依頼者等の本人確認等に関する規定改正案

その他

・意見

本人確認規定の改正の今後の検討のお願い

・根拠法令

犯罪による収益の移転防止に関する法律第2条第2項第46号・同法第4条第1項・別表。

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令8条3項9号・同4項6号イ、ロ、ハ。

・理由

2021年駿河台大学34巻2号

金森健一「司法書士による民事信託(設定)支援業務の法的根拠論について:(続)民事信託業務の覚書:「民事信託」実務の諸問題⑸

https://surugadai.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2275&item_no=1&page_id=13&block_id=21

・参考

2013年3月1日会規第95条「依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規定」

https://www.nichibenren.or.jp/activity/improvement/mimoto_kakunin.html

依頼者等の本人確認等に関する規定改正案

(目的)

第1条 この規程は、沖縄県司法書士会会則94条の2に定める依頼者及びその代理人等の本人であることの確認並びに記録の作成、保存等について必要な事項を定め、もって司法書士法上の職責及び会則に基づく本人確認等の適正な実施を図ることを目的とする。

(取引時における依頼者の本人特定事項の確認)

第2条 この規定における用語の定義は、次のとおりとする。

  • 依頼者とは、会員に対して次の事務の依頼をする自然人又は法人をいう。

ア 司法書士法第3条に基づく事務

イ 司法書士法第29条及び司法書士法施行規則第31条に基づく事務

  • 代理人等とは、法定代理人、法人の代表者、法人の業務権限代行者、法人の代表者以外の役員、商業使用人、任意代理人又は使者等をいう。
  • 依頼者等とは、依頼者及びその代理人等をいう。
  • 本人確認とは、依頼者及び代理人等の本人であること並びに依頼者が依頼された事務における適格な当事者であることの確認をいう。
  • 意思確認とは、依頼の内容の確認及びその内容に基づく事務について依頼の意思を確認することをいう。

(本人確認等の対象)

第3条 本人確認及び意思確認すべき対象者は、以下のとおりとする。

  • 本人確認の対象者は、依頼者等とする。ただし、依頼者が国、地方公共団体、人格のない社団又は財団及びこれらに準ずるものの場合は、その代理人等を依頼者とみなす。
  • 意思確認の対象者は、依頼者(前号の規定により依頼者とみなされた代理人等を含む。)又はその代理人等であって依頼内容に係る事務について代表権若しくは代理権を有する者その他これに準ずる者とする。ただし、当該対象者が代理人等(法定代理人又は法人の代表者を除く。)である場合において、当該代理人等の言動、受領した書類等の内容から、依頼者(法定代理人又は法人の代表者を含む。)の意思を疑うに足りる事情があるときは、依頼者の意思確認をしなければならない。

(本人確認の方法)

第4条 本人確認は、次の方法による。

  • 依頼者等が自然人である場合

ア 依頼者等と面談し、第7条第1項に定める本人確認情報の提示を受ける方法

イ 上記アの方法によらない合理的理由がある場合には、第7条第1項に定める本人確認情報又はその写しの送付を受けて当該情報の写しを第6条に定める記録に添付するとともに、当該確認情報書類に記載された住所に宛て、当該依頼者等に対し、転送不要扱いの書留郵便(簡易書留郵便含む。)等により文書送付を行い確認する方法

ウ 上記ア及びイの方法によらない合理的理由がある場合には、司法書士の職責に照らし適切と認められる方法

  • 依頼者等が法人である場合

ア 法人の代理人等と面談し、当該法人の登記事項証明書、印鑑登録証明書の提示を受ける方法又は当該法人の会社法人等番号の提供を受けて、当該番号に基づき、当該法人の登記情報等により確認する方法

イ 上記アの方法によらない合理的理由がある場合には、法人の代理人等から当該法人の登記事項証明書又は印鑑登録証明書の提示を受ける方法若しくは当該法人の会社法人等番号の提供を受けて、当該番号に基づき、当該法人の登記情報等により確認したことを証する情報(以下「法人等確認情報」という。)を第6条に定める記録を添付するとともに、当該法人等確認情報に記録された本店、主たる事務所又は支店等に宛て、転送不要扱いの書留郵便(簡易書留郵便含む。)等により文書送付を行い確認する方法

ウ 上記ア及びイの方法によらない合理的理由がある場合には、司法書士の職責に照らし適切と認められる方法

2 前項の規定にかかわらず、既に本人確認記録のある依頼者等の本人確認については、当該本人確認記録に記録されている依頼者等と同一であることを確認する方法で足りる。

3 前項の確認方法は、依頼者等と同一であることを確認できる情報の提示あるいは送付を受けるか、又は同一であることを示す事項の申告を受ける方法とする。ただし、依頼者又はその代理人等と面識がある場合はこの限りではない。

(意思確認の方法)

第5条 意思確認は、次の方法による。

 (1) 事務の依頼を受けるにあたり、自然人たる依頼者又はその代理人等に対し面談をする方法

 (2) 前号の規定にかかわらず、合理的理由がある場合には、依頼者等の本人確認情報の原本又は写しを取得するとともに依頼者等に対し電話をし、本人固有の情報を聴取するなどして本人であることの確認を行った上で確認を行う方法、その他これに準ずる方法であって、司法書士の職責に照らし適切と認められる方法

2 法人の意思確認の対象者が、当該法人を代表する権限を有しない代理人等である場合は、当該法人の代表権限を有する者が作成した依頼の内容及び意思を証する情報を取得しなければならない。

(本人確認等の記録)

第6条 本人であることの確認及び依頼された事務内容に関する記録事項は次のとおりとする。

 (1) 本人であることの確認に関する記録

ア 本人確認及び意思確認を行った者の氏名

イ 記録を作成した者の氏名

ウ 依頼者又は代理人等の氏名、住所及び生年月日(法人の場合は、名称又は商号及び主たる事務所又は本店の所在地)

エ 確認を行った依頼事務

オ 確認を行った方法

カ 代理人等の場合は、依頼者との関係及び代理人等と認めた理由

キ 本人確認情報書類の名称及びその特定事項

ク 確認を行った日及び場所

 (2) 依頼された事務の内容に関する記録

ア 意思確認の相手方の氏名

イ 依頼を受けた事務の内容

ウ 確認を行った日及び場所

エ 確認を行った方法

オ 手続等の代理、記録作成代行を行った日及び手続等が終了した日

2 前項第1号ウの規定にかかわらず、代理人等の記録事項について合理的な理由がある場合は、氏名、役職その他の司法書士の職責に照らし適切と認められる本人を特定するに足りる事項を記録事項とすることが出来る。

3 依頼が特定取引(犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)第4条第1項に定める特定取引をいう。)に該当する場合は、前項第1号の記録事項に加え、次のアからウの事項を記録する。 また、その依頼に基づいて行った事務が特定業務(犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条第1項に定める特定業務をいう。)に該当する場合には、前項第2号の記録事項に加え、次のエ、オの事項を記録しなければならない。

ア 本人確認情報の提示を受けた日時、送付を受けた場合はその日付

イ 依頼者等へ文書送付をした場合は、その方法及び日付

ウ 依頼者が自己の氏名及び名称と異なる名義を用いるときは当該名義とその理由

エ 代理等に係る財産の価額

オ 財産移転を伴う代理等の場合は、移転先及び移転元の住所、氏名(法人の場

合は、名称及び主たる事務所又は本店の所在地)

4 第1項第1号の記録事項のうち、本人確認情報書類の写しを添付した場合は、当該確認情報により確認できる事項については記録しないことができる。

5 既に依頼者等の本人確認記録がある場合は、第1項第2号、第3項エ、オ及び保存している本人確認記録を検索するための事項を記録すれば足りる。

6 前項の記録は、既存の記録とともに、新たに依頼された事務の内容に関する記録の事務終了の日から10年間保存しなければならない。

7 本条の記録は、検索可能としなければならない。

(自然人の本人確認書類)

第7条 本人確認情報書類は、次の各号のいずれかとする。ただし、官公庁が発行する証明書で有効期間又は有効期限のある書類にあっては提示を受ける日において有効なもの、その他の書類にあっては発行のときから3か月以内のものに限る。

 (1) 官公庁の発行する次の公的証明書

ア 運転免許証

イ 住民基本台帳カード、個人番号カード(顔写真付)

ウ 旅券

エ その他顔写真付きで氏名、住所、生年月日の記載のある公的証明書

 (2) 前号以外の官公庁の発行する公的証明書

ア 国民健康保険証

イ 介護保険証

ウ 国民年金手帳

エ 身体障害者手帳

オ 精神障害者保健福祉手帳

カ 療育手帳

外国人登録証明書在留カード・特別永住者カード

ク 上記の書類に準ずるもので、氏名、住所、生年月日の記載のある公的証明書

 (3) 依頼者が作成した委任状に押印した印鑑にかかる発行日から3か月以内の印鑑登録証明書

2 依頼された事務が、特定取引以外のものである場合は、司法書士の職責に照らし信頼にたる機関が発行した身分証明書その他の身許証明書を本人確認書類情報とすることができる。

(受託拒否)

第8条 依頼者等が、依頼者及びその代理人等の本人であることの確認、ならびに依頼の内容の確認、及び依頼の意思の確認に協力しない場合は、それを正当理由として事件受託を拒否することができる。

(記録の適正管理)

第9条 この規程に定める記録の保存に関しては、司法書士法及び個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の規定に十分配慮し、適正に管理しなければならない。

(他の法令等の遵守)

第10条 犯罪による収益移転防止に関する信託法に基づく信託行為の設定、信託の併合・分割又は信託行為の変更・終了など、その他の法令の規定が存する場合はこの規定とともに、当該法令の規定を遵守しなければならない。

(規程の改廃)

第11条 この規程の改廃は、理事会の決議による。

附則

(特定取引以外のものであるときの経過措置)

第1条

依頼された事務が特定取引以外のものであるときは当分の間、次条以下の規定によるものとする。

(本人確認の方法に関する経過措置)

第2条

本規定第2条第1項第1号ア中「依頼者及びその代理人等」とあるのは、「依頼者又はその代理人等」として、同号ア中「第5条第1項に定める本人確認書類の提示を受ける方法」とあるのは、「第5条第1項に定める本人確認書類の提示を受ける方法」とあるのは、「第5条第1項に定める本人確認書類の提示を受ける方法その他司法書士の職責に照らし適切と認められる方法」とする。

2 本規定第2条第1項第2号アの適用については、当該法人の登記事項証明書又は印鑑登録証明書を取得している場合は、これらの提示を受けることを要しない。

附則

(施行期日)

1 この規程は、平成22年11月3日から施行する。

(施行期日)

1 この規程は、平成24年7月9日から施行する。

(施行期日)

1 この規程は、平成25年4月1日から施行する。

(施行期日)

1 この規程は、平成25年4月16日から施行する。

附則

(施行期日)

1 この規程は、平成28年3月15日から施行する。

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