クリエイティブ・コモンズについて

 最近運営に関わっているイベントで、CC、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス、商用利用可などの用語を目にすることが多くなりました。その都度調べてこんな使い方は良いんだ、分からない・迷ったときはとりあえず承諾、などと対応しています。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスという言葉は知っていて[1]、ある程度自由に使えるものなんだろうなというイメージ程度でしたが、実際に使う、作ったものに表示するとなると、何だか色々な種類があるようです。

 私には全て網羅することは無理ですが、今まで関わってきた部分についてまとめてみたいと思います。

参考

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)(活動母体:特定非営利活動法人 コモンスフィア)

最初にみたのが、下のマークと「CC BY 4.0」という文字、作成団体の名称です。

下のページを読んでみると、

作成者は、

1 作成者の名前(名称)の表示と、クリエイティブ・コモンズライセンスマークの表示。

2 ライセンスに関する注意書き。

3 免責事項に関する注意書き。

4 元の資料などへのリンク。

5 変更があった場合には、その内容を表示すること。

利用者は、

1 複製、再配布可能。

2 自分で使いやすいように加工、変更したりすることも可能。

3 1,2は営利、非営利の目的を問わず可能。

 ただし、有名スポーツ選手の画像などの勝手に使えば明らかに経済的価値に繋がると分かるもの、有名であるか否かを問わず個人を特定できるような写真など、人の名誉を傷つける可能性があるものについては制限され、削除や非公表を求められる可能性がある。事前に気付いた場合は予め許諾を取った方が良い。

というような理解です。

https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja

 上の図のように幅があり、左は一番固い、右は一番柔らかい・自由と考えるとその間で自身の作品などの流通形態を決めることが出来る、ということのだと思います。形態は6種類あり、1 加工の可否、2 加工可能な場合、元の作品と同じ形態にすること、3 非営利目的か否かの組み合わせで成り立っています。

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)(活動母体:特定非営利活動法人コモンスフィア)のホームページにも次のようなマークと文章が掲載されています。

注)があるものを除いて, このサイトの内容物は クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 ライセンスの下に提供されています。


[1] 松尾陽編「アーキテクチャと法」弘文堂2017,水野祐「法のデザイン」フィルムアート社2017など。

「金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方(公表版)」を読んで

一般社団法人全国銀行協会

金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方(公表版)

令和3年2月18日、一般社団法人全国銀行協会から、下の取りまとめが出されました。読みながら少し考えてみたいと思います。

https://www.zenginkyo.or.jp/news/2021/n021801/

Ⅰ.金融取引の代理等に関する考え方

1.銀行界を取り巻く現状(代理取引の課題)

銀行の預金は基本的には本人の資産であり、預金を払い出す場合には預金者本人の意思確認が必要となるため、家族といえども預金者の預金を払い出すことはできない。

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 基本的な考え方です。ATMを利用する場合は、現実として出来る状態になっています。私達も家族にキャッシュカード(と通帳)を渡して、5,000円下ろしてきて、とお願いしたりしているのではないでしょうか。

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銀行においては、認知判断能力が低下した顧客との取引をする場合、民法上の法定後見制度である補助人、保佐人の同意を確認のうえ本人との取引を行う、あるいは成年後見人や任意後見制度にもとづく任意後見人を介して、代理取引を行うのが一般的である。

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一般的な考え方です。ここでいう顧客とは、銀行に預金をしている人を指しています。認知判断能力というのはどのような能力でしょうか。

車の運転などで使われているようです。

高齢ドライバの認知判断能力測定システムの検討

https://ci.nii.ac.jp/naid/10018575546

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しかしながら、成年後見制度[1]の利用者総数は2018年12月末で約22万人にとどまっている[2]

銀行の実務においては、ご家族に成年後見制度の利用を促しても、月々の費用や、第三者に家族の資産を委ねることへの抵抗感等を理由に制度を利用してもらえないケースがある一方、本人の医療費、施設入居費、生活費等の支払いに充当するため、親族等への預金の払出し(振込)を求められるケースも多々ある。

さらに、預金が僅少となり、投資信託等の金融商品しかまとまった資産が残っていない場合、親族等による金融商品の解約等(売却)を求められるケースも生じている。

本考え方は、銀行の窓口等において、高齢のお客さま(特に認知判断能力の低下した方)や代理の方と金融取引を行う際の参考となるよう取引のポイントや、好事例等を掲載している[3][4]

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ここでは、金融機関の困りごとが記載されています。

・成年後見制度の利用者数が少ないこと。

・利用者数が少ないから、親族等への預金の払出し、金融商品の解約等(売却)を求められても対応出来ない。

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2.状況別の対応の考え方

(1) 通常取引

 銀行での高齢顧客との取引において、本人に認知判断能力がある場合(取引

の有効性が確保できる場合)は、通常取引を行う。

(2) 認知判断能力が低下した顧客本人との取引

①認知判断能力が低下した顧客本人との取引

 認知判断能力の低下した本人との取引においては、顧客本人の財産保護の観点から、親族等に成年後見制度等の利用を促すのが一般的である。

 上記の手続きが完了するまでの間など、やむを得ず認知判断能力が低下した顧客本人との金融取引を行う場合は本人のための費用の支払いであることを確認するなどしたうえで対応することが望ましい[5]

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 「本人のための費用の支払い」がどこまで可能なのでしょうか。文面を読む限り、本人の意思による預金の払い出し(例えば孫の学費。入学金として50万円)は含まれないと考えられます。飲み会、ランチ、ご祝儀のために、とりあえず10万円引き出したいといった場合はどうでしょうか。預金残高や取引状況によりそうです。私の個人的な感覚ですが、預金残高の1%未満で、毎月預金残高の1%以上が入金されている顧客、借入れなどの付き合いがある顧客に関しては払い出しを行うのではないかと思います。

 一番は払い出しは一切しない、というのが銀行にとってはリスクがないと思いますが、出来ませんと言った場合に、何で○○と不満をぶつけられた場合に考えることになるのかなと思います。

 また、「確認」をどのように行うのかも気になります。請求書などを見せるのか、行員と面談を行い誓約書を書くことが出来れば良いのか、ケースバイケースなことが多いのでしょうが、どのような確認を行うのか気になります。

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②保佐人・補助人や任意後見人が指定された後の顧客本人による取引

 預金規定等の定めにもとづき保佐人・補助人の届出を受領している場合、保佐人・補助人の同意を確認するなど、各行の取引手順に則って対応する必要がある[6]

 任意後見契約が締結されている場合、本人の認知判断能力に問題がない時点においては、本人との取引が可能であり[7]、任意後見監督人の選任後は任意後見人と代理取引を行う。

(3) 法定代理人との取引

 法定代理人(成年後見人等)との取引は、法的な裏付けのある代理権者との取引となることから、法定代理人であることを確認のうえ、各行の取引手順に則って対応する。

(4) 任意代理人との取引

 本人から親族等への有効な代理権付与が行われ、銀行が親族等に代理権を付与する任意代理人の届出を受けている場合は、当該任意代理人と取引を行うことも可能(本人の認知判断能力に問題がない状況であれば、本人との取引が可能なケースもある)。

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 (1)から(3)までは通常の対応です。(4)については、予め届出をして可能と回答をもらっていたのに、任意代理契約公正証書を提出したら出来なかった、という経験を持っています。当行では対応していませんでした、と言われました。なので、届出をして銀行が受け付けたから大丈夫、ではなく通帳とキャッシュカードが出来上がるまでは安心することは出来ません。

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(5) 無権代理人との取引

 親族等による無権代理取引は、本人の認知判断能力が低下した場合かつ成年後見制度を利用していない(できない)場合において行う、極めて限定的な対応である。成年後見制度の利用を求めることが基本であり、成年後見人等が指定された後は、成年後見人等以外の親族等からの払出し(振込)依頼には応じず、成年後見人等からの払出し(振込)依頼を求めることが基本である。

 本人が認知判断能力を喪失していることを確認する方法としては、本人との面談、診断書の提出、本人の担当医からのヒアリング等に加え、診断書がない場合についても、複数行員による本人面談実施や医療介護費の内容等のエビデンスを確認することなどが考えられる。対面での対応が難しい場合には、非対面ツールの活用等も想定される。

 認知判断能力を喪失する以前であれば本人が支払っていたであろう本人の医療費等の支払い手続きを親族等[8]が代わりにする行為など、本人の利益に適合することが明らかである場合に限り、依頼に応じることが考えられる[9][10]

 無権代理の親族等からの払出し依頼に応じることによるリスクは免れないものの、真に本人の利益のために行われていることを確認することなどにより、当該リスクを低減させることができる。

 預金が僅少となり、投資信託等の金融商品しかまとまった資産として残っていない顧客の医療費や施設入居費、生活費等の費用を支払うために、親族等から本人の保有する投資信託等の金融商品の解約等の依頼があり、やむを得ず対応する場合、基本的には上記の預金の払出し(振込)の考え方と同様であるが、投資信託等の金融商品は価格変動があることから、一旦、解約等を行った場合、預金と異なり、原状回復が困難である[11]。この点に鑑み、金融商品の解約等については、より慎重な対応が求められる。

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 要件としては、一度は成年後見制度の利用を求めることが挙げられています。それでも何らかの事情で制度利用をしない・出来ない場合です。

 本人との面談、診断書の提出、本人の担当医からのヒアリング等、複数行員による本人面談実施、医療介護費の内容等のエビデンス、非対面ツールの活用は、今までと同様の対応だと思います。

 認知判断能力を喪失する以前であれば本人が支払っていたであろう本人の医療費等の支払い手続きを親族等が代わりにする行為などは、与信情報を持っている銀行ならではですが、これも今までもやっていたと思います。

 当初出てきた、「本人のための費用の支払い」と、今回の「本人の利益のために行われていることを確認」は同じ意味で使っているのか気になります。後者が別の意味で使われているなら、払い出しの用途の範囲は広がります。

 金融商品の解約については、成年後見制度の利用に限定するのではないかと思います。

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Ⅱ.銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方

(1) 地域における社会福祉関係機関

 地域社会においては、それぞれの地域の特性を踏まえ、地方公共団体、社会福祉関係機関および社会福祉関係者等(以下「社会福祉関係機関等」という。)が高齢者支援の仕組みを構築している。

 社会福祉関係機関としては、地域の高齢者等の保健医療・介護等に関する総合相談窓口である「地域包括支援センター」や、判断能力に不安のある方を対象に日常的な金銭の管理等をおこなう「日常生活自立支援事業」の実施主体である「社会福祉協議会」、「権利擁護支援の地域連携ネットワーク」の中核的役割を果たす「中核機関」等が代表例として挙げられる。

(2) 社会福祉関係機関等との連携

 厚生労働省は、「団塊の世代」が 75 歳以上となる 2025 年を目途に、社会構造の変化や高齢者のニーズに応えるため「地域包括ケアシステム」[12]の実現を目指すとしている。地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性にもとづき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要であるとされていることに加え、地域によってその人口構成や有している資源も異なることから、各地域に設置されているそれぞれの社会福祉関係機関の役割や期待できる対応、適切な相談窓口は全国一律のものではないと考えられる。

 社会福祉関係機関等との連携に当たっては、地域福祉の枠組みがまちまちであること等も踏まえ、銀行においては、日常的に地域の社会福祉関係機関等との間で、相談しやすい関係を築くことが重要である。具体的には、以下のような対応が考えられる。

 当該地域における相談窓口や中核機関を担う組織を事前に確認[13]すること

 地域の社会福祉関係機関等の担当者との対話等を積み重ねることにより、当該地域における高齢者等への支援の仕組みがどのように構築されているのかを把握すること

 自らも地域の一員として、消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)や地域ケア会議といった、地域の関係機関や関係者が集まる協議体等へ参加するなどし、日常的に地域の関係機関や関係者との関係性を強化すること

 自らも当該地域における高齢者の見守りを担う一員として、地域の社会福祉関係機関等とも協議のうえ、当該地域における連携の仕組みづくりを進めること

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 たしかに地域における会議などでは、必ずと言っていいほど金融機関の方が参加しています。これからもそのような連携を進めていくという方針なのだと考えられます。

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(3) 個人情報保護法上の留意点

 社会福祉関係機関等との連携に当たって、高齢の顧客の個人情報を提供することは必ずしも必要ではない[14]

 一方で、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書にも記載されているとおり、「顧客に認知判断能力の低下があると思われるような兆候・行動が見られ、かつその状態を放置すれば顧客財産に重大な支障をきたすような場合で、緊急性が高いと思われる場合など、例外的ケースにおいては、個人情報保護法との関係においても家族や行政、福祉関係機関に顧客の必要情報(氏名、住所、症状等)を提供できる場合もある」と考えられる。

 個人データの提供は、個人情報保護法第23条第1項にもとづき本人からの同意を得ることが基本である。一方で、個人情報保護法第23条第1項各号[15]に該当する場合や、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律第7条[16]および第9条第1項に該当すると考えられる場合であって、本人の同意を得ることが困難な場合は、それぞれの状況に応じた通報先や連携先へ個人データを提供することも認められると考えられる。

 このほか、銀行として、消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)に参加することで、同協議会構成員間における個人情報提供の枠組みを活用することも考えられる[17]

 なお、家族や親族への連絡であっても、個人データを提供する際は本人の同意を得ることが基本である。ただし、個人情報保護法第23条第1項各号等に該当する場合であって、本人の同意を得ることが困難な場合は、個人データを提供することも認められると考えられる。

以 上

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 個人情報保護法、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律などを積極的に利用する方向に向かうのであれば、市区町村長申立てがこれから増えます。私は、この方向になると思います。


[1]成年後見制度は、法定後見制度(後見・保佐・補助)および任意後見制度の2つの制度で構成されている。

[2] 2012 年時点で 65 歳以上の高齢者のうち、認知症の方の数は約 462 万人と推計されている。なお、本統計は高齢者のみについての統計であり、65 歳未満(若年性認知症の方等)の数は含まれていないことについては留意が必要。

[3]なお、銀行としてより厳格な対応を行うケースや、取引のリスクが大きいと判断された場合に取引を謝絶するケースはあり得る。

[4] 法律構成や実務対応の考え方などは、日本金融ジェロントロジー協会の「法人特別会員ワーキング・グループ報告書」(2020 年 12 月 23 日)に依拠するところが大きい。

http://www.jfgi.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201223【JFGI】法人特別会員 WG 報告書.pdf

[5]  医療費等で至急の支払いが必要な場合には審判前の保全処分を活用することも考えられる。

[6] 保佐人については、民法 13 条 1 項各号に規定された法律行為について、補助人については、その一部について同意権が設定されていることに留意。

[7] 任意後見監督人が選任される前であっても、任意後見人が顧客本人の預金取引を代理できるよう、任意後見契約とともに委任契約を締結している事例もある。その場合は、任意後見監督人が選任される前であっても委任契約の受任者である任意後見人との取引が可能。

[8] 「親族等」に銀行は含まれないことに留意する。

[9] あくまで無権代理におけるリスク許容の考え方の一例であり、無権代理の親族等からの払出依頼に応じることによるリスクは伴う。

[10] 日本金融ジェロントロジー協会の「法人特別会員ワーキング・グループ報告書」(2020年 12 月 23 日)において、金融資産の解約等について次のとおり整理されており、親族等による預金の払出し等についてもこれに準じた整理が可能と考えられる。「親族等が、本人の医療費等を支払うために、本人の金融資産を売却する行為は、他に容易に支払う方法が存在しない等、資金準備の方法として、最も本人の利益に適合するといえる場合には、本人との関係で、民法における事務管理が成立する可能性があるものと考えられる。事務管理が成立すれば、親族等は、本人に対する不法行為責任を負わないものと考えられる。」

http://www.jfgi.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201223【JFGI】法人特別会員 WG 報告書.pdf

[11] 金融商品を解約等した後、原状回復を行う場合、簿価が書き換わることを含めた税制対応等が非常に複雑になる点に留意が必要である。

[12] 「地域包括ケアシステム」とは、地域の事情に応じて高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まいおよび自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制のことをいう。高齢化の進展のスピードや地域資源の状況などは地域によって異なるため、それぞれの地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築を可能とすることが重要であるとされている。(出典:厚生労働省「令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-」)

[13] なお、地方自治体においては、「地域の高齢者等の保健医療・介護等に関する総合相談窓口である地域包括支援センター及び認知症疾患医療センターを含めた認知症に関する相談体制を地域ごとに整備し、ホームページ等を活用した窓口のアクセス手段についても総合的に整備する」(厚生労働省「認知症施策推進大綱」(令和元年6月))ことが期待されている。

[14] 例えば、社会福祉関係機関の担当者に、高齢の顧客の名前等の個人情報は伝えず、様子や状況等を具体的に伝えることで、対応方法に係るアドバイスを受けるケースや、社会福祉関係機関の担当者に直接店舗まで来て対応してもらうケースも考えられる。

[15] 個人情報保護法第 23 条第1項各号は、第三者への個人データの提供に当たり、本人の同意が不要である場合を定めている。特に、銀行においては、同項第2号が適用されるか否かの判断、つまりは当該事例が「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合」と判断できるかという点が重要となる。

[16] 高齢顧客の様子から、養護者からの虐待を受けているおそれがあると思われる場合であって、生命または身体に重大な危険が生じているときには、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律により、市区町村への通報が義務付けられている点に留意が必要である。

[17] 一部の銀行においては、顧客の個人情報を社会福祉関係機関等に提供する可能性がある旨を、ポスター等で店内に掲示するといった取組みも行われている。掲示のみでは同意を得たことにはならないが、対外的に自らの対応を予め示しておくことで、トラブルの回避に繋がるケースもあると考えられる。

マイナンバーカードでPDFファイルの情報に電子署名を付与して、公的個人認証サービスで一致性を確認してみました(Adobe Acrobat DC および Adobe Acrobat Reader DC 使用)。

 本当は、前回の電子署名の有効性確認を行った際に、一致性の確認まで完了したかったのですが、私のミスで出来ませんでした。その後、日司連公的個人認証有効性確認システムサポートさんのアドバイスを得て、一致性の確認まで出来たので私自身の復習の意味で書いてみます。

前回の最後の部分と少し重なります。

 MicrosoftのwordファイルなどをPDFファイルに変換したり、電子署名が付与されたPDFファイルを検証するのに、Adobe Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用しました。マイナンバーカードだけでは駄目なのか。そんなことはありません。いくつもある方法の中から、通常の契約と同時に、登記申請でも利用できるように私自身は、Adobe Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用しました。司法書士事務所開業当時から、Adobe Acrobat DC / Acrobat Reader DCをPCに入れていたから、というのが一番大きな理由です。また、PDF署名プラグインソフト(PDFファイルに電子署名を付与するためのソフトウェア)を利用するため、という理由もあります。

登記・供託オンライン申請システム「登記・供託オンライン申請システムにおいて動作確認しているPDF変換ソフト」

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/append/pdf_operation.html

法務省 「利用可能な電子証明書・電子証明書を発行している認証機関」

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/security/riyokano_syoumei.html

公的個人認証サービス  ポータルサイト「署名用認証局の運営に関する情報」

https://www.jpki.go.jp/ca/ca_rules3.html

・MicrosoftのwordファイルからPDFファイルに変換して、電子署名を付与してみます。事前にPDF署名プラグインソフトをダウンロードしています。

Adobe「PDF ファイルで電子署名を利用する方法 (Acrobat DC / Acrobat Reader DC)」

https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/kb/cq07131410.html

登記・供託オンライン申請システム

「PDFファイルに電子署名を付与する際の留意事項について」

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/append/sign_pdf.html

 また、JPKIソフト(利用者クライアントソフト)をダウンロードして、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れていないか、確認もしてみました。

地方公共団体情報システム機構「公的個人認証サービスポータルサイト」

https://www.jpki.go.jp/download/index.html

署名の検証を行ってみます。

 署名は有効であることが分かりました。署名時刻の検証がされたことが分かりました。しかし、私のパソコンの時計に基づいているようなので、時計が操作されると、操作された時刻が出てくることになると思います。時刻に年月日も入るのかは現時点で調べることが出来ませんでした。

一致性の確認をしていきます。

署名のプロパティを表示。詳細。

CN=、の後の英数字記号が日司連公的個人認証サービスの電子証明書の番号となるようです。

 私が何度もミスしたのはこの時です。自分で何度CN(コモンネーム)を探しても見つけることが出来ませんでした。その度に新しいPDFファイルに電子署名を付与し、また探していきます。サポートデスクさんからのアドバイスで、PDFファイルに電子署名を付与しても、すぐにCNが生成されるわけではなく、1~2時間くらいかかるようです。せっかちな方は気を付けた方が良いかもしれません。私です。

 日司連公的個人認証サービスにログインして、電子証明書の番号を入力(書類名は何でも良い。)すると一致しました。

備考:日本司法書士会連合会は、タイムスタンプの認証団体になるのかもしれません。良く知りませんが。

「空き家所有者不明土地問題関連研修会」

参考

限界ニュータウン探訪記

https://urbansprawl.net/archives/%e6%89%80%e6%9c%89%e8%80%85%e4%b8%8d%e6%98%8e%e5%9c%9f%e5%9c%b0%e7%89%b9%e6%8e%aa%e6%b3%95.html?s=09

講 師:上原浩一空き家所有者不明土地対策特別委員、渡口慎也委員

 去った大戦で登記簿等が焼失している。戦後の所有権の申告手続きで、登記簿は作成されたが、所有権の申告されない土地があった。その後、地積調査が行われ新たな所有者不明地が発覚した。墓地について所在地の市町村は所有者が現れるまで管理することになっている。大戦前の所有権を有する文書等の証拠が無いに等しい。墓地の上にはお墓があり、中には遺骨がある。墓地の所有者やその承継人が長年の間、墓地として利用している。登記簿には、地主不明または管理者として市町村が登記簿に登載されている。管理者である市町村は、管理解除の判断に困っている。

訴訟で解決を図る場合

・不動産登記法 74条 1項 2号

所有権を有することが確定判決によつて確認された者

・参考

不動産登記法(所有権の保存の登記)

第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。

二 所有権を有することが確定判決によって確認された者

・土地 (墓地)所有権確認の訴え

戦争前より所有権を有していた。戦前の資料がない。立証は、不可能に近い。

・参考 要件事実

原告が所有権を有すること

確認の利益を基礎付ける事実(買った、など)

・民法 162条 1項の取得時効の主張

占有の開始時と今現在の占有の証明

・参考

民法(所有権の取得時効)

第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

1.終戦直後の土地所有権認定作業について

・1945年に発布した「ニミッツ布告」。・・・日本の行政権の停止。

・1946年「土地所有権関係資料蒐集」を発布 (米国海軍軍政本部指令第121号)

・・・沖縄県の土地台帳類は、宮古・八重山地域を除き、戦争により焼失したため、米軍が約5年の歳月をかけて土地所有権認定事業を行い、土地所有権の認定証明や登記をすすめた。

参考 

福地 洋子「USCAR法務局琉球財産管理課文書の活用」

沖縄県公文書館研究紀要 第22号 2020年3月

https://www.archives.pref.okinawa.jp/wp-content/uploads/9ee45a3dde4dd45964d88a5bb0f60c70.pdf

・各市町村の各宇に字土地所有権委員会が設置・・・土地所有権関係資料蒐集に基づいて沖縄本島及びその周辺の市町村長は各字に10名の土地所有権委員を任命し、すべての土地所有権に関して調査を行う権限が与えられた。私有地の所有者は、隣接土地所有者2人の保証人の連署を添えて土地所有権申請書を土地所有権委員会に提出し、同委員会はこれに基づいて土地の調査測量を行い、土地を表示した地図を作製し土地所有権申請書を添えて市町村長に報告した。

・各市町村土地所有権委員会を設置・・・5名の市町村土地所有権委員を市町村長が任命し公有地や所有者の判明しない土地(未確定土地)について調査し、その結果を市町村長に報告。

→沖縄諮詢会 (琉球政府の前身)に報告。

・1950年には「土地所有権確定証明中央委員会」が設置、30日間一般の縦覧に供し、異議のない土地につき、1951年 4月 1日 付で各市町村長よりー斉に土地所有権証明書を交付。

・市町村長は、土地所有権証明書を交付、通知用謄本 3通 を作成し、税務署、土地中央事務所、登記所に送付。

・沖縄に登記所がなかつたので、 1951年特別布告によつて同年 7月 1日から登記所が再開、沖縄の登記簿が回復。

参考

米国民政府布告/Civil Administration Proclamation 1950年~1957年 第001号~第039号http://www2.archives.pref.okinawa.jp/opa/OPA600_RESULT_BUNSYO.aspx?cont_cd=A000007665&src_keyword=RDAP000033&keyword_hit=RDAP000033

・滅失登記簿の回復が、旧不動産登記法23条の規定違反。

・復帰特別措置法第 15条 2項により、法令の相当規定による登記簿とみなされ、復帰前登記簿と復帰後の登記簿の法的牽連は確保されており、現在の登記簿の法的有効性が確保。

第 15条 (登記簿及び登記簿に関する経過措置)

沖縄法令によりした登記は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

2 沖縄法令の規定による登記簿は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

所有者不明土地

所有者不明土地とは、次のように解することができる。

・戦後の所有権認定作業の際に、私有地であるにもかかわらず申告がなかったために管理地となつた土地で、誰が所有者であるか分からない土地

・戦後の所有権認定作業における測量手続等の不備を補うためになされた地籍調査により新たに発生した私有地で、誰が所有者であるか分からない土地

所有者不明地が存在する理由

これらの所有者不明地が発生した事実上の原因。

・沖縄県外に居住していたため、所有権申請がなされなかった。

・支障を感じていないので所有権の申請がされなかつた。

・一家全減のため。

・戦争で両親が死亡したため、幼年者のみが生き残り。

・所有権証明書の交付は受けたが、登記所で登記手続きをしなかった。

・琉球政府が行つた土地調査の際に、登録地成とされた場合(とうろくちなりと読むようです。初めて知りました。参考 土地台帳法18条https://www.digital.archives.go.jp/das/image/F0000000000000044587)。)。

・無主の不動産であるため所有権申請が為されなかった場合。

・現地に居住していたが、戦争で土地の地形の変化等で事実上の自己の土地として確認できないため、所有権の申請がなされなかった場合。

所有者不明地の管理者

所有者不明地についての管理についての法的根拠

所有者不明地の管理者は、土地の存在する長 (特別布告第 36号第8条)

http://www2.archives.pref.okinawa.jp/opa/OPA600_RESULT_BUNSYO.aspx?cont_cd=A000007665&src_keyword=RDAP000033&keyword_hit=RDAP000033

琉球政府と市町村とが管理 (布告第 16号第3条)

「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」)第 62条により、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県または当該所有者不明土地の所在する市町村が管理。この布告 16号第 3条により、所有者不明土地のうち、墓地・社寺用敷地・霊地・聖地については、その土地の存在する市町村が管理することになっている。それ以外は、沖縄県が管理することになっている。

民法上の不在者財産管理人

 管理権限としては、権限の定めなき管理人として民法 103条により、保存行為に限られることになり、管理義務としては、他人の財産を管理するのであるから、善管注意義務を負う。管理者である県及び市町村の所有権確認訴訟における当事者適格は、民法103条の保存行為 (財産の現状を維持する)であることから導かれる。

.管理解除

 管理者 (行政)の立場から真実の所有者に返還する。管理を解除すること。管理解除が成立した場合には、表題部所有者表示更正登記をなし不動産登記法 74条 1項の手続きにより所有権保存登記を申請する。

図表等の出典

内閣府  沖縄県における所有者不明土地に起因する問題の解決に向けた調査

令和元年度報告書

平成30年度報告書(PDF形式:3,617KB)

https://www8.cao.go.jp/okinawa/9/kyougikai/humeitochi/humeitochi.html

 全国的には、相続未登記や通常と違う登記がされていて現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。沖縄県では、戦争の影響で戸籍、土地関係記録の焼失などにより、現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。戦後70年を超えて、全国と同じ不動産登記制度である限り、相続未登記の不動産も増える可能性がある。

・平成30年度

私は墓地と公共(地方公共団体)の項目が気になりました。

・令和元年度

A類型は管理の解除につながる可能性が高いと考えられるもの

B類型は現状において所有者不明土地を利用・占有している人、法人等が存在する 又は把握される。

C類型は、B類型の人、法人等が存在しないまたは把握が困難な土地(C類型は掲載されていません。)。諦める、後から手を付ける、立法に任せる、という意味でしょうか。

歴史

県管理地のみの数字なので、市町村、民間を合わせると増えます。

面積にすると1K㎡ない、というのは意外でした。もっと大きいのではないでしょうか。

登記簿(登記記録)が天災などで失くなった場合の処理方法。

墓地及埋葬取締規則(明治17年太政管布告25号)

私は初めてしりましたが、太政管は、「だじょうかん」と読むようです。

明治太政官制成立過程に関する研究 2田  村  安  興 

https://core.ac.uk/download/pdf/70356113.pdf

墓地及埋葬取締規則を廃止し、下の規則制定(上位規範の墓地埋葬法は墓地、埋葬等に関する法律。)。

寺院墓地の整理・再利用と墓地使用権

竹内 康博(愛媛大学法文学部)

http://religiouslaw.org/cgi/search/pdf/201002.pdf

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年7月13日厚生省令第24号)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei16/

不明地から管理者の名義へ

沖縄の復帰に伴う民事行政事務の取扱いについて

昭和47年5月15日民事甲第1783号那覇地方法務局長あて民事局長通達

不動産登記関係

9 市町村非細分土地登記簿及び所有者不明土地登記簿は、政令第15条第2項の適用を受けるものではないが当分の間各登記所において保存するものとする。なお、附属書類についても同様とする。

(沖縄登記関係法令集 平成4年12月 那覇地方法務局P193)

市町村非細分土地について

不明地には言及されていないが、出来ないとは決まっていない。

沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)

施行日: 令和二年十二月一日(平成三十年法律第九十五号による改正)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346AC0000000129

(所有者不明土地の管理)

第六十二条 沖縄法令の規定による所有者不明土地で、この法律の施行の際琉球政府又は沖縄の市町村が管理しているものは、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県又は当該所有者不明土地の所在する市町村が管理するものとする。

以前

日司連公的個人認証有効性確認システムを使ってみました。

PDF文書に、Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用してマイナンバーカードで電子署名をしてみました。

2021年(令和03年)02月15日、日司連公的個人認証有効確認システムが構築されたようなので、試しに利用してみました。

下の事が出来るようです。

・司法書士が依頼者のマイナンバーカードの有効性を確認できる。

・登記申請の際の添付情報等に付された電子証明書が,依頼者のマイナンバーカードの電子証明書と一致しているか即時に司法書士が確認できる。

ログイン画面

https://www.nkys.nisshiren.jp/

まずは、個人会員ログインをしてみます。

・個人会員ログインをクリック

・ID・初期パスワード・メールアドレスを登録すると、次のメールが送られてきます。

・「こちらからアクセスしてください」をクリックして、パスワードを自身で再設定。

・「暗証番号を送信」をクリック。

・暗証番号を入力してログイン。

・マイナンバーカードの有効性確認と、情報に付された電子証明書が,マイナンバーカードの電子証明書と一致しているか確認出来る画面に切り替わりました。

一旦、日司連公的個人認証有効性確認システムの画面に戻って、スマートフォンからマイナンバーカードの電子証明書を読み取ります。

・QRコードを読み込みます。

・スマートフォンアプリケーションが表示されたので、マイナンバーカードの読み取りをします。

ここで私が何度も間違ったこと。マイナンバーカードをアプリケーションに認識させた後、署名用パスワードを入力するのですが、3回も4回も「PINコードが違います」のエラー表示が出てきます。ヘルプデスクに問い合わせました。

最初は、アプリケーションを再インストール(削除して,再度入れなおす)すると改善する可能性があります。とのメールが届きました。

 アプリケーションを再インストールしても、「PINコードが違います」のエラー表示が出てきます。そこでヘルプデスクさんが教えてくれたのが、総務省のページです。

「パスワード入力から読み取り完了までスマートフォンとマイナンバーカードをピッタリあて続けてください」。これをしていなかったのです。私は、スマートフォンがマイナンバーカードを認識した後、マイナンバーカードを外して署名用パスワードを入力していました。「ピッタリ」あて続けた結果、読み取りが完了しました。

マイナンバーカードの有効性を確認してみます。

次は、PDFファイルの文書に、マイナンバーカードを利用してPDF文書に、Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用してマイナンバーカードで電子署名をしてみます。

参考

PDF ファイルで電子署名を利用する方法

https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/kb/cq07131410.html

・ファイル/その他の形式で保存/証明済み PDF を選択。

・ツール/証明書/電子署名 を選択。

・署名フィールドをクリック。

・署名に使用するデジタル ID の設定

・署名のプロパティを表示。

公的個人認証サービス  ポータルサイト

署名用認証局の運営に関する情報

https://www.jpki.go.jp/ca/ca_rules3.html

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