5 前二項の規定は、基本的対処方針の変更について準用する。

・政府行動計画

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/keikaku/pdf/h29_koudou.pdf

・政府対策本部は、基本的対処方針を定める。

基本的対処方針

https://www.cas.go.jp/jp/influenza/kihon_h(4.7).pdf

(指定行政機関の長の権限の委任)

第十九条 指定行政機関の長は、政府対策本部が設置されたときは、新型インフルエンザ等対策の実施のため必要な権限の全部又は一部を当該政府対策本部の職員である当該指定行政機関の職員又は当該指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる。

2 指定行政機関の長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。

(政府対策本部長の権限)

第二十条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、基本的対処方針に基づき、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに前条の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員、都道府県の知事その他の執行機関(以下「都道府県知事等」という。)並びに指定公共機関に対し、指定行政機関、都道府県及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うことができる。

2 前項の場合において、当該都道府県知事等及び指定公共機関は、当該都道府県又は指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策に関して政府対策本部長が行う総合調整に関し、政府対策本部長に対して意見を申し出ることができる。

3 政府対策本部長は、第一項の規定による権限の全部又は一部を政府対策副本部長に委任することができる。

4 政府対策本部長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。

(政府対策本部の廃止)

第二十一条 政府対策本部は、第十五条第一項に規定する新型インフルエンザ等にかかった場合の病状の程度が、感染症法第六条第六項第一号に掲げるインフルエンザにかかった場合の病状の程度に比しておおむね同程度以下であることが明らかとなったとき、又は感染症法第四十四条の二第三項の規定による公表がされ、若しくは感染症法第五十三条第一項の政令が廃止されたときに、廃止されるものとする。

2 内閣総理大臣は、政府対策本部が廃止されたときは、その旨を国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。

(都道府県対策本部)

第二十二条 第十五条第一項の規定により政府対策本部が設置されたときは、都道府県知事は、都道府県行動計画で定めるところにより、直ちに、都道府県対策本部を設置しなければならない。

都道府県・・・対策本部を設置

東京都の場合

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1007261/index.html

(都道府県対策本部の組織)

第二十三条 都道府県対策本部の長は、都道府県対策本部長とし、都道府県知事をもって充てる。

2 都道府県対策本部に本部員を置き、次に掲げる者(道府県知事が設置するものにあっては、第四号に掲げる者を除く。)をもって充てる。

一 副知事

二 都道府県教育委員会の教育長

三 警視総監又は道府県警察本部長

四 特別区の消防長

五 前各号に掲げる者のほか、都道府県知事が当該都道府県の職員のうちから任命する者

3 都道府県対策本部に副本部長を置き、前項の本部員のうちから、都道府県知事が指名する。

4 都道府県対策本部長は、必要があると認めるときは、国の職員その他当該都道府県の職員以外の者を都道府県対策本部の会議に出席させることができる。

・都道府県対策本部の長は都道府県知事

(都道府県対策本部長の権限)

第二十四条 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該都道府県及び関係市町村並びに関係指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うことができる。

2 前項の場合において、関係市町村の長その他の執行機関(第三十三条第二項において「関係市町村長等」という。)又は関係指定公共機関若しくは指定地方公共機関は、当該関係市町村又は関係指定公共機関若しくは指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関して都道府県対策本部長が行う総合調整に関し、当該都道府県対策本部長に対して意見を申し出ることができる。

3 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し、指定行政機関又は指定公共機関と緊密な連絡を図る必要があると認めるときは、当該連絡を要する事項を所管する指定地方行政機関の長(当該指定地方行政機関がないときは、当該指定行政機関の長)又は当該指定公共機関に対し、その指名する職員を派遣するよう求めることができる。

4 都道府県対策本部長は、特に必要があると認めるときは、政府対策本部長に対し、指定行政機関及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うよう要請することができる。この場合において、政府対策本部長は、必要があると認めるときは、所要の総合調整を行わなければならない。

5 都道府県対策本部長は、第一項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、政府対策本部長に対し、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な情報の提供を求めることができる。

6 都道府県対策本部長は、第一項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、当該総合調整の関係機関に対し、それぞれ当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施の状況について報告又は資料の提出を求めることができる。

7 都道府県対策本部長は、当該都道府県警察及び当該都道府県の教育委員会に対し、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を実施するため必要な限度において、必要な措置を講ずるよう求めることができる。

8 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、これらの所掌事務に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な要請をすることができる。

9 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。

・都道府県対策本部長(知事)の権限は強く、憲法に反しない限り医療事業者のほか、個人に対しても協力要請をすることができる。

(都道府県対策本部の廃止)

第二十五条 第二十一条第一項の規定により政府対策本部が廃止されたときは、都道府県知事は、遅滞なく、都道府県対策本部を廃止するものとする。

(条例への委任)

第二十六条 第二十二条から前条まで及び第三十三条第二項に規定するもののほか、都道府県対策本部に関し必要な事項は、都道府県の条例で定める。

(指定公共機関及び指定地方公共機関の応援の要求)

第二十七条 指定公共機関又は指定地方公共機関は、その業務に係る新型インフルエンザ等対策を実施するため特に必要があると認めるときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は地方公共団体の長に対し、労務、施設、設備又は物資の確保について応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。

(特定接種)

第二十八条 政府対策本部長は、医療の提供並びに国民生活及び国民経済の安定を確保するため緊急の必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対し、次に掲げる措置を講ずるよう指示することができる。

一 医療の提供の業務又は国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を行う事業者であって厚生労働大臣の定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けているもの(第三項及び第四項において「登録事業者」という。)のこれらの業務に従事する者(厚生労働大臣の定める基準に該当する者に限る。)並びに新型インフルエンザ等対策の実施に携わる国家公務員に対し、臨時に予防接種を行うこと。

二 新型インフルエンザ等対策の実施に携わる地方公務員に対し、臨時に予防接種を行うよう、当該地方公務員の所属する都道府県又は市町村の長に指示すること。

2 前項の規定による指示をする場合には、政府対策本部長は、予防接種の期間を指定するものとする。

3 厚生労働大臣は、第一項の規定による指示に基づき行う予防接種(以下この条及び第三十一条において「特定接種」という。)及び同項第一号の登録の実施に関し必要があると認めるときは、官公署に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は登録事業者その他の関係者に対し、必要な事項の報告を求めることができる。

4 厚生労働大臣は、特定接種及び第一項第一号の登録の円滑な実施のため必要があると認めるときは、登録事業者、都道府県知事、市町村長及び各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)に対して、労務又は施設の確保その他の必要な協力を求めることができる。この場合において、協力を求められた登録事業者、都道府県知事及び市町村長は、正当な理由がない限り、協力を拒んではならない。

5 厚生労働大臣が行う特定接種は、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第六条第一項の規定による予防接種とみなして、同法(第十二条第二項、第二十六条及び第二十七条を除く。)の規定を適用する。この場合において、同法第七条及び第八条中「市町村長又は都道府県知事」とあり、並びに同法第十五条第一項、第十八条及び第十九条第一項中「市町村長」とあるのは「厚生労働大臣」と、同法第十五条第一項中「当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等」とあるのは「その行う臨時の予防接種」と、「当該定期の予防接種等」とあるのは「当該予防接種」と、同法第二十五条第一項中「市町村(第六条第一項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあり、及び同条第二項中「市町村」とあるのは「国」とする。

6 都道府県知事が行う特定接種は、予防接種法第六条第一項の規定による予防接種とみなして、同法(第二十六条及び第二十七条を除く。)の規定を適用する。この場合において、同法第十五条第一項、第十八条及び第十九条第一項中「市町村長」とあるのは「都道府県知事」と、同法第十五条第一項中「当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等」とあるのは「その行う臨時の予防接種」と、「当該定期の予防接種等」とあるのは「当該予防接種」と、同法第二十五条第一項中「市町村(第六条第一項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあり、及び同条第二項中「市町村」とあるのは「都道府県」とする。

7 市町村長が行う特定接種は、予防接種法第六条第一項の規定による予防接種とみなして、同法(第二十六条及び第二十七条を除く。)の規定を適用する。この場合において、同法第十五条第一項中「当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等」とあるのは「その行う臨時の予防接種」と、「当該定期の予防接種等」とあるのは「当該予防接種」と、同法第二十五条第一項中「市町村(第六条第一項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあるのは「市町村」とする。

(停留を行うための施設の使用)

第二十九条 厚生労働大臣は、外国において新型インフルエンザ等が発生した場合には、発生国(新型インフルエンザ等の発生した外国をいう。以下この項において同じ。)における新型インフルエンザ等の発生及びまん延の状況並びに我が国における検疫所の設備の状況、検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)第十四条第一項第二号に掲げる措置(第五項及び次条第一項において「停留」という。)をされるべき者の増加その他の事情を勘案し、検疫を適切に行うため必要があると認めるときは、検疫港(同法第三条に規定する検疫港をいう。第四項において同じ。)及び検疫飛行場(同法第三条に規定する検疫飛行場をいう。第四項において同じ。)のうち、発生国を発航し、又は発生国に寄航して来航しようとする船舶又は航空機(当該船舶又は航空機の内部に発生国内の地点から乗り込んだ者がいるものに限る。第四項及び次条第二項において「特定船舶等」という。)に係る検疫を行うべきもの(以下この条において「特定検疫港等」という。)を定めることができる。

2 厚生労働大臣は、特定検疫港等を定めようとするときは、国土交通大臣に協議するものとする。

3 厚生労働大臣は、特定検疫港等を定めたときは、遅滞なく、これを告示するものとする。

4 検疫所長は、特定検疫港等以外の検疫港又は検疫飛行場に、特定船舶等が来航したときは、特定検疫港等に回航すべき旨を指示するものとする。

5 特定検疫港等において検疫を行う検疫所長(第七十一条第一項において「特定検疫所長」という。)は、特定検疫港等において検疫をされるべき者が増加し、停留を行うための施設の不足により停留を行うことが困難であると認められる場合において、検疫を適切に行うため必要があると認めるときであって、病院若しくは診療所若しくは宿泊施設(特定検疫港等の周辺の区域であって、特定検疫港等からの距離その他の事情を勘案して厚生労働大臣が指定する区域内に存するものに限る。以下この項において「特定病院等」という。)の管理者が正当な理由がないのに検疫法第十六条第二項(同法第三十四条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)若しくは第三十四条の四第一項の規定による委託を受けず、若しくは同法第十六条第二項の同意をしないとき、又は当該特定病院等の管理者の所在が不明であるため同項若しくは同法第三十四条の四第一項の規定による委託をできず、若しくは同法第十六条第二項の同意を求めることができないときは、同項又は同法第三十四条の四第一項の規定にかかわらず、同法第十六条第二項若しくは第三十四条の四第一項の規定による委託をせず、又は同法第十六条第二項の同意を得ないで、当該特定病院等を使用することができる。

6 第二項及び第三項の規定は、特定検疫港等の変更について準用する。

(運航の制限の要請等)

第三十条 厚生労働大臣は、前条の規定による措置を講じても停留を行うことが著しく困難であると認められ、新型インフルエンザ等の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することを防止できないおそれがあるときは、政府対策本部長に対し、その旨を報告しなければならない。

2 政府対策本部長は、前項の規定による報告を踏まえ、新型インフルエンザ等の国内における発生を防止し、国民の生命及び健康に対する著しく重大な被害の発生並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため緊急の必要があると認めるときは、国際的な連携を確保しつつ、特定船舶等の運航を行う事業者に対し、当該特定船舶等の来航を制限するよう要請することができる。

3 政府対策本部長は、前項の規定による要請をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。

厚生労働省水際対策の抜本的強化に関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

(医療等の実施の要請等)

第三十一条 都道府県知事は、新型インフルエンザ等の患者又は新型インフルエンザ等にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者(以下「患者等」という。)に対する医療の提供を行うため必要があると認めるときは、医師、看護師その他の政令で定める医療関係者(以下「医療関係者」という。)に対し、その場所及び期間その他の必要な事項を示して、当該患者等に対する医療を行うよう要請することができる。

2 厚生労働大臣及び都道府県知事は、特定接種を行うため必要があると認めるときは、医療関係者に対し、その場所及び期間その他の必要な事項を示して、当該特定接種の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。

3 医療関係者が正当な理由がないのに前二項の規定による要請に応じないときは、厚生労働大臣及び都道府県知事は、患者等に対する医療又は特定接種(以下この条及び第六十二条第二項において「患者等に対する医療等」という。)を行うため特に必要があると認めるときに限り、当該医療関係者に対し、患者等に対する医療等を行うべきことを指示することができる。この場合においては、前二項の事項を書面で示さなければならない。

4 厚生労働大臣及び都道府県知事は、前三項の規定により医療関係者に患者等に対する医療等を行うことを要請し、又は患者等に対する医療等を行うべきことを指示するときは、当該医療関係者の生命及び健康の確保に関し十分に配慮し、危険が及ばないよう必要な措置を講じなければならない。

5 市町村長は、特定接種を行うため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第二項又は第三項の規定による要請又は指示を行うよう求めることができる。

・医療の提供業務、国民生活・国民経済の安定に寄与する業務を行う事業者の従業員等に対して臨時に行う予防接種。

第四章 緊急事態措置

第三十二条(緊急事態宣言)

 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章において同じ。)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。)が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第五項及び第三十四条第一項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。)をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。

一 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間

二 新型インフルエンザ等緊急事態措置(第四十六条の規定による措置を除く。)を実施すべき区域

三 新型インフルエンザ等緊急事態の概要

緊急事態宣言

https://www.cas.go.jp/jp/influenza/kinkyujitai_sengen.pdf

第三十三条 

政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、第二十条第一項の総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに第十九条の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員、都道府県知事等並びに指定公共機関に対し、必要な指示をすることができる。この場合においては、第二十条第三項及び第四項の規定を準用する。

2 都道府県対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、第二十四条第一項の総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係市町村長等並びに指定公共機関及び指定地方公共機関に対し、必要な指示をすることができる。

 (政府対策本部長及び都道府県対策本部長の指示)

第三十四条(市町村対策本部)

 新型インフルエンザ等緊急事態宣言がされたときは、市町村長は、市町村行動計画で定めるところにより、直ちに、市町村対策本部を設置しなければならない。

市町村・・・緊急事態宣言がされた場合、対策本部を設置

 (市町村対策本部の組織)

第三十五条 市町村対策本部の長は、市町村対策本部長とし、市町村長をもって充てる。

2 市町村対策本部に本部員を置き、次に掲げる者をもって充てる。

一 副市町村長

二 市町村教育委員会の教育長

三 当該市町村の区域を管轄する消防長又はその指名する消防吏員(消防本部を置かない市町村にあっては、消防団長)

四 前三号に掲げる者のほか、市町村長が当該市町村の職員のうちから任命する者

3 市町村対策本部に副本部長を置き、前項の本部員のうちから、市町村長が指名する。

4 市町村対策本部長は、必要があると認めるときは、国の職員その他当該市町村の職員以外の者を市町村対策本部の会議に出席させることができる。

(市町村対策本部長の権限)

第三十六条 市町村対策本部長は、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該市町村が実施する当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置に関する総合調整を行うことができる。

2 市町村対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、都道府県並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する新型インフルエンザ等緊急事態措置に関する総合調整を行うよう要請することができる。この場合において、都道府県対策本部長は、必要があると認めるときは、所要の総合調整を行わなければならない。

3 市町村対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、指定行政機関及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等緊急事態措置に関する第二十四条第四項の規定による要請を行うよう求めることができる。

4 市町村対策本部長は、第一項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関し必要な情報の提供を求めることができる。

5 市町村対策本部長は、第一項の総合調整を行うため必要があると認めるときは、当該総合調整の関係機関に対し、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施の状況について報告又は資料の提出を求めることができる。

6 市町村対策本部長は、当該市町村の教育委員会に対し、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要な限度において、必要な措置を講ずるよう求めることができる。

7 市町村対策本部長は、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関し必要な要請をすることができる。

(準用)

第三十七条 第二十五条及び第二十六条の規定は、市町村対策本部について準用する。この場合において、第二十五条中「第二十一条第一項の規定により政府対策本部が廃止された」とあるのは「第三十二条第五項の公示がされた」と、「都道府県知事」とあるのは「市町村長」と、第二十六条中「第二十二条から前条まで及び第三十三条第二項」とあるのは「第三十四条から第三十六条まで及び第三十七条において読み替えて準用する第二十五条」と、「都道府県の」とあるのは「市町村の」と読み替えるものとする。

(特定都道府県知事による代行)

第三十八条 その区域の全部又は一部が第三十二条第一項第二号に掲げる区域内にある市町村(以下「特定市町村」という。)の長(以下「特定市町村長」という。)は、新型インフルエンザ等のまん延により特定市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなったと認めるときは、当該特定市町村の属する都道府県(以下「特定都道府県」という。)の知事(以下「特定都道府県知事」という。)に対し、当該特定市町村長が実施すべき当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の全部又は一部の実施を要請することができる。

2 特定都道府県知事は、当該特定都道府県の区域内の特定市町村長から前項の規定による要請を受けたときは、当該特定市町村長が実施すべき当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の全部又は一部を当該特定市町村長に代わって実施しなければならない。

3 特定都道府県知事は、前項の規定により特定市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。

4 第二項の規定による特定都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。

(他の地方公共団体の長等に対する応援の要求)

第三十九条 特定都道府県の知事その他の執行機関(以下「特定都道府県知事等」という。)は、当該特定都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。

2 特定市町村の長その他の執行機関(以下「特定市町村長等」という。)は、当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、他の市町村の長その他の執行機関に対し、応援を求めることができる。

3 前二項の応援に従事する者は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施については、当該応援を求めた特定都道府県知事等又は特定市町村長等の指揮の下に行動するものとする。この場合において、警察官にあっては、当該応援を求めた特定都道府県の公安委員会の管理の下にその職権を行うものとする。

第四十条 特定市町村長等は、当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、特定都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた特定都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。

(事務の委託の手続の特例)

第四十一条 特定市町村は、当該特定市町村の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第二百五十二条の十四及び第二百五十二条の十五の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務又は特定市町村長等の権限に属する事務の一部を他の地方公共団体に委託して、当該他の地方公共団体の長等にこれを管理し、及び執行させることができる。

(職員の派遣の要請)

第四十二条 特定都道府県知事等又は特定市町村長等は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため必要があるときは、政令で定めるところにより、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定指定公共機関(指定公共機関である行政執行法人(独立行政法人通則法第二条第四項に規定する行政執行法人をいう。)をいう。以下この項及び次条において同じ。)に対し、当該指定行政機関若しくは指定地方行政機関又は特定指定公共機関の職員の派遣を要請することができる。

2 その区域の全部又は一部が第三十二条第一項第二号に掲げる区域内にある地方公共団体の委員会及び委員は、前項の規定により職員の派遣を要請しようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の長に協議しなければならない。

3 特定市町村長等が第一項の規定による職員の派遣を要請するときは、特定都道府県知事等を経由してするものとする。ただし、人命の保護のために特に緊急を要する場合については、この限りでない。

(職員の派遣義務)

第四十三条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等並びに特定指定公共機関及び特定指定地方公共機関(指定地方公共機関である地方独立行政法人法第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人をいう。)は、前条第一項の規定による要請又は地方自治法第二百五十二条の十七第一項若しくは地方独立行政法人法第百二十四条第一項の規定による求めがあったときは、その所掌事務又は業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員を派遣しなければならない。

(職員の身分取扱い)

第四十四条 災害対策基本法第三十二条の規定は、前条の規定により新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため派遣された職員の身分取扱いについて準用する。この場合において、同法第三十二条第一項中「災害派遣手当」とあるのは、「新型インフルエンザ等緊急事態派遣手当」と読み替えるものとする。

・単独の市町村、都道府県で対応できない場合・・・他の市町村・都道府県に協力を求める。

第四十五条(感染を防止するための協力要請等)

 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。

2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。

3 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる。

4 特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。

都道府県知事の権限

・住民に対する外出禁止等の要請

・施設管理者やイベント開催者に対する開催の制限要請・指示

第四十九条(土地の使用)

 特定都道府県知事は、当該特定都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に当たり、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資(以下この条及び第七十二条第一項において「土地等」という。)を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができる。

2 前項の場合において土地等の所有者若しくは占有者が正当な理由がないのに同意をしないとき、又は土地等の所有者若しくは占有者の所在が不明であるため同項の同意を求めることができないときは、特定都道府県知事は、臨時の医療施設を開設するため特に必要があると認めるときに限り、同項の規定にかかわらず、同意を得ないで、当該土地等を使用することができる。

・特定都道府県知事は、医療施設を開設するために、場合によっては所有者の同意を得ずに土地建物を使用できる。

(物資及び資材の供給の要請)

第五十条 特定都道府県知事又は特定市町村長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に当たって、その備蓄する物資又は資材が不足し、新型インフルエンザ等緊急事態措置を的確かつ迅速に実施することが困難であると認めるときは、特定都道府県知事にあっては指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、特定市町村長にあっては特定都道府県知事に対し、それぞれ必要な物資又は資材の供給について必要な措置を講ずるよう要請することができる。

(備蓄物資等の供給に関する相互協力)

第五十一条 指定行政機関の長等は、新型インフルエンザ等緊急事態において、その備蓄する物資及び資材の供給に関し、相互に協力するよう努めなければならない。

(電気及びガス並びに水の安定的な供給)

第五十二条 電気事業者(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十七号に規定する電気事業者をいう。)及びガス事業者(ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第二条第十二項に規定するガス事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、電気及びガスを安定的かつ適切に供給するため必要な措置を講じなければならない。

2 水道事業者(水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第五項に規定する水道事業者をいう。)、水道用水供給事業者(同項に規定する水道用水供給事業者をいう。)及び工業用水道事業者(工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)第二条第五項に規定する工業用水道事業者をいう。)である地方公共団体及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその都道府県行動計画、市町村行動計画又は業務計画で定めるところにより、水を安定的かつ適切に供給するため必要な措置を講じなければならない。

(運送、通信及び郵便等の確保)

第五十三条 運送事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、旅客及び貨物の運送を適切に実施するため必要な措置を講じなければならない。

2 電気通信事業者(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、通信を確保し、及び新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な通信を優先的に取り扱うため必要な措置を講じなければならない。

3 郵便事業を営む者及び一般信書便事業者(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、郵便及び信書便を確保するため必要な措置を講じなければならない。

・電気事業者、ガス事業者、水道事業者、電気通信事業者、郵便事業者は、生活に支障がないように努めること。

第五十四条(緊急物資の運送)

指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため緊急の必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長にあっては運送事業者である指定公共機関に対し、特定都道府県知事にあっては運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、運送すべき物資並びに運送すべき場所及び期日を示して、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な物資及び資材(第三項において「緊急物資」という。)の運送を要請することができる。

2 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため緊急の必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長にあっては医薬品等販売業者である指定公共機関に対し、特定都道府県知事にあっては医薬品等販売業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、配送すべき医薬品、医療機器又は再生医療等製品並びに配送すべき場所及び期日を示して、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な医薬品、医療機器又は再生医療等製品の配送を要請することができる。

3 指定公共機関又は指定地方公共機関が正当な理由がないのに前二項の規定による要請に応じないときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施のため特に必要があると認めるときに限り、当該指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、緊急物資の運送又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の配送を行うべきことを指示することができる。この場合においては、前二項の事項を書面で示さなければならない。

・行政機関の長は、

必要な場合

物資の運送を要請することができる。

要請に応じないときは、

指示することができる。

 (物資の売渡しの要請等)

第五十五条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な物資(医薬品、食品その他の政令で定める物資に限る。)であって生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送を業とする者が取り扱うもの(以下「特定物資」という。)について、その所有者に対し、当該特定物資の売渡しを要請することができる。

2 特定物資の所有者が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため特に必要があると認めるときに限り、当該特定物資を収用することができる。

3 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するに当たり、特定物資を確保するため緊急の必要があると認めるときは、当該特定物資の生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送を業とする者に対し、その取り扱う特定物資の保管を命ずることができる。

4 指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、特定都道府県知事の行う新型インフルエンザ等緊急事態措置を支援するため緊急の必要があると認めるとき、又は特定都道府県知事から要請があったときは、自ら前三項の規定による措置を行うことができる。

・特定都道府県知事は、

必要があると認める場合

物資の売渡し・保管を要請することができる。

要請に応じないときは、

強制的に買い取ることができる。

(埋葬及び火葬の特例等)

第五十六条 厚生労働大臣は、新型インフルエンザ等緊急事態において、埋葬又は火葬を円滑に行うことが困難となった場合において、公衆衛生上の危害の発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める期間に限り、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第五条及び第十四条に規定する手続の特例を定めることができる。

2 特定都道府県知事は、埋葬又は火葬を行おうとする者が埋葬又は火葬を行うことが困難な場合において、公衆衛生上の危害の発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは、厚生労働大臣の定めるところにより、埋葬又は火葬を行わなければならない。

3 特定都道府県知事は、埋葬又は火葬を迅速に行うため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の措置の実施に関する事務の一部を特定市町村長が行うこととすることができる。

・厚生労働大臣は、

必要があると認める場合、

特例を定めることができる。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou.html#Q2-2

(新型インフルエンザ等の患者等の権利利益の保全等)

第五十七条 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成八年法律第八十五号)第二条から第五条まで及び第七条の規定は、新型インフルエンザ等緊急事態(新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼしている場合に限る。)について準用する。この場合において、同法第二条の見出し中「特定非常災害」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態」と、同条第一項中「非常災害の被害者」とあるのは「新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者」と、「法人の存立、当該非常災害により相続の承認若しくは放棄をすべきか否かの判断を的確に行うことが困難となった者の保護、」とあるのは「法人の存立若しくは」と、「解決若しくは当該非常災害に係る応急仮設住宅の入居者の居住の安定」とあるのは「解決」と、「特定非常災害として」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態として」と、「特定非常災害が」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態が」と、同項並びに同法第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項及び第五項並びに第七条中「特定非常災害発生日」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日」と、同法第二条第二項、第四条第一項及び第二項、第五条第一項並びに第七条中「特定非常災害に」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態に」と、同法第三条第一項及び第三項中「特定非常災害の被害者」とあるのは「特定新型インフルエンザ等緊急事態における新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者」と読み替えるものとする。

(金銭債務の支払猶予等)

第五十八条 内閣は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等の急速かつ広範囲なまん延により経済活動が著しく停滞し、かつ、国の経済の秩序を維持し及び公共の福祉を確保するため緊急の必要がある場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときは、金銭債務の支払(賃金その他の労働関係に基づく金銭債務の支払及びその支払のためにする銀行その他の金融機関の預金等の支払を除く。)の延期及び権利の保存期間の延長について必要な措置を講ずるため、政令を制定することができる。

2 災害対策基本法第百九条第三項から第七項までの規定は、前項の場合について準用する。

(生活関連物資等の価格の安定等)

第五十九条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、国民生活との関連性が高い物資若しくは役務又は国民経済上重要な物資若しくは役務の価格の高騰又は供給不足が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、政府行動計画、都道府県行動計画又は市町村行動計画で定めるところにより、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律(昭和四十八年法律第四十八号)、国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)、物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)その他法令の規定に基づく措置その他適切な措置を講じなければならない。

(新型インフルエンザ等緊急事態に関する融資)

第六十条 政府関係金融機関その他これに準ずる政令で定める金融機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等緊急事態に関する特別な金融を行い、償還期限又は据置期間の延長、旧債の借換え、必要がある場合における利率の低減その他実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

(通貨及び金融の安定)

第六十一条 日本銀行は、新型インフルエンザ等緊急事態において、その業務計画で定めるところにより、銀行券の発行並びに通貨及び金融の調節を行うとともに、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を通じ、信用秩序の維持に資するため必要な措置を講じなければならない。

・内閣、指定行政機関の長、金融機関、日本銀行は、事業者・国民が経済的に困らないようにしないといけない。

第五章 財政上の措置等

(損失補償等)

第六十二条 国及び都道府県は、第二十九条第五項、第四十九条又は第五十五条第二項、第三項若しくは第四項(同条第一項に係る部分を除く。)の規定による処分が行われたときは、それぞれ、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。

2 国及び都道府県は、第三十一条第一項若しくは第二項(第四十六条第六項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による要請に応じ、又は第三十一条第三項(第四十六条第六項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による指示に従って患者等に対する医療等を行う医療関係者に対して、政令で定める基準に従い、その実費を弁償しなければならない。

3 前二項の規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。

(損害補償)

第六十三条 都道府県は、第三十一条第一項の規定による要請に応じ、又は同条第三項の規定による指示に従って患者等に対する医療の提供を行う医療関係者が、そのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となったときは、政令で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。

2 前項の規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。

(医薬品等の譲渡等の特例)

第六十四条 厚生労働大臣は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、新型インフルエンザ等対策の実施に必要な医薬品その他の物資を無償又は時価よりも低い対価で譲渡し、貸し付け、又は使用させることができる。

(新型インフルエンザ等緊急事態措置等に要する費用の支弁)

第六十五条 法令に特別の定めがある場合を除き、新型インフルエンザ等緊急事態措置その他この法律の規定に基づいて実施する措置に要する費用は、その実施について責任を有する者が支弁する。

(特定都道府県知事が特定市町村長の措置を代行した場合の費用の支弁)

第六十六条 第三十八条第二項の規定により特定都道府県知事が特定市町村の新型インフルエンザ等緊急事態措置を代行した場合において、当該特定市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなる前に当該特定市町村の長が実施した新型インフルエンザ等緊急事態措置のために通常要する費用で、当該特定市町村に支弁させることが困難であると認められるものについては、当該特定市町村の属する特定都道府県が支弁する。

(他の地方公共団体の長等の応援に要する費用の支弁)

第六十七条 第三十九条第一項若しくは第二項又は第四十条の規定により他の地方公共団体の長等の応援を受けた特定都道府県知事等の属する特定都道府県又は当該応援を受けた特定市町村長等の属する特定市町村は、当該応援に要した費用を支弁しなければならない。

2 前項の場合において、当該応援を受けた特定都道府県知事等の属する特定都道府県又は当該応援を受けた特定市町村長等の属する特定市町村が当該費用を支弁するいとまがないときは、当該特定都道府県又は当該特定市町村は、当該応援をする他の地方公共団体の長等が属する地方公共団体に対し、当該費用を一時的に立て替えて支弁するよう求めることができる。

(特定市町村長が特定都道府県知事の措置の実施に関する事務の一部を行う場合の費用の支弁)

第六十八条 特定都道府県は、特定都道府県知事が第四十八条第二項又は第五十六条第三項の規定によりその権限に属する措置の実施に関する事務の一部を特定市町村長が行うこととしたときは、当該特定市町村長による当該措置の実施に要する費用を支弁しなければならない。

2 特定都道府県知事は、第四十八条第二項若しくは第五十六条第三項の規定によりその権限に属する措置の実施に関する事務の一部を特定市町村長が行うこととしたとき、又は特定都道府県が当該措置の実施に要する費用を支弁するいとまがないときは、特定市町村に当該措置の実施に要する費用を一時的に立て替えて支弁させることができる。

(国等の負担)

第六十九条 国は、第六十五条の規定により都道府県が支弁する第四十八条第一項、第五十六条第二項、第六十二条第一項及び第二項並びに第六十三条第一項に規定する措置に要する費用に対して、政令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める額を負担する。

一 当該費用の総額が、第十五条第一項の規定により政府対策本部が設置された年の四月一日の属する会計年度(次号において「当該年度」という。)における当該都道府県の標準税収入(公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)第二条第四項に規定する標準税収入をいう。次号において同じ。)の百分の二に相当する額以下の場合 当該費用の総額の百分の五十に相当する額

二 当該費用の総額が当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の二に相当する額を超える場合 イからハまでに掲げる額の合計額

イ 当該費用の総額のうち当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の二の部分の額の百分の五十に相当する額

ロ 当該費用の総額のうち当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の二を超え、百分の四以下の部分の額の百分の八十に相当する額

ハ 当該費用の総額のうち当該年度における当該都道府県の標準税収入の百分の四を超える部分の額の百分の九十に相当する額

2 前項の規定は、第四十六条第三項の規定により読み替えて適用する予防接種法第二十五条の規定により市町村が支弁する同項の規定により読み替えて適用する同法第六条第一項の規定による予防接種を行うために要する費用及び当該予防接種に係る同法第十五条第一項の規定による給付に要する費用について準用する。この場合において、前項中「当該都道府県」とあるのは「当該市町村」と、「百分の二」とあるのは「百分の一」と、同項第二号中「百分の四」とあるのは「百分の二」と読み替えるものとする。

3 都道府県は、第四十六条第三項の規定により読み替えて適用する予防接種法第二十五条の規定により市町村が支弁する費用の額から前項において読み替えて準用する第一項の規定により国が負担する額を控除した額に二分の一を乗じて得た額を負担する。

(新型インフルエンザ等緊急事態に対処するための国の財政上の措置)

第七十条 国は、前条に定めるもののほか、予防接種の実施その他新型インフルエンザ等緊急事態に対処するために地方公共団体が支弁する費用に対し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

第六章 雑則

(公用令書の交付)

第七十一条 第二十九条第五項、第四十九条第二項並びに第五十五条第二項、第三項及び第四項(同条第一項に係る部分を除く。)の規定による処分については、特定検疫所長、特定都道府県知事並びに指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、政令で定めるところにより、それぞれ公用令書を交付して行わなければならない。ただし、土地の使用に際して公用令書を交付すべき相手方の所在が不明である場合その他の政令で定める場合にあっては、政令で定めるところにより事後に交付すれば足りる。

2 災害対策基本法第八十一条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

(立入検査等)

第七十二条 特定都道府県知事又は指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長は、第四十九条の規定により土地等を使用し、又は第五十五条第二項若しくは第四項の規定により特定物資を収用し、若しくは同条第三項若しくは第四項の規定により特定物資の保管を命ずるため必要があるときは、その職員に当該土地若しくは家屋又は当該物資若しくは当該特定物資の所在する場所若しくは当該特定物資を保管させる場所に立ち入り、当該土地、家屋、物資又は特定物資の状況を検査させることができる。

2 特定都道府県知事又は指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長は、第五十五条第三項又は第四項の規定により特定物資を保管させたときは、当該保管を命じた者に対し必要な報告を求め、又はその職員に当該特定物資を保管させてある場所に立ち入り、当該特定物資の保管の状況を検査させることができる。

3 前二項の規定により特定都道府県又は指定行政機関若しくは指定地方行政機関の職員が立ち入る場合においては、当該職員は、あらかじめ、その旨をその場所の管理者に通知しなければならない。

4 前項の場合において、その職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

5 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(特別区についてのこの法律の適用)

第七十三条 この法律(第四十八条第七項を除く。)の適用については、特別区は、市とみなす。

(事務の区分)

第七十四条 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務(都道府県警察が処理することとされているものを除く。)は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(政令への委任)

第七十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

第七章 罰則

第七十六条 第五十五条第三項の規定による特定都道府県知事の命令又は同条第四項の規定による指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長の命令に従わず、特定物資を隠匿し、損壊し、廃棄し、又は搬出した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第七十七条 第七十二条第一項若しくは第二項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

第七十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

・物資の保管命令に反した場合、

6か月以下の懲役か、30万円以下の罰金

・土地建物、物資の保管場所への立入検査に反した場合、

6か月以下の懲役か、30万円以下の罰金

連載「委託者の地位の承継に関する条項」について

(一社)家族信託普及協会代表理事 宮田浩司法書士の「委託者の地位の承継に関する条項」(「家族信託実務ガイド17号」日本法令2020.5)を読みました。

P60「委託者の地位は、相続により承継せず、委託者の死亡により消滅する。」、「委託者の地位は、委託者の死亡により消滅し、その相続人に承継されない。」―略―しかし、家族信託の実務においては、この条項を置くだけでは、残念ながら満点の回答にはなりません。―

P61「委託者の地位は、相続により承継せず、受益者の地位とともに移転する。」このように、委託者が死亡しても委託者の地位は消滅させずに、後継受益者が委託者の地位も受益者の地位(受益権)とあわせて承継する旨の条項を置くのが模範解答となります。―

1については、満点の回答になるかは措いて、私も利用していません。理由は不動産を信託財産に属する財産とする場合の、登録免許税法7条2項、地方税法第73条の7にあります[1]

2について、私の定め方は、次のようになります。

(委託者の地位)

第〇条 委託者は、次の各号の権利義務を受益者に移転する。

 ① 信託目的の達成のために追加信託をする権利義務    

 ② 受益権の放棄があった場合に、次の順位の受益者又は残余財産の帰属権利者がいないとき、新たな受益者を指定することができる権利

2 委託者は、受益者を変更する権利及びその他の権利を有しない。

3 委託者の地位は、受益権を取得する受益者に帰属する。

4 委託者が遺言によって受益者指定権を行使した場合、受託者がそのことを知らずに信託事務を行ったときは、新たに指定された受益者に対して責任を負わない。

宮田司法書士が模範解答とされている条項は、私の定める条項の3項にあたります。「相続により承継せず、」という文言は、この記事の文脈として、信託法90条1項1号の遺言代用信託を利用を前提としているため不要だと考えています。

1項1号については、追加信託を設定する義務は、信託法48条などを根拠として受益者に備わっているという考えも成り立ちます。当初から受益者に追加信託設定の義務があるとしても、その権利義務は受託者が信託事務を行うために必要な財産を補うためのものに限られる可能性があります。

受益者の固有財産の中のの余裕財産を信託財産に移す権利を排除しないために、委託者が信託当事者として持つ追加信託の権利を受益者に移転します。これにより受益者は、委託者から移転された権利と受益者に備わっている義務を根拠に追加信託を設定することができます[2]

1項2号では、委託者から受益者へ、受益権の放棄があった場合に次の順位の受益者または残余財産の帰属権利者がいないとき、新たな受益者を指定することができる権利を移転します(信託法89条)。信託法90条1項1号の遺言代用信託における委託者は、受益者変更権を有する(信託法90条1項本文)ので、利用できる場面を制限(信託法90条1項本文但し書)して、民事信託の安定を図ります。ただし、新たな受益者を指定する受益者(又は受益者代理人)が生存している場合に限り利用することができる権利であり、受益者が死亡した後に次の順位の受益者として指定されていたものが受益権を放棄した場合には利用することができません。

 2項では、委託者に信託設定後の権利を持たせないとします(信託法89条、90条など)。1項において受益者に移転した権利の他、委託者は信託設定によりその権利関係から外れることになります。

 3項は、信託財産に不動産がある場合における登録免許税を考慮した条項である 。また委託者の地位に関するリスクとして、委託者の地位が相続または第三者へ移転された場合、その地位の所在が不明となる可能性を取り除きます。

 4項では、受託者の免責事由を定めます(信託法89条3項)。遺言は単独行為であり、信託契約において禁止・制限しても委託者が行うことは可能です。


[1] 個別対応として、国税庁HP 信託契約の終了に伴い受益者が受ける所有権の移転登記に係る登録免許税法第7条第2項の適用関係についてhttps://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/sonota/03/besshi.htm

[2] ただし、不動産登記申請においては、この考え方は登記申請の構造上、登記されません。あくまで委託者として登記申請を行うことが求められています。

論説「遺言代用信託に関する諸問題の検討」について

三井住友信託銀行法務部の田中和明先生の論説「遺言代用信託に関する諸問題の検討」を読みました。(『市民と法122号』)民事法研究会2020。私が気になったのは、4 我が国における米国の撤回可能信託の実現可能性(P9~)です。

米国における一般的な民事信託の利用方法である、撤回可能信託のような効果を日本において、自己信託で出来ないか検証しようというものです。受託者、または他の者を第2受益者とすれば、自己信託設定時において委託者と受託者と受益者が同じ人でも良いとされています。

田中和明先生の考えには同意です。同じ意見です。しかし、私が規制改革推進会議に照会したところ、返答は否でした。残余財産受益者も第2次受益者も、信託法90条1項の遺言代用信託であれば、現在の国の考えは同じです。

公証人役場とも協議を続けましたが、現状は無理だと分かったので、少し違うやり方を取りました。

法制審議会臨時委員(信託法部会)の委員でもあった田中先生が、法務省の見解を変えてくれることを願っています。

平成31年1月25日東京地方裁判所判決

平成31年1月25日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成29年(ワ)第32855 号 信託契約有効確認請求事件
口頭弁論終結日平成30年11月30日

判決
(略)
原 告 X
同訴訟代理人弁護士 ×××× 同×××××
(略)
被告Y
同訴訟代理人弁護士 ×××× 同×××××
主文
1原告が被告との間で平成29年5月23日に締結した別紙契約目録記載の株式管理処分信託契約が効に存在することを確認する。
2訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由
第1請求主文同旨
第2事案の概要


本件は、香港に本店が所在する外国会社である×××××HoldingsLimited(以下「0社」という。)の株主である原告が0社の株主であり実妹である被告に対し、原告と被告との聞の平成29年5月23日付け株式管理処分信託契約書(以下「本件信託契約書」という。)をもって締結された株式管理処分信託契約(以下「本件信託契約」という。)が有効であることの確認を求める事案である。
1前提事実(争いのない事実、顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)当事者等
ア原告(昭和42年9月1日生)は、A(以下「A」という。)と亡Bの子であり、被告(昭和44年9月10日生)は、Aらの子であり、原告の実妹である。
イ0社は、香港に所在する法人であり、その株式のうち40億7130万6841株(発行済株式総数の約43. 5%)を原告が保有し、うち9億1612万7910株(発行済株式総数の約9. 8% 。以下「本件被告株式」という。)を被告が保有し、うち43億4214万7372株(発行済株式総数の約46.4%)をAが保有している。(甲1)ウ株式会社××××××××××××××××(以下「U社」という。)は、東京都××区を本店所在地とする会社であり、その株式のうち5445 万 2500(発行済株式総数の約67. 9%)を0社が保有している。(甲2)
(2)本件信託契約書の作成
ア 原告及び被告は、平成29年5月23日、銀座公証役場において、東京法務局所属公証人××××(以下「本件公証人」という。)の面前で、別紙契約目録記載の条項が記載された本件信託契約書の署欄にそれぞれ署名、押印した。(甲3)
イ0社の株主名簿においては、平成29年8月14日付けで、被告から原告に対し、本件被告株式に相当する0社株式9億1612万7910株が譲渡された旨の名義書換がされている。(甲4)
(3)本件訴訟に至る経緯及び香港における裁判
ア 被告は、平成29年9月20日、原告に対し、本件被告株式を譲渡したことはない旨記載した内容証明文書を送付し、同月21 日、同文書が被告に到達した。(甲5)
イAは、原告及び0 社を相手方として、香港の裁判所において、Aが0社の取締役を解任されたことの効力を争う訴訟を提起し、被告も、原告及び0社を相手方として、香港の裁判所において、被告が本件被告株式を保有していること、被告から原告に対する本件被告株式に相当0する社株式の譲渡が不当威圧又は衡平法上錯誤により無効とされたものであることの確認を求めるとともに0社の株主名簿の訂正を求める訴訟を提起しており(以下、香港の裁判所に提起された両訴訟を「別件香港訴訟」という。)、別件香港訴訟はいずれも香港の裁判所に係属している。
ウ 別件香港訴訟のうち、被告が原告及0び杜を相手方として本件被告株式の保有の確認等を求めた訴訟について、香港高等裁判所は、平成30年10月19
日、本件信託契約書に東京地方裁判所を専属的合意管轄とする旨の条項があることに照らし、本件訴訟の確定まで同訴訟の手続を停止する旨の判断をした。


2争点及び争点に関する当事者の主張
(1)本件訴訟の適法性(本案前の答弁)
(被告の主張)
ア 本件信託契約は有効に成立しておらず、その管轄の定めも無効であるから、その管轄権は香港の裁判所にある。
また、被告が本件被告株式を0 社に主張するには、0社の株主名簿に株主として記載される必要があるところ、被告は香港の裁判所に同請求をしなければならず、本件訴訟と争点が一同の訴訟を並行して進行させなければならない。このような判断矛盾のおそれや訴訟不経済を回避するため、日本における管轄権は否定されるべきであるから、民事訴訟3法条の9により、本件訴訟は却下されるべきである。
イ仮に、本件訴訟の管轄が東京地方裁判所に認められる場合であっても0、社の株主名簿においては、原告が本件被告株式の株主と記載されているのであるから、原告と被告との聞で本件信託契約の有効性を確認する必要はない。
(原告の主張)
ア本件信託契約では日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意をしており、民事訴訟法 3 条の9により却下されることはない。また、被告が香港の判所裁に提起した訴えについては、本件訴訟の確定までその手続を停止する手続がとられている。
イ被告は本件信託契約の効力を争っており、原告と被告との間で本件信託契約の有効性を確認する利益がある。
(2)本件信託契約の成否
(原告の主張)
原告及び被告は、公証人の面前で本件信託契書約に署名、押印をしており、同契約書記載の条項による本件信託契約が意思表示の合致により成立しているし、被告は、本件信託契約の締結に当たり、その内容を十分に理解している。
(被告の主張)
被告は、本件信託契約の内容、意味、目的を理解せず本件信託契約書に署名、押印したにすぎず、契 約そのものが有効に成立しているとはいえな。い
(3)本件信託契約における錯誤の有無
(被告の主張)
本件信託契約は、本件被告株式の管理処分権を原告に付与し、原告に議決権を行使させることにより0社の支配権を確保し、U社の取締役からAを解任する目的でされたが、被告はこれらの目的を本件託契約書の作成時に同席していた弁護士から説明を受けずA、がU社で不正行為をし、本件信託契約書を作成しなければU社が倒産する旨を述べられ、本件信託契約の内容のほか、原告0が社の議決権を行使し、U 社の取締役であるAを解任するといった目的、本件信託契約の信託期間30が年間であり、同期間内は原告の承諾なしに解除できないことなどの説明を受けていない。とれらの本件信託契約の仕組み、内容、効果、目的は信託契約を締結しようとする者ってにと重要な事項であり、要素の錯誤になる。
(原告の主張)
被告は、本件信託契約の内容を十分理解した上で署名、押印したのであり、被告の表示行為と意思との聞に食い違いはなく、被告の意思表示に錯誤はない。
すなわち、原告は、被告に対し、本件信託契約書に署名、押印しなければU社が倒産する旨説明したことはない。仮に、被告が本件信託契約の締結に当たりそのような認識を有していたとしUて社もが、設置した特別調査委員会ではA
の不正行為が認定されておりA、が香港で逮捕されるなどしていたのあるから、A がU 社や0 社の取締役にとどまっていた場合にはU 社及び0社の企業価値が殴損されるおそれがあったことは明らかであり、原告及び被告は、そのような事態を未然に防止するべく本件信託契約を締結しているのであり、被告の主観と客観との聞に翻師があるとはいえず、錯誤もない。
また、被告の主張する錯誤の内容は、いずれも本件信託契約の締結に至る動機にすぎず、に表示されていない以上、要素の錯誤とはならなし、から、その髄離をもって錯誤があるとする主張自体 失当である。
(4)本件信託契約における詐欺の有無
(被告の主張)
原告は、被告に対し、AがU社の経営に関して不正な行為を行ったことによUり社が深刻な状態であり、本件信託契約書に被告が署名しないUと社が倒産する旨虚偽の事実を告げて欺岡し、これを信たじ被告に本件信託契約を締結させたのであるから、その取消しを免れない。
(原告の主張)
原告は、本件信託契約の締結に当たり、被告を欺岡しておらず、そのような故意もなく、被告の錯誤も存在しない。
(5)本件信託契約の公序良俗違反該当性
(被告の主張)
ア本件信託契約は、被告の利益を確保するために締結されたとしながらも、株主の議決権というその行使が株主の裁量にゆだねられた一身専属的な意味をもっ権利を原告に付与する目的でされたものであり、その意味で、本件信託契約は会社法等において予定されていない議決権のみを第三者に譲渡する目的でされており、このような信託目的は許容されるべきものではない。
イまた、本件信託契約は、①信託期聞が30年であるが、被告が原告の承諾なくこれを解任することができない、②被告が本件信託契約を解除する権利がない、③原告が信託の目的を達するために必要がある場合に利益相反行為をすることができる、④原告はその裁量で議決権を行使でき、被告に指図権がなく、これにより被告に生じる損害につい責て任を負わない、⑤原告がその裁量で株式を処分でき、被告に指図権がなく、これにより被告に生じる損害について責任を負わない、⑥信託の変更(信託法149条3項)が適用されないものであり、これらの条項は、被告にとって、一方的に著しく不利なものである。これに対し、原告は、本件信託契約により0社を通じてU社の経営支配権を30年にわたり対価を支払うことなく保持できる利益を得られる。
ウこのように、本件信託契約は、不当な目的をも、っ被て告に著しく不利であり、か二っ原告に著しく有利なものであり、被告の信頼や無知につ吋こんで締結させたものであることからも、公序良俗に反し無効である。
(原告の主張)
ア 本件信託契約の目的は、0 社の企業価値の按損を防止し、0社の利益の最大化を図ることであり、同目的が達成されることにより株主である被告の利益にも資することとなるから、その目的が公序良俗に違反するとはいえない。
イ また、本件信託契約の内容も、次のとおり、信託法で認められているものであり、公序良俗違反を基礎づけるものではない。
(ア)信託法91条の文言からすれば、30年を信託期間とする信託の存在を信託法が予定しているものといえる。
(イ)信託法58条3項は信託行為に係る受任者の解任を制限する定めを設けることができることを、同法164条3項は信託の終了を制限する合意をすることができることを、3同1法条2項1号は同条l項に定める利益相反行為を受託者が行うことを許容する定めを設けることができることをそれぞれ定めている。
(ウ)信託法において、委託者ないし受益者が受託者に対して指図権を有していなければならない旨の定めはなく、むしろ、指図権を付与することなく、特定の受託者に議決権を集約する株式の信託は、広く一般的に行われている。
(エ)信託法 29 条 2 項ただし書は受託者の注意義務の程度を軽減できる定めを設けることができることを、同法149条4項は同条3項の委託者及び受益者による信託の変更の適用を排除する定めをることができることをそれぞれ定めている。
ウ このように、本件信託契約は、公序良俗に違反するものではない。


第3当裁判所の判断
1認定事実
前記前提事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件については、次の事実を認定することができる。
(1)当事者等
アU社は、遊戯機器及び遊技機器に関連する原材料、部品、半製品、電子応用機器等の製造、売買あっせん、賃貸借及び管理等を目的とす、東る京証券取引所ジャスダックに上場している会社であり、その発行済株式総数8019万5000株)のうち5445万2500株を0社が保有している。Aは、昭和44 年にU社の前身である××××××リース株式会社を立ち上げ、平成29年6月29日に退任するまでの問、U社の取締役を務めた。(甲2、7、19、乙9)
イ原告は、平成3 年にU社に入社し、直後から平成6年まで銀行に出向し、同年にU社に戻り、平成14 年から平成20 年までU社を離れたが、同年にU社の取締役に就任し、平成27年6月26日に退任するまでの問、U社の取締役を務めた。(甲7、19)
ウ被告は、専門学校を卒業した後、××××××販売株式会社に入社し、同社において請求書や領収書の作成など経理業務に従事していたほか、平成10年頃に実母の死亡後には犬のブリーダーの仕事をするなどしていたが、平成27 年頃に同ブリーダーの仕事を中断した以降は仕事をしていない。告は、Aが多忙であり、実母が入退院を繰り返していたことか、ら原告が被告の面倒を見る機会がく、特に実母が平成 10 年 5
月に死亡した後は、原告とメーノレのやり取りや会食を頻繁に行うなど緊密な関係を築くようになり、原告を強く信頼していた。(19甲、乙9、原告本人、被告本人)
(2)原告と被告との聞の本件信託契約書作成に至る経緯
ア 原告は、平成27 年 6 月にUヰ土の取締役を退任した後もU 社の関係者と接触を続けており、平成28 年の中頃には、AをU社及び0社の取締役から解任しなければ、U社及び0社の社会的信用が低下するほか、その財産をAが流出させるなど、その企業価値を按損するおそれがあると考えるよう平成29年初頭頃までの問、上記事態を避ける方法について弁護士に相談するなどした。その結被告から原告に本件被告株式を信託譲渡し、原告が本件被告株式の議決権を行使し、被告が配当などの利益を収受できるようにすることにより、0社及びU社の企業価値の鞍損を防止することができると考えるようになり、またA、が信託譲渡を翻意させるために執劫に被告に接触することが予想されたことから、同信託譲渡を被告から解除できないようにすることによAの被告に対する接触等に対応する被告の負担を避けられると考えるようになった。(甲19原告本人)
イ原告は、平成29年2月頃、ハワイに滞在していた被告に電話をし、上記アの考えから、本件被株式を原告に信託譲渡することによって、被告に負担をかけずAにを0社の取締役から解任できるなどとして、その手続をするために協力を求め、被告の了承が得られたことから、被告がハワイから帰国する同年3月2日に面会する旨の約束をした。(甲19、原告本人)
ウ原告は、平成30年3月2日、ハワイから日本に帰国し、東京都港区内のホテルに滞在してい告と同ホテルの客室で面会し、原告の弁護士が作成した株式管理処分信託契約の内容を説明するための「信託契約に関する手控え」と題するメモ(以下「本件信託契約メモ」という。甲11)を見せながら、Aの不正行為が明らかになるなど0社及びU社の企業価値の按損されるおそれがある場合にはAを0社の取締役から解任すべきであること、その時に被告に負担をかけないように、本件被告株式を告に譲渡し、その議決権を原告が行使できるようにすること、配当などの経済的利益については被告が引き続き受け取れるようにしておくことを説明し、同日付けの原告の弁護士が作成した本件信託契約書と同じ条項が記載された株式管理処分信託契約書(甲10)への署名を求めた。本件信託契約メモは、「信託契約の概要」として、本件被告株式を原告に信託し、経済的受益権については原告を通じて被告が受けられるが、議決権については原告が信託契約に基づいて行使することとなる旨記載され、「目的」として、0社の価値の按損を防止し利益の最大化を図る旨記載され、「その他信託契約の重要条項の補足説明」には、「受託者の注意義務」として、自己の財産に対するのと同ーの注意義務もって管理する旨が、「処分」として、原告が信託の目的に従い本件被告株式を処分できる旨が、「無報酬」として、無報酬である旨が、「解任、解約、終了」として、被告が原告の同意なく原告を解任できず、信託期間中信託契約を解除できず、原則として信託契約満了により終了する旨が、「信託期間」として30年である旨が、「配当金の支払い」として、原告が本件被告株式の配当金等を収受る都度原告に支払う旨が、「計算」として、原告が年度ごとに損益計算書を作成する旨が、「費用負担」として、事務遂行費用を被告負担とする旨がそれぞれ記載されている。
また、原告は、被告に対し、原告が本件被告株式と原告の保有する0社の株式について、それらの議決権及び株主として有する一切の権利・権限を原告が行使し、その有効期間を2年間(ただし、当事者間で合意した場合には適宜更新する。)とすること、別途株式管理処分信託契約が有効に成ている場合には同信託契約が本契約に優先する旨の記載がある株主間契約書(乙8)についても、署名するよう求めた。
被告は、原告から示された同日付け株式管理処分信託契約書及び株主間契約書に署名し、各契約書を原告に交付するとともに、本人確認のためにパスポートの撮影を行わせた。(甲10、11、19、乙3、8、9、原告本人、被告本人)
エ原告は、上記ウで撮影した被告のパスポートの写真が不鮮明であったことから、平成29年3月3日朝、被告が滞在するホテルを訪れ被告からパスポトーを借り受け、そのコピーを作成したほか、告が実印を有していなかったことから、被告が同月8 日に再来日する際に実印を持参してもらう約束をし、同月9日、再来日した被告と会い、同月2日付け株式管理処分信託契約書(甲10)及び株主間契約書(乙8)に押印してもらい、併せて同9月日付け印鑑登録証明書(甲14)の交付を受けた。(甲10、14、19、乙3、8、原告本人、被告本人)
オ原告は、平成29年4月頃、U社内でAの不正行為について調査を開始しようとしている旨の情報を得たことから、0社及びU社の企業価値の按損を防ぐため、Aを0社及びU社の取締役にとどめるべきではないと考え、被告に対し、その旨を伝えその同意を得たことから、同年5月12日付けで、原告が指定する2名の者をそれぞれ0社の取締役に選任する旨の書類(甲25の1・3)に同文書の和訳(甲25の2・4)を示した上で署名を求め、さらに、Aにつき0社の取締役から解任する旨の書類(甲26の1)にその和訳(甲26の2)を示した上で署名を求め、いずれの書類にも被告の署名を得た上で、これらの書面を利用して同日付けAでを0社の取締役から退任させた。
原告は、同日午後10時36分頃、被告に電子メールで「今日戦争が始まりました。本人、親戚関の電話は出なくとも大丈夫です。」と伝え、被告は、同日午後10時43分頃、原告に対して電子メールで「戦争親父ですか?。。さんの件も微妙でしょうか?」と回答するなどしていた。(甲19、20の1 • 2、同25の1~・4、同26の1・2、27、原告本人、被告本人)
カ原告は、平成29年5月中旬頃、弁護士から、0社の株主名簿の書換手続を行うためには、日本の公証役場において署名認証を受けた信託契約書を英語で記載された契約書とともに締結し直した方がよい旨の助言を受けたことから、同月19日,被告に電話で公証役場において信託契約を締結しす旨提案し、被告の了承を得たことから、同月21日、被告に対し、同月23日午後2時30分に公証役場を予約したこと、同日午後2時までに東京駅で待ち合わせをすること、署名及び実印による押 をするために実印、運転免許証及びパスポートを持参する必要があることを電子メーノレ及び、電話で伝えた。
原告は、同月23日午後2時頃、被告と東京駅で落ち合い、銀座公証役場に移動する車中で約20分間をかけ、被告に対し、公証役場において、同年3月2日に締結した信託契約と同内容の本件信託契約書に公証人の面前で署名、押印することを説明し、被告も了承したことから、銀座公証役場に行き、同所で原告の弁護士から約30分程度、当日の手続や本件信託契約書の各条項の説明がされ、その後、本件公証人の面前で、本件信託契書に約署名、押印したほか、本件公証人の面前で、被告の住所地を住民票上の住所地とした本件信託契約書と同内容の株式管理処分信託契約書(乙4の1)、英文で作成された本件信託契約書と同内容の契約書(5乙の1・2)に署名、押印し、併せて、上記ウの原告と被告との間の同年3月2日付け信託契約を合意解約する旨の合意解約書契(Z 6)に署名、押印した。
被告は、上記各書類作成後、原告とともに被告の印鑑登録証明書(甲15)を取得し、同証明書を原に交付した。(甲3、15、19、21、乙3、4の1・2、同6、9、原告本人、被告本人)
(3)本件信託契約書作成後の事情
アU社は、平成29 年6月8日、同年5月23日に臨時株主総会が開催され、同株主総会においAてほか1名の取締役による不正な行為がされた疑いがある旨の報告がされたこと、Aほかl名の取締役の業務執行権を停止した上で社内調査を実施したこと、同社内調査の結果としAらがAの利得を図る目的でU社の子会社から第三者へ約19億1700万円の社内手続に違反する貸付けをした疑いがある旨の報告がされたこと、更なる調査のために特別調査委員会を設置したことをそれぞれ公表した。(甲6)
イU社は、平成29年8月30日、上記アの特別調査委員会の報告書を公表するとともに、Aが平成27年2月から3月にかけて、0社の第三者に対する貸金債権を回収し、美術品代金の支払という個人的な用途に充てる資金を得るためU社の子会社をして、無担保、無利息で、第三者に対して約20億円の貸付けを行わせ、同貸付けが0 の利益、ひいてはA 個人の利益を図る目的で行われたものであり、当該U 社の子会社に約20億円の経済的損失を与えたものと評価できる旨公表し、併せてA、による同年5月11日の当該U社の子会社の2億円相当の小切手の振出、同年11月又は12 月頃の当該U社の子会社の完全子会社の担保提供行為が、0社の利益、ひいてはA個人の利益を図る目的で当該U社の子会社又はその完全子会社に経済的損失を与えたものと評価できる旨公表した。(甲8)
ウAは、平成29年9月14日、東京都内で記者会見を聞き0社の代表を解任された後、被告と交を始め、話し合いを経て和解し、その支持が得られたことから0社の取締役に復帰する手続をとっていること、U社の経営にも復帰し、U社の取締役及び監査役の解任を求める臨時株主総会の開催を求めていることなどを公表した。(甲9)
2争点(2)(本件信託契約の成否)について
被告は、本件において別件香港訴訟が係属していることを理由に本件訴訟の適法性を争うところ、本 件信託契約においては当庁を専属的合意管轄とする定めがあることからすれば、本件信託契約の有効性の判断を先行し、その後に本件訴訟の適法性の判断をするものとする。
(1)前記前提事実(2)ア及び上記1(2)カ認定のとおり、原告は、平成29年5月23日、被告との聞で、本件信託契約書をもって別紙契約目録記載の条項による本件信託契約を成立させたものと認められる。
(2)これに対し、被告は、本件信託契約の内容、意味、目的を理解せずに被告が本件信託契約書に署名、押印したとして、契約そのものが成立していない旨主張し、被告の陳述書(9)乙には、これに沿う供述部分がある。
しかし、上記1(1)ウ認定のとおり、被告は、専門学校を卒業後、経理業務に携わるなどの経験を有していたことからすれば、契約の内容について何ら理解することなく、原告から言われるがまま本件信託契約書の内容を一切確認することなく署名、押印すること自体不自然であるといわざるを得ない。
そして、上記1(2)ウないしオ認定のとおり、原告は、平成29年3月2日、被告に対し、本件信託契約と同一内容の条項の記載がある株式管理処分信託契約に係る契約書のほか、その内容を説明するための本件信託契約メモを弁護士に作成準備させ、これを示しながら、被告に原告に対する本件被告株式の信託譲渡をすることを内容とする上記信託契約の内容を説明した上でその署名、押印を求め、被告も同説明を聞いた上で、同契約書に署名、押印していたのであり、本件信託契約メモの記載は、本件被告株式を原告に信託譲渡し、その議決権の行使を原告が行うが、経済的利益については被告に帰属することのほか、同信託契約においては、原告の注意義務が軽減されること、原告が処分をできること、無報酬であること、被告の解任権、解除権が制限され、信託期間が30年であること、原告から配当金の支払がされること、年度ごとに計算書類の作成を要すること、被告が事務遂行費用を負担することといった重要な内容を理解することができる内容であるから、これを一読すれば、同信託契約の仕組みや内容を把握できるものといえる。
さらに、被告自身、 上記信託契約を締結後に、Aを0社の取締役から解任する旨の書類に署名し、同年5月12日には、原告がAとの間で0社の支配権をめぐる紛争が存在していることを認識していることを示すメールを送信している。
加えて、上記1(2)カ認定のとおり、原告は、本件信託契約の締結前に電話で公証役場において本件信託契約を締結する必要がある旨を説明して持参するものの連絡をすませ、銀座公証役場にかう車中においても、従前の信託契約と同一
内容の本件信託契約を締結し直す旨を説明していたのであり銀座公証役場においても、原告の弁護士から被告に対して一定時間をかけて当日の手続及び契約内容の説明がされたのであり、これらの事実からすれば、被告は、本件信託契約が原A告をに0社及びU社の取締役から解任するための手段を与えるためにされたものであり、原告がそのことをもって0社及びU社の企業価値の毀損を防止できると考えていること、やそのために本件被告株式を信託譲渡し、その議決権を原告にゆだねるものであるほか、その信託期間や被告の解任権、解除権が制限されるほか、原告の責任内容が軽減されているといった契約内容についても認識していたものと認めることができる。
以上からすれば、本件信託契約の締結に至った告披が、本件信託契約書の署名、押印に当たり、本 件信託契約の内容、意味、目的を理解しないまま本件信託契約書に署名、押印した旨の被告の陳述書における供述部分を採用することはできず、他に同事実を認定するに足りる証拠もないから、被告の本件信託契約が成立していない旨の主張を採用することもできない。


3争点(3)(本件信託契約における錯誤の有無)及び争点(4)(本件信託契約における詐欺の有無)について

(1)被告は、本件信託契約が、原告に0社の支配権を確保させ、AをU社の取締役から解任する目的でされたにもかかわらず、被告がこれらの目的を認識しておらAずが、U社で不正行為をしており本件信託契約書を作成しなければU社が倒産する旨を述べられたことを信じ、かつ、本件信託契約の仕組み、内容、効果、目的について説明されることなく、認識しないまま本件信託契約の締結の意思表示をしたのであり、要素の錯誤がある旨主張する。
しかし、上記2(2)のとおり、被告は、本件信託契約が原告にO社にの支配権を与え、Aを0社及びU社の取締役から解任できる手段を与えるものであることを認識し、また、本信託件契約の内容についても認識した上で、本件信託契約を締結したものと認められ、その動機と表示との不一致があるとはいえない。
そうすると、被告が本件信託契約の締結に当たり本件信託契約の目的が締結の動機になっていることを原告に表示したか否かにかかわらず、被告の本件信託契約締結の意思表示に錯誤がある旨の被告の主張は採用できない。
(2)また、被告は、原告が被告に対して、AがU社の経営に関して不正な行為を行ったことによりU 社が深刻な状態であり、本件信託契約書に被告が署名しないとU社が倒産する旨虚偽の事実を告げて詐岡し、これを信じた被告に本件信託契約を締結させた旨主張し、被告の陳述書(乙9)には、AがU社の取締役として行った行為が違法であるかが争われたものの、同紛争によってU社の業績が悪化しなかったことをもって虚偽の事実を告げられたかのように供述する部分がある。
しかし、上記2(2)のとおり、被告が本件信託契約の締結時に契約内容やその目的を認識した結に至ったものと認められ、その契約締結に当たり錯誤があったということはできな。いまた、上記1(3)ア及びイ認定のとおりU社は、Aの不正行為の疑いを公表するに当たり、その不正行為のに係る調査結果を公表するとともに、A 及び不正行為に加担したとされる取締役1名の業務執行権を停止させた旨を公表しており、このような対応がAの不正行為の疑いを公表することによるU社に対する社会的信用の低下を最小限にとどめ、その企業価値の殻損を防ぐための措置であったといえ、上記1(2)ア認定のとおり、原告がこのような措置を講じる手段を得るべく本件被告株式の信託譲渡を企図したことも考慮すれば、Aの不正行為の疑いを公表した際にU社の業績に被告が考えていたほどの悪影響が生じなかったとしても、それが正に原告による上記対応の効果であったものと考えらることからすれば、業績悪化の有無自体のみから、被告が虚偽の事実をもって欺問されていたと認めることはできず、他に、被告が虚偽の事実を告げられ欺岡されていたことをうかがわせる事情を認めるに足りる証拠もない。
したがって、原告が被告を欺岡していた旨の被告の主張は採用できない。
4争点(5)(本件信託契約の公序良俗違反該当性ついて)
(1)被告は、議決権のみを第三者に譲渡する目的が信託法により許容されていないにもかかわらずそのような目的で本件信託契約が締結されたことが公序良俗に違反す主る張す旨る。
しかし、自然人である株主聞においては、その支配権を特定の株主に帰属させるべく株式等を譲渡することが禁止されておらず、また、その目的を実現するために信託譲渡による方法を用いることを信託法も制限していないのであって、同目的のみからその信託譲渡が不当であるなどとはいえない。
(2)また、被告は、本件信託契約において、①信託期間が長期であり、被告の解任権がないこと、②被告の解除権がないこと、③原告が利益相反行為をすることができること、④原告の議決権行使について被告の指図権がないこと、⑤原告が株の式処分権を有すること、⑥信託の変更(信託法149法条3項)が制限されていることが、著しく不利な条項であるとして、本件信託契約が公序良俗違反である旨主張する。
しかし、被告が問題視する本件信託契約の内容のうち、①のうち解任権の制限、②(解除権の制限)、③(利益相反取引)及び⑥(信託の変更の制限)つにいては、当事者間で別段の定めをすることを信託法自体が明文で許容しており(信託法29条2項ただし書、31条2項1号、58条3項、149条4項、164条3項)、①のうち信託期間を30年とすること自体は信記法91条の文言からすれば、同法が予定ているものといえ、その期間のみを捉えて不当と評価することもできな。
そして、本件信託契約の内容のうち④(指図権の不存在)及び⑤(処分権の付与)についても、信託法においてそのような制限を合意で設けることが禁止されておらず、他に当事者聞において、上記制限を内容とする信託契約の締結を制限する根拠となるものも見当たらない。
このように、被告が問題視する本件信託契約の内容は、いずれも信託法に違反するものではなく、他にそのような条項の存在のみから、本件信託契約が公序良俗に反することをうかがわせる事情を認めるに足りる証拠もない。
かかる事情からすれば、本件信託契約における上記各条項が存在することのみから同契約全体が公序良俗に違反しているとはいえない。
なお、被告は、原告が被告の無知や原告に対する信頼に乗じて本件信託契約を締結したなどと、その契約締結時の状況も含めて公序良俗に違反するかのような主張をするが、上記2(2)のとおり、被告が本件信託契約の締結時に契約内容やその目的を認識した上で、締結に至ったものと認められ、原告が被告の無知やその信頼に乗じて契約を締結させたなどということもできない。
(3)したがって、本件信託契約が公序良俗に反し無効である旨の被告の主張は採用できない。


5争点(1)(本件訴訟の適法性)について
(1)被告は、別件香港訴訟が係属していることから、本件訴訟については、民事訴訟法3条の9によって、却下するべきである旨主張する。
しかし、上記2ないし4のとおり、原告と被告との聞では、本件信託契約に起因し、又は関連す 一切の紛争について、当庁を第一審の専属的合意管轄裁判所とする定めのある本件信託契約が有効締結されていることからすれば、民事訴訟法3条の9は適用されないから、被告の上記主張は失当である。
(2)また、被告は、0社の株主名簿において、原告が本件被告株式の株主と記載されているのであから、原告と被告との間で本件信託契約の有効性を確認する必要はない旨主張するが、前記前提事実(3)及び上記l(3)ウ認定のとおり、原告と被告との聞の本件信託契約の有効性に係る紛争を基礎に、原告と被告及びAとの間で、0社及びU社の支配権に係る複数の紛争が生じていることが明らかでって、0社の株主名簿上の本件被告株式の名義人が原告とされていることを理由に、本件信託契有効性を原告と被告との間で確認する利益が失われているなどということもできない。
(3)したがって、本件訴訟が不適法である旨の被告の主張は採用できない。
第4結語
よって、原告の請求は、理由があるからこれを認容することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第14部
裁判官小島清二


別紙契約目録
Y(以下「委託者兼受益者」という。)及Xび(以下「受託者」という。)は、委託者兼受益者の保有する×HoldingsLimited (中文名:××××有限公司。住所・××××××××,××××××,HongKong,以下「本会社」という。)の株式を信託するととについて2017年5月23日(以下「本締結日」という。)、以下のとおり株式管理処分信託契約(以下「本信託契約」という。)を締結する。
第1章総則
第1条(目的)
委託者兼受益者及び受託者は、本会社の価値の殻損を防止し、本会社の利益の最大化を図ることを目的として、本信託契約を締結する。
第2条(信託契約の締結)
1.委託者兼受益者は、委託者兼受益者が保有する本会社株式916, 127, 910株(以下「本株式」としう。)の管理及び処分を目的として信託し、受託者は、本株式を信託財産としてこれを引き受ける(以下「本信託」という。)。
2.委託者兼受益者及び受託者は、受託者は信託の引受けを、本信託に限り行うものであって、信託の引受けを反復継続して行う意図を有さず、信託の引受けを営業として行うものではないことを確認する。
3 . 本信託の存続期間は、本締結日から30年(以下「本信託期間」という。)とする。
第3条(信託財産の移転)
1.委託者兼受益者は、本締結日において、受託者に対し、本株式を信託譲渡する。
2.委託者兼受益者及び受託者は、本締結日において、別紙に添付するINSTRUMENT OF TRANSFER に署名する。両者署名後のINSTRUMENT OF TRANSFERは、受託者が保管するものとする。
3.委託者兼受益者及び受託者は、本信託契約締結後速やかに、本株式の委託者兼受益者から受託者への名義書換及び株主名簿への記載その他本信託を有効に行うために必要となる全ての手続を共同して行うものとする。委託者兼受益者は、当該手続において、受託者の指示に従うものとする。本株式 については、名義人を受託者とする。
第2章信託財産の管理・処分
第4条(受託者の注意義務)
受託者は、本信託契約に従い、自己の財産に対するのと一同の注意義務をもって信託財産の管理を行う。
第5条(利益相反行為)
受託者は、本信託の目的を達成するために必要があるときは、本信託契約の定めに従って、信託法(平成18年12月15日法律第108号、その後の改正を含む。以下同じ。)第31条第1項に定める利益相反行為を行うことができる。
第6条(分別管理)
受託者は、信託財産について、法令等に従い、固有財産から分別して管理するものとする。
第7条(議決権行使等)
1.受託者は、本信託の目的に従い、その裁量により、本株式に係る議決権その他株主として本会社に対し有する権利(以下本条におい「議決権等」という。)を行使するものとする。
2.委託者兼受益者及び受益者は、本株式に係る議決権等の行使について、受託者に対し指図権を有しないものとし、受託者は、前項に従い本株式に係る議決権等を行使する限り、これによって委託者兼受益者、受益者又は信託財産に生じる損害等について、一切責任を負わないものとする。
第 8 条(信託財産の処分)
1.受託者は、本信託の目的に従い、その裁量により、信託財産である本株式を処分できるものとする。
2.委託者兼受益者及び受益者は、本株式に係る処分について、受託者に対し指図権を有しないものとし、受託者は、前項に従い本株式を処分する限り、又は処分しないことによって、委託者兼受益者、受益者又は信託財産に生じる損害等について一、切責任を負わないものとする。
第3章受託者
第9条(受託者)
1.受託者の信託報酬は無償とする。
2.受託者は、受益者に対して30日前に書面による通知を行うことにより、辞任することができる。
3.委託者兼受益者及び受益者は、信託法第58条第l項の規定にかかわらず、受託者の書面によ前の同意がない限り、受託者を解任することはできない。
4.受託者の任務は、信託法第56条第1項第3号に定める事由が生じた場合においても終了しないものとする。
第4章受益者
第10条(受益権)
1.本信託の受益権は、受託者の事前の書面による承諾がない限り、譲渡、質入、その他一切の処分の対象とすることができないものとする。
2.受託者は、木信託の受益権について、受益権証書を発行しいなものとする。
第11条(受益者)
本信託の受益者は、本信託契約締結時においては委託者兼受益者をいうものとし、受益権の・譲承渡継があった場合には、これにより譲受け、承継した者をいうものとする。
第 12 条(配当金の支払等)
受託者は、本株式の配当金その他の収益を、それらを収受する都度、受益者に支払うものとする。なお、受託者は、本株式の配当金その他の収益については、第4条に従い、本会社の置かれた固有の事情に照らして合理的と考えられる内容、態様及び時期において、本会社に対する請求その他の措置を講じるものとする。また、受益者に対する支払に要する費用は、受益者が負担するものとし、受託者は、かかる費用及び第20条第2項に定める費用を控除した上で、本株式の配当金その他の収益を受益者に払うことができる。
第5章計算
第13条(計算)
1.本信託の計算期日は、毎年12月末日及び本信託が終了する日とし、本信託契約締結日または前計算期日の翌日からその計算期日までの期間をその計算期間とする。
2. 受託者は、各計算期日に、本信託の損益の計算を行った上で、信託法に従い、信託財産の状況に関する計算書類を作成する。受託者は、信託財産の状況を明らかにするため、信託法に従い、信託財産に係る帳簿その他の書類を作成し、信託法に従ってこれを保存する。
第6章信託の変更・終了
第14条(信託の変更)
本信託契約においては、信託法第149条第3項の親定は適用しないものする。第15条(解除)
1.受託者は、本信託期間中にもかかわらず、受益者に対し事前の催告なしに通知することにより、本信託契約を解除することができるものとする。
2.委託者兼受益者及び受益者は、本信託期間中、本信託契約を解除することはできないものとする。
第16条(信託の終了)
本信託は、信託法第163条(但し、第9号を除く。)に定める事由のほか、以下の事由により終了する。
(1)本信託期聞が満了したとき
(2)受益者及び受託者が本信託契約を終了させる旨を書面で合意した場合
(3)第15条の規定により、本信託契約が解除された場合
(4)信託財産が消滅した場合
(5)受託者が死亡したとき
第17条(信託の清算)
受託者は、本信託が終了したときは、信託財産を現状のまま受益者に交付するほか、信託法第7章第2節の規定に従い、本信託の清算を行う。
第7章一般条項
第18条(信託財産の保管に係る事務の委任)
受託者は、信託事務の処理を無償又は有償で三第者に委託することができる。

第19条(届出事項)
委託者兼受益者及び受益者は、次の事由が生じた場合、速やかに当該事由が生じた旨を受託者に届け出るものとする。当該事由の発生から委託者兼受益者の届出までに生じた原因に起因する損害については、受託者は責任を負わないものとする。
(1)実印の喪失
(2)氏名、住所又は実印の変更
第20 (費用負担)
1.本信託契約に貼付する印紙税その他の本信託契約締結のために要した費用については受託者が負担する。
2.前項に定めるほか、本信託に係る事務の遂行に要した費用については受益者が負担するものとし、受託者は当該費用を、第12条の定めに従い、本株式の配当金その他の収益から控除することができるものとする。
第21条(秘密保持義務)
委託者兼受益者及び受益者は、本信託契約若しくは本信託契約に関連する契約に基づき、又はこれらに関連して知り得た情報を第三者に開示せず、また利用してはならない。
第22条(準拠法及び言語)
1.本信託契約は、日本法に準拠し、これに従い解釈される。
2.本信託契約は、日本語及び英語の両文でそれぞれ二部締結されるものとする。本契約の日本語文び英語文による各部はそれぞれ正本とみなす。日本語版の正本と英語版の正本との聞で相違が生じた場合は、日本語版の正本が優先するものとする。
第23条(裁判管轄)
本信託契約に起因し又は関連する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第24条(誠実協議)
委託者兼受益者、受益者及び受託者は、本信託契約に定めのない事項及び本信託契約の条項に関して疑義が生じた場合には、本信託契約の趣旨に従い、誠実に協議の上解決するものとする。

民事信託サミット


2020/2/3
呼ばれていないので参加していませんが、民事信託サミットという会議が開催されたようです。「家族信託実務ガイド2020.5」日本法令から抜粋していきます。
登壇者は次の方です。

一般社団法人民事信託活用支援機構
http://www.shintaku-shien.jp/member/
代表理事 高橋倫彦氏
理事 伊東大祐氏 弁護士
入会金20万円、月会費2万円

民事信託監督人協会
https://minjishintaku-kantokunin.org/
代表理事 川嵜 一夫 司法書士

一般社団法人 信託制度保障協会
http://sshk.or.jp/
代表理事 星野 大記 司法書士 行政書士

一般社団法人 家族信託普及協会
https://kazokushintaku.org/
代表理事 宮田 浩志 司法書士

一般社団法人民事信託推進センター
http://www.civiltrust.com/
理事 宮本敏行 司法書士

HTTPS を導入していないHPに関しては、導入した良いと思います。(一社)民事信託推進センターには提案したのですが、受け入れられませんでした。
参考
https://support.google.com/webmasters/answer/6073543?hl=ja

冒頭
今後、協議会を設置し、具体策を取りまとめ、これを一般に公開する。
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期限が分からないですが、どのようなものが出てくるのか読んでみたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1、 民事信託等の普及に伴い発生する問題点
伊東弁護士 紛争が起こっている。
星野司法書士 ルールがない。
川嵜司法書士 最後まで面倒をみる専門家がいない。
宮田司法書士 的確な契約書を作成出来ていない。信託を作って終わりではない仕組み作りが出来ていない。
宮本司法書士 専門職の能力担保。後見制度に従事している専門職の反感と偏見。税務の専門職の消極的姿勢。

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正直な感想は、誰でも言えることなのかな、というものです。120名が参加されて、お互いの組織の利害関係もあるので、突っ込んだことは言えないのかもしれません。「紛争が起こっている。」は、私たちに任せてもらえば紛争は起きない、という意味に捉えることができます。
「最後まで面倒をみる専門家がいない。」は、民事信託監督人協会からは、当然に出てきそうなコメントだと感じます。
「的確な契約書を作成出来ていない。信託を作って終わりではない仕組み作りが出来ていない。」は、20万円、10万円の研修費用、月1万円のサポート費用、年1万2000円の会費等を協会として得るには、必要なコメントだと感じます。
「専門職の能力担保。」に関しても、民事信託推進センター。民事信託士協会としては、6万円の研修を受けて、年何回かの必須研修を受け、年2万4千円の会費を払ってもらうには必要なコメントだと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅱ 民事信託等の普及を阻害する課題と事故を起こさないために
伊東弁護士 プロ後見のアンチ信託。
星野司法書士 ある程度の定型書式。
川嵜司法書士 専門家の無知、専門家の意識、信託の実務上固まっていない点が多々ある。
宮田司法書士 プロの知らなさすぎ。専門家に対して情報発信と啓発。専門家を選別する仕組み。
宮本司法書士 専門職の能力担保

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Iの宮本司法書士のコメントにもありましたが、「プロ後見のアンチ信託」というのは、結構踏み込んでいるなぁ、と感じます。「ある程度の定型書式」は既にあります。「専門家の無知、専門家の意識、信託の実務上固まっていない点が多々ある」「プロの知らなさすぎ。専門家に対して情報発信と啓発。専門家を選別する仕組み」は、正直よく分かりませんでした。自分たちは知っているという前提だとするとちょっと怖さがあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅲ中長期間お客様をサポートするための取組み

宮田司法書士 定期的にアプローチする仕組み(家族会議)
星野司法書士 受益者代理人の就任 契約時10万円 年1万円 業務時 業務に応じて
宮本司法書士 アドバイザリー契約 1時間1万円
川嵜司法書士 信託監督人への就任 年数万円

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
算定根拠を知らず、聞いた話からしてこの金額が本当なのか分かりません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅳ 組成にかかわる費用を納得いただくための取組み
宮田司法書士 報酬基準例の作成 最低報酬額 %計算
伊東弁護士 言及無し

・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅴ 今後に向けて
伊東弁護士 契約書の研究とある程度の定型化
星野司法書士 今後設置する協議会で議論
川嵜司法書士 専門家の育成。普及。遺留分など実務上の問題点の解消。
宮田司法書士 各団体役員が他団体の研修について相互受講
宮本司法書士 管理型信託会社の設立

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
特にここについてはありません。
こういうところでお金や地位が決まってくるんだなと感じました。
ビジネスとして上手いなぁと思います。

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