(株)サンエーが監査委員等設置会社への移行

 

(株)サンエーが監査役会設置会社から監査委員等設置会社へ移行する予定です。

スケジュール
平成29年4月6日 取締役会で停止条件付決議(条件:定時株主総会での承認)
平成29年5月25日 定時株主総会に付議(付議・・・議案として扱うこと)
(出典:株式会社サンエーHP2017年4月17日閲覧)


何が変わるのか。

・取締役会+監査役+監査役会+会計監査人
→取締役会+監査等委員会+会計監査人

・定款で定めることで、取締役会の決議により重要な業務執行の決定を、取締役に委任することができる。監査等委員会のメンバーである取締役に委任することはできない。
→業務執行に関する決断が早くなる。


・監査等委員会は、3名上の取締役(過半数は社外取締役)から構成される。取締役会に出席し、他の取締役と同じように議決権を行使する。

(出典:監査等委員会実務研究会「選任等・報酬等に対する監査等委員会の意見陳述権行使の実務と論点-中間報告としての実態整理-」 2016年11月24日より抜粋)

(6)オーナー企業とそれ以外の会社における差異の有無、内容
本研究会では、監査等委員会の意見陳述権の行使に影響を与え得る要素として、経営者、創業者等の特定の個人の意向が会社の意思決定を左右する会社(以下「オーナー企業」という)であるかどうかという点に着目した。


① 意見陳述権の検討対象について
監査等委員会における意見の検討対象範囲については、選任等、報酬等のいずれにおいても、全体の回答に比べて意見陳述権の行使対象を株主総会議案に関する範囲に限定しているとの回答が多くなっている(Ⅱ【1】3)。具体的な検討事項については、全体的なプロセスや候補者選定、報酬体系の考え方を検討対象とした割合は相対的に低く、逆に個々の候補者や報酬額の妥当性について検討したとの回答の割合が高くなっている(Ⅱ【1】5)。

② 意見陳述権の行使プロセスについて
意見形成の時期については、全体としては選任等についての意見形成プロセスが先行しているのに対し、オーナー企業では報酬に係る意見形成プロセスの方が先行しているとの結果が出ている。また、執行側からの提示から監査等委員会での検討開始までの時間につき、オーナー企業の方が長くなっている(Ⅱ【1】4)。
監査等委員会としての評価基準の有無については、選任等では「基準がない」との回答が全体と比較して多くなっているのに対し、報酬等ではほとんど差がない(Ⅱ【1】5(1)②、(2)②)。
全体的に、検討対象は株主総会議案に限定される割合が多く、任意の諮問委員会は設置されない傾向にあるため、オーナー企業においては意見陳述権の行使が制約される傾向がうかがえる。

③ 意見の開示について
形成された意見の内容としては、選任等、報酬等共、議案内容について「妥当である」又は「適切である」旨の意見を形成した会社が相対的に多くなっている。その一方で、検討の結果「意見を形成しなかった」との回答については、大半がオーナー企業によるものである。
一方、形成された意見の外部への開示(株主総会参考書類への記載や株主総会における陳述等)については、目立った差は見受けられなかった(Ⅱ【2】、【3】1、2)。


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登記

「監査役設置会社に関する事項」

「原因年月日」年月日廃止

「監査役会設置会社に関する事項」

「原因年月日」年月日廃止

「監査等委員会設置会社に関する事項」監査等委員会設置会社

「原因年月日」年月日設定

「重要な業務執行の決定の取締役への委任に関する事項」

重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがある

「原因年月日」 年 月 日設定

屋根の種類

「陸屋根」と聞いてから、ずっと気になっていた屋根の種類。もっとありそうだけど。

かわらぶき

ストレートぶき

亜鉛メッキ鋼板ぶき

草ぶき

陸屋根

(不動産登記規則114条)

始期付の遺言と、始期付きの受益権取得の定めがある遺言信託では、税金が違うのか

始期は、現在3歳の孫が18歳になったら、などの期限です。

お金は1000万円を一括であげるとします。

始期付きの遺言では、孫が18歳になったら、孫に1000万円が渡ります。ゆいごんを書いたおばあさんが亡くなって、孫が18歳になるまで、遺言執行者がお金を保管します。

 始期付きの受益権取得の定めがある遺言信託では、孫が18歳になったら1000万円を受け取ります。おばあさんが亡くなって、孫が18歳になるまで受託者がお金を保管します。

効果はほぼ同じだと考えていました。

ただし、弁護士の遠藤英嗣先生より、税理士法人山田&パートナーズ・TMI総合法律事務所著『信託-実務のための法務と税務』(株)財務詳報社)100ページを根拠に、「税務上、受益者とみなされない可能性があります。」との指摘を受けました。

効果がほぼ同じなのに税金が違うこともあるのかと思って、考えてみます。

始期付きの遺言

 おばあさんが亡くなったときに、孫に相続税の課税(2割多く)。

始期付きの受益権取得の定めがある遺言信託

始期は、条件と異なり確実性の高いものなので、おばあさんが亡くなると同時に、孫に相続税(2割多く)の課税。

よって、税務上、変わらないというのが結論です。

民法135条

信託法88条

所得税法13条

法人税法2条29号の2ロ、12条2項

相続税法9条の2

喜多綾子「信託税制における受益者課税の問題」税法学568号

相続税法基本通達

(財産取得の時期の原則)

1の3・1の4共-8 相続若しくは遺贈又は贈与による財産取得の時期は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。(昭38直審(資)4、昭57直資2-177、平15課資2-1、平17課資2-4改正)

(1) 相続又は遺贈の場合 相続の開始の時(失踪の宣告を相続開始原因とする相続については、民法第31条((失踪の宣告の効力))に規定する期間満了の時又は危難の去りたる時)

相続税法基本通達18-5

相続税法18、21の15、16

受託者の責任を軽くする定めについて

第○条 受託者は、本信託の本旨に従い、受益者の利益のために忠実に信託事務の処理その他の行為を行い、かつ、善良なる管理者の注意をもって信託事務を遂行するものとする。

 なお、この義務を怠らない限り、信託財産の価額の下落その他原因の如何にかかわらず、受益者又は信託財産に関して生じた一切の損害等について、委託者及び受益者に対して責任を負わない。

という文章があったとします。受託者が責任を負うのは、忠実に信託事務を処理しなかったとき、善良なる管理者の注意をもって信託事務を遂行しなかったときの2つです。

それ以外は、委託者、受益者に対しては責任を負いません、といっています。

 忠実に~怠ったとき、というのはどのような場合でしょうか。

 忠実義務は、受益者の利益のためにのみ行動することを求める原則を定めたものです。信託が始まると義務が発生します。

 2番目の善良な~を怠ったとき、というのは、どのような場合でしょうか。

 善良な管理者の注意義務は、その職業や地位に応じた管理をしてください、というようなものです。家族であれば、その時代の家族の形に応じた管理、仕事で忙しい場合は第3者へ委託する、報告は通帳のコピーなどで代用することになると考えられます。

 信託法にも記載があるので、私は原則として記載は不要かなと思いますが、あえて契約書に書くのは、受託者の立場を明確にするという意味があるのかと考えられます。

信託法29条、30条、40条

信託口口座が開設できない場合

金融機関において、信託専用の口座を作ることが出来ない場合、どのような方法があるでしょうか。

1、現金で家の金庫に入れておき、帳簿をつける。

2、金融機関の貸金庫に保管しておき、帳簿をつけ、1年に1度くらいまとめて取り出す。

3、受託者自身の口座とは分別できる受託者としての肩書をつけた専用口座を作ってもらう。例えば、委託者【氏名】受託者【氏名】

4、信託契約書の中で、「受託者は、本件信託財産たる金銭を預金保険制度の対象金融機関の決済性預金である受託者名義の下記口座に預け入れて管理するものとする。」など特定し、通帳に「委託者【氏名】信託口【受託者氏名】」と手書きで書いておく。

5、信託契約締結前に受託者の個人口座を1つか2つ新規で作成しておき、その口座の口座番号まで信託契約書に「信託専用口座」として記載する。

6、金融機関へ口座開設申し込みの際に、検討お願いする(要件を満たせば形は信託口、普通預金の特約付きを問わない)。

要件

(1) 受託者個人の口座が差押えを受けたとしても、信託専用の口座は

   その影響を受けないこと

(2) 受託者が亡くなった際、相続を証する書面を不要として、受託者

の死亡が分かる書類と就任承諾書の提出および身分証明書の提示で受託者の変更ができること

(3) 受益者が亡くなった際、相続を証する書面を不要として、受益者

の死亡が分かる書類と受益者の身分証明書の掲示をもって受益者の変更ができること

(4) キャッシュカードの発行

(5)通帳が受益者のお客様コードとも連動していること

1と2は直接的な保管の方法、3は屋号付きの口座、4と5は似ていて、後で証明できるように信託契約書に書いておく、6は信託の要件を満たす口座であれば何でも良いので公正証書作成までに回答をお願いするものです。

 受託者のお金とは分けて管理することが義務付けられているため、信託法の義務は果たしているといえます。また判例などの傾向をみても信託財産と認定してもらうことができそうです。

 3、4、5の場合、税務署からみると、このお金は誰のものと認定するのでしょうか。あとから説明をしたり、事前に報告しておくことで、このお金が信託財産だと納得してもらうことができると考えます。

6、は金融機関で検討してくれます。

 受託者の債権者からみて、このお金は誰のものとみるのでしょうか。受託者が親戚の連帯保証人になっていた場合、親戚の返済が滞ってくると、お金を貸した会社(人)は回収したいので、受託者の口座に仮差し押さえや差押えをするかもしれません。

 その時には、これは信託財産です、といって裁判所に対して反対することができます。この手続きには申立てしてから認められるまでどのくらいの時間がかかるのでしょうか。その間、信託はストップすることになるかもしれません。お金が止まると支払いなどで困ることがあるかもしれません。

現在とることができる方法で差押えがかからないように、名寄せにかからないようにするのが適切な管理方法だと私は考えます。

 私は、今のところはこの方法でやる方が良いのじゃないかというのがあるのですが、皆さんはどう思われますか。

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参考

信託法23条、34条

民事執行法38条

民事保全法45条

最判平成14年1月17日

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株式会社の場合はどうでしょうか。

設立の際ですが、会社法34条に1号後段に、「ただし、発起人の全員の同意があるときは、登記、登録、その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない」

お金を出した人全員が賛成した場合は、会社名義の通帳は会社が成立した後にしても良い、と書いています。

株式会社には法人格があるので、分けて管理するのは当たり前のことになっているのかもしれません。信託財産には法人格がありません。

取締役は報酬以外で会社のお金を勝手に、私的に使用すると、解任される原因になり、損害を賠償することになります。

会社法330条、339条、423条

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成年後見人の場合はどうでしょうか。

 民法859条1項に、「後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する」

 後見人は、本人の法定代理人なので、本人の代わりに財産を預かり、管理しています。

任意後見契約に関する法律第2条

民法703条、709条

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