固定資産税台帳に登録価格のない土地の登録免許税

平成28年4月7日裁決

1、固定資産税台帳に登録価格のない土地について、近くに接道状況などの似た土地がない場合は、課税価格の補正を考えること。

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参考

(国税不服審判所HP 2017年5月11日閲覧)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

本件は、審査請求人(以下「請求人」という。)が、土地の所有権移転登記を受けるに当たり納付した登録免許税額が過大であったとして、登録免許税法第31条《過誤納金の還付等》第2項の規定に基づき、原処分庁に対し、所轄税務署長に対する還付通知をすべき旨の請求をしたところ、原処分庁が、還付通知をすることはできない旨の通知処分をしたことから、当該処分の取消しを求めた事案である。

(2) 関係法令等

別紙1のとおりである。

(3) 審査請求に至る経緯及び基礎事実

次の事実については、請求人と原処分庁との間に争いがなく、当審判所の調査の結果によってもその事実が認められる。

イ E社は、平成24年10月5日、a市d町○-○の土地(地目 田、地積 786平方メートル)を取得した。

ロ 平成26年4月21日、上記イの土地からa市d町○-○の土地(地積 434平方メートル、以下「本件土地」という。)が分筆され、同年5月13日、その地目を田から雑種地に変更する旨の登記がされた。

ハ 本件土地は、別紙2のとおり、間口約8m、奥行き約53mの南北に細長い長方形状であり、その南方において里道及び農業用灌漑水路(幅員2m)を介して幅員5mの市道(以下「本件市道」という。)と接し、その東・西・北方は民地に囲まれている。

 また、本件土地については、昭和○年○月○日付の計画決定により、同土地の南側部分を東から北西に横断する形で都市計画道路の建設が予定されており、その道路建設予定面積は128.20平方メートルである。

ニ 請求人及びFは、平成26年8月30日、E社から本件土地を代金○○○○円で買い受け(以下「本件売買」という。)、平成27年2月3日、その引渡しを受けた。

 本件土地は、平成27年1月24日までに、本件市道との段差を解消するための盛土がされるとともに、別紙2のとおり、本件土地と本件市道とを行き来するためのコンクリート製の橋が、里道及び農業用灌漑水路を横断する形で設置され、上下水道の引込工事も完了していたが、同月1日の時点では、これらの工事は完了していなかった。

ホ 請求人及びF並びにE社は、本件売買による所有権移転登記手続をG司法書士に委任した。

 G司法書士は、平成27年2月3日、請求人及びF並びにE社を代理して、B地方法務局d出張所に対し、本件土地について、平成27年2月3日売買を原因とするE社から請求人及びFに対する所有権移転登記(請求人持分100分の15、F持分100分の85)を申請した(以下「本件登記申請」といい、同日を「本件登記申請日」という。)。

 本件登記申請に係る申請書には、課税価格○○○○円、登録免許税額○○○○円との記載があり、G司法書士は、本件登記申請に際し、請求人及びFを代理して、当該登録免許税額を納付した。

 そして、同日付で、本件土地について、本件登記申請どおりの登記(以下「本件登記」という。)がされた。

ヘ ところで、本件土地は、施行令附則第3項第1号所定の基準日である本件登記申請日の前年12月31日現在において固定資産課税台帳に登録された価格(以下「登録価格」という。)がなかった。

 そこで、G司法書士は、本件登記申請に当たり、a市長から、「所在地」欄に「a市d町○-○付近」、「課税地目」欄に「雑種地」、「課税地積」欄に「1.00平方メートル」、「平成26年度評価額」欄に「○○○○円」と記載された固定資産評価証明書の発行を受け、当該評価額(以下「本件近傍地価額」という。)に本件土地の地積を乗じて、同土地の課税価格を○○○○円と算定した(○○○○円×434平方メートル=○○○○円(1,000円未満切捨て))。

 そして、B地方法務局d出張所登記官Hは、施行令附則第3項の規定に基づき、上記○○○○円を本件土地の価額と認定した(以下、当該価額を「本件登記官認定額」という。)。

ト 請求人は、平成27年1月1日を基準日として別表1のとおり算定された本件土地に係る平成27年度の登録価格(以下「平成27年度登録価格」という。)である○○○○円が、本件登記の時における同土地の正当な価額であり(以下「請求人主張額」という。)、これを基礎に計算した登録免許税額○○○○円と、上記ホの登録免許税額○○○○円との差額である○○○○円は過誤納であるとして、同年5月22日、登録免許税法第31条第2項の規定に基づき、原処分庁に対し、所轄税務署長に対する還付通知をすべき旨の請求をした。

チ 原処分庁は、上記トの還付通知をすべき旨の請求に対し、平成27年5月26日付で、還付通知をすることはできない旨の通知処分をした。

リ 請求人は、原処分を不服として、平成27年6月11日に審査請求をした。

2 争点

本件登記官認定額が本件土地の価額として過大であるか否か。

3 主張

請求人

施行令附則第3項の規定により、登録価格のない不動産の価額は、類似する不動産で登録価格のあるものを基礎として登記機関が認定するところ、当該認定に当たっては、登記をする不動産と類似する不動産の登録価格を基礎とし、登記をする不動産の形状、立地条件、利用条件等の特殊事情につき所要の調整を行って認定すべきである。

 本件土地は、施行令附則第3項に規定する登録価格のない不動産であるところ、本件登記官認定額は、本件近傍地価額に本件土地の地積を乗じただけのものであり、本件土地の形状、立地条件、利用条件等を考慮して計算されたものとは認められない。

 他方、本件土地の形状、立地条件、利用条件等の特殊事情を考慮して所要の調整を行い計算した価額は、平成27年度登録価格と同額であり、当該価額が本件登記の時における時価であると認められるから、請求人主張額に基づき計算した登録免許税額と本件登記申請における登録免許税額との差額は、過誤納であり、還付されるべきである。

原処分庁

本件土地は、施行令附則第3項に規定する登録価格のない不動産であるところ、本件登記官認定額は、本件近傍地価額を本件土地に類似する不動産の登録価格の1平方メートル当たりの価格としており、施行令附則第3項の規定に基づき、類似する不動産の登録価格を基礎として計算されたものであるから、これに誤りはなく、本件の登録免許税額は過誤納とはなっていない。

 なお、本件登記申請は平成27年2月3日にされたものであることから、本件土地の価額の算出に当たっては、施行令附則第3項の規定に基づき、平成26年12月31日現在における登録価格に100分の100を乗じて計算した金額を基礎とするべきであり、請求人が主張するように、平成27年1月1日現在における登録価格を基礎とすることはできない。

4 判断

(1) 認定事実

請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。

イ 本件土地は、都市計画法第7条第1項所定の市街化区域内に所在する。

ロ 本件土地は、本件市道の北側に沿接するa市d町地区(以下「d町地区」という。)内に所在するところ、平成26年及び平成27年当時、同地区内の土地は、そのほとんどが農地であり、農地が広がる中に、本件土地並びに宅地造成がされた雑種地1筆及び駐車場1区画が点在していた。なお、平成26年及び平成27年において、d町地区内の状況が大きく変化した事実はない。

ハ 本件市道の南側に沿接するa市e町地区(以下「e町地区」という。)は、戸建住宅が立ち並ぶ住宅地であった。

ニ 平成26年度まで、本件市道に付設された路線価は、本件市道の南側に沿接するe町地区の土地評価に適用する路線価(以下「本件南側路線価」という。)のみであったが、同地区と本件市道の北側に沿接するd町地区とでは価格形成要因が異なることなどから、平成27年度以降、d町地区の土地の評価に適用する路線価(以下「本件北側路線価」という。)が新たに付設され、本件市道は二重路線価の状態となっていた。

 本件南側路線価及び本件北側路線価は、別表2のとおりである。

ホ e町地区及びd町地区の標準宅地に沿接する主要な街路に付設された路線価(固定資産評価基準第1章第3節二の(一)の2、3参照)は、別表3のとおりであるところ、平成27年度の本件北側路線価は、同年度の標準宅地の1平方メートル当たりの価格○○○○円に、固定資産評価基準第1章第12節一所定の0.7の割合を乗じた上、標準宅地の前面道路の幅員(6m)と本件土地の前面道路(本件市道)の幅員(5m)の差を考慮した補正率0.99を乗じて算定された(○○○○円×0.7×0.99=○○○○円(100円未満切捨て))ものである。

ヘ 本件登記申請日(平成27年2月3日)において、本件土地の周辺で、本件土地と形状、間口、奥行き、利用状況及び接道状況等が類似する土地は存在しなかった。

(2) 検討

イ 登録免許税法第10条第1項は、不動産の登記の場合における登録免許税の課税標準たる不動産の価額は、当該登記の時における不動産の価額である旨規定し、同法附則第7条は、上記課税標準たる不動産の価額は、当分の間、当該不動産の登録価格を基礎として政令で定める価額によることができる旨規定している。

 そして、登録免許税法附則第7条の委任を受けた施行令附則第3項は、上記政令で定める価額は、登録価格のある不動産の場合については、登録価格に100分の100を乗じて計算した金額に相当する価額とし、登録価格のない不動産については、当該不動産の登記の申請の日において当該不動産に類似する不動産の登録価格を基礎として当該登記に係る登記機関が認定した価額(以下「登記機関認定価額」ということがある。)とする旨規定している。

ロ 本件土地は、上記1の(3)のヘのとおり、施行令附則第3項第1号所定の基準日である本件登記申請日の前年12月31日現在において登録価格がなかったことから、同項の規定により、本件登記申請日において本件土地に類似する不動産の登録価格を基礎として登記機関が認定した価額によることができるが、上記(1)のヘのとおり、本件登記申請日において、本件土地の周辺で、本件土地と形状、間口、奥行き、利用状況及び接道状況等が類似する土地は存在しなかったものと認められる上、当審判所の調査の結果によれば、本件登記官認定額の基となった本件近傍地価額(○○○○円/平方メートル)は、単に、平成26年度の本件南側路線価(○○○○円/平方メートル)に雑種地等補正率0.90を乗じて算定されただけのものであることがうかがわれるから、これを本件土地に類似する不動産の登録価格を基礎として算定されたものということはできず、本件登記官認定額を、施行令附則第3項所定の登記機関認定価額として適正なものと認めることはできない。

ハ 一方、請求人主張額は、平成27年度登録価格を基礎とするものであるが、施行令附則第3項第1号に規定するとおり、登記機関認定価額の基礎とする当該不動産に類似する不動産の登録価格は、登記の申請の日がその年の1月1日から3月31日までの期間内であるものについては、その年の前年12月31日現在において固定資産課税台帳に登録されたものを用いるべきであるところ、上記1の(3)のホのとおり、本件登記申請日は平成27年2月3日であるから、用いるべき登録価格は平成26年12月31日現在のものであって、これと異なり、平成27年1月1日を基準日とする平成27年度登録価格を用いる請求人主張額は、同号の規定に反しており、これを同項所定の登記機関認定価額と認めることはできない。

 また、上記1の(3)のニのとおり、平成27年度登録価格の基準日である平成27年1月1日と、本件登記の日である同年2月3日とでは、本件土地の造成工事が完了していたか否かという差異があることから、平成27年度登録価格をもって直ちに同土地の本件登記の時における時価であると認めることもできない。

 したがって、請求人主張額は採用することができない。

ニ 上記(1)のヘのとおり、本件登記申請日において、本件土地の周辺で、本件土地と形状、間口、奥行き、利用状況及び接道状況等が類似する土地は存在しなかったものと認められるが、このように、登記の申請の日において当該不動産に類似する不動産そのものが見当たらない場合にあっては、登記の時の当該不動産の現況を踏まえた上で、当該不動産自体の基準日現在における登録価格相当額を、登録価格の決定の基準(地方税法第403条第1項)である固定資産評価基準に則して算定し、これをもって施行令附則第3項所定の登記機関認定価額と解することも、同項が、可能な限り登録価格に依拠して登記の時における不動産の価額を求めることによって課税の公平を図ろうとした趣旨に沿うものとして相当であると認められる。

ホ そこで、上記1の(3)の基礎事実及び上記(1)の認定事実を基に、固定資産評価基準に則して本件土地の登録価格相当額(算定の基準日は、施行令附則第3項第1号の規定により、本件登記申請の日の前年12月31日である平成26年12月31日となる。)を算定すると、別表5のとおり、○○○○円となり、これをもって、施行令附則第3項所定の登記機関認定価額ひいては登録免許税の課税標準たる不動産の価額と認めるのが相当である。

 なお、別表5の(1)の平成26年度の本件北側路線価相当額及び同(6)の雑種地等補正率について、次のとおり補足する。 (イ) 本件北側路線価相当額について

 上記(1)のニのとおり、本件土地が所在するd町地区の土地の評価に適用される本件北側路線価は、平成26年度までは付設されていなかったが、同ロのとおり、平成26年及び平成27年において、同地区内の状況が大きく変化した事実は認められないことからすれば、平成26年度の同地区の標準宅地に沿接する主要な道路に付設された路線価である○○○○円(別表3)に、平成27年度の本件北側路線価の算定に係る補正率と同率の補正率である0.99を乗じて算出される○○○○円(○○○○円×0.99=○○○○円(100円未満切捨て))をもって、平成26年度の本件北側路線価相当額と認めるのが相当である。

(ロ) 雑種地等補正率について

 上記1の(3)のニのとおり、本件土地は、本件登記の時において既に造成工事が完了していたのであるから、雑種地等補正率は、「宅地と同等のもの」として、1.00(別表4の表5参照)とするのが相当である。

(3) 小括

以上によれば、本件登記官認定額のうち、上記(2)のホの審判所認定額を超える部分は過大であると認められる。

5 原処分について

上記4の(2)のホのとおり、本件土地に係る登録免許税の課税標準たる不動産の価額は○○○○円となり、これを基に、登録免許税法第9条《課税標準及び税率》、同法別表第1の一の(二)のハ及び租税特別措置法第72条《土地の売買による所有権の移転登記等の税率の軽減》の規定により登録免許税の額を算定すると、○○○○円(100円未満切捨て)となるから、これと、上記1の(3)のホのとおり請求人が納付した登録免許税○○○○円との差額である○○○○円については、登録免許税の課税標準等又は税額の計算が国税に関する法令の規定に従っていなかったものと認められ、過誤納と認められる。

 したがって、請求人の還付通知をすべき旨の請求は、上記過誤納の限度で理由があり、原処分のうち、上記過誤納に係る部分は違法であるから、当該部分を取り消すべきである。

オーナーの認知症に備えた委任状(管理業務委任状)

自分なら利用するかといえばしませんが、こういう認知症への備えもあるようです。

対象

賃貸物件の所有者とその家族

利用する場面

所有者が認知症になる前に、なった後のことを家族などに委任しておく

特徴

1、後見開始の審判を受けた場合であっても、自動的に代理権は消滅しない。

2、委任できる事項が多い

(1)賃貸借契約(サブリース業者との間のサブリース原賃貸借契約を含む)の締結

(2)転貸の承諾

(3)賃料その他の契約条件の変更

(4)賃貸借契約の解除

(5)賃貸物件の修繕工事

(6)賃貸物件の原状回復工事に関する請負契約の締結

(7)その他これに付随する一切の行為

3、賃貸住宅管理業者との管理業務委託契約は解除することができない。

4、成年後見制度(おそらく任意後見を含みます)を利用することができるまでの間に使用するためのもの

参考:

(公財)日本賃貸住宅管理協会HP(2017年5月11日閲覧)

 サブリース業者との契約解除も可能か?

(公財)日本賃貸住宅管理協会のQ&AのQ4では、サブリース業者との契約解除も可能と記載されています。(2021年6月17日閲覧)

https://www.jpm.jp/proxy_form/Q&A.pdf

 私の依頼者には、確実に可能とは答えられません。委任状は、民法上の委任契約ですが簡単に作ることが出来る一方、作成時期や内容を証明するのに手間がかかる場合があるからです。作成時期や内容を証明しないといけない場合(訴訟等)、委任者は認知症などに罹患していることが想定されています。

 賃貸住宅管理業者との管理業務委託契約は解除することができない、とあるが、サブリース業者の場合は契約解除は可能か?

(公財)日本賃貸住宅管理協会の解説では、「賃貸住宅管理業者との管理業務委託契約は解除することが出来ない」との記載はないので、解除することが可能と読めます。

https://www.jpm.jp/proxy_form/Q&A.pdf

 現在、親が所有している土地について、サブリース業者との賃貸借契約解除に向けて話合い中です。父から交渉を任されているのですが、裁判になった場合に備えて委任状を作成しようと考えています。

 私なら、任意後見契約を薦めると思います。理由は、任意後見契約に関する法律に基づくので東京法務局が発行する登記事項証明書により代理権の証明が容易だからです。サブリース業者との交渉や弁護士への委任も、登記事項証明書に基づき行うことが出来ます。

受益権をいくつに分けるか

自益権・・・信託財産から経済的利益を受けることを目的とする権利。

共益権・・・信託の運営に参加し、信託事務の監督・是正をすることを目的と

する権利。

処分権・・・受益権を他の人に譲渡することができる権利。

参考

信託法2条、

信託法38条、44条、111条など

信託法93条、103条

『法律学小事典』(株)有斐閣

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株式会社の株式の場合は、自益権(剰余金の配当を受ける権利など)、共益権(議決権など)、処分権(譲渡する権利)があります。

似ているようですが、処分権について、株式の場合は譲渡の「制限」ができるのみです。受益権の場合は、譲渡を禁止することができます。

これは、株主は株式の所有者であるのに対して、受益者は受益債権という債権者であることからきていると考えることができます。受託者に対して、確実に受益するための共益権もまとめて受益権というため、一種の地位の譲渡と考えることができるかもしれません。でも、受益者って信託行為の当事者にはならないのに。譲渡が禁止された受益権は要らないっていう場合は、最初に受益権を放棄しないといけないですね。

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参考

民法125条、178条、272条、314条、466条、612条、625条)

信託法93条、99条

会社法105条、107条

金子登志雄『事例で学ぶ会社法実務―設立から再編まで―』東京司法書士協同組合

平成29年度事業承継補助金

補助金ありきではなく、何かのきっかけに利用されたら良いのかなと思います。

1、募集期間

平成29年5月8日から平成29年6月2日

2、対象

(1)平成27年4月1日から平成29年12月31日までの間に事業承継をする(した)、事業をたたむ(たたんだ)、事業再生をする(した)個人事業主、中小企業、NPO法人

・期間が短いため、主に事業をたたむ個人事業主、中小企業を中心に説明

・事業承継に関しては、既に行って新たな取り組みの予定がある、事業承継の予定が決まっている方に適していると思います。

3、要件

(1)地域への貢献があること

(2)事業承継の場合、新代表者が一定の経験を持っていること

(3)事業を伸ばす取り組みをすること

4、スケジュール

(1)認定経営革新等支援機関への相談、支援の決定

(2)応募

(3)交付決定(7月から8月)

(4)完了報告書提出

(5)確定検査、交付額決定

(6)補助金請求(2か月から3か月で交付)

(7)事業化報告(事業承継の場合は5年間)

5、補助対象経費

(1)人件費

(2)事業費(例:書類作成など専門家への報酬、在庫処分費、解体及び処分費など)

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参考

中小企業庁「平成29年度事業承継補助金【募集要項】」

2017年5月14日琉球新報 (株)沖縄銀行若松支店 金城寧支店長

けいざい風水「注目される「家族信託」」について

読者に分かりやすく説明することが目的であれば良いと思うのですが、使われている言葉が誤解を与えるのではないかと思い、指摘させていただきます。

「預かる」という言葉を使ってしまうと、法律上寄託(民法657~)となるのではないでしょうか。預金が消費寄託であるように、馴染みがある言葉で良いのかもしれませんが、所有権が移転するという点や受託者の責任などにおいて、「預ける」と「信託する」では違ってくるので、安易に使ってしまうと銀行預金と同じような感覚で信託を利用する方が出てくるのではないでしょうか。

※で、所有権は受託者に移転することが明記されていますので、これが税務上の説明のためだけでなければ良いと思います。

 「例えば」で、子が「受益者」となっていますが、「父親の次の受益者」または「父親とともに受益者」ではないでしょうか。分かりやすいように省いているのであれば良いと思うのですが、「例えば」の通りにやると、信託行為時に子が受益権にお金を払わない限り、贈与税がかかります(相続税法9条の2)ので、実際に利用する方はあまりいらっしゃらないのではないかと思います。

「原則として財産処分などができず」は、「原則として財産処分には、本人のためになることを示して、家庭裁判所の許可を得ることが必要」または「原則として相続人のための財産処分はできず」ではないでしょうか。

「家族信託は本人の判断能力がある状態でも」は、「家族信託は本人の判断能力があるときのみ」ではないでしょうか。

3月末時点で(株)沖縄銀行では信託口口座が開設できないのですが、今は開設

することが出来るから記事にも記載しているのでしょうか。

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